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手引き第2版WEB用.indb

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P h i l o s o p h y P s y c h o l o g y R e l i g i o n H i s t o r y S o c i o l o g y E d u c a t i o n C o n t e m p o r a r y C r i t i c i s m

u

v

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k

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k

g

第 版

第 版

2

第 版

2

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(3)

「 人 文 書 販 売 の 手 引 き 」 第 2 版 刊 行 に 際 し て

 2011年に「人文書販売の手引き」を刊行した際、多くのご担当者から感謝

されたことを覚えています。品揃えに悩まれていた方にとっては、待ちに待っ

たマニュアルだったのかもしれません。実際に現場で担当される方に重点を置

いた内容であったことも評価頂いた理由だったと思います。ただ同時に、なぜ

今までマニュアルを作らなかったのか?という質問も多く頂き、それには45

年も活動しているにも関わらず、というニュアンスも感じ取れました。

 人文書は各ジャンルが複合的に絡み合っているため、画一的な方向性を提示

することがとても困難です。店舗の立地、客層、周辺環境、在庫数などによっ

て展示の方法が異なり、「モデル」となる基本形が無いことが特徴ともいえま

す。なので現場で担当される方の考え方、力量が全てであり、そのことで個性

がある、魅力的な「棚」が全国各地に出来上がっていったのだと思います。そ

のような中で、あえて方向性を提示するマニュアルを作成する必要は本当にあ

るのか?という自問があったことも事実なのです。

 しかしながら昨今、状況は一変しました。中堅やベテランといえるキャリア

の方から教えを請われることが多くなり、このことは当然、若手の書店員の

方々にも影響してしまいます。なので、このような状況を打破するためにも、

マニュアルの作成が必要であると判断しました。

 「人文書販売の手引き」には、役立つヒントは載っていますが答えは載って

いません。あくまで骨組みの提示であり、肉付けするのはそれぞれのご担当者

です。大変恐縮ですが、試行錯誤して頂きながら、個々のお店に合った答えを

導き出して頂ければ幸いです。

 2015年9月

人文会代表幹事 

みすず書房・田﨑 洋幸 

(4)
(5)

C o n t e n t s

専門書の仕入と棚管理

1 ▲ 新刊仕入 6 2 ▲ 棚管理 8

棚チ

ートとキーワードで 理解する人文書の基 礎 知識

哲学・思想 12 心理 18 宗教 24 歴史 30 社会 38 教育学 44 現代の批評・評論 50

人 文書 棚づくりのための

Q

&

A

受賞と人文書 54 人文系雑誌 56 定番のフェア・セット 58 参考図書・情報源(図書編) 59 参考図書・情報源(Web 編) 60

基本図書

哲学・思想 62 心理 65 宗教 68 歴史─日本史 71 歴史─世界史 74 社会 77 教育学 80

1

2

3

4

(6)
(7)

専門書の

仕入と棚管理

(8)

 人文書などの専門書の仕入と商品管理のオペレーションは、雑誌、文庫、コ

ミック、実用書などの一般書のそれとは異なります。

 どの書籍を何冊仕入れるかという判断をする際、既刊書は過去の販売実績を

参考にできますが、新刊は過去の実績に頼ることができません。また多品種少

量販売の専門書について、1冊1冊をその内容まで深く把握することは困難です。

そこで適正な仕入を行うために近刊情報を参考にすることをお勧めします。

 近刊情報は「トーハン週報」「日販速報」などの取次情報誌、あるいは日本書

籍出版協会が発行する「これから出る本」などでも把握することができます。ま

た、近年はJPO

(日本出版インフラセンター)

