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推定結果

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 59-65)

第5章 クロスセクション分析

5.2 PPML モデル

5.2.5 推定結果

Table.5.2.5はモデル(1)の推計結果を表している。世帯主の2017年の結果はコラム (1)、2018年の結果はコラム(2)、配偶者の2017年の結果はコラム(3)、2018年の結果 はコラム(4)の結果を掲載している。同居障害者ダミーの週労働時間に対する影響は、

配偶者の2017年と2018年においてのみ確認された。その係数の値は、2017年では-0.328で有意水準1%において有意に推定され、2018年では-0.226で有意水準5%におい て有意に推定された。つまり、同居の障害者が家庭内にいることによって、配偶者の

週就労時間の条件付き期待値は、2017年においては-32.8%、2018年においては-22.6%変化することがわかった。一方で、世帯主の場合は同居障害者ダミーの係数は 2017年で-0.029、2018年では-0.059で両年ともに有意水準10%で有意に推定されなか った。

配偶者において子供0から5歳ダミーの係数は2017年では-0.313、2018年では-0.277で どちらも有意水準1%で有意に推計された。0から5歳の子供が家計にいることによって 配偶者の週就労時間の条件付き期待値は、2017年では-31.3%、2018年では-27.7%減 少することがわかった。また、配偶者の子供6から14歳ダミーの係数は2017年では-0.131、2018年では-0.179で、2017年は有意水準5%、2018年は有意水準1%で有意に 推計された。6から14歳の子供が家計にいることによって配偶者の週就労時間の条件付 き期待値は、2017年では-13.1%、2018年では-17.9%減少することがわかった。世帯 主では、子供0から5歳ダミーと子供6から14歳ダミーの係数はともに有意水準10%で 有意に推定されなかった。

子供0から5歳ダミーと子供6から14歳ダミーの係数の大きさから子供が小さい時期 の方が配偶者に与える就労時間への影響は大きいことがわかる。

同居障害者ダミーと子供0から5歳ダミーの係数を比較すると、2017年ではほぼ同等 で2018年では同居障害者ダミーの方が小さい。子供6から14歳ダミーの係数が子供0か ら5歳ダミーの係数と比較して小さくなっていることから、子供の配偶者に与える就労

制約の影響は、子供の成長とともに小さくなっていくということが示唆される。一 方、障害者では、その障害が慢性的なものである場合、就労時間への影響は長期に及 ぶことが予測される。そのため、同居障害者ダミーと子供0から5歳ダミーの係数の大 きさのみで、それぞれの就労の影響を比較することは難しい。世帯主は同居障害者ダ ミー、子供0から5歳ダミー、子供6から14歳ダミーのいずれにおいても就労時間に対 する影響が見られなかった。

以上の結果から、主な稼ぎ手である世帯主は就労に専念し、配偶者が家計内での用事 をこなしながら空いている時間で就労をしているということが予測される。

その他の説明変数の結果を見る。年齢の週就労時間に対する影響は、世帯主では予想 通り年齢と年齢の2乗項は有意水準1%で有意であったが、配偶者ではこの傾向は見ら れなかった。

等価所得ダミーの係数はカテゴリー1では世帯主、配偶者でどちらの年度でも有意水 準1%で有意に推定された。係数の符号はどれも負である。カテゴリー2の係数は世帯 主では2017年において有意水準5%で有意に推定された。配偶者は、2017年では有意 水準5%、2018年では有意水準1%で有意に推定された。係数の符号はどちらも負であ る。カテゴリー4の係数は配偶者で2017年、2018年ともに有意水準10%で有意に推定 された。係数の符号はどちらも正であった。世帯主はカテゴリー4の係数は有意に推定 されなかった。等価所得の就労時間への影響は、カテゴリー1の場合、カテゴリー3

と比べて世帯主では約15%、配偶者では約23%程度就労時間が減少している。カテゴ リー2の場合、カテゴリー3と比べて、世帯主であれば約5%、配偶者であれば約12か ら21%就労時間が減少している。カテゴリー4の場合、カテゴリー3と比べて配偶者で あれば約1%就労時間が増加する。この結果から、予測と反し等価所得が大きいカテゴ リーほど就労時間が長くなっているということがわかった。特にこの傾向は配偶者に おいて強く見られる。これは、等価所得が小さいカテゴリーは何かしらの要因によっ て就労が十分に行えないために、等価所得が低くなってしまっているということが示 唆される。

性別の係数はどれも有意水準1%で有意に推定された。予測通り女性であることによ って就労時間が減少することが確認されたが、世帯主と配偶者を比較すると、世帯主 での性別の係数は配偶者のものの半分以下の大きさしかない。そのことから、同じ女 性であったとしても、家計内での立場が配偶者である場合には就労をあまり行わず、

家事に専念しており、一方で世帯主であった場合は女性であったとしても、家事など をこなしながら就労をしているということが予測される。同居人数の就労への係数は 2018年において、世帯主、配偶者とも有意水準1%で有意に推定された。係数は、予 測通り正であり、同居人数が多くなれば就労時間が増えることがわかった。しかし、

2017年においてなぜ同居人数の係数が有意に推定されなかったのかについては不明で ある。

最終学歴ダミーの結果から、最終学歴が中学校以下である場合、高校より上である場 合と比べて就労時間が低下することが配偶者の2017年を除いて、有意に推定された。

この結果は予測と反しており、その要因は定かではないが、学歴が低いことにより安 定した職業を得られず、就労ができていないということが考えられる。

地域による就労時間の差は主に配偶者において認められた。2017年では世帯主に係 数が有意に推定された地域はなく、配偶者では係数の符号が正であったもの北海道、

東北、近畿、四国、九州であった。符号が負であったのは、近畿であった。2018年で は、世帯主では近畿と九州のみが有意であり、係数の符号はともに正であった。配偶 者では北海道、東北、中部、中国、九州の係数が有意に推定され、符号は正であっ た。2017年と2018年で有意になる地域とそうでない地域が異なることと、就労時間へ の影響は正である地域とである地域があることから、予測したような地域が関東以外 であることによる就労への負の影響は見られない。特に2017年の配偶者の近畿を除け ば、居住地が関東以外の地域であることの影響は正であり、配偶者においてこの傾向 が強いことがわかる。よって関東以外の地域では、関東と比べて賃金が低いため、世 帯主の収入も十分ではなく配偶が就労時間を増やし世帯所得を補っているとういうこ とが予測される。

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 59-65)

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