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博 士 ( 工 学 ) 小 柳 幸 次 郎 学 位 論 文 題 名

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博 士 ( 工 学 ) 小 柳 幸 次 郎

学 位 論 文 題 名

周 期 構 造 媒 質 に お け る 位 相 整 合 特 性 を 用 い た      光 波 制 御 に 関 す る 研 究

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  近年インターネットトラフイツクの爆発的増大に対ゑけるため,通信容量は拡大の・q金をたどっ ている。このためには,一本の光フんイバに複数の異なる波長を同時に伝送する波長分割多重觚脚 通信システムの導入が重要となる。また,電気信号に変換することなく光のまま可能な限ルシンプ ルに 信号処理 を行う フオ卜 ニック ネット ワークが,21世紀の中心的ネットワークとして注目され る。これらを実現するには,光デ′℃イスや光仲剛支術に飛躍的な進歩が求められる。そこで,入力 光 の躪 ・f湘 を 電 界で 変える 電気光 学効果 ,周波数 変換を 引き起 こす非 嫐光学 効果, 屈折率 が 自律的に変化するフォトリフラクテイプ効果などを利用する光機能デバイスが期待される。また,

周期構造型のデンくイスが頻繁に利用され,重要な役目を果たしている。例えぱ,光波を分波するた めの回折格子,光波面を干渉縞として記録するホログラム,光波を実時間で偏向させる超音波偏向 器などすべて周期構造を利用している。

  本論文は,周期構造媒質における光波制御について考えている。ここでは,非線形光学係数の周 期構造と屈折率の周期構造を取り上げた。この周期構造を得るための媒質としては,一っは,周波 数変換のための分極反転構造媒質(ここではLiNb03結晶)であり,もうーっは,ホログラムを記録 するためのフォトリフラクテイプ媒質(ここではBa.Ti03結晶)である。これらの周期構造媒質を用 いた光波制御・変換を効率よく行うためには,各光波の波動ベクトルと周期構造の波数ベクトル間 において位相整合髏瞻I僻B整合Quasi一Ph鵠e−Matching:QPM)を満たす必要がある。従って,周期 構造におけるQ剛条件を制御することにより光波を制御できる。

  以下に本論文の概要を示すIo

  第1章では,本論文の背景,目的及び鷺成について述べている。

  第2章 では, 非線形光学効果・電気光学効果・フォトリフラクテイブ効果を用いた光波制御の基 本的な説明をしている。また,位相整合と分極反転の概念について説明している。周波数変換にお いて ,フレネ ル・キルヒホッフの回折理論を非線形媒質中に拡張したHellwarthの理論(本論文の 基本理論)より,出カを求めている。

  第3章 では, 分極反 転の各 ドメイン の厚さを考慮し制司期構造媒質におけるQPMの概念を明かに し, 第2高調 波発生くseconいHarmnic―也neration:sHG)におけるQ剛の微調整法としてべク卜ル 的(2次元的)位相整合法を提案している。入射角度を変化させてQPMをとるベクトノレ的方法は,

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従来の 基本波 の波長 を変化さ せる方 法と比 較して ,QPh4の微 調整が容易であることが示された。

  第4章で は,QPMの 波長選 択性を 用いた アップ コンバ ータ赤外分波器を提案している。この分波 器は, 周期の 異なる分極反転構造媒質の重ね合わせよりなる。そして,変換効率,角度分散,チャ ネノレ幅,通過帯#jril矚などの基本特性を理論的に検討している。分波できる最小のチャネル幅は,媒 質の大きさと分散および入射角度に依存することが示された。

  第5章で は,先 ず,QPM一SHGを用 いた光強度変調器を考えている。従来の周期構造媒質の屈折率 を変化 させる ため外部電界を印加するのとは異なり,ここでは,外部に付加した偏向器に外部電界 を印加 し,QPM‑sHG素子への 入射角 を変化 させてQ剛条件 を満足させるものである。従って,偏向 器に印 加する 変調電 界により 第2高綱 波の出カは変調される。これは,変調に必要な電界の大きさ が小さ くてす むb次に ,角度 分散素子 (回折格子)を用いて波長帯域を拡大することにより,群速 度不 整 合 に より 生 じ る 第2高 爾波 の パ ル ス波 形 広 が りを 抑 え る こと が で き るこ と が 示 された   第6章で は,周 期と厚 さの異 なる分 極反転構造媒質よりなる複合素子を用いた電気光学ビーム偏 向器を 提案し ,理論的に検討している。適切な値の電界を印加することにより,容易にマルチ位相 レベル でブレ ーズ化された回折光学素子を作ることができる。その結果,高い回折効率をもっデイ ジタル電気光学偏向器が得られることが分かった。