の運営する近刊情報センターを活用す

るケースも増えています。近刊情報センターとは、出版社の刊行予定の新刊情報

を集約し、取次や書店に配信するシステムです。このデータベースを利用するこ

とによって最低限の近刊情報を、容易かつ効率的に入手することができます。

 出版社が書店向けに送付している「新刊案内」は最も詳細なものです。出版

社の新刊案内には、刊行予定の書籍について、著者の専門分野、展開すべき棚

の場所、類書、関連書、刷り部数、キーワードなどの重要な情報が明記されて

います。出版社ごとの新刊案内に目を通して、自店の客層と棚構成にあった商

品を積極的に仕入れることが必要です。

パターン配本制

 取次から新刊が送られてくることを配本といいます。配本は大きく分けてパ

ターン配本と受注配本の二つに分けられます。パターン配本とはランク配本、

データ配本ともいわれますが、これまでの店舗の販売実績を参考にして、取次

がある決まったパターンで新刊を書店に送品することをいいます。もともと店

舗ごとの購読者数を予測しやすい定期雑誌販売につかわれる手法ですが、膨大

な類書販売実績を基にした配本パターンは専門書においてもある程度の有効性

を持ちます。出版社によって、完全に取次のパターン配本で送品しているケー

スと、出版社独自のパターンで取次に配本を依頼するケースがあります。

 パターン配本の出版社の新刊は、注文をしなくても一定数の書籍が自動的に

送られてくるというメリットがあります。しかし、配本の有無や部数を、取次

や出版社にまかせるわけですから、担当者自身が売れる、売ろうと判断した商

1

新 刊 仕 入

(9)

品が入荷しない場合があります。したがって、パターン配本の出版社の新刊で

も積極的に販売しようと思う新刊については事前に出版社に発注し、適正な部

数を確保することが売上増につながります。

受注配本制

 受注配本制

(事前注文制)

とは、書店が刊行前に出版社に発注した書籍が注文

の数だけ送品されるという配本方式です。事前注文の締め切り日は出版社に

よって異なります。注文をしないと商品が書店に入荷しないのですから、受注

配本制の出版社の新刊は「新刊案内」などでチェックして、自店に必要な新刊

については確実に注文する必要があります。専門書は他のジャンルと比べて刷

り部数が少ないため、この受注配本制をとる出版社が少なくありません。

 それぞれの出版社がパターン配本をとるか、受注配本制をとるかは、各出版

社や取次の意向で決まっています。また、パターン配本と事前注文制を組み合

わせる出版社もあります。人文書担当者としては、それぞれの出版社がどのよ

うな配本方式を採用しているかを把握しておく必要があります。

新刊の返品について

 新刊の返品業務も書店にとっては重要な仕事です。

 委託品の新刊は委託期間は3ヶ月半です

[★1]

。委託期間内であれば返品が可能

です。委託期間を過ぎてからの返品は取次からの逆送の対象になることがあり

ます。専門書の出版社は返品に厳しいという印象があるようですが、それでも

委託期間内であれば逆送されることはありません

(多くの新刊は委託品[返品可]です が、出版社や商品によっては買い切り[返品不可]の新刊もありますので注意が必要です)

 また、専門書は1冊を売るのに時間がかかります。一般書と同じオペレー

ションで返品の判断をすると、売れるときに商品が棚に見当たらないというこ

とになり、販売ロスにつながります。したがって、人文書の多くの出版社は長

期の陳列を希望しており、そのため、了解があれば委託期間を過ぎても返品を

受け取るケースが多いのです。

 出版社ごとの返品条件を把握したうえで、どのタイミングでどのように返品

するのかを意識しておかなければなりません。

[★1] 新刊委託期間に関して、『出版販売の基礎知識』(トーハン刊)には「書籍の委託期間は3ヶ月半(105日)」 と記載されており、『出版営業入門 改訂版』(日本書籍出版協会刊)でも、同様に、取次会社―書店間の書 籍新刊委託期間を「3ヵ月半(105日)」と記載している。ただし『書店実務ハンドブック』(日本出版販売刊) では「発売から4ヶ月」と記載されている。

(10)

 書店の売上が新刊ばかりで成り立っていないのはどの分野でも同じことです

が、ロングセラーの多い専門書の場合はとりわけ売上に占める既刊書の比率が

高くなります。売上を伸ばすには品揃えとそれを維持・向上させていく棚管理

が重要です。ここでは棚管理上、避けて通れない「売れ筋」商品管理と「基本

図書」管理のオペレーションについて説明します。

「売れ筋」商品の管理

 ベストセラーなどの「売れ筋」商品を棚に必備し、売行きの止まってしまっ

た「死に筋」商品を棚からはずすことは、専門書に限らず重要な業務です。売

れ筋商品の情報は取次の分野別ベストセラー情報、書店法人ごとに作成される

売上ランク表、自店の売上などから判断できます。これらのデータを複合的に

組み合わせることによって、自店にあった商品を見つけ出し対応する必要があ

ります。

なぜ専門書棚に「基本図書」が必要か

 回転率の極端に高い「売れ筋」商品だけで棚をつくろうとすると、どうして

も専門的な読者への訴求力が弱くなりがちです。魅力的な専門書棚であり続け

るには「基本図書」の活用が不可欠です。

 そもそも魅力的な専門店の品揃えとは何でしょうか?

