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博士(歯学)佐藤範幸 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(歯学)佐藤範幸 学位論文題名

光による金属析出法の基礎的検討

ー金属歯冠修復物作製の可能性について一

学位論文内容の要旨

I

緒 言

  

金 属 歯 冠 修 復 物 の作 製 に お い て 、 現 在 の 口 ス トワ ッ ク ス 鋳 造 法 に 代 る 方 法 と レ て

CAD

CAM

に よ る 作 製 法 が 研 究 さ れ て い る 。 し か レ こ の 方 法 は 金 属 ブ 口 ッ クか ら 切 削 加 工 に よ っ て 形 態 を作 り 出 す た め 、 製 作 す る 上 で 時 間 と コ ス トの か か る こ と が 問 題 点 と し て挙 げ ら れ て い る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 そ れに か わ る 新 し い 金 属 の 加 工 方法 と し て レ ー ザ ー 光 に よ る 部 分 め っ き 法 に着 目 し 、 こ の 方 法 を 応 用 し た金 属 め っ き に よ る 三 次 元 形 状 作 製 の 可 能 性 に つ い て 基 礎 的 検 討 を 行 っ た 。

II

材 料 と 方 法

  

本 研究 で は め っ き に 対 す る レ ーザ ー 光 の 作 用 を 大 き く ニ っ に分 け 、 光 そ の も の の 作 用 と 熱 作 用 に よ る 効 果 を そ れ ぞ れ 検 討 し た 。

II

1

実 験

1

. レ ー ザ ー 光 の 光 の 効 果 に よ る 金 の 部 分 め っ き 法 の 基 礎 的 検 討

  

作 用 電 極 を

p

型 シ リ コ ン 板 と 、 ゾ ル ー ゲ ル 法 に よ っ て 石 英 ガ ラ ス 板 上 に コ ー テ ィ ン グ し て 作 製 し た 二 酸 化 チ タ ン 薄膜 と し 、 め っ き 液 中 に 作 用 電 極 を 浸 潰 し て ポ テ ン シ オ ス タ ッ ト に て 定 電位 に 保 っ た 状 態 で 、 作 用 電 極 に レ ー ザ ー 光 を 照 射 し て そ の 部 分 の み に めっ き を 行 う こ と を 試 み た 。 参 照 電 極 に は銀 塩 化 銀 電 極 を 、 . 対 極 には 白 金 板を 使用 した 。レ ーザ一 装 置 と し て 、 ア ル ゴ ン レ ー ザ ー と

He

Cd

レ ー ザ ー の ニ 種 類 を 使 用 し た 。 め っ き 液 に は 日 本 工 レ ク ト 口 プ レ イ テ ィ ン グエ ン ジ ニ ヤ ー ス 社 製 金 め っ き 液 ニ ュ ー ト口 ネ ク ス

309

を 使 用 し た 。

II

2

実 験

2

. レ ー ザ ー 光 の 熱 の 効 果 に よ る 金 の 部 分 め っ き 法 の 基 礎 的 検 討

(2)

  

ここでtまレーザ一光の熱作用に着目し、電解めっき中にレーザー光を 電極表面に照射することにより、電極を局所的に加熱することを試みた。

そして得られためっき層の厚みを測定し、レーザー光照射の影響を検討 レた 。作 用電極 には厚 さ

0.1mm

で 純度

99

7

%のニッケル板を使用し た。この作用電極をめっき液中に浸漬しポテンシオスタットまたはガル バノスタットを用いて定電位電解あるいは定電流電解を行いながら電極 表面にレーザー光を照射した。レ―ザー装置には長田電機工業社製

YA G

レーザーを使用した。めっき液に

t

ま実験1と同じ金めっき液を使用し た。

III 結果

III −1 実験1 について

  1

.作用電極をp型シリコン板とした場合

  

レーザー光を電極の表側から照射しても裏側から照射してもめっき眉 の最大厚さは

1

ルm前後であり、電位を低くするほど厚くなるのがわか る。また裏側から照射すると、金の析出し始める電位が低い方にシフト する結果となった。めっきの状態を観察すると電位がより高い方がめっ きの境界は明瞭である。.また裏側から照射するより表側から照射した方 がめっき層の境界はより明瞭であり、レーザ―光を照射した部位にのみ 金が析出する傾向にある。さらにレーザー光で作用電極上に図形を描く ことにより、その部位にめっきによる鮮明な同じ図形を描くことができ た。

