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1.はじめに コンクリート床版の温度応力解析に関しては,既往の成果に

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Academic year: 2022

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(1)CS8‑035. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). コンクリート初期性状を考慮した床版の温度応力解析に関する一考察 石川島播磨重工業株式会社 石川島播磨重工業株式会社 石川島播磨重工業株式会社 駒井鉄工株式会社. 正会員 ○塩永 亮介 正会員 師山 裕 正会員 倉田 幸宏 正会員 高瀬 和男. 1.はじめに コンクリート床版の温度応力解析に関しては,既往の成果に. 橋軸直角方向応力:σy (打継ぎ目近傍). よりその温度やひずみ履歴はおおよそ実挙動を再現できること を示されてきた. 1),2). .しかし応力評価の上で,解析値の妥当性. を実験により直接的に検証するのは困難であるため,正確な物 性値の設定が必要とされる.とくに初期材齢時のヤング係数は. 床版支間:5,500 mm 床版厚:300~420 mm. 解析値に大きく影響を及ぼす条件である.現状ではコンクリー ト標準示方書(以下,コ示)に示す推定式が用いられるが,こ. 図-1.床版解析モデル 60. を対象とする場合,次のような問題点が指摘されている.. 50. ・ ヤング係数の推定式は,コンクリート温度 20℃一定の条件. 40. であり,内部発熱による温度依存性を考慮していない. ・ 発熱時の圧縮クリープを考慮するヤング係数の低減期間が. 温度 (℃). れは主にマスコンクリートを対象とした推定式とされ,床版等. 20℃一定 床版温度(主桁上). 30 20 10. 長く,温度下降時の収縮側のクリープも考慮してしまう.. 0 0.0. 本稿では上記の問題より,床版構造の温度応力解析における 物性条件を修正し,それが解析値に及ぼす影響を検証した. (1)評価手法. 30000. 外部拘束を受けやすい新床版の打継ぎ目近傍の応力(橋軸直角 方向)とし,材齢7日までの初期応力の評価とした.. ヤング係数 Ec (N/mm2). 35000. の早強コンクリートとした.応力評価位置は,先行打設床版の. 2.0. 3.0 4.0 5.0 材齢 t (day). 6.0. 7.0. 図-2.床版内部の温度履歴. 2.解析内容 解析モデルを図‑1 に示す.床版は,設計基準強度が 40 N/mm2. 1.0. 25000 20000 15000 10000. 通常材齢(20℃一定) 有効材齢(床版温度). 5000 0. (2)ヤング係数推定式の温度依存性. 0.0. 1.0. 2.0. 解析に用いるコンクリートのヤング係数 Ec(t)は,コ示[施工. ここで上式における材齢 t(日)は,コンクリートが 20℃一 定の場合の材齢である.しかし,床版内部の実際の温度履歴は 図‑2 のようになり,この温度依存性を考慮するため各節点の積 算温度から有効材齢 te(日)を用いる必要がある.有効材齢の 算出にはコ示[構造性能照査編]4)に示す以下の式[2]を用いた.. 6.0. 7.0. 35000 有効ヤング係数(N/mm2). [1]. 5.0. 図-3.有効材齢を考慮したヤング係数履歴. 編]3)に準じて,早強コンクリートの場合以下の式[1]を用いた. 2 t § · Ec (t ) = φ(t ) × 4700 × ¨ ¸ × f c′ (28) × 1.07 (N/mm ) © 2.9 + 0.97 ⋅ t ¹. 3.0 4.0 材齢 t (day). 30000 25000 20000 15000 初期低減なし 初期低減(t=3.0まで) 初期低減(t=0.75まで). 10000 5000 0 0.0. 1.0. 2.0. 3.0 4.0 材齢 t (day). 5.0. 6.0. 7.0. ª º (日) 4000 [2] ⋅ exp «13 . 65 − 図-4.初期クリープを考慮したヤング係数履歴 » 273 + T ( ∆ t i ) ¼ i =1 ¬ キーワード:温度応力解析、コンクリート床版,ヤング係数,有効材齢,初期クリープ te =. n. ¦ ∆t. i. 連絡先:〒235-8501 横浜市磯子区新中原町 1. TEL:045-759-2864 ‑275‑. FAX:045-759-2208.