 たとえばケーキを例にとって考えてみましょう。コンビニでも最近はケーキ

を販売しています。しかしケーキ専門店の品揃えにはかないません。コンビニ

で販売しているケーキは、最もポピュラーなもの、すなわち売行きのよい商品

を数点そろえているに過ぎないのです。一方、ケーキ専門店の品揃えは必ずし

も回転率のよいものだけを揃えているわけではありません。ケーキ好きのお客

様にあわせて多種多様な種類の商品を幅広く揃えているのです。そうするこ

とによって、初めて専門店として幅広い顧客ニーズに応えることができるので

す。

 書籍でも同じことです。専門書棚を高回転率の「売れ筋」商品だけで構成す

るということは、ポピュラーなケーキだけを販売するコンビニのようなもので

す。それはもはや「専門書」棚とはいえないのではないでしょうか。

棚 菅 理

2

(11)

 そこで重要なのが「基本図書」管理の考え方です。「基本図書」とは、各分

野の中核となる名著、古典などで構成された書籍群のことです。専門書棚にお

ける「基本図書」の役割は次のようなものです。

しっかりした品揃えの店として専門的な読者に安心感を与え、顧客を引

き付ける。

棚構成がわかりやすくなり、新刊や関連書籍への購買意欲を喚起させる。

ロングセラー商品として一定の回転率と売上を確保する。

 「基本図書」は、ベストセラーや新刊などの「売れ筋」商品のように1ヶ月

に何回転もする商品とは限りません。したがって「売れ筋」商品の管理手法を

とっているだけでは「死に筋」商品と混同されて棚からはずされることがあり

ます。しかし、「基本図書」は年間を通して堅実に売れる商品です。さらには

多様な読者のニーズに応え専門的な読者を呼び込む商品です。基本図書なくし

ては専門書棚をつくることは不可能です。

 こうした「基本図書」を求める読者のニーズに応える棚づくりをするために

は、「売れ筋」商品管理とは異なる、もう一つの管理手法が求められるのです。

常備寄託制度を利用した「基本図書」管理

 「基本図書」は専門的かつ多品種なため、特に専門的な知識の少ない初級者

の方が選書する際には困難がともないます。また、「売れ筋」商品ほどには回

転率が高くないため棚効率を低下させてしまうという懸念もあります。

 こうした点を補うためにも出版社の常備セットを利用することが「基本図書」

管理の鍵となります。常備とは出版社の選定した「基本図書」を一定期間

(通 常は1年間)

書店の棚に陳列しておくという仕組みの取引です。戦後すぐに工学

書協会が始めたという説や、戦前から岩波書店などが採用していたという説な

ど、その起源に関しては諸説あるようですが、いずれにせよ専門書販売に長く

用いられてきた手法です。

 出版社と書店は書面で常備寄託契約を結びます。常備として書店に入荷した

商品の代金は、契約による陳列期間は請求されることがありません。その商品

は出版社の社外在庫扱いとなっているのです。つまり、キャッシュフローの面

で書店には大きなメリットが生じます。その代わり書店には商品の陳列義務と

補充義務があります。売れた商品は必ず補充注文をしなければなりませんし、

(12)

また1年間は返品することもできません。しかし、1年ごとに商品を入れ替え

ることで常に美本が陳列され、また必ず補充することで欠本を防ぐことができ

ます。すなわち、常備寄託制度とは、各分野の「基本図書」を、資金負担なく・

美本の状態で、常時、書店店頭に取り揃えることのできる制度なのです。

(13)

棚チャートと

キーワードで

理解する

人文書の基礎知識

(14)

基 礎 知 識

1

分でわかる哲学史

 今から2600年前の古代ギリシャでは、あらゆる「知」や「学問」のことをフィ

ロソフィーと呼びました。現代の学問体系では医学、天文学、地学、政治学、

心理学などに分類される様々な知性が、当時のアテネにおいてはプラトンやソ

クラテスなどの哲学者によって論じられていたのです。哲学が人文書のなかで

(あるいは諸学問のなかでも)