  2

.作用電極をニ酸化チタンの薄膜とした場合

  

電解 を行 わない状態で

He

Cd

レーザーを照射した場合は金の析出 を認め、照射時間が増すにっれてめっき層の厚みは増加し、最大で約9 彫mに達した。また表側から照射するより、裏側から照射した方がめっ き層の厚みは厚くなった。ゾルーゲル法のニ酸化チタンのコーティング 回数は、めっき層の厚みに大きな影響を与えていない。二酸化チタンの 薄膜を 作用 電極として定電位電解を行い

He

Cd

レーザーを照射した と こ ろ 、 設 定 し た

2

条 件 の ど ち ら の 電 位 (

‑300mV

及 び ー

400m

V

)においても、金の析出は生じなかった。

(3)

III

2

実 験

2

に つ い て

  1

. 定 電 位 電 解 め っ き 中 に お け る レ ー ザ ー 光 照 射 の 影 響

  

得られためっきの状態を観察したところ、定電位電解めっき中におけ る レーザ ー光照 射にお いて適 切な 電位は 、−

30 0mV

あるしヽは

‑40 OmV

で あ っ た 。 電 位 を ー

300mV

に 固 定し 、 一 定 時 間を お い て 電 極 をめっき液中から取り出して、放冷しながらレーザー光照射を行った結 果、めっき層の厚みは最大で約2〃mであり、また時間の経過と共に析 出速度が鈍くなった。

  2

. 定 電 流 電 解 め っ き 中 に お け る レ ー ザ ー 光 照 射 の 影 響 どのような実験条件においてもめっきの初期においては、照射部位のめ っき層の厚みの増加は大きかったが、時間の経過と共に増加速度が鈍り 非照射部位との差が減少した。

IV

考 察 .

rv

ー1実験1について

  

レーザー光の作用によって、照射部位のみに金を析出させることがで き、またレーザー光を走査することによって、析出部位を二次元的にコ ント口ールすることが可能であることが判明した。使用したレーザーパ ワーの

10 mW

では熱の作用はほとんど無視でき、この効果は純粋に光 子エネルギーによるものと考えられる。しかし析出のメカニズムからも 明らかなように、光子エネルギーを利用する以上、作用電極は半導体で なければならず、このメカニズムをそのまま金属の造形法として応用す るのは困難と思われる。さらに金が析出するにっれて光が電極表面に到 達しなくなり、めっきの厚みを増すことができないことが、光子工ネル ギーをエネルギー源とすることを困難にしている。この問題を解決する 方法として、裏側から光を照射する方法を試みたが、厚みを増すことに 関して顕著な改善はみられず、かえって他の問題を惹起する結果となっ たdこれらのことを総合すると、最終的に金属で任意の

3

次元形状を自 由に作り上げることを目的とするならば、光子エネルギー以外のエネル ギ ー を 利 用 す る 方 法 を 求 め る 方 が 有 利 と 思 わ れ る 。

IV

一2実験2について

  

めっきの厚みを厚くすることだけを考えるのであれば強制的に作用電

(4)

極 に電 流を送 り込 めば良く、このためには定電位電解よりむしろ定電流 電 解が 適して いる 。定電流電解中レーザー光を照射すると、めっき初期 に は照 射部位 と非 照射部位の厚みの差は大であったが、時間の経過と共 に その 差は減 少し た。その理由は、電極の表面にニッケルより熱伝導度 の 大き い金が 析出 することにより、レーザー光照射部位の電極の温度が 十 分上 昇しな くな ったた めと 思われ る。

V

結 諭

  1

. 半導体 を作 用電極 とし レーザ ー光 の光子 エネ ルギー を利用して、

電極の 電位 をコン トロ ールすることにより、めっき層の境界が明瞭な金 を析出させることができた。

  2

.半導体の作用電極上にレーザー光で任意の図形を描くことにより、

析出範囲が明瞭な同.じ図形の二次元的めっきパターンを描くことができ た。

  3

. ニッケ ル板 を作用 電極 とし、 レー ザー光 の熱 作用に よって部分め っきを 行う ことが でき 、電極の電位をコントロールすることでめっき眉 の境界を明瞭にすることができた。

  4.

