2021年 3月修了
早稲田大学大学院商学研究科
修 士 論 文
題 目
障害者の家計の経済活動に与える影響
家計パネルデータによる計量分析
研究指導 開発経済学 指導教員 主査 高瀬浩一教授
副査 片山東教授 百瀬優教授
学籍番号 35181021-4
氏 名 蒲生 修二郎
修士論文概要書
本研究の目的は障害者がその家族に与える影響を明らかにすることである。特に障害 者と同居していることによって生じる就労制約が、障害者の家族の就労時間に与える影 響について分析する。日本における障害者の経済学的研究は障害者本人を対象としたも のが主であった。その要因としては、一つ目に障害を医療モデルとして捉えてきたこと がある。近年、障害は社会の側にあると捉える障害の社会モデルが主流となり、障害者 を取り巻く環境も障害者を分析する上で重要な要素となっている。要因として、二つ目 にデータの制約がある。これまで日本の家計調査の中で障害者の情報を含んだものはほ とんど存在せず十分な研究を行うことができなかった。しかし、慶應義塾大学パネルデ ータ設計・解析センターが公表する家計調査『日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)
(2018)』において、2017年から家計内の障害者についての項目が設けられたことによ り、日本国内での障害者について家計のIDの特性を考慮した上での分析が可能となっ た。本研究は『日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)(2018)』を用いて研究を行なった。
初めに、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者本人の状況についてグラフを 用いてまとめた。『JHPS/KHPS(2018)』の障害者は主に高齢者であった。そのた め、『JHPS/KHPS(2018)』を用いた障害者の分析は介護の分野と密接に関係してい るということが予測される。障害者である場合、就労割合は低く健常者よりも低い。
また、障害者の就業形態は健常者と比べてパート・アルバイト、派遣社員、契約社 員・嘱託などの不安定な職種の割合が大きいことがわかった。障害者の既婚割合は健 常者とほぼ同じであった。『JHPS/KHPS(2018)』の障害者は主に身体障害者である ということが示唆された。
続いて、障害者と同居している家計とそうでない家計の状況を、グラフを用いて整理 した。家計において、世帯主は男性が、配偶者は女性が大部分を占めている。世帯主 と配偶者では就労割合が大きく異なり、世帯主の9割が就労していることに対して、
就労をしている配偶者は7割程度にとどまる。また、就労をしているものの就業形態 も世帯主と配偶者で大きく異なり、世帯主はフルタイムに相当する就労を行なってい るものがほとんどであるが、配偶者ではアルバイトやパートタイム、派遣といった不 安定な就業形態の割合が大きい。就労時間の平均値は世帯主と配偶者において大きく 異なり、配偶者は世帯の半分程度の時間しか一週間に働いていないことがわかった。
このように家計内での立場や、就労の仕方は性別で大きな偏りがあることがわかる。
また、障害を持った同居の家族がいる場合、配偶者の就労時間はさらに低下してい た。そのことから、障害者の同居は配偶者に対して負の影響を及ぼしていることがわ かる。さらに、障害者が同居している家計では家計の等価所得は中央よりも低くなる ことがわかった。以上の障害者とその家族の状況の整理から、障害は障害者本人に加 えて、その家族にも大きく影響を及ぼしているという実態が窺える。
以上の障害者の状況を踏まえた上で、障害者が同居していることによる世帯主と配偶 者に対する就労時間への影響をPoisson pseudo-maximum-likelihood Regression
Modelを用いて分析した。2017年と2018年のデータそれぞれについてクロスセクシ
ョン分析を行い、次にデータの整理を行い、パネルデータ分析を行った。
クロスセクション分析、パネルデータ分析ともに配偶者において、障害者が同居して いることの就労時間への負の影響が確認された。また、配偶者にとって小さい子供が いることも、就労に対して負の影響があることも確認された。一方で、世帯主では障 害者が同居していることや子供の影響は見られなかった。このことから、家計内の立 場によって障害者や子供の就労時間への影響は大きく異なっているということが示唆 された。
また、世帯主と配偶者どちらにおいても、等価所得が低くなるほど就労時間が低下す ることが有意に推定された。そのことから、等価所得が低い家計では就労時間を増や すことができない要因があると予測され、障害者の同居等により就労が制約されてい ることが考えられる。そのため、家計に障害者の同居等による就労制約があること が、その家計が低所得層に入る要因となっている可能性が示唆された。
続いて、障害者が同居している家計のみにデータを絞り、同居の家族に障害が発生し た前と後で世帯主や配偶者の就労時間に変化があるかを分析したが、有意な結果は得 られなかった。これは、障害者がいる家計のみに限った分析を行うために十分なサン
プルが得られなかったことが要因である。
本研究全体を通して、障害は障害者本人だけではなく同居する家族へも影響している ということが確認された。この結果から、障害を医療モデルではなく社会モデルとし て捉えることが重要であるということがわかる。障害者に対する支援は障害者本人だ けではなくその家族に対しても行われなければならない。
日本において家計調査を用いた障害者の分析を行った研究が駒村他(2018)のみである ことや、配偶者への同居の障害の影響を分析した研究は海外においてもParodi(2008) の他に見当たらず、Parodi(2008)においては障害者の影響は有意に推定されなかった ことから、本研究で配偶者に対する同居する障害者の影響が確認されたことは大きな 貢献である。また、『JHPS/KHPS(2018)』のデータは利用する上で様々な整理を行 い『JHPS/KHPS(2018)』が持つ障害者の情報の引き出し方と、その限界を示したこ とも一つの貢献である。
また、本研究は『JHPS/KHPS(2018)』のデータに障害者の質問項目が加わったこ とによって可能となった。そのため、日本において障害者の分析が深まるためには、
『JHPS/KHPS(2018)』のように家計データとしての調査が行われ、公開されていく ことが不可欠である。
今後の研究の発展としては、『JHPS/KHPS(2018)』において障害者のデータが蓄積 されることを待ちより詳細な分析を行う。また、propensity-score-matchingなどの手
法を用いて分析を行う。
《参考文献》
Giuliana Parodi & Dario Sciulli (2008) Disability in Italian households:income, poverty and labour market participation, Applied Economics, 40:20, 2615-2630,
DOI:10.1080/00036840600970211
駒村康平・山田篤裕・四方理人(2018)「障害等により手助けや見守りを要する世帯における 就労抑制」,厚生労働省科学研究費補助金政策科学総合研究事業
慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター、『JHPS/KHPS(2018)』
目次
修士論文概要書 ...2
第1章 はじめに ...1
第2章 先行研究...3
第3章 データと障害者の定義 ...6
3.1. データ... 6
3.2 障害者の定義 ... 7
第4章 『JHPS/KHPS(2018)』の障害の状況 ...9
4.1 2017年と2018年の障害者の状況 ... 9