とりわけ特権的な地位を与えられているとしたら、

そうした歴史性に起因するものでしょう。

 哲学史では5世紀までを古代哲学、17世紀ごろまでを中世哲学、それ以降を

近代哲学と区別します。古代、中世はその時間の長さに比べると、現在流通し

ている関連書籍はほんのわずかです。

 哲学書と呼ばれる多くの書籍が近代以降を扱うものとして区分されます。

「近代」とは人間主義

(ヒューマニズム)

、科学主義、合理主義の時代です。政治史

上では「自由・平等・博愛」を掲げたフランス革命

(1789年)

、経済史上ではイ

ギリスの産業革命

(18∼19世紀)

に始まるこの時代は、哲学史上では「我思うゆ

えに我あり」と人間の自我を説いたデカルト

(1596―1650)

哲学に始まります。

すなわちそれは神が主役であった中世的世界観からの解放、人間中心主義を意

味します。これが近代哲学です。

現代哲学はなにを問題としているのか?

 しかしここで問題が起こります。人間主義と科学主義と合理主義を掲げた近

代世界は、本来であれば人間に幸福をもたらすはずでした。ところが、19世

紀、20世紀と時代が進むにつれて次第にそうはいえない事態が起こってきま

した。産業の発展は富の格差を生み出しました。国家間の争いは2度の世界大

戦にまで発展し、人類は戦争による大量虐殺と様々な差別を経験しました。ま

哲 学・思 想

(15)

た現代における科学技術の発展は、しばしば自然環境や生命への脅威となって

たち現れることとなりました。

 現代哲学とはこうした、近代のアポリア

(これは思想用語です。近代の難問とい う意味です)

を、それぞれの立場から乗り越えようとしたものです。その乗り越

える手法と地域と時代の違いによって「マルクス主義」「現象学」「実存主義」

「批判理論」「構造主義」「カルチュラル・スタディーズ」などに分けられます。

時代を映す哲学思想

 「ニュー・アカデミズム」とは80年代に流行った現代思想ブームです。この

時代は主にフランスの哲学・批評・文芸・思想などが続々と日本に紹介されま

した。90年代になるとそのブームも次第に終息し、2000年前後からは、英米

系の科学哲学・政治哲学が積極的に取り入れられるようになってきました。哲

学・思想にもその時々のトレンドがあります。その流れをつかんで的確な商品

構成を心がけなければなりません。

哲学の読者は誰か?

 哲学書と聞いただけで「難解」、というイメージを持たれるかもしれません。

たしかに専門的な哲学研究書というものは存在します。しかし哲学

(思想)

の使

命が現代社会に生起する難問

(アポリア)

に挑むことだとしたら、そしてかつて

あらゆる「知」にかかわる営みが「哲学」の名のもとに行われていたことを思

い起こせば、哲学の読者層には大きな広がりがあるといえます。

p h i l o s o p h y

(16)

ー ト

河出書房新社 新書館 図解・標準哲学史 白水社 年表で読む哲学 思想小事典 弘文堂 フランス哲学 思想事典 新書館 哲学キーワード事典 講談社 事典哲学の木 岩波書店 岩波哲学・思想事典 中公新書 日本哲学小史 講談社 再発見日本の哲学 NHK出版 中公新書 物語 哲学の歴史 中公新書 現代哲学の名著 青土社 現代思想ガイドブック 岩波新書 西洋哲学史 近代から現代へ 西洋哲学史 古代から中世へ 西洋哲学史 全4巻 中央公論新社 哲学の歴史 12巻別巻1 リクール レヴィナス ハイデガー メルロ ポンティ フッサール 叢書 ライブラリー ブックス 新書 文庫 ショーペンハウアー キルケゴール ニーチェ ベルクソン アラン ヴェイユ ヤスパース オルテガ サルトル ﹁ニュクス﹂ ﹁表象﹂ ﹁別冊水声通信﹂ ﹁atプラス﹂ ﹁談﹂ ﹁現代思想﹂ ﹁思想﹂ ディルタイ ガダマー フーコー ︵認識論︶ レヴィ ストロース ︵文化人類学︶ ラカン ︵精神分析︶ バルト ︵記号学︶ アルチュセール ︵哲学︶ ソシュール ︵言語学︶ アウグスティヌス キケロ アリストテレス プラトン ソクラテス ピタゴラス タレス モンテーニュ ルター オッカム アクィナス バリバール バディウ ランシエール ルジャンドル デリダ ラクー ラバルト ナンシー ガタリ ドゥルーズ リオタール ヘーゲル シェリング フィヒテ カント ルソー ヒューム ミル ロック マキャヴェッリ ホッブス ライプニッツ スピノザ パスカル デカルト ソンタグ ジジェク マラブー ドブレ スティグレール バフチン イーグルトン サイード ブランショ ジュネ バタイユ オーエン サン シモン フーリエ ブロッホ ルカーチ エンゲルス マルクス プルードン バクーニン クロポトキン ネオアナキズム ヴァッティモ ペルニオーラ ヴィルノ エスポジト カッチャーリ アガンベン ネグリ エーコ グラムシ クローチェ ヴィーコ ホネット ハーバーマス ベンヤミン マルクーゼ フロム アドルノ ホルクハイマー