  第7章で は,フォトリフラクテイブ直交偏陂4光波混合による電気光学波長分波器を考えている。

この方 法は, 印加電界を異常光線の屈折率だけに影響を及ぽす方向に設定するため,常光線により すでに作られている屈折率格子が印加電界により乱されることはなし丶。そのため,原理的には,ポ ッケルス効果で決まる高速応答の可能性が示された。

  第8章では,周期分極反転構造媒質を複数のブロックに分け,各ブロックに男|J々の電界を印加し,

その電 界の細 み合わせにより非線形光学係数の周期構造媒質に屈折率の周期性をもたせる。これに より多 重波長 変換が容易に可能であることが示された。また,差周波数変換により変換される多重 信号光 波長を ,励起光波長と印加電界により高速に切り替えることが可能である。この素子の最大 の特長は,印加電界により波長変換特性を可変にできることである。

  第9章では,本研究で得られた成果の総括を行っている。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

周期構造媒質における位相整合特性を用いた      光制御に関する研究

近 年,イ ンター ネット 利用の普 及に伴い通信容量が爆発的に増大している,そのため,一本の光 ファイバに複数の異なる波長を同時に伝送させる波長分割多重(WDlrl)通信システムが導入されつつ ある.また,電気信号に変換することなく光信号のまま可能な限ルシンプルに信号処理を行うフオ トニックネットワーク化が進められている,これらを実現するためには,入力光の振幅・位旧を電 界 で変え る電気 光学効 果周波数 変換を行う非線形光学効果,屈折率が自律的に変化するフォトリ フラクテイブ効果などを利用する光機能デバイスの実現と発展が期待される.また,同時に,光波 を分波するための回折格子,光波面を干渉縞として記録するホログラム,光波を実時間で偏向させ る 超 音 波 偏 向 器 な ど 周 期 構 造 型 の デ パ イ ス の 更 な る 高 機 能 化 が 期 待 さ れ て い る . 本 研究は ,これ らのデ パイスに 利用されている周期構造媒質における光波制御について述べてい る.周期構造媒質としては,周波数変換のための分極反転構造媒質(ここではLiNb03結晶)におけ る非線形光学係数の周期構造,およびホログラムを記録するためのフォトリフラクテイブ媒質(ここ で はBaTi3結晶)における屈折率の周期構造を取り上げている,これらの周期構造媒質を用いた光 波制御・周波数変換を効率よく行うためには,各光波の波動ベク卜ルと周期構造の波数ベクトル間 において位相整合条件(あるいは,擬似讎B整合条件Q岨si一Phas洲atching:QPM)を満たす必要が あ る . 従 っ て , 周 期 構 造 に お け るQPM条 件 を 制 御 す る こ と に よ り 光 波 を 制 御 で き る . 以下に本研究の概要を示す.

  第 1章 で は , 本 研 究 の 背 景 , 目 的 及 ぴ 論 文 の 構 成 に っ い て 述 べ て い る .   第2章では ,非線形光学効果・電気光学効果・フオ卜リフラクテイブ効果を用いた光波制御の基 本的な説明をしている.また,位相整合と分極反転の概念について説明Lメくいる.さらに,本研究 の 基本理 論として,He11warthによって始められた回折理論に基く出カの計算法を説明している.

  第3章では ,分極 反転の 各ドメ インの厚さを考慮した周期構造媒質におけるQPM条件の移唸を明 かにし,第2高調波発生(Second―Harmnic−偽neration:SHG)における(班W条件の微調整法として ベ クトル 的(2次 元的) 位旧整 合法を提案している.入射角度を変化させてQ剛条件を満足させる     −165−

人 夫

瑛 秀

島 島

三 北

授 授

教 教

査 査

主 副

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ベ ク ト ル 的方 法 は , 基 本 波の 波 長 を 変 化さ せ る 従 来 の方 法 と 比 較 して , 微 調 整 が 容易 である こと が 示 されて いる.