(2) CS8‑035. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). ここに,Δti はコンクリート温度が T(℃)である期間を示す. に示す.初期の温度発熱時の発現性が大きくなることがわかる. (3)初期クリープを考慮したヤング係数の低減 温度応力解析では,発熱時の圧縮クリープを考慮し,初期材 齢のヤング係数を低減(式[1]中のφ(t))する.コ示[施工編]. 橋軸直角応力 σy (N/mm2). 式[2]で算出される有効材齢を考慮したヤング係数履歴を図‑3. 2.0. ではφ=0.73 とする低減期間を材齢3日とし,材齢5日にはφ. +0.26 N/mm2 1.0 0.0 0.0. 図‑3 に示すヤング係数を用いた応力解析結果を図‑5 に示す. 有効材齢を考慮したヤング係数を用いることで,材齢2日以降 の引張応力がやや大きく発生し,従来の解析値と比較し引張側. 4.0. 5.0. 6.0. 7.0. 材齢 t (day) 通常材齢(20℃一定) 有効材齢(床版温度). 図-5.応力解析結果(有効材齢) 2.0 橋軸直角応力 σy (N/mm2). 3.解析結果と考察. 3.0. -3.0. り,発熱過程の材齢 18hr までφ=0.73 とし,材齢3日にはφ=1.0 低減法による有効ヤング係数履歴を図‑4 に示す.. 2.0. -2.0. =1.0 に戻るとしている.本検討では図‑1 に示す温度解析結果よ に戻るような低減法に修正した.従来の低減法と今回修正した. 1.0. -1.0. +0.20 N/mm2. 1.0 0.0 0.0. 1.0. 2.0. -1.0. 3.0 4.0 5.0 材齢 t (day). 6.0. 7.0. 初期低減(t=3.0まで) 初期低減(t=0.75まで). -2.0 -3.0. へΔσy=+0.26 (N/mm2)程度シフトする結果を得た.また,図‑4. 図-6.応力解析結果(初期クリープ). に示すヤング係数を用いた応力解析結果を図‑6 に示す.従来の て,今回修正した応力履歴は引張側へΔσy=+0.20 (N/mm2)程度 シフトする結果を得た. さらに両者を組み合わせた場合の応力解析結果を図‑7 に示 す.有効材齢を考慮せず,初期クリープをコ示に準じた従来法 の応力解析結果 1.10 (N/mm2)に対し,修正後は 1.68 (N/mm2)と なり,その差はΔσy=+0.58 (N/mm2)と大きい.よって従来のマ. 3.0 橋軸直角応力 σy (N/mm2). ヤング係数の低減を材齢 3 日までとした場合の応力履歴に対し. 2.0 1.0 0.0 0.0. ひび割れの可能性は少ないと示される箇所でも,修正後の指数 は 1.5 程度と下がり,ひび割れ発生の確率はより高くなるとい う結果となった.. 3.0 4.0 材齢 t (day). 5.0. 6.0. 7.0. 応力度(従来) 応力度(修正) 引張強度(従来) 引張強度(修正). -3.0. 図-7.応力解析結果(組み合わせ) 5. れる.ただ,強度推定式に有効材齢を考慮することにより図‑7. ひび割れ指数(従来) ひび割れ指数(修正). 4 ひび割れ指数. 張応力)で比較した(図‑8) .従来法では指数は 2.0 以上となり. 2.0. -2.0. 想定される発生応力よりも小さめに評価していることが推察さ. れ発生の定量評価で用いられるひび割れ指数 I(=引張強度/引 c. 1.0. -1.0. スコンクリートと同様の物性条件で解析した場合では,床版で. に示すように,引張強度の履歴も変化する.そのため,ひび割. +0.58 N/mm2. 3. Ic=2.24. 2. Ic=1.56. 1 0 0.0. 1.0. 2.0. 3.0 4.0 材齢 t (day). 5.0. 6.0. 7.0. 図-8.修正前後のひび割れ指数の差. 4.まとめ. コンクリート床版を対象とした温度応力解析において,強度発現における温度依存性や初期クリープを考 慮する際の低減期間を修正した結果,従来のコ示[施工編]に準じたヤング係数推定式を用いた解析結果より も応力的に厳しい値が得られた.より厳密に施工初期のひび割れ発生の評価を行う上では,解析条件の中で このようなコンクリートの初期特性を正確に把握することが必要と思われ,今後実験による検証も含め検討 を進めていく予定である. 【参考文献】 1)倉田・河西・高瀬・丸山:有限要素法解析による長支間場所打ち PC 床版の施工時における応力評価に関 する研究,構造工学論文集 Vol.49A pp.825-832,2003.4 2)塩永・薮野ほか:場所打ち PC 床版2主桁橋の床版コンクリート 初期ひずみ特性「佐分利川橋」,第 57 回土木学会年次学術講演会,CS4-017 pp.143-144,2002.9 3)土木学会:コンクリー ト標準示方書[2002 年制定]施工編 4)土木学会:コンクリート標準示方書[2002 年制定]構造性能照査編 ‑276‑.

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