• 検索結果がありません。

博士(工学)武田博嗣 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(工学)武田博嗣 学位論文題名"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(工学)武田博嗣 学位論文題名

銅イオン交換ゼオライト及びアルミナ上での炭化水素による     NO 選択還元機構に関する研究

学位論文内容の要旨

  炭 化 水 素 に よ るNO選 択 還 元 反 応 が 酸 素 過 剰 雰 囲 気 下 で の 新 規 な 脱 硝 プ 口 セ ス と し て 注 目 さ れ て い る 。 こ れ ま で に 種 々 の 金 属 イ オ ン 交 換 ゼ オ ラ イ ト 、 固 体 酸 、 貴 金属 触 媒 が この 反 応 に活 ´ 凶 !を 示 す こと が 報 告さ れ て いる。 反応機構 につい ても活 発 に 議 論 が 行 わ れ 、1) 酸 素 と 炭 化 水 素 の 反 応 に よ り 部 分 酸 化 中 間体 が 生 成し 、 中 間 体 とNOの 反 応 でN2が 生 成 す る 機 構 、2)NOと02の 反 応 で 生 成 し たN02が 炭 化 水 素と反 応しN2を生成する機構、3)炭化水素により還元された活1、′・.I:点上でNO分解 反 応 が 進 行 しN2を 生 成 す る 機 構 が 提 案 さ れ て い る が 、 そ の 詳 細 に つ い て は ほ と ん ど不 明 の ま まで あ る 。そ こ で 、本 研 究 では 本 反 応に 高 い 活´阿 :を示す 銅イオ ン交換 MFI型 ゼ オラ イ ト(Cu一MFI)およ びAl203触媒 上 で のNO選 瑚 ヾ還 元 機 構を 速 度 論と パ ル ス法で検討した。さらに、ゼオライト中の銅イオンの酸化還元特´l、/・.I:をESRによっ て検討した。

  第1章 で は 、 窒 素 酸 化 物 に 起 因 す る 環 境 問 題 の 現 状 を 概 説 し 、種 々 の 脱硝 技 術 の 概要 と 問 題 点に つ い て述 べ た 。さ ら に 、炭 化 水 素に よ るNO選 択 還 元反 応 に 活´Fト を 示す触媒をまとめ、提案されている反応機構を紹介した。

  第2章 で はCu―MFI触 媒 とAl203触 媒 上 で の 炭 化 水 素 に よ るNO選 ガ ヾ還 元 反 応を 速 度 論 的 に 検 討 し 、Cu‑MFI触 媒 上 で のN0+02+C2H4反 応 と N02+02+C2H4反 応 のN2 生成 速 度 式 がそ れ ぞ れrN2 kPN02.0 P020.6 PC2H4‑1.0 exp (‑168000/RT)、rN2 =k PN021.O P020.0 PC2H4.1.0exp(ー105000/RT)で示されることを明らかにした。両速度式 のNOと02の 反 応 次 数 、 活 性 化 工 ネ ル ギ ー が 異 な る こ と か らNOとN02の 還 元 機 構 あ る い は N2生 成 の 律 速 段 階 は 異 な る と 結 論 し た 。 一 方 、AI203触 媒 上 で のNO+

02+C2H4反 応 のN2生 成 速 度 式 はCu―MFI触 媒 系 のN2生 成 速 度 式 と は 異 な るrN2 k PN01.1  P020.5 Pc2H40.1 exp(―294000/RT)で示されたことから、Cu−MFIとAl203触媒上 で のN2生 成 機 構 あ る い はN2生 成 の た め の 律 速 段 階 は 大 き く 異 な る と 結 論 し た 。   第3章 で は 、CuーMFI触 媒 上 で のNO選 択 還 元 経 路 を パ 少 ス 反 応 と 昇 温 酸 化 反 応 に よ り 検 討 し 、Cu―MFI触 媒 上 で のNO選 択 還 元 反 応 がC2H4吸 着 種 とN0+07混 合 ガ ス の反応で進行していること、触媒表面にはNOエに活´ドIt、NOエには不活´1、′・,|:であるが

(2)

02 に活性、さらに NO エと02 のいずれにも不活俐:な 3 種類の炭化水素種が存在するこ とを 明 らか に し た。 ま た 、前 吸 着C2H4 に あらか じめ02 ハJ レ スを行いそ の後にNO をパルス する実験 を行ったと ころ、 02 を パルスし ない反応 系よりもN 生成量が多 かったことから、02 とC2H4 の反応により NO 還元に活 1ji :な中間体が′, L 成すること を結論した。これらの結果より、活´ピI ミ化された炭化水素中間体とNO エが反応しN2 を生成する反応経路を提案した。

   第4 章では、NO エ還元に活´[It な中間体についての知見を得るため、種々の含酸素 化合物と含窒素化合物の Cu −MFI 上での反応´ピトを検討した。まず、含酸素化合物の N2 生 成 活性 は C2H4 よりも 低かった ので、吸 着炭化水 素種と02 の 反応で生成 する還 元活 性 種は 含酸素 化合物で はないと 結論した 。次に、 含窒素化合 物、特に ニト口 化合物のN2 生成活性が高かったことから、活´H !炭化水素種とNO エの反応で含窒素 化合 物 が生 成して いると推 定した。 さらに、 HNCO の反応性 を検討した ところ、 . NCO 種 は 02 共 存 下で も NO エ と 選択 的 に 反応 すること を見いだ した。これ らの結果 と第 3 章 の 結果 を 考 え合 わ せ、 02 とC2H4 の 反応で生 成した活 ゼヒ化炭化 水素種が NO エ と の反 応により 含窒素化 合物を生 成し、こ の含窒素 化合物がさ らに酸素 共存 下 で NO エ と 反 応 し 、 ー NCO 種 を へ て N2 を 生 成 す る 機 構 を 提 案 し た 。    第 5 章 で は 、 AI203 触 媒 の NO 選 択 還 元 機 構 を パ ル ス 法 で 検 討 し 、 N2 は N02 と C2H4 の可 逆 吸着 種 同 士の 反 応で 生 成 する こ と 、N02+C2H4 反 応 中の 触 媒表面に は N : C : O=l : 1 : 1 の 化 合物 が 生成 し 、 この 化合物は 02 共存下NO と 選ガく的に 反応 しN2 を与えることを明らかにした。