4.2 障害者と同居の調査対象者とその配偶者の2017年と2018年の状況 ... 32
第5章 クロスセクション分析... 44
5.1 分析のフレームワーク ... 44
5.2 PPMLモデル... 45
5.2.1 被説明変数 ... 46
5.2.2 主要な説明変数 ... 47
5.2.3 その他の説明変数 ... 48
5.2.4 基本統計量 ... 50
5.2.5 推定結果 ... 52
第6章 パネルデータ分析 ... 58
6.1 データの整理 ... 58
6.2 固定効果POISSON REGRESSION バージョン1 ... 60
6.3 推定結果 ... 61
第7章 障害同居IDのみの分析 ... 65
7.1 データの整理 ... 65
7.2 固定効果POISSON REGRESSION バージョン2 ... 65
7.3 推定結果 ... 66
第8章 結論 ... 69
《参考文献》 ... 72
障害者の家計の経済活動に与える影響
家計パネルデータによる計量分析
蒲生修二郎
第 1 章 はじめに
本研究の目的は障害者がその家族に与える影響を明らかにすることである。特に障害 者と同居していることによって生じる就労制約が、障害者の家族の就労時間に与える影 響について分析する。日本における障害者の経済学的研究は障害者本人を対象としたも のが主であった。その要因としては、一つ目に障害を医療モデルとして捉えてきたこと がある。近年、障害は社会の側にあると捉える障害の社会モデルが主流となり、障害者 を取り巻く環境も障害者を分析する上で重要な要素となっている。
要因として、二つ目にデータの制約がある。これまで日本の家計調査の中で障害者の 情報を含んだものはほとんど存在せず十分な研究を行うことができなかった。しかし、
慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターが公表する家計調査『日本家計パネル調 査(JHPS/KHPS)(2018)』において、2017年から家計内の障害者についての項目が設 けられたことにより、日本国内での障害者について家計のIDの特性を考慮した上での 分析が可能となった。
本研究では『日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)(2018)』を用いて障害者についての 分析を行った。まず、『日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)(2018)』のデータを整理し、
障害者の情報が得られる2017 年と2018年の二年間の障害者の状況を、グラフを用い てまとめた。データに含まれる障害者の多くは高齢者であり、その障害は主に身体障害 であることが予測される。また、就労をしている障害者の割合は健常者に比べて大幅に 低くなっているということがわかった。
そして、家族 ID から世帯主とその配偶者に注目し、障害者が同居していることによ る週就労時間への影響をPoisson pseudo-maximum-likelihood Regression Modelを用い てクロスセクション分析とパネルデータ分析を行った。分析の結果、クロスセクション 分析においても、パネルデータ分析においても、配偶者において障害者が同居している ことによる週就労時間への負の影響が確認された。また、配偶者において0から5歳ま での子供がいる場合にも就労時間への負の影響が確認された。どのモデルにおいても、
係数を比較すると障害者よりも 0 から 5 歳までの子供の方が負の影響が大きかった。
しかし、子供は成長とともに負担は次第に軽くなっていくが、慢性的な障害の場合は負 担が長期間持続することが予測される。このように障害者と子供ではその負担の性質が 異なるため、係数の大きさから障害者と 0 から 5 歳までの子供の配偶者へ与える影響 の大きさを比較することは早計であるといえる。
最後に、データを障害者が同居している ID のみに絞り、障害の発生の以前と以後で
の世帯主と配偶者の週就労時間への影響を分析した。分析の結果、世帯主、配偶者とも に障害の週就労時間への影響は認められなかった。しかし、用いたデータのサンプルサ イズが小さく、十分な分析が行えなかった恐れがある。そのため、より正確に障害者が 同居している者
のみの分析を行うためには『日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)(2018)』において障 害者の情報が蓄積されなければならない。
本 研 究 と 同 様 に 障 害 者 が 与 え る 配 偶 者 の 就 労 へ の 影 響 を 分 析 し た 研 究 に Parodi(2008)があるが、Parodi(2008)の研究ではロジットモデルの分析の結果、障害者 のダミー変数の係数は有意に推定されていなかった。そのため、本研究において障害者 が同居していることによる就労への影響が確認されたことは一つの貢献である。
第2章 先行研究
障害者を含む世帯(以下、障害者世帯。)に関する研究を行ったものに Parodi & Sciulli (2008)の論文がある。この研究は、イタリアの家計調査(Survey of Italian Households Income and Wealth Data)を用いている。Parodi & Sciulli (2008)によれば障害者を含む 家計においては、そうで無い世帯と比べて配偶者は障害を持つ家族の世話をしなくては
ならないため、外へ働きに出る可能性が下がるということがロジットモデルを用いた回 帰分析の結果は有意に推定されなかったものの、障害家計と非障害家計の配偶者の就労 確率の差が大きいということが報告されている。論文の中では、世帯において障害者が 存在することは一人ではなく二人分の収入を失うことに等しいとされ、障害者家計には 障害者手当として二人分の収入に相当する額が支給されるべきだと結論づけている。
また、障害が発生したことによる障害者本人 の就労への影響を分析したものに Poidano & Vu(2013)の研究がある。オーストラリアの家計調査(Income and Labour Dynamics in Australia)を用い、PSM-DID分析を行っている。Poidano & Vu((2013)に よれば、中等教育より高い学歴を持たない者にとって障害の発生による就労への影響は 高い学歴のものと比べて大きいとされている。また、障害発生による就労率の減少はパ ートタイム雇用よりも常勤雇用の方が大きいことが指摘されている。
また、障害の発生が及ぼす家計への影響を分析したものにBales(2013)の論文がある。
この研究はベトナムでの家計調査(Vietnam Household Living Standards Survey)を用い、
障害や病気が発生したことによって、家計全体としての所得や支出、就労時間等がどの ような影響を受けるかについてPoisson Regression Modelを用いて分析したものである。
Bales(2013)によれば障害の発生は、世帯全体での一年間の就労日数を低下させること が報告されている。また、障害の発生によって私費での医療費の支払いが増加するとい うことが報告されている。
同様に、家計を対象として障害の影響を分析したものにJolly(2013)の研究がある。ア メリカの家計調査(the Panel Study of Income Dynamics)の1968年から2007年までのデ ータを用い、家計において障害者が発生したことによる所得への影響を分析したもので
ある。Jolly(2013)によれば、障害者が発生した家計はより低い所得層へと下がる確率が
増し、とくに、所得の最下層に属する確率が顕著に増加し、少なくともこの傾向は障害 の発生から10年後までも続くことが報告されている。
また、日本国内で行われた研究には駒村他(2018)がある。この研究は厚生労働省
