博 士 ( 工 学 ) 松 田 成 司
学 位 論 文 題 名
救 急 医 療 高 度 化 の た め の バ イ オ テ レ メ ト り に 関 す る 医 工 学 的 研 究
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
近 年 我 国 では , 急 速 に人 口の 高齢化 が進行 し,い まやt墮 界一の平 均寿命 を誇る に至っ て い る, ま た 高 齢化 に 加 え 生活 様式の 西欧化な どの変 化に4ヤ い,疚 病構造 が変化 し心循 環撚 系や 脳血管系 の病気 が増えてきている,また交迎戦争ともロfばれるように,交通・亅¥故によ る 死亡 者 の 増 加も 著 し い .こ れ ま で 我同 は , 緊 急の 傷病者 対策と して, 救命救 急セン 夕一 等 の救 急 医 療 体制 を 充 実 させ て き た .し か し , 心肺 機能が 停止し た状態 で救命 救急セ ン夕 一 に搬 入 さ れ る患 者 , っ まりDOA(Dead On Arrival)患者 の数は 増カ‖し ている のに々 、t し, その救命 率や社 会復帰率は,先進諸外田にくらベイ氏いという現尖がある.このff!J題を 改 善す る た め に救 急 救 命 士制 度 が 始 めら れ , 現 在そ の人的 および 設備の 整備が 辻めら れて し 、る . 救 急 救命 士 制 度 は, 救急救 命fが医 師の指導 を受け ながら ,除細 動,輸 液等の 高度 な救 急処轟 を行う ことが できる ように したも のである .しか し救急Y杠而に 常時I欠 師が同 粟 する のは不 可能に 近く, 何らか の方法 で病院 にしヽる 医師に 患者の 様了を 伝え, 具体的 な指 示を 仰ぐ必要 がある .これを実現するためには,‑tli両|勺の傷病者の容態をとらえ(fト休計 測),それを病院まで伝えること(情報伝送)が必要である.っまり,′」こ体言t・測・.f舟蛾伝 送 の双 方 を 行 うこ と に な り, バ イ オ テレ メ ト リ (生 体情報 の遠隔 計測) の慨念 に該当 する ものとなる.本研究は,このような考えに R i)り.救急flj Diiなどの移動体からgt休情報を川 定 局へ 伝 送 す る新 た な 手 法を 開 発 す るこ と を 冂 的と して行 われた ,本論 文では ,この よう な救急医療の高度化を図るために行ったバイオテレメトりにt刈するI欠||学的li)f究について 述べる.
本論文は,全10章にて構成される.以下その内容について述べる,
第1章 では, 本研究 の背景 および本 論文の 概要に つし、 て述べ る.第2帝では,ホfIJ「究で 使用 した光バ イオテ レメト りの技 術的背 景として比通信の成り立ちにつし、て説1リJし,さら に バイ オ テ レ メト り の 概 要に ついて 述べる. また, これら の技術 を応川 する救 急救命I|制 度についても説明をする.
第3章 か ら 第5章 で は , 光 バ イ オ テ レ メ ト りの 多 重 化 につ い て 述 べる . 極 々 の多m化 法 を検 討した 結果, 周波数 分割法 と符号 分3:lJ法が 光バイ オテレ メトり の信号 源多重化 につい て 有効 と 考 え ,こ の2っ の 方 法 の有 効 性 に つL、て 検 討を行 う.第・ の方法 として ,川波 数 分 割法 に 基 づ くパ ル ス バ ース ト法を 考案し, この原 理に堪 づく試 作シス テムをf:成し た.
こ の多 重 化 法 は簡 単 な 装 轟で 実 現 可 能で あ り , 数チ ャ ネ ル まで の 多m化 に 打効 である ,し かし 高調波の 問題に より, 数チャ ネル以 上の多重化は1区I難であるニとがわかった.第 |の 方 法と し て , 符号 分 割 法 に基 づ く ス ペク ト ル 拡 散法 を光バ イオテ レメト りの多 乖化に 応川 した ,この多 重化法 は,周 波数分 制法に 比べ, より多 くのチ ャネルの 多唖fヒがnr能である,
さ らに , 雑 音 やマ ル チ パ ス伝 搬 に 強 いと い う 優 れた 特徴も 得られ ること がわか った. この
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原 理 に 基 づ く 試 作 シ ス テ ム を 作 成 し , 病 室 を 模 擬 し た 実 験 宅 内 に お い て2チ ャ ネ ル の 多m 化 伝 送 実 験 を 行 ワ た . そ の 結 果 ,2信 号 の 受 比 強 度 が 極 端 に 迎 う 場 合 を 除 き , 通 常 は 良n′ な 伝 送 を行 う こ と が 可能 で あ っ た ,し か し 本 方 式fよ , 送,オ器 のr・ffIj? マ 屯 カが 人き しヽ! , 1装置が 複雑に なる」 等の 欠点が あるこ ともわ かっ た.