(17)

哲 学・思 想

p h i l o s o p h y カルナップ ゲーデル ウィトゲンシュタイン ラッセル ホワイトヘッド フレーゲ 日本思想史概論 朱子学 儒教 老荘思想 イスラム哲学 インド哲学 三浦俊彦 野矢茂樹 土屋賢二 永井均 大森荘蔵 サール パトナム ダメット デイヴィドソン クワイン オースティン ライル 近代の超克 三木清 高山岩男 田辺元 西田幾多郎 京都学派 北一輝 大杉栄 福沢諭吉 東京大学出版会 近代日本の思想家 本居宣長 吉田松陰 伊藤仁斎 荻生徂徠 オートポイエーシス 生物学の哲学 三中信宏 伊勢田哲治 戸田山和久 心の哲学 デネット クーン ポパー M・ポランニー バシュラール マッハ 埴谷雄高 久野収 丸山眞男 井筒俊彦 鶴見俊輔 加藤周一 橋川文三 45〜 80) 森岡正博 加藤尚武 情報倫理学 環境倫理学 生命倫理学 応用倫理学 児玉聡 川本隆史 倫理学一般 倫理学事典 吉本隆明 中村雄二郎 木田元 山口昌男 江藤淳 小田実 廣松渉 長谷川宏 今村仁司 柄谷行人 ローティ ドゥオーキン ロールズ 公共哲学 バーリン ムア シュミット ケルゼン アーレント レオ・シュトラウス 浅田彰 中沢新一 鵜飼哲 酒井直樹 西谷修 高橋哲哉 鷲田清一 中島義道 内田樹 池田晶子 松岡正剛 80〜 チョムスキー シンガー ヘア ハート ウォルツァー サンデル テイラー マッキンタイア ノージック 古市憲寿 小熊英二 立岩真也 宮台真司 大澤真幸 上野千鶴子 見田宗介 千葉雅也 松浦寿輝 田中純 小林康夫 蓮實重 ラトゥーシュ トッド アタリ ウォーラーステイン セン M・フリードマン ハイエク K・ポランニー 大澤聡 宇野常寛 松本卓也 國分功一郎 広瀬純 苅部直 萱野稔人 佐々木中 東浩紀 山形浩生 仲正昌樹 小泉義之 檜垣立哉 熊野純彦 デューイ ジェイムズ パース

(18)