「国民生活基礎調査(平成22、25年)」の個票データを用いて、障害者を持つ家族に 対する就労抑制を分析している。要介助障害児による就業抑制効果は父親より母親で 統計的に有意であり、その抑制の度合いはいずれの子どもの年齢階級でも(要介助障 害のない)未就学の子どもと同程度かそれ以上であること、また父親でも要介助障害 児がいる場合、正規雇用確率を有意に低下させること、また要介助障害児(6-18 歳)がいる場合、父母とも悩みやストレスの有無やこころの健康状態(K6)が有意に 悪化すること等が明らかにされた。
このように、家計調査を用いた障害者の研究としては就労、収入、支出に着目して研 究が主である。また、障害者本人を対象とした研究と障害者を持つ家族を対象とした研 究があるが、江尻(2013)が指摘する通り、現在日本で行われている研究のほとんどが 障害者本人を対象としたものであるため、障害の世帯単位での影響を分析する研究がな
されていく必要がある。
第 3 章 データと障害者の定義
3.1 データ
本研究では慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターが公開する『日本家計パネ ル調査(JHPS/KHPS)(2018)』(以降、『JHPS/KHPS(2018)』)を用いる。『JHPS/KHPS
(2018)』は家計調査であり、その調査対象者は層化 2 段無作為抽出法により選定され ている。調査項目は主に就業、所得、教育、健康・医療である。
『JHPS/KHPS(2018)』は、(旧)「日本家計パネル調査(JHPS)」と(旧)「慶應義塾 家計パネル調査(KHPS)」が統合されたものである。(旧)「日本家計パネル調査(JHPS)」
は2009年から(旧)「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」は2004年からそれぞれ異な る調査票を用いて実施されて来たが、2014年にその調査票は統合された。
『JHPS/KHPS(2018)』では、上記の方法で抽出された対象者と、もしその対象者が 既婚者であれば、その配偶者にも同様の質問を行っている。家族に対しても各年度でID が割り振られているが、各IDを比較すると同一の特性を持つ家族が年度によって異な るIDが割り振られていることから、家族の IDはパネルデータとしては一貫していな いということが予測される。これらのデータの特性を踏まえ、それぞれの分析において
適したデータとなるよう、データを整理していく。どのような整理を加えたかは、それ ぞれの分析において報告する。
3.2 障害者の定義
障害者の数は、障害者をどのように定義するかによって大きく変化する。「日本で は、統計上で障害者を把握する際には、(医学モデルに基づくものとして批判の対象 となることもあるが)障害者手帳の交付条件で障害を定義し、その所持者を障害者と することが一般的になっている」(駒村他,2018,p.2)と、指摘されている通り、日本 では障害者を障害者手帳の有無で捉える傾向が強い。障害者雇用率制度や様々な施設 利用の際の障害者割引の多くが障害者手帳の交付が条件となっている。
一方で、海外では主観的な自己評価に基づいた障害者を把握する方法が用いられてい る。(駒村他,2018,p.2)
障害の社会モデルに基づけば、障害者を把握する際には、海外で用いられているよう な、主観的な自己評価による方法が用いられるべきである。なぜならば、障害者手帳の 取得には抵抗を感じるものもいるため、障害者の定義を障害者手帳の交付とした場合に は、障害者の数は過少に集計されてしまうと予測されるためである。そのため、本研究 においては、障害者手帳の交付を受けていないものについても、慢性的な日常生活の制 限があれば障害者とする。
『JHPS/KHPS(2018)』において、家計における障害者の有無を特定できる質問が設 けられているのは、2009年、2010年、2017年、2018年のみである。このうち、2009 年、2010年においては、その質問は「ご家族に障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は いらっしゃいますか。」というもので、ただ家族に障害者手帳を持っているものがい るかどうかを尋ねるのみで、その障害者手帳を持っているもののIDを特定することが できないため、その障害者が回答者本人かどうかや、同居をしているかどうかについ て特定することができない。一方で、2017年、2018年における調査票では障害を持つ もののIDに加えて障害者手帳の有無、その日常生活になってからの期間、影響のある 日常生活の領域について質問している。
『JHPS/KHPS(2018)』の2017年、2018年における障害者についての質問は一般的 な医学モデルに基づく統計上の障害者の把握ではなく、障害の社会モデルに基づい た、障害をより広い意味で捉えた質問の仕方となっている。障害者を特定する質問に おいて、障害者手帳を所持しているものだけではなく、障害者手帳を持たない慢性的 な日常生活の制限があるものも把握できるような質問の設計となっている。また、そ の日常生活の状況になってからの期間も質問されており、障害の影響を過去に遡って みることも可能である。
一方で、『JHPS/KHPS(2018)』の2017年、2018年における調査票では、障害の 種別に関する項目は設けられていないため、それぞれの障害者が身体障害者、知的障
害者、精神障害者のいずれの障害者であるかを特定することはできない。そのため、
本研究ではそれぞれ障害種別の区別なく障害者として扱うこととする。
第4章 『JHPS/KHPS(2018) 』の障害の状況
4.1 2017 年と 2018 年の障害者の状況
『JHPS/KHPS(2018)』の調査に回答した家計の数は2017年では4626家計で、
2018年では4291家計であった。また、その各家計に含まれる家族一人一人に割り当て られた家族IDの合計は2017年が33060人、2018年が28340人であった。(年齢、続き 柄が不明なもの、性別が不明なものまた年齢が110歳を超えるものについては除外して いる。)
Figure.4.1.1では、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれるすべての家族IDを2017年と 2018年において年代別にヒストグラムで表したものである。一方、Figure.4.2.2は国立 社会保障・人口問題研究所がホームページで公表している、2020 年度の人口推計の値 を基に作成したヒストグラムである。Figure.4.1.1 と Figure.4.1.2 を比較すると、
『JHPS/KHPS(2018)』は60代以上の高齢者の割合が高いことがわかる。
Figure.4.1.1 家族ID全体の年齢別ヒストグラム
Figure.4.1.2 2020年度の人口推計
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ
2017年では、『JHPS/KHPS(2018)』の家族IDで何かしらの障害を持っているもの は1068人であった。また、そのうち障害者手帳を所有しているものが448人、所有し ていないものが620人であった。2018年においては家族IDで何かしらの障害を持って いるものは1308人であった。また、そのうち障害者手帳を所有しているものが503 人、所有していないものが805人であった。家族IDに含まれる障害者のうち調査回答 者と同居しているものは、2017年では手帳あり障害者で200人、手帳なし障害者では 188人ではあった。また、2018年では手帳あり障害者は264人、手帳なし障害者では 278人であった。(年齢、続き柄が不明なもの、また年齢が110歳を超えるものについ ては除外している。)