  第4章 で は , 周 期の 異 な る 分 極 反転 構 造 媒 質 の重 ね 合 わ せ より な る ア ッ プコ ン バ ー タ 赤 外分 波 器 を 提 案 し てい る . こ の 分 波器 は ,QPx(条 件の利 用によ り波 長遷出 モ陸が ある. この 分波器 の,変 換効 率 , 角 度 分散 , チ ャ ネ ル 幅, 通 過 帯#FdIJなど の基本 特陸を 検討し ている .分 波でき る最小 のチャ ネ

′ レ 幅 は , 媒 質 の 大 き さ と 分 散 お よ び 入 射 角 度 に 依 存 す る こ と が 示 さ れ て い る ,   第5章 で は , 先 ず ,QPM‑SHGを 用い た 光 強 度 変調 器 を 検 討 して い る . 従 来 のよ う に 外 都 電界 を 印 加 し て 周 期構 造 媒 質 の 屈 折率 を 変 化 さ せる の と は 異 なり , 外 部 に 付加 し た 偏 向 器 に外 部電界 を印 加 し ,QPNI・SHG素 子 へ の 入 射角 を 変 化 さ せてQPNI条件 を 満 足 さ せるも のであ る,従 って ,偏向 器に印 加 す る 変 調電 界 に よ り 第2高 調 波 の 出カ は 変 調 さ れる . 次 に , 角 度分 散 素 子 ( 回折 格 子 ) を 外部 に 付 加 し て 波長 帯 域 を 拡 大 する こ . と に より , 群 速 度 不整 合 に よ り生じ る第2高調 波のパ ルス波 形広 が り を抑え ること がで きるこ とが示 されて いる・

  第6章 で は , 周 期と 厚 さ の 異 な る分 極 反 転 構 造媒 質 よ り な る複 合 素 子 を 用い た 電 気 光 学 ビー ム 偏 向 器を提 案し, 検討している,遣刧な値の電:界を印カロすることにより,容易にマパ′チ位相レベ′レで ブ レ ー ズ 化さ れ た 回 折 素 子を 作 る こ と がで き る . そ の結 果 , 高 い 回折 効 率 を も っ デイ ジタル 電気 光 学 偏向器 が得ら れる ことが 示され ている .

  第7章で は , フ ォ トリ フ ラ ク テ イブ 直 交 偏 波4光 渡 混 合 に よる 電 気 光 学 波 長分 波 器 を考 えてい る.

こ の方式 は,日 功ロ 電界を 異常光 線の屈 折率だ けに 影響を 及ぼす 方向に 印カ ロする ため, 常光線 により す で に 作 られ て い る 屈 折 率格 子 が 電 界 によ り 乱 さ れ るこ と は な い .そ の た め , 原 理的 には, ポッ ケ ル ス効果 で決ま る高 速応答 が期待 できる ことが 示さ れてい る.

  第8章 で は , 周 期分 極 反 転 構 造 媒質 を 複 数 の ブロ ッ ク に 分 け, 非 線 形 光 学係 数 の 周 期 構 造媒 質 に 屈 折 率 の 周期 性 を も た せ た多 重 波 長 変 換素 子 を 考 え てい る . 各 ブ ロッ ク に 別 々 の 電界 を印加 し, そ の 電 : 界 の細 み 合 わ せ に より , 多 重 波 長の 一括変 換カ糊 に司能 である こと が示さ れてい る,さ らに , 差 周 波 数 変換 を 用 い た 場 合に は , 波 長 変換 特 陸 可 変 の高 遠 切 り 替 え素 子 と し て 動 作さ せるこ とが で き ること が示さ れて いる.

  第9章 では, 本研究 で得 られた 成果の 総括を 行っ ている ,

  こ れ を要 す る に , 著者 は , 周 期 構造 媒 質 を 用 い た数 種 の 光 通信 用デバ イスに1立 相整合 条件 を利用 し た 光 波 制御 を 行 う こ と を提 案 し , 理 論的 に 検 討 し てい る . 調 整 の簡 易 化 , 高 速 化, 高効率 化な ど 光 通 信 用 デバ イ ス の 高 機 能化 の た め の 有用 な 新 知 見 が得 ら れ て お り, 光 情 報 通 信 工学 に貢献 する と こ ろ 大 な るも の が あ る . よっ て 著 者 は ,北 海道大 学博士 (工学 )の学 位を 授与さ れる資 格ある もの と 認 め る ,

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参照

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