aマ ル ク ス 主 義 b マルクスとエンゲルスは、初期社会主義を空想的社 会主義と批判し、科学的社会主義を標榜した。弁証法 的唯物論、経済学、社会主義思想で構成される。ヨー ロッパ・ロシアへの影響をはじめ、1850年代から現 代に至るまで、近現代西欧思想史上最も影響力を持つ 思想・理論・実践活動であり、今なお内外を問わず多 くの哲学・思想書で参照、言及されている。 a現 象 学 b 20世紀初頭、フッサールによって確立された学問の 方法論。ドイツ観念論とは系列を異にし、哲学を厳密 に規定された科学とすることを試みた。ハイデガーや メルロ=ポンティ、サルトルの実存主義、30年代ア メリカのプラグマティズム、日本でも九鬼周造や市川 浩、野家啓一らに影響を与えた。 a実 存 主 義 b 19世紀以来の資本主義社会下における主体的自由の 喪失をともなう人間の危機に対して、第二次世界大戦 終結後、キルケゴールの〈実存〉を基軸にヤスパース やハイデガーを経由してサルトル、メルロ=ポンティ 主導で展開された思想運動。人間の自由に対する信頼 を強調したこの思想は、60年代の学生運動や前衛芸 術に大きな影響を与えた。 a構 造 主 義 b 1960年代、主体性や自由を重んずる実存主義の対極 に位置し、近代西欧思想の底深い転換、根本的な批判 を試みた多様な潮流の総称。ソシュールの構造言語学 を源泉とし、レヴィ=ストロースの構造人類学を発端 に社会や世界から構造・システムを取り出して比較分 析する方法論。その展開範囲はきわめて広く人類学、 精神分析、社会学、文芸批評などにも及ぶ。 aポ スト 構 造 主 義 b 1960年代後半から70年代後半にかけて展開した、構 造主義を批判的に継承しようとする思想運動。構造主 義の人間中心主義や西洋至上主義の否定を引き継ぎつ つも構造主義的科学主義に対して哲学的批判を加え ている。構造主義同様、言語学、精神分析、社会学、 人類学などで広く展開されている。日本では80年代、 浅田彰を中心に紹介されいわゆる『ニュー・アカ』ブー ムを巻き起こした。〈ポスト・モダン〉〈大きな物語〉 〈外への思考〉〈脱構築〉〈ノマディズム〉〈漂流〉など のキーワードがある。 aイタリア 思 想 b 20世紀イタリア思想はクローチェらに始まる美学・ 歴史学的潮流と、グラムシに代表されるマルクス主 義的潮流とがある。現代ではアガンベン、カッチャー リ、ペルニオーラが前者。ネグリ、ヴィルノ、ベラル ディ(ビフォ)が後者ということもできるが、前者も また積極的に政治哲学を展開しており、両者は緊密に 関係している。 a分 析 哲 学 b 数学や言語、論理、科学方法論を対象とする哲学の総 称。19世紀にアメリカで隆盛したジェイムズらのプ ラグマティズムとドイツで台頭したフレーゲ論理学、 この二つの流れを源流として20世紀以後ヨーロッパ でラッセルやウィトゲンシュタイン、アメリカでクワ

キ ー ワ ー ド

(19)

インやデイヴィドソンらが発展させた。 a心 の 哲 学 b 心の働き方や心身問題を対象とする哲学。近代に入り デカルトによって確立されたテーマで、20世紀に入っ てからはサールら英米系分析哲学の流れの中で議論が 行われている。この分野の代表的思想家としてはデ ネット、セラーズ、チャーマーズらがいる。 a生 物 学 の 哲 学 b 科学哲学の中で生物学の基礎を対象とする分野。 1960年代に台頭し現在英米圏では心の哲学と共に議 論が活発に行われている。ドーキンスの『利己的な遺 伝子』(紀伊國屋書店、2006年)以降は進化論を題材にし た書籍が人気を集めている。代表的な思想家にデネッ トやソーバー、ルース、ミリカン、ステレルニーらが いる。 a正 義 b 古来より倫理学や法学で議論されてきたテーマ。現代 では1971年にJ. ロールズが『正義論』を刊行しロー ティやドゥオーキンらと共に現代リベラリズムを形 成。それに対抗すべくノージックがリバタリアニズム (自由至上主義)を主張し、テイラーやサンデル、ウォ ルツァーらがコミュニタリアニズム(共同体主義)を展 開した。なお現在流通している『正義論』の邦訳には、 『正義論 改訂版』(紀伊國屋書店、2010年)がある。 aプ ラ グ マ テ ィズ ム b 「道具主義」あるいは「実用主義」と訳される、19世 紀中頃のアメリカで台頭した思想。パースを始祖と し、ジェイムズとデューイで確立する。方法論として は当時著しく発展を遂げていた科学を重視し、特に 論理学、心理学、倫理学に大きな功績を残している。 20世紀に入ってもクワインやローティに大きな影響 を与えており、現在も再発見と見直しが進み翻訳書や 研究書の刊行が進んでいる。