2017年から2018年にかけて障害者の数が大きく増加している。特に、手帳なし障害 者の増加が顕著である。これは、『JHPS/KHPS(2018)』に障害の項目が設けられた ばかりであるために、2017年において障害の項目に関して回答しなかった調査回答者 がいた可能性が予測される。
障害者が家族ID全体に占める割合は、2017年では約3.2%で、2018年では約4.6%で ある。『令和2年版障害者白書』によれば障害者の人口に占める割合は、全体の7.6%
であるとされていることを踏まえると、『JHPS/KHPS(2018)』の障害者の捕捉率は 低いということがわかる。また、同居の障害者がいる家計は2017年では288家計で、
2018年では375家計であった。このことから、障害者が同居している家計の割合は、
2017年では6.3%、2018年では8.7%であることがわかる。障害者の捕捉率が低いこと を踏まえると、障害者を持つ家計の実際の割合はより高い値であることが予測され る。
Figure.4.1.3は『JHPS/KHPS(2018)』に含まれるすべての家族IDのうち障害者手 帳を所有しているもの、Figure.4.1.4は所有していないものを年代別に2017年と2018 年それぞれヒストグラムで表したものである。グラフを見ると障害者手帳の有無に関 わらず70代以上において障害を持つものが多いことがわかる。『令和2年版障害者白 書』によれば2016年において身体障害者の72.6%が65歳以上であり、知的障害者、精 神障害者においては65歳以上の割合は高くないことから、『JHPS/KHPS(2018)』の 障害者の多くは身体障害者であると予測される。また、手帳なし障害者では50代以下 の割合が低いことに比べ、手帳あり障害者では50代以下の割合が手帳なし障害者に比 べて高いことがわかる。これは、手帳なし障害者の多くが、高齢となるにつれて身体 的に制約が加わったことが障害の要因であるためだと予測される。一方で、若年のう ちに障害を負ったものの多くは障害者手帳を取得しているということが窺える。
Figure.4.1.3 手帳あり障害者の年齢別ヒストグラム
Figure.4.1.4 手帳なし障害者の年齢別ヒストグラム
また、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者のうち同居しているものに限り、
Figure.4.1.5では手帳を所有しているもの、Figure.4.1.6は所有していないものを年代別 に2017年と2018年それぞれヒストグラムで表したものである。グラフを比較すると、
同居に限った場合では、そうでないものと比べて、手帳の有無に関わらず、60代上の 高齢者を合わせた割合が減少していることがわかる。これは、障害を持っている高齢 者の一部はグループホームなどに入所しているため調査回答者とは同居していないと いうことが予測される。しかし、依然として障害者の大半は高齢者である。
Figure.4.1.5 同居手帳あり障害者の年齢別ヒストグラム
続いて、調査対象者から見た障害者の続き柄についてみる。Figure.4.1.7、
Figure.4.1.8はそれぞれ調査回答者からみた家計内の障害者の続き柄の割合を2017年 2018年について、調査回答者の年代別に%で表している。Figure.4.1.9、Figure.4.1.10 は障害者が同居しているものに限り2017年2018年について掲載している。
Figure.4.1.7、Figure.4.1.8をみると、手帳あり障害者では、いずれの年度においても調 査回答者が60代以下の場合、障害を持っているものは主に父母か配偶者の父母である ことがわかる。しかし、年代が上がるにつれて父母と配偶者の父母の割合は徐々に小 さくなっていることも見て取れる。代わりに本人や配偶者の割合が大きくなってい る。一方、手帳なし障害者ではいずれの年度においても、父母と配偶者の父母を合わ
Figure.4.1.6 同居手帳なし障害者の年齢別ヒストグラム
せた値が50%を超えている。また、60代以下においての本人の割合が手帳あり障害者 と比べて低いことも特徴である。
Figure.4.1.9、Figure.4.1.10をみると、手帳あり障害者では同居以外も含めた場合と 比べて、60代以下における本人と子供の割合が高くなっていることがわかる。その代 わりに父母と配偶者の父母の割合は、依然として大きくはあるが、同居以外も含めた 場合と比べると低くなっていることがわかる。一方、手帳なし障害者では、同居以外 も含めた場合と比べて同居に限った場合には大きな割合の変化はない。
同居に限った場合でも、そうでない場合でも、家族の中で障害を持っているもの は、調査回答者から見れば親に当たる、父母と配偶者の父母が最も多いことがわかっ た。このことから、障害と介護の分野は密接に関係していることが窺える。
Figure.4.1.7 障害者の続き柄、調査回答者年代別(2017)
Figure.4.1.8 障害者の続き柄、調査回答者年代別(2018)
Figure.4.1.9 同居障害者の続き柄、調査回答者年代別(2017)
続いて、障害者の就労についてみる。『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者のう ち、就労の有無についてわかるものは、手帳あり障害者で、2017年は87人、2018年で は107人であった。手帳なし障害者では、2017年は22人、2018年では65人であった。
また、そのうち就労をしていたものは、手帳あり障害者で、2017年は33人、2018年で は45人であった。手帳なし障害者では、2017年は11人、2018年では44人であった。健 常者においては、就労の有無についてわかるものは、2017年は16035人、2018年では 14605人であった。そのうち就労をしていたものは、2017年は8344人、2018年では 7730人であった。
同居の障害者のみに対象を限ると、就労の有無について回答をしているものは、手
Figure.4.1.10 同居障害者の続き柄、調査回答者年代別(2018)
帳あり障害者で、2017年は67人、2018年では88人であった。手帳なし障害者では、
2017年は16人、2018年では38人であった。また、そのうち就労をしていたものは、手 帳あり障害者で、2017年は25人、2018年では34人であった。手帳なし障害者では、
2017年は7人、2018年では23人であった。健常者においては、就労の有無についてわ かるものは、2017年は12162人、2018年では10979人であった。そのうち就労をして いたものは、2017年は6129人、2018年では5615人であった。(年齢、続き柄が不明 なもの、性別が不明なもの、また年齢が生産年齢人口に含まれないものについては除 外している。)
Figure.4.1.11では、就労をしている割合を健常者、手帳あり障害者手帳なし障害者に 分けて2017年と2018年それぞれについて掲載している。また、Figure.4.1.12は調査対 象者と同居しているものに限り、就労をしている割合を健常者、手帳あり障害者手帳 なし障害者に分けて2017年と2018年それぞれについて掲載している。グラフを見る と、年度や同居の有無に関わらず、障害者は健常者と比較して働いている割合が低い ことがわかる。また、手帳あり障害者に比べ、手帳なし障害者の方が就労割合は高く なっている。これは、手帳あり障害者に比べて手帳なし障害者の方が障害の程度が軽 いためであると予測される。また、同居のみに限った場合とそうでない場合を比べる と、手帳あり障害者でも手帳なし障害者でも、同居のみに限った場合の方が就労割合 は低下していることがわかる。このことから、同居をしている障害者は同居をしてい
ない障害者と比べ障害の程度が重いということが予測される。
Figure.4.1.11 就労割合
Figure.4.1.12 就労割合 (同居)