レ ー ザ ー 光 の 、 光子 エネ ルギー ある いは熱 エネ ルギー によ って、

めっき の領 域を

2

次元的 にコ ント口 ール するこ とが できた 。このことに より、 歯科 用金属 に対 する新しい表面改質法を展開できる可能性が期待 される。

  5

. 定電流 電解 時に作 用電 極の表 面に レーザ ー光 を照射 すると、めっ きの初 期に おいて は照 射部位と非照射部位の間にめっき層の厚みの差が 現れた が、 時間が 経過 し厚みが増えるにっれてその差は減少する傾向が 認められた。

  6

. 現時点 では 、レー ザー 光を用 いて めっき 層の 厚みを 部分的に変化 させる こと はかな り困 難であり、これを変化させるにはめっきの際に電 極表面 の電 流分布 を自 由に変えることができるように、さらに追及する 必要がある。

(5)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

光による金属析出法の基礎的検討

ー 金 属 歯冠 修復 物作 製の 可能 性に つい てー

  本 砂 『 究 はCA D/CAMに よ る 歯jiLuL+ilj級 物 の 作 製 法 の ーっ と し て 金 属 め っ きによる三次元形状作製の可l;iuj1.三についてi£{iliLVI′、J検討を行ったものであ る 。 め っ き を コ ン 卜 口 ー ノ レ す る 方 法 と し て レ ー ザ ー 光 を 川し ヽ た 将15分 め っ き 法 に 着 目 し 、 レ ー ザ ー 光 の 作 用 を 光 そ の も の の 作 用 と 劇 ! の 作)Tjに よ る ものとのニつに分け爽験を行った。

  実 験1. レ ー ザ ー 光 の 光の 効果 によ る金 の冉Ij分め っき 法の)ik礎f| ′、J検討     JlJ電 極 をp型 シ リ コ ン 板 と 、 ゾ ル ー ゲ ル 法 に よ っ て 石 英 ガ ラ ス 板 上 に コ ー テ ィ ン グ し て 作 製 し た 二 酸 化 チ タ ン 藩 腆 と し 、 め っ き 液Il1に 作 Jn〒 匿 柧 を 浸 潰 し て ポ テ ン シ オ ス タ ッ 卜 に て 定 電 他 に 保 っ た 状 態 で 、 作 川 他極 にレ ーザー 光を !! 鋤4.し てそ の歯15分の みに めっ きを 行う こと を試 みた。

参 ! 眼 電 極 に は 銀 塩 化 銀 電 極 を 、 対 極 に はIヨ 金 板 を 使J・ ‖し た 。 レ ー ザ ー 装 識 と レ て 、 ア ル ゴ ン レ ー ザ ー とHc‑Cclレ ー ザ ー の2緬 封iを 使JlJレ た 。 め っ き 液 に はlヨ 本 工 レ ク 卜 ロ プ レ イ テ ィ ン グ エ ン ジ ニ ヤ ー ス 祉 製 金 め っ き 液 ニュー卜口ネクス309を使用した。

  爽 験2. レー ザー 光の 劇Iの 効来 によ る金 のyf15分めっき法のiIk礎「|′、j検討   こ こ で は レ ー ザ ー 光 の 熱 作 用 に 着I1し 、 電 解 め っ きrlに レ ー ザ ー 光 を f贓表而にli(,i#Jirることにより、電極を局所rI′、Jにカtl烈!することを試みた。

そ し てj廿 ら れ た め っ きJ画 の 厚 み を 測 定 し 、 レ ー ザ ー光ll( LJi.の 影響を 検討

一 生

夫 浩

洋 貴

文 眞

(6)

し た 。 作J. ‖ 電 極 に は 厚 さ0,1111 rnで 純 度99.7% の ニ ッケ ル 板を 使J・Iこ 亅し た。

こ の 作 川rl Li;firtbを め っ き 液 巾 に 浸 汝 レ 、 ポ テ ン シ オ ス タ ッ 卜 ま た は ガ ル バ ノ ス タ ッ ト をJ1] い て 定f注 位7黽 解 あ る い は 定fEf& 解 を 行 い な が ら 冠 極 表 而 に レ ー ザ ー 光 を ! ! 彊 射 し た 。 レ ー ザ ー 装i鹸 に は 長ll電 気 工 業 社 製YAGレ ー ザ ー を 使J'Hレ た 。 め っ き 液 に は 実 験1I司 じ 金 め っ き 液 を 使 JTiし た 。