哲 学・思 想

p h i l o s o p h y

(20)

基 礎 知 識

実験系と臨床系

 宗教や哲学の領域とされていた「心」に関する問題を、客観的・科学的に扱

う学問として、心理学が誕生したのは19世紀後半です。

 現在、心理学は「基礎心理学」と「応用心理学」に大別できます。

 「基礎心理学」とは心理学の一般法則を研究する分野で、「実験心理学」と呼

ばれることもあります。これに対して「応用心理学」とはその「基礎心理学」

で得られた法則や知識を実際の問題に役立てる分野です。これを「実験心理学」

に対して「臨床心理学」と呼ぶ場合もあります。「臨床心理学」とは、心に悩

みや問題を抱えた人に向き合い、その援助の方法を考える、きわめて実践的な

ものです。

 こうした基礎系

(実験)

と応用系

(臨床)

という二つの区分は、たとえば研究と

治療という領域がある医学分野などでも見られることですが、心理学の場合は

両者の交流はそれほどなく、読者も異なります。したがって店頭ではその読者

対象の違いを意識して区別して展示するのが望ましいでしょう。

心の専門家を目指す人が増えている

 「臨床心理学」の知識を活用して心に悩みを抱えた人たちの援助をする専門

家のことを、カウンセラー、臨床心理士、心理療法家などといいます。こう

した人たちの一定の知識水準を維持する目的で1988年には「臨床心理士」の

資格制度がスタートしました。国家資格ではないものの、心理分野では、知名

度・取得難易度ともに最も高いとされている資格です。2014年4月時点で約

28,000名の「臨床心理士」が誕生しています。臨床心理系の専門家・研究者

が多く所属する学会に「一般社団法人日本心理臨床学会」

(会員数:約26,500名 /2014年2月現在)

があります。また、基礎心理系の研究者の多くが所属する学

心 理

(21)

会に「公益社団法人日本心理学会」

(会員数:約7,500名/2015年2月現在)

があり

ます。

 複雑化する社会の中で心理的な問題を抱える人が増え、心の専門家の活動に

関心が集まっています。こうしたことから、心理職の国家資格化を求める声も

高まっており、多方面で論議されていますが、未だ国家資格として法制化はさ

れていません。

読者は誰?

 心理学の専門家や研究者だけが心理学書の読者ではありません。「臨床系」

を中心に多様な読者の広がりが考えられます。たとえば、「カウンセリング」

は教師や介護従事者に、

「精神医学

(うつ・トラウマ)

」は精神科などの医師に、

「社

会心理・対人心理」は企業ではたらく社会人に、それぞれ読者がいます。

 また心理学は、恋愛感情や人間関係、性格判断、記憶力など一般の人にも興

味深いテーマが多いため、エッセイや読み物も数多く刊行されています。しかし、

こうした書籍は、タイトルに「心理」とついていても、学問としての心理学とは一

線を画すものです。読者層を念頭に置いて棚づくりされることをお勧めします。

p s y c h o l o g y

(22)

ー ト

心理学雑誌 心理学検定 性格 パーソナリティ 健康・スポーツ 女性・環境・福祉 その他の心理学 心理読み物・エッセイ 自閉症・障害児等 LD・ダウン症 発達障害 ADHD 青年・老年 幼児・児童 発達・生涯発達 辞典・事典 概論 統計・計測 原理・方法 歴史 講座 叢書 概論 辞典・事典 いじめ 不登校 スクール カウンセリング 学校カウンセリング 教育相談 辞典・事典 概論 共感覚 ギブソン アフォーダンス 人工知能 情報処理 脳・記憶・思考 臨床心理士資格 叢書・講座 辞典・事典 概論 広告 ・文化 キャリア カウンセリング 産業カウンセリング 集団 組織 産業 労働 家族・環境 対人関係 辞典・事典 Y︱G性格検査 MMPI K式発達検査 投映法 TAT ロールシャッハ テスト バウムテスト 感覚・知覚 学習 記憶 思考 言語 動機・感情 質的研究 NLP ︵神経言語プログラミング︶ 犯罪・非行・矯正

(23)