続いて、就労をしているものの就業形態についてみる。就業形態について回答があっ たものは、健常者では、2017年は11678人、2018年は10617人であった。手帳あり障 害者では、2017年は33人、2018年は43人であった。手帳なし障害者では、2017年は 11人、2018年は44人であった。同居に限った場合では、健常者は、2017年は5974 人、2018年は5497人であった。手帳あり障害者では、2017年は25人、2018年は33人 であった。手帳なし障害者では、2017年は7人、2018年は23人であった。以上のよう に、障害者のサンプルサイズは極めて小さくなることから、就業形態の比較にあたっ ては、単純な比較には注意が必要であるということがわかる。(年齢、続き柄が不明 なもの、性別が不明なもの、また年齢が生産年齢人口に含まれないもの、就労をして いないものについては除外している。)
Figure.4.1.13では、就労者の就業形態の割合を、健常者、手帳あり障害者、手帳なし 障害者ごとに掲載している。2017年の障害者手帳なし以外の障害者の就業形態を健常 者の就業形態と比較すると、障害者の方がパート・アルバイト、派遣社員、契約社 員・嘱託の割合が高く、障害者の就業形態は不安定なものであることがわかる。2017 年の手帳なし障害者においては正規の職員・従業員の割合が大きく占めているが、サ ンプルサイズが11人と小さいため偏った結果が出ていると予測される。2018年にはサ ンプルサイズが44人に増えると、その就業形態の割合は手帳あり障害者の割合と似通
った分布となっていることからも、2017年の結果は大きく偏ったものであるというこ とが窺える。
Figure.4.1.14では、就労者の就業形態の割合を、同居のものに限って掲載している。
Figure.4.1.13とFigure.4.1.14を比較しても、同居に限った場合とそうでない場合の間 に大きな差は見受けられない。
Figure4.1.13 就業形態割合
次に、障害者の最終学歴についてみる。『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる家族ID のうち、最終学歴について回答があったものは、健常者では、2017年で30925人、
2018年で26066人であった。手帳あり障害者では、2017年で432人、2018年で481人で あった。手帳なし障害者では、2017年で601人、2018年で772人であった。調査回答者 と同居のものに限った場合では、健常者では、2017年で13235人、2018年で12180人 であった。手帳あり障害者では、2017年で194人、2018年で225人であった。手帳なし 障害者では、2017年で180人、2018年で267人であった。(年齢、続き柄が不明なも の、性別が不明なものについては除外している。)
Figure.4.1.15では、最終学歴の回答があったものの年代の割合を、健常者、手帳あ
Figure.4.1.14 就業形態割合(同居)
り障害者手帳なし障害者ごとに表したものである。また、Figure.4.1.16は、
Figure.4.1.15を調査回答者と同居の家族IDに限り掲載したものである。同居に限った 場合でもそうでない場合でも、障害者は60代以上の高齢者が大きな割合を占めている ことがわかる。その傾向は、手帳あり障害者よりも手帳なし障害者の方が強く、年度 や同居に関わらず常に85%以上を占めている。ただ、同居に限ったFigure.4.1.16で は、Figure.4.1.15と比べて、手帳の有無に関わらず、60代上の高齢者を合わせた割合 が減少していることがわかる。これは、Figure.4.1.5と同様に、障害を持っている高齢 者の一部は調査回答者とは同居せずに、グループホームなどに入所しているというこ とが予測される。
Figure.4.1.15 最終学歴年代割合
Figure.4.1.17は『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる家族IDの最終学歴の割合を、健 常者、手帳あり障害者、手帳なし障害者について表したものである。また、
Figure.4.1.18を調査回答者と同居の家族IDに限り掲載したものである。Figure.4.1.17 をみると、手帳の有無に関わらず、健常者と比べ最終学歴が高等学校以下のものが多 く、全体の半数以上の割合を占めていることがわかる。Figure.4.1.18で同居のものの みに限った場合も同様の傾向が見られる。しかし、Figure.4.1.15、Figure.4.1.16で見 た通り、最終学歴の回答者のうち障害を持っている者の多くは、60代以上の高齢者で ある。Figure.4.1.19は健常者の最終学歴の年代別の割合を示したものであるが、年代 が上がるにつれて最終学歴が高等学校以下のものの割合が増加していき、70代でピー
Figure.4.1.16 最終学歴年代割合(同居)
クを迎えていることがわかる。そのため、Figure.4.1.17、Figure.4.1.18において、障 害者の方が、最終学歴が高等学校以下である者の割合が大きくなっているのは、障害 者の大部分を高齢者が占めていることによる影響が大きくあることがわかる。そのた め、障害を持っていることによる最終学歴への影響をグラフから判断することは難し い。
Figure.4.1.17 最終学歴割合
続いて、配偶関係についてみる。『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる家族IDのう
Figure.4.1.18 最終学歴割合
Figure.4.1.19 健常者年代別最終学歴割合
ち、配偶関係について回答があったものは、健常者では、2017年で28427人、2018年 で26094人であった。手帳あり障害者では、2017年で430人、2018年で482人であっ た。手帳なし障害者では、2017年で566人、2018年で752人であった。調査回答者と同 居の場合に限った場合では、健常者では、2017年で13406人、2018年で12401人であ った。手帳あり障害者では、2017年で198人、2018年で255人であった。手帳なし障害 者では、2017年で174人、2018年で262人であった。(年齢、続き柄が不明なもの、性 別が不明なものまた年齢が110歳を超えるものについては除外している。)
Figure.4.1. 20は、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる家族IDで既婚しているもの割合 を健常者、手帳あり障害者、手帳なし障害者について表したものである。また、
Figure.4.1.21 は、家族IDのうち、調査回答者と同居のものに限り既婚割合を表して
いる。Figure.4.1.20をみると、どの年度においても障害者に比べて健常者の方が既婚 割合は高いが、その値に大きな差があるとは言えない。また、Figure.4.1.21をみる と、Figure.4.1.20と比べて、健常者、手帳あり障害者、手帳なし障害者ともに既婚割 合は低下しているが、その値は小さいため、大きな変化はない。障がい者総合研究所 が内閣府『平成25年度 障害者白書』と統計局『平成27年 国勢調査』を基に作成し たFigure.4.1.22「健常者と障がい別の配偶者の有無」によれば、障害の種別によって 既婚者の割合は大きく変化することがわかる。既婚割合はそれぞれ、身体障害者では 60.2%、精神障害者では34.6%、知的障害者では2.3%となっている。Figure.4.1.20、
Figure.4.1.21において『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者の既婚割合を見る と、いずれも60%に近い値を取っていることから、『JHPS/KHPS(2018)』の家族ID に含まれる障害者の多くは身体障害者であることが予測される。
Figure.4.1.20 既婚割合