第6章 で は , 救 急 車 両 内 に お け る 生 体 信 ロ づ 計 測 に つ いて 述 べ る , '疋 際 に 走 行す る 救 急Iい 両 内 に お い て 心 電 図 , 血 圧 値 ,Jm圧 波 形 ,1飢E11酸 索飽 和 度 の 計 測を 行 っ た , そ のを ふ 爪 , ほi 床 に お け る 計 測 法 を そ の ま ま 救 急 車両 内 に 持 ち 込ん だ 場 合 , 「 ;!J題 が あ るニ と が わ か った . っ ま り 車 両 の 走 行 に 起 囚 す る 振 動 や 騒 音 に 伴 う 問 題 , 工 ン ジ ン 等 か ら の 電 磁 雑 音 に よ る 斑 磁 干 渉 の 問 題 な ど で ある . ま た こ れら の 対 策 を ;蒔 じ る こ と によ り . 生 体 信 号の 取 得 がi・I丁 能 で あ る こ と も 確 か め ら れ た . し か し , こ れ ら の 計 測 器 を 救 急車 両I 、Jに お い て 同 時に 使Juす る 場 合 , 計 測 線 が 患 者 の 周 り に 混 在 す る と い うRH題 が 生 じ , 救 急 作 業 の 障 害 と な る , こ の よ う な 問 題 を 解 決 す る た め 光 バ イ オ テ レ メ ト り の 技 術 を 導 入 し , ワ イ ヤ レ ス 計 測 を 行 う 于 法を 新たに 考案 した,
第7章 で は , 救 急 車 両 内 に お け る こ の よ う な 光 バ イ オ テ レ メ ト り の 于 法 に つ い て て 述 べ る . っ ま り , 小 型 の 計測 部 を 傷 病 者に 取 り 竹 け ,)Lに よ りIIl両I´、Jの 受1ll部 ま で 伝 送す る シ ス テ ム で あ る , こ れ に よ り , 傷 病 者 の 周 り か ら 計 測 線 を 滅 少 さ せ る こ と が 可 能 と な る . ホ 手 法 に お い て 複 数 の 計 測 部 か ら の 信 号 を 多 重 化 す る た め に .lm述 の フ 、ペ ク ト ル 拡 散法 を ∴ ふ 用 し た . 試 作 シ ス テ ム で は ,ASK方 式 に よ る ス ペ ク ト ル 拡 敞 変 洲 法 を 考 案 す る と と も に ,S AWコ ン ボ ル バ に よ る 復 調 器 を 採 用 し , 消 費 電 力 ・ 複 雑 さ の 間 題 を 解 決 し た , こ の シ ス テ ム を 用L、 , 走 行 中 の 車 両 内 に お い て , 被 験 者 か ら の 心 電 圏 波 形 の ワ イ ヤ レ ス 計 測 を 行 っ た , その 結果, 良好 な安定 した計 測を行 うこ とがIHj来る ことを 確認し た.
