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京都第一赤十字病院医学雑誌 第 2 巻発刊に寄せて

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Academic year: 2021

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巻 頭 言

京都第一赤十字病院医学雑誌 第 2 巻発刊に寄せて

 この度,京都第一赤十字病院医学雑誌の第二巻を発刊することになり,ご尽力された関係者の皆様に心 より感謝申し上げます.今回はベテランから若い世代にわたり,診療科 5 編,看護部 3 編,検査部 1 編,

病理診断科 1 編,薬剤部 1 編の計 9 編の投稿があり大変うれしく思っております.

 医学のベースは科学でありますが,近年,日本において,その基盤となる論文の “ 量と質 ” の低下が指 摘されています.論文の “ 量 ” は,2003 ~ 2005 年当時において米国について世界 2 位であったのが,

2013 ~ 2015 年では米国・中国・ドイツについで第 4 位となっています.論文の “ 質 ” を被引用数で評価 すると,米国・英国・ドイツに次ぐ 4 位であったものが,2013 ~ 2015 年ではフランス・イタリア・カナダ・

オーストラリアにも抜かれ 9 位まで落ち込んでいます.

 日本の論文数の少ない要因として,研究や論文作成を行う環境に乏しく学会発表から論文にする率が 10%と,諸外国の 30%以上に比し低いことが挙げられています.この雑誌発刊の意義も,少しでも論文 作成の “ 文化 ” に貢献することにあります.

 日本において論文にする率が低い理由として,業務が多忙にて研究や論文作成に充てる時間がないこと も指摘されています.今後,医師の働き方改革に取り組んで行かなければなりませんが,働き方の効率を 上げることにより,論文作成や研究に充てる時間を確保できる可能性があります.しかし,課題として,

その時間のどこまでが業務で,どこからが自己研鑽に相当するのか,新たなルール作りが必要になります.

予算などに限りはありますが,適切なインセンティブを確保し,学術活動が決して低迷しないように配慮 していければと思う次第です.

 さて,これからは医学の分野にも AI が活用され,業務だけでなく研究や論文作成のあり方が変化して いくと考えられます.AI は多くのデータを処理するのに非常に有効なツールですが,リサーチ・クエスチョ ンなどの発想は,“ 人 ” の仕事として残ります.そして,研究や論文作成を通じ形成される人と人との “ つ ながり ” は,院内・院外を問わずその分野におけるコンセンサス形成を促し,“ 医療の質 ” を高めてくれ ます!

 今後とも,京都第一赤十字病院医学雑誌の発刊を通して,科学の発展と社会貢献に寄与できることを願 いまして,発刊の挨拶とさせていただきます.

令和1年 11 月1日 京都第一赤十字病院 院長 池田 栄人

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