以上が、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者の2017年と2018年における状況 である。以下において、2017年と2018年の障害者の状況のまとめを行う。
『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる障害者は高齢者に多く偏っている。また、同居
Figure.4.1.21 既婚割合(同居)
Figure.4.1.22 健常者と障がい別の配偶者の有無
出典:障がい者総合研究所がホームページ
しているもののみに限った場合、高齢者の割合が小さくなることから障害を持った高 齢者の一部はグループホームなどを利用していることが予測される。また、手帳なし 障害者に比べて、手帳あり障害者の方が50代以下の割合が大きい。調査対象者からの 続き柄をみると、調査対象者の年齢が50代以下の年代においても本人や配偶者、そし て子供などの若い世代に相当する続き柄の割合が高かった。しかし、調査回答者の年 齢が60代以下である場合、障害者の大部分の割合を調査回答者の親に当たる、父母と 配偶者の父母が占めている。また、70代以降においては、本人や配偶者の割合が大部 分を占めていることから、手帳あり障害者も手帳なし障害者もそのほとんどは高齢者 であるということが、続き柄を通しても窺える。そのため、『JHPS/KHPS(2018)』
のデータを用いて障害者の分析をする場合、その結果は介護の分野と大きく関係して いるということが予測される。就労についてみると、障害者の就労割合は健常者と比 べて大きく低いということがわかった。また、手帳あり障害者に比べて手帳なし障害 者の方が就労割合は高いことから、手帳なし障害者よりも手帳あり障害者の方が障害 の程度が重いということが予測される。さらに、同居の障害者のみに限った場合では 手帳の有無に関わりなく就労割合が低下することから、別居の障害者と比べ、同居の 障害者の方が障害の程度は重いと予測される。障害者の就業形態は、健常者と比較す ると障害者はパート・アルバイト、派遣社員、契約社員・嘱託などの不安定な職種の 割合が大きいことがわかった。最終学歴は障害者の場合、高等学校以下である割合が
高いものの、もともと障害者は高齢者の割合が高く、高齢になるほど全体に占める高 等学校以下の学歴の割合は高まることから、障害者であることが低学歴につながって いるかどうかについては判断をすることはできなかった。最後に、配偶関係について は、健常者と障害者で大きな違いは見受けられなかった。しかし、障害者の既婚割合 の値と障害者総合研究所が作成したグラフと比較すると、『JHPS/KHPS(2018)』で の既婚割合はその値は身体障害者のものと近い値となっているため、『JHPS/KHPS
(2018)』の障害者の多くは身体障害者であると予測される。
4.2 調査対象者とその配偶者の 2017 年と 2018 年の状況
家計に障害者がいる場合、その家族は様々な制約を受けることが予測される。
『JHPS/KHPS(2018)』では、調査対象者とその配偶者(以下本章においては、対象 者)に対して、質問を行なっている。本章では、対象者のうち障害者が同居している もの(以下、障害者あり)とそうでないもの(以下、障害者なし)との間に、どのよ うな差があるかを2017年と2018年においてみる。
対象者のうち、障害者なしのもの数は2017年では8667人、2018年では7806人であ った。一方、障害者ありのものの数は、2017年では585人、2018年では776人であっ た。またそのうち、家族が障害者手帳を所有していたものは、2017年では386人、
2018年では301人であった。以上から『JHPS/KHPS(2018)』の対象者のうち2017年
では約6.3%、2018年でも約9.0%が同居の障害者がいるということがわかる。(年 齢、続き柄が不明なもの、性別が不明なもの、年齢が110歳を超えるもの、対象者本人 が障害者であるものについては除外している。)
対象者の年代のヒストグラムを、Figure.4.2.1では障害者なしの場合、Figure.4.2.2は 障害者ありの場合を表している。障害者なしの場合、対象者の年代は40代から70代に 集中している。一方で、障害者ありの場合50代と60代のみに集中していることがわか る。Figure.4.1.10をみると、調査対象者が50代から60代であるとき、障害を持つ家族 の続き柄は、本人を除くと主に配偶者、子供、父母、配偶者の父母であることから、
Figure.4.2.2においても障害者の続柄は、主に配偶者、子供、父母、配偶者の父母と予 測される。
Figure.4.2.3では障害者なしの対象者が世帯主、配偶者、またはその他である割合を 各年代において表したものである。Figure.4.2.4では障害者ありである場合の対象者が 世帯主、配偶者、またはその他である割合を各年代において表したものである。障害 者の同居や年度に関わらず、40代から60代にかけて世帯主と配偶者の割合が高く、高 齢や若年になるに従ってその他の割合が大きくなっている。また、2018年では2017年 と比べてどの年代においても世帯主と配偶者の割合は低く、その他の割合が大きくな っていることがわかる。障害者ありの30代では特に、世帯主と配偶者の割合が大きく 落ちている。
Figure.4.2.2 対象者の年代別ヒストグラム(障害者あり)
Figure.4.2.5は障害者なしの対象者全世代での男女比を世帯主、配偶者、その他に分 けて表したものである。また、Figure.4.2.6は障害者ありの対象者について、全世代で の男女比を世帯主、配偶者、その他に分けて表したものである。Figure.4.2.5と Figure.4.2.6を比較しても障害者なしと、障害者ありでは大きな差はない。いずれにお
Figure.4.2.3 年代別対象者の家計内での立場(障害者なし)
Figure.4.2.4 年代別対象者の家計内での立場(障害者あり)
いても、世帯主では男性8割以上、配偶者では女性が9割以上を占めており、その他 では男女比は半々であった。
続いて、就労の有無についてみる。対象者のうち就労の有無がわかるものは、障害
Figure.4.2.5 男女比(障害者なし)
Figure.4.2.6 男女比(障害者あり)
者なしでは、2017年は5039人、2018年は4698人であった。また、障害者ありのうち 手帳有りのものでは、2017年は169人、2018年は219人であった。手帳無しのもので は、2017年では165人、2018年では207人であった。(年齢、続き柄が不明なもの、性 別が不明なもの、年齢が110歳を超えるもの、対象者本人が障害者であるもの、生産洗 礼人口に含まれないものは除外している。)
Figure.4.2.7、Figure.4.2.8では対象者の就労割合をそれぞれ2017年と2018年につい て表している。二つのグラフを見ると、対象者の家庭内の立場や、家族の障害によっ て大きく就労割合に差があることがわかる。世帯主と配偶者、その他を比較したと き、障害者の同居や年度にかかわらず、最も就労割合が低いものは配偶者であった。
Figure.4.2.5とFigure.4.2.6で見たように、配偶者に占める女性の割合は9割を超えてい るため、配偶者での非就業者の多くは専業主婦であることが予測される。また、男性 が主体の世帯主では、9割以上が就労をしており、男女比が半々であるその他におい ては、世帯主と配偶者の中間あたりの値を取っている。障害者の同居や手帳の有無に よる影響は世帯主、配偶者、その他、さらに年度においても異なり、グラフから読み 取ることは難しい。これは、就労の形態の中にはパートタイムやアルバイトといった 短時間労働も含まれているために、就労の有無を比較しただけでは障害者による制約 の影響は現れにくくなっているということが要因として考えられる。
Figure.4.2.7 就労割合(2017)