翁!f 実験1について

  1. 作 川7也 概 をIっ 劉 シ リ コ ン 版 と し た 場 合 、 レ ー ザ ー 光 を 作 川7E概 の 表 側 か らjH射 し て もltSllJか ら ! !H射 し て も め っ き 眉 の 最 大 厚 さ は1Jn前 後 で あ り 、7注 位 を 低 く す る ほ ど 厚 く な る こ と が わ か っ た 。 ま た 、lゆ 川 か ら

!l[19ijす る よ り 表 側 か らll(,19i. し た 方 がめ っ きJ画の 境界 はよ りiリ ]1瞭 であ りく さ ら に レ ー ザ ー 光 で 作 用 電 極 上 に 図 形 をj1| む く こ と に よ り 、 そ の 部 位 に め っ きによる魚t|川な1司じ図形を .jWfくことができた。

  2. 作J・ 卩 電 極 を 二 酸 化 チ タ ン の 薄 膜 と し た 場 合 、 電 解 を 行 わ な い :l火 態 で Hc,C【lレーザーを!!H射した場合は金の析H:jを;認め、!!鼠身J.|1寸|瑚が坩すにつ れ て め っ き の 厚 み は 増 加 . し 、 最 大 で 約9mに 達 し た 。 ま た 表 側 か らjH 射す る より 、褒 りlI亅か ら! !醴 カ、J.し た方 がめ っき 眉の 厚み は厚 くな った。ゾルー ゲ ル 法 の ニ 酸 化 チ タ ン の コ ー テ ィ ン グI1数 は め っ きJば の 厚 み に 大 き な 響を与えていない。

尖験2について

  1.定f匿1立〒匿解めっきIIニ|におけるレーザー光! 眼身寸のょ衫響が町i著に弘Zれる f匿 他は、ー300mVあるいは・400mVであった。

  2・ 定 電 流 電 解 巾 に レ ー ザ ー 光 を ! !H射 す る と 、 め っ き の 初Jnこ お い て は

!! 騏 射舟15位 のめ っきJ画の厚みの増力‖ は大きかったが、|j寺I刊の経過とニ」ヒに増 カ‖述皮が鈍り非!照射部位と の差が減少した。

(7)

ネ爛侖

  1

. 半 導 休 を 作

JTi

電 極 と し 、 レ ー ザ ー 光 の 光 予 工 ネ ル ギ ー を 利 川 し て 、 電 極 の 電 他 を コ ン 卜 口 ー ル す る こ と に よ り 、 め っ き

J

襾 の 境 界 が 州 瞭 な 企 をりt出さ‑L+ることカヾでき、レーツ゛ー光で1乎意のめっきノくターンをj1|^くこ とができた。

  2

. ニ ッ ケ ル 板 を 作J

n

電 極 と し 、 レ ー ザ ー 光 の

2bA

作川 によ って 冉1! 分め っ き を 行 う こ と が で き 、 電 極 の 電 他 を コ ン ト 口 ー ル す る こ と で め っ き

J

f

境界をiリ・JI瞭にすることができた。

  3

. レ ー , リ ゛ ー 光 に よ っ て め っ き の 領 域 を 二 次 元 的 に コ ン ト 口 ー ル す るこ と が で き た 。 こ の こと に よ り 、 歯 科

J

1

三 亅 金 属 に 対 す る 新 し い 表 而 改 質 法を 展DHできる可能性が・Jl、J待される。

  4  .1311i

寸点では、レーザー光を用いてめっきJ画の厚みをむは分rI´、」に変化さ せ る こ と は か な り

I

弼 難 で あ り 、 こ れ を 変 化 さ せ る に は め っ き の

I

嘸 に 電 概 表 而 の 電 流 分 布 を

I

1

川 こ 変 え る こ と が で き る 方 法 を 、 さ ら に 遣 及 す る 必 要がある。

  

上記 の砲 『究 とその結果についてミ1ニ査、刪査が一堂に会して論文:Ijとf.喝野 に 櫛 々 質 川 を 試 み た 。 質

1

. ‖

n

こ つ い て は い ず れも 適 馴に 返答 がな され 、ー1 分 な 犂

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と 計

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の 下 に こ の 硼 「 究 が な さ れ た も の と 判 断 さ れ た 。 し た がっ て ホ 研 究 は 電 気

f

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J

に コ ン ト 口 ー ラ ブ ル な 金 属 の 造 形 法 に 逆 を っ け た もの で 、今 後の 発展 がJりj待できる。よって、本り「・究は審査貝一同I灯学li.l/:‑l 学1れを授与するに4血するものと認めた。

参照

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