第8章 で は , 救 急 車 両 内 に お い て 計 測 さ れ た 信 号 を , 救 急 無 線 や 臼 動I扛 電 話 囘 線 を 利 川 し て 病 院 の 医 師 ま で 伝 送 す る 方 法 に つ い て 述 べ る , こ の よ う な バ イ オ テ レ メ ト リ シ ス テ ム と し て , ア ナ ロ グ 変 調 方 式 お よ び デ ィ ジ タ ル 変 調 方 式 に 慕 づ く シ ス テ ム を 開 発 し . 伝 送 尖 験 を 行 っ た . ア ナ ロ グ 変 調 方 式 に よ る 伝 送fま , 無 線 圃 線 の 状 況 が 悪 化 し て も , 雑 音 のI|1に 波形 の慨形 を把 握する ことこ とがL¥H来る,またその挟゛;;f域'PI三を生かし,ti1.一1川線によりi坐 絡 用 音 声 と 生 体 信 号 の 多 重 化 伝 送 が 可 能 で あ る . デ ィ ジ タ ル 変 調 方 式 に よ るf云iLて は , 信 蝋 川 :の 高 し 、f云送 や , 複 数 の生 体 信 号 の 多電 化 が 可 能 で ある ニ と を 離 かめ た . さらに ,救急 巾 両 内 の 状 況 を 伝 え る 連 続 静Lh輒 像 伝 送 の 実 験 も 行 っ た , そ の 結 果 , 本 シ ス テ ム は , 阪m‖ が 傷 病 者 の 容 態 を と ら え る の に カ . 川 な も の で あ る こ と が 聯 ! か め ら れ た , 第9章 で は , 光 バ イ オ テ レ メ ト り の 適JH範 囲 を 広 げ る た め , 屋 外 に お け る 応 川 のII能 . 陀 に つ い て 計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ 、 り 検 討 を 行 っ た . そ の 結 果 , 室 内 の シ ス テ ム を 屋 外 へ 持 ちfllし て も , 数m程 度 し か 伝 送 で き な い こ と が わ か ヮ た , そ こ で , 送 受 光 器 に 発 比 パ 夕 一 ン , 反 射 板 等 の 工 夫 を す る こ と に よ り ,lom程 度 の 沌1羽 内 の 生 休 情 報 伝 送 がfiJ、 能 と な る こ と を 児 い だ し た , こ れ に よ り , 特 定 の 範 剛 内 で あ れ ば . 屋 外 に おLヽ て も 光 バ イ オ テ レ メト りの適 用が 可能で あるこ とがわ かっ た,
第1 ()章 で は 本 論 文 の 内 容 を ま と め る と と も に , 本 研 究 で 開 発 し た バ イ オ テ レ メ ト リ シ ス テ ム が 救 急 医 療 技 術 の 高 度 化 お よ び 救 急 医 療 体 制 の 改 善 に ど う っ な が る か に つ い て 述 ベ , 結論 とする .
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学位論文審査の要旨 主査
副査 副査 副査
教授 教授 教授 助教授
山本 勇田 伊福 部 清水
克之 敏夫
達 孝一
学位論文題名
救急医療高度化のためのバイオテレメトり に関する医工学的研究
近年 、 人口の高 齢化や 生活様式 の変化に 伴い、 心循環器 系や脳 血管系の 救急患 者が増え て き てい る。ま た交通事 故によ る死亡者 の増加 も著しい 。諸外 国に比べ 低い救命 率を改 善 する ため、我 が国で も救急救 命士制度 が開始 された。 この制 度を有効 に運用すt ためには、
救急 車両内の 傷病者 の様態を とらえ( 生体計 測)、それを病院まで伝えること(情報伝送)
が 必 要で ある。 本論文は 、バイ オテレメ トリ( 生体情報 の遠隔 計測)の 手法を導 入する こ と に より 救急医 療の高度 化を図 ろうとす るもの であり、 そのた めの医工 学的研究 につい て 述べ ている。
第
1章 で は 、 序 論 と し て 、 本 研 究 に 対 す る 社 会 的 要 請 を 述 べ て い る 。
第
2章 で は、 本 研 究の 背 景 であ る バイオ テレメ トりおよ び光通 信につい て述ベ 、さらに 対象 となる救 急医療 の現状に ついて説 明して いる。
・
第
3章 で は、 本 研 究で 使 用 する 光 バイオ テレメ トりのチ ャネル 多重化法 として 種々の変 調法 について 検討を 行ってい る。
第
4章 で は、 光 バ イオ テ レ メト り のチャ ネル多 重化法と して周 波数分割 法に基 づくパル ス′ くースト 法を提 案し、理 論解析お よび試 作システムを通してその特性を検討している。
そ の 結果 、本方 法は簡便 な方法 であるに もかか わらず、 数チャ ネルの生 体信号同 時伝送 が 可爺 であると の結果 を得てい る。
第
5章で は 、 より 高 度 な光 バ イ オテ レメ トりの 多重化法 として 、符号分 割法に基 づくス ペ ク ト ル拡 散法に ついて述 べてい る。試作 システ ムによる 実験の 結果、本 方法は高 い耐雑 音 性 を 持 ち 、 数 十 チ ャ ネ ル 以 上 の 多 重 化 に 有 効 で あ る と い う 結 諭 を 得 て い る 。
第
6章 で は、 従 来 ほと ん ど 研究 が 行われ ていな かった救 急車両 内におけ る生体 計測に関 し、 実際の走 行車両 を用いた 伝送実験 を行し 、検討している。その結果、走行による振動や 電 磁 雑音 に対す る対策を とるこ とにより 、救急 医療に有 効な生 体信号の 計測と伝 送が十 分 可 能 であ ること を見出し ている 。またこ の手法 の実用化 に当た り、解決 すべきい くっか の 問題 点も指摘 してい る。