Figure.4.2.8 就労割合(2018)
Figure.4.2.9、Figure.4.2.10では、就労をしているものの就業形態をそれぞれ2017年 と2018年について表している。配偶者を見ると2017年、2018年ともに世帯主やその他 と比較してパート・アルバイトの割合が大きく、反対に正規の職員・従業員の割合が 小さいことがわかる。同居の障害者の有無によっても対象の就業形態の差はあるもの の、年度によってその傾向は異なるため、就業形態から同居の障害の影響を読み取る ことは難しい。
Figure.4.2.9 就業形態割合(2017)
Figure.4.2.11では、対象者の週の労働時間の平均を表している。(非就労のもので週 の就労時間の回答がなかったものは就労時間を0時間としている。)世帯主を見ると、
年度や障害者の同居に関わりなく就労時間の平均は40時間であった。週休2日で1日 の就労時間を8時間と仮定すると、世帯主は障害者の同居に関わりなく、フルタイム で働いているということがわかる。一方で、配偶者の週労働時間の平均はいずれのグ ループにおいても世帯主の半分以下であった。これは、Figure.4.2.7、Figure.4.2.8や Figure.4.2.9、Figure.4.2.10で見た通り、配偶者は非就労である割合が高く、またパー トやアルバイトなどの就業形態が主であることが要因として考えられる。配偶者は、
家事などを行いながら、その空いた時間を就労に当てているということが窺える。そ
Figure.4.2.10 就業形態割合(2018)
のため、配偶者は世帯主と比べてその就労において障害者の影響を受けやすいことが 予測される。
Figure.4.2.12、Figure.4.2.13では、等価所得を四分位数で4つのカテゴリーに分け、
障害者の同居によって対象者が含まれるカテゴリーの割合に差があるかをそれぞれ 2017年と2018年についてみている。等価所得とは世帯所得を世帯人数の平方根で割っ たものであり、所得の不平等性を比較する際に用いられる。第一四分位数以下のカテ ゴリーを1、第一四分位数より大きく第二四分位数以下のカテゴリーを2、第二四分位 数より大きく第三四分位数以下のカテゴリーを3、第3四分位数より大きいカテゴリー を4とする。
Figure.4.2.12をみると、障害者が同居していることの差は世帯主と配偶者で異な
Figure.4.2.11 週就労時間の平均(2017)
り、世帯主の場合、障害者ありではカテゴリー2以下に含まれる割合が障害者なしに比 べて低い。一方、配偶者では反対の結果となっている。Figure.4.2.13をみると2018年 の世帯主と配偶者では、障害者ありの場合、その家計がカテゴリー2以下に含まれる割 合が、障害者なしよりも高いということがわかる。2017年と2018年で結果が異なって いるが、2018年の方が、サンプルサイズが大きいことから、2018年の方がより事実を 反映していると考えられる。このことから、障害者が同居していることによって、そ の家計は所得が低くなっているという状況が予測される。
Figure.4.2.12 等価所得のカテゴリー別割合(2017)
以上が、『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる調査対象者とその配偶者、その他のもの の状況である。以下においてまとめを行う。
『JHPS/KHPS(2018)』に含まれる世帯主は主に男性であり、配偶者は主に女性で あることがわかった。また、世帯主と配偶者では就労割合が大きく異なり、世帯主の9 割が就労していることに対して、就労をしている配偶者は7割程度にとどまる。また、
就労をしているものの就業形態も世帯主と配偶者で大きく異なり、世帯主はフルタイ ムに相当する就労を行なっているものがほとんどであるが、配偶者ではアルバイトや
Figure.4.2.13 等価所得のカテゴリー別割合(2018)
パートタイム、派遣といった不安定な就業形態の割合が大きい。さらに、就労時間の 平均値は世帯主と配偶者において大きく異なり、配偶者は世帯の半分程度の時間しか 一週間に働いていないことがわかった。また、障害を持った同居の家族がいる場合、
配偶者の就労時間はさらに低下することが予測される。最後に、世帯主でも配偶者で も、同居の障害者がいた場合、家計の等価所得が中央値よりも低くなることが示唆さ れた。
第5章 クロスセクション分析
5.1 分析のフレームワーク
本章では、家計内に障害者がいることによる他の家族への就労への影響を分析す る。特に障害者の影響を受けやすいと予測される、世帯主とその配偶者について分析 を行う。まず、障害者についてのデータがある、2017年と2018年においてPoisson pseudo-maximum-likelihood Regression Modelをもちいて、障害者が同居しているも のとそうでないもので就労時間に差があるかをみるためにクロスセクション分析を行 う。次にデータを工夫し、障害者が同居しているものとそうでないもので就労時間に 差があるかをみるパネルデータ分析を行う。最後に、障害者が発生する以前と以後で 就労時間に変化があるかをみるためにパネルデータ分析を行う。
障害者を家族に持つ配偶者の就労確率についてロジットモデルを用いて分析したも のにParodi & Sciulli (2008)がある。本研究ではParodi & Sciulli (2008)を参考に分析を 進める。Parodi & Sciulli (2008)の分析の結果では、障害者が家計内にいることの影響 は有意に推定されていなかった。Parodi & Sciulli (2008)での障害者の定義は、データ の制約から障害手当を受けている家計のみに限定されており、そのため捕捉される障 害者は症状が重度の者である。そのため、障害者の出現率は3%と低い値となってい る。障害の社会モデルに基づけば、障害者の範囲は重度のもののみではなく、より広 い範囲が捕捉されるべきである。『JHPS/KHPS(2018)』では障害者手帳を所持して いるものだけではなく、手帳を所有していない慢性的な障害者を持つものも捕捉して いるため、Parodi & Sciulli (2008)よりも幅広い障害の影響を分析することができる。
ただ、『JHPS/KHPS(2018)』では、障害の種類を特定することはできないため、身 体障害、知的障害、精神障害それぞれが家族にどのような影響を与えるかを分析する ことはできない。また、第3章でみたように、『JHPS/KHPS(2018)』で捕捉されてい る障害者の多くは、身体障害者であることが予測され、そのほとんどが世帯主や配偶 者から見て親にあたる高齢者でもある。このことから、『JHPS/KHPS(2018)』を用
いた障害者の分析は介護の分野と大きく関係していることが予測される。
5.2 PPML モデル
Poisson Regression Modelは被説明変数が非負で分布が大きく歪んでいるようなカウン トデータである場合に用いられ(Allison,2009)。また、Poisson Regression Modelにお いては、データはPoisson分布に従うことが仮定される。しかし、Gourieroux et al.(1984)によれば、pseudo-maximum-likelihood Estimationが用いられた場合には、
Poisson分布に従っていなかったとしてもデータは一致性を持ち、被説明変数は整数で ある必要もなくなる。本研究においてはPoisson pseudo-maximam-likelihood(PPML) Estimationを用いてクロスセクション分析を行う。
モデルの定式化にあたり、𝑤𝑜𝑟𝑘_ℎ𝑜𝑢𝑟𝑖は世帯主、もしくは配偶者に割り当てられた 𝐼𝐷𝑖の週就労時間を表している。PPMLは次のように表される。
𝐸(𝑤𝑜𝑟𝑘_ℎ𝑜𝑢𝑟𝑖|𝑑𝑖𝑠_𝑑𝑢𝑚𝑚𝑦𝑖; 𝒙𝑖) = 𝑒𝑥𝑝(𝛽0+ 𝛼 ∙ 𝑑𝑖𝑠_𝑑𝑢𝑚𝑚𝑦𝑖+ 𝒙𝑖𝜷) (1)