   第6 章では、MFI 型ゼオライト中に存在する銅イオンの酸化還元特´I |1 :をESR を用 いて検討し、イオン交換直後のCu −MFI 触媒に存在する銅イオンは[Cu2 ゛OH'l(H20) エ であること、この試料を 773K で排気すると大部分の Cu2 ゛種がESR 不活´ドI :なCu ゛種 に変化することを明らかにした。また、Cu2 ゛種には平面四配位のCu2 ゛種(4 種,3i‑

p4) と四角錐配位のCu2 ゛種(f 種,りが存在することを明らかにした。さらに、これら の試 料 を所 定の温 度で酸素 処理した 後、室温 で排気、 さらに773K で排 気を行い 、 銅イ オ ンが 不可逆 的な酸化 を受ける 温度がイ オン交換 卒の増加と ともに低 温化す ること、 一方、可 逆的な酸化 により生 成したCu2 ゛ 種は室温 排気により約半分が、

773K 排気 では ほぼ全量 がCu +ヘ還 元される ことを見 いだした 。各処理後 の試料中 のCu2 ゛種の存在量を検討し、いずれの試料にもPi‑P4 とマ種の5 種類のCu2 ゛種が存在 する が 、不 可 逆 的な 酸 化 を受 け た試 料 で は p3 の割 合 が 高い こ と を見 いだし た。

   第7 章は総括で本研究の成果の要約を述べた。

(3)

学位論文審 査の要旨

学 位 論 文 題 名

銅イオン交換ゼオライト及びアルミナ上での炭化水素による NO 選択還元機構に関する研究

  本論 文は 新し い脱 硝 プロ セス とし て注 目を 集め てい る「 炭化水素によるNOの選択還元反 応 」の 反応 機構 を銅 イ オン 交換ZSM‑5型 ゼオ ライ ト (以 下、Cu‑MFIと 略記 )お よび 酸化ア ル ミニ ウム(Al203)上 で検 討し 、炭 化水 素の 活性 化 機構 、酸 素の 役割 等に 関し 新規 な知見 を 得て いる 。そ の成 果 は以 下の 点に 要約 され る。

  @ま ず、CuーMFI触 媒とAl203触媒 上で のNO還元 反応 を速 度論 的に 検討 し、NO+ 07+C2H4 系 でのN2生 成速 度式 が 両者 で大 きく 異な るこ とか らCu‑MFIとAl203触 媒上 でのN2生 成機構 あ るい はN2生成 のた め の律 速段 階が 異な るこ とを 明ら かに した。また、前者の触媒上では C02生成 速度 式がN2生 成速 度式 によ く一 致し てお り 、炭 化水 素の 酸化 とN7生成 が同 一の律 速 段階 を通 って 進行 し てい るこ とを 考察 した 。

  ◎次 に、 反応 機構 を さら に詳 細に 検討 する ため 、両 触媒 上に吸着した種々の化合物の反 応 性を パルス法を用いて調べた。吸着ガス としてはエチレン(C2H4)以外に種々の含酸素化合 物 、含 窒素 化合 物を 用 いて いる 。そ の結 果、Cu‑MFI触 媒上 にはNOxと の反 応に 活性 ・不活 性 な2種 の 吸 着C2H4種 が 存 在 し 、 後 者 の 一 部 は 酸 素 に より 前者 に転 化す る こと 、活 性な C2H4吸 着種 はNOxとの 反応 によ り含 窒素 化合 物を 形 成す るこ と、N7を 与え る最 終中 問体は イ ソシ アネ ート 種で あ るこ と、 等を結論した。一方、Al203上では可逆吸着種問で反応が進 行 する こと を明 らか に した 。

  ◎最 後に、ゼオライト中の銅イオンの存 在状態をESR法によって調ベ 、Cu2゛は平面四配位 あ るい は四 角錐 配位 の いず れか の配 位状 態を とっ てお り、 真空前処理、酸化処理等に伴っ て それ ぞれ の存 在量 が 変化 する こと 、還 元再 酸化 特性 はイ オン交換率に大きく依存してい る こと 等を 解明 し、NO還元 活性 との 関連 を考 察し た。

  以上 、本 論文 はNO選 択還 元反 応の 機構 を体 系的 に検 討し 、炭化水素類の反応挙動や銅イ オ ンの 存在 状態 につ い て基 礎的 な新 知見 を得 たも ので あり 、触媒化学の進歩に貢献すると こ ろ大 であ る。

  よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。     −657−

和 恒

平 英

正 暢

本 澤

平 部

岩 竹

小 服

授 授

授 授

敦 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

参照

関連したドキュメント

   以上,こ

[r]

カ テゴ リ一 化や 部 分形 状の 照合 にも 適 して いる こと を 実験 例か ら明 らか に して いる

[r]

第 3 章は「

[r]

性を担いながら事業性の低い商業劇場を独自の視点と基本空間構成の工夫により、複合化

統計 的画 像復 元法 の中 で有効な手法である正則化バ ラメトルック射影フィル夕族