𝑑𝑖𝑠_𝑑𝑢𝑚𝑚𝑦𝑖は同居している障害者がIDiの家計内にいるかどうかを表すダミー変数
であり、𝛼はそのパラメータを表している。𝒙𝑖はコントロール変数のベクトルを表して いる。また、𝛽は𝒙𝑖のパラメータのベクトルである。𝛽0は定数項を表している。
5.2.1 被説明変数
被説明変数は週労働時間(𝑤𝑜𝑟𝑘_ℎ𝑜𝑢𝑟𝑖)とする。これは、各𝐼𝐷𝑖の平均的な1週間にお
ける労働時間の合計を表したものである。非就労者で週労働時間の回答がないもの は、週労働時間を0時間としている。また、週労働時間が150時間を超えているものは 除外している。
Parodi & Sciulli (2008)の論文においては就労しているかどうかという二項選択的な 変数を用いているが、本研究においては就労時間を被説明変数とすることで、障害に よる家族への就労制約が与える就労への影響をみるための分析としてはより適した分 析となる。
5.2.2 主要な説明変数
主要な説明変数は同居障害者ダミー(𝑑𝑖𝑠_𝑑𝑢𝑚𝑚𝑦𝑖)である。これは、障害者手帳の 有無に関わらず慢性的な障害をもつ障害者が同居している場合は1、そうでない場合 は0を取るダミー変数である。障害者が手帳を持っているかどうかは区別しないこと とする。
また、家計内に子供や高齢者が同居していた場合でも、世帯主やその配偶者に就労に 対して影響を及ぼすことが予測される。そのため、65歳以上同居ダミー、子供0から5 歳ダミー、子供6から14歳ダミーを用いて障害者の影響に加えて子供や高齢者があたえ る影響もみていく。65歳以上同居ダミーは65歳以上の同居人がいた場合1、そうでな い場合0をとるダミー変数、子供0から5歳ダミーは0歳から5歳までの子供が同居して
いた場合1、そうでない場合0をとるダミー変数、子供6から14歳ダミーは6歳から14歳 までの子供が同居していた場合1、そうでない場合0をとるダミー変数である。高齢者 が同居していた場合、家事や子育てを手助けすると考えられるため、就労時間に与え る影響は正であると予測される。また、0歳から5歳までの子供が同居していた場合、
子供の成長段階で最も手のかかる時期であると考えられるため、就労時間に与える影 響は負であると予測される。また、6歳から14歳までの子供が同居していた場合、就労 時間に与える影響は負であるものの0歳から5歳までの子供と比べると、6歳から14歳 は成長しそれほど手がかからなくなっていると考えられるため、0歳から5歳よりも就 労時間に与える負の影響は小さいと予測される。
5.2.3 その他の説明変数
その他の変数は、年齢、年齢の二乗項、結婚ダミー、等価所得ダミー(equivalized income、世帯所得/世帯人数の平方根)、性別ダミー、最終学歴ダミー、同居人数、政 令指定都市ダミー、地域ブロックダミーをコントロール変数として用いる。
就労時間への年齢の影響は、若い時期には年齢とともに就労時間は増加するが年齢が 嵩むにつれて増え方は徐々に緩やかになっていくことが予測される。そのため、年齢 の影響は正で、年齢の二乗項の影響は負であると予測する。結婚していた場合、本人 以外に稼ぎ手ができるため、収入を得る仕事と、家庭での家事を夫婦間で分担するこ
とができ、家事を多く行うものは就労時間が低下すると予測される。一方で仕事を主 に行うものは結婚していないものに比べて就労時間が増加すると予測される。
等価所得は世帯所得を世帯人数の平方根で割ったものである。OECDの資料
『WHAT ARE EQUIVALENCE SCALE?』によると、近年の所得の不平等性や貧困の 国際比較研究において用いられている指標である。Parodi & Sciulli (2008)ではパート ナーの収入や不労所得を説明変数に加えているが、『JHPS/KHPS(2018)』の同様な 項目に回答しているものの数が少ないため、本研究では家計の経済的状況を捉える変 数として等価所得を用いる。等価所得を四分位数で4つのカテゴリーに分け中央値か ら第三四分位数までのカテゴリーをベースとする。等価所得がベースよりも高ければ その分余暇を過ごす時間が長くなると考えられるため、ベースより低いIDでは高いID と比べて、世帯主も配偶者ともに就労時間が増加すると予測する。第一四分位数以下 のカテゴリーを1、第一四分位数より大きく第二四分位数以下のカテゴリーを2、第二 四分位数より大きく第三四分位数以下のカテゴリーを3、第3四分位数より大きいカテ ゴリーを4とする。
性別ダミーは男性であれば1、女性であれば2をとるダミー変数である。女性である場 合、第3章3.2の就労割合で見た通り、就労時間は低下することが予測される。最終学 歴ダミーは、最終学歴が中学生以下であれば1、高等学校であれば2、高等学校より 上であれば3、その他であれば4を取るダミー変数である。また、3をベースとする。
高校以上と比較して、学歴が低ければ時間あたりの賃金も低くなると予測されるた め、就労時間は増加すると予測される。同居人数が多ければ、稼ぎ手であれば家事を 他の家族に任せることができるため就労時間が増え、家事従事者も同居人数が増える ほど家事を分担することができるため、就労時間は増えると予測される。住んでいる 地域が政令指定都市であれば、個人にあった就業形態を選択しやすくなるため、就労 時間は増えると予測される。地域ブロックダミーは、北海道であれば1、東北であれ ば2、関東であれば3、中部であれば4、近畿であれば5、中国であれば6、四国であれ ば7、九州であれば8を取るダミー変数である。また、3をベースとする。関東には大都 市が集中しているため、さまざまな働き口があることや交通手段が発達していること から、個人にあった就労形態を選択することが容易であると考えられる。そのため、
関東では他の地域と比べ就労時間は増加すると考えられる。
5.2.4 基本統計量
Table 5.2.4は2017年、2018年における基本統計量を世帯主と配偶者について掲載 している。就労時間については第4章の4.2でみた通り、その平均は世帯主と配偶者 で大きく異なり、2017年、2018年のどちらにおいても配偶者の就労時間は世帯主の 約半分程度である。障害者の出現率は2017年、2018年ともに配偶者の方が世帯主と 比べて高くなっているが、これは世帯主では結婚をしていないIDも含まれているこ
とや、同居人数の平均値が世帯主の方が配偶者と比べて小さいことから、世帯主は障 害者が出現しにくくなっていると考えられる。年齢の平均値をみるとどれも50代後半 であり、そのため、0歳から5歳までの子供がいるIDの割合は小さく障害者の割合と 近い値となっている。一方で、6歳から14歳までの子供がいる割合は高く約2割であ る。また、性別は世帯主では男性、配偶者では女性が大部分を占めていることがわか る。IDのうち政令指定都市に居住しているものは約30%である。総務省が行った 2015年の国勢調査によれば2015年の日本の人口は123,094,745人であり、そのうち 政令指定都市に居住しているものは27,497,224人であることから、人口のうち政令指 定都市に居住するものの割合は約21.6%である。このことから『JHPS/KHPS
(2018)』のデータは少しではあるが政令指定都市に居住しているものに偏っている ということがわかる。
5.2.5 推定結果
Table.5.2.5はモデル(1)の推計結果を表している。世帯主の2017年の結果はコラム (1)、2018年の結果はコラム(2)、配偶者の2017年の結果はコラム(3)、2018年の結果 はコラム(4)の結果を掲載している。同居障害者ダミーの週労働時間に対する影響は、
配偶者の2017年と2018年においてのみ確認された。その係数の値は、2017年では- 0.328で有意水準1%において有意に推定され、2018年では-0.226で有意水準5%におい て有意に推定された。つまり、同居の障害者が家庭内にいることによって、配偶者の