心 理

p s y c h o l o g y 河合隼雄 分析心理学 A・エリス 論理療法 マインドフルネス 認知行動療法 フォーカシング ロジャーズ カウンセリング 叢書・講座 辞典・事典 音楽療法 箱庭療法 描画療法 芸術療法 交流分析 自律訓練法 精神分析理論 フロイト 対象関係論・転移 M・クライン 精神分析的心理療法 ウィニコット 神経症 パニック 不安障害 躁うつ病 気分障害 境界例 ︵BPO︶ 人格障害 精神病理障害 統合失調症 概論・辞典・事典 心身症 心身医学 アダルトチルドレン 依存 嗜癖 拒食・過食 自傷行為・摂食障害 心的外傷 虐待 トラウマ PTSD マスロー トランスパーソナル サイコシンセシス 医療心理 自殺・ひきこもり フランクル 中井久夫 土居健郎 神田橋條治 神谷美恵子 木村敏 ターミナルケア 集団療法 精神保健 ゲシュタルト療法 ブリーフセラピー 短期療法 家族心理学 家族療法 ロールプレイング 遊戯療法 コラージュ等 サイコドラマ ラカン E・H・エリクソン ビオン フロム アドラー ユング 北山修 松木邦裕 藤山直樹 森田療法 動作療法 内観法 ナラティブセラピー ミルトン エリクソン 催眠療法 アレクサンダーテクニック タッピング ダンスセラピー

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a基 礎 心 理 学 b 感覚、知覚、認知、記憶、学習、動物行動などの心理 学における一般法則を研究する分野。基礎心理学の研 究方法としては、“実験”が中心的に用いられること から実験心理学とも言う。実験により得られたデータ を、統計的に処理することで人の心理を解き明かす。 心理学を「基礎心理学」と「応用心理学」に大別した 場合、基礎心理学分野には社会心理学、発達心理学、 認知心理学、学習心理学、異常心理学などが含まれ る。 a認 知 心 理 学 b 人間の認知活動(見る、聞く、理解する、覚える、考える、 コミュニケーションするなど)について研究する学問。認 知心理学が発展する前は行動主義心理学(刺激と反応に よって生物の行動を捉える心理学)が全盛だったが、コン ピュータの情報処理の考え方が心理学に取り入れられ るようになり、認知心理学という分野が成立した。基 礎心理学の一分野ではあるが、研究が進み書物も増え たため独立した分野として提示されるようになった。 a社 会 心 理 学 b 人は社会的動物といわれ、集団や社会を形成しその中 で育ち生活している。社会心理学は人と人との関係や 社会の中での人の行動について研究する学問。社会 における個人や集団の行動、組織における人間行動、 ジェンダーや偏見など文化的歴史的に規定された人間 行動の研究、マスメディア研究など、幅の広い研究領 域を含んでいる。 a発 達 心 理 学 b 人間を生涯にわたって観察することから発達の法則を 発見しようとする学問。この分野はふたつに分けられ る。ひとつは、年代を追って乳児期、幼児期、児童 期、青年期、成人期、老年期など各発達期ごとに分 け、その特色と相互関係を研究する縦割りの区分。も うひとつは、知覚、感情、言語、知能、人格などの各 精神機能についてその発達の様相や関連を究明する横 割りの区分である。 a教 育 心 理 学 b 教育的な視点から心理学を応用しようとする学問。主 なテーマとしては、成長・発達・学習・人格・適応・ 評価・学級・教師と児童の関係・教化の心理・特殊児 童の心理などがある。心理学の他の専門分野、児童心 理学、青年心理学、発達心理学、学習心理学、人格心 理学と密接に結び付いており、これらの関連領域すべ てを含めて教育心理学と定義する場合もある。 a臨 床 心 理 学 b 実験心理学が心を研究し、心理的な働きを知ることを 目的にする学問であるのに対して、臨床心理学は、心 に悩みや問題を抱えた人を援助(ケア)する実践的な 学問。心理検査・心理診断や心理療法の領域を含んで おり、精神医学的な知識も必要とされる。他の心理学 とも関係が深いのも特徴。 a心 理 療 法 b 臨床心理学の一分野。サイコセラピー、精神療法とも 呼ばれる。薬や物理的な療法に頼らず対話や訓練など を通して精神的課題を解決しようという分野。今日で

キ ー ワ ー ド

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は心理学者は心理療法という用語を使い、精神科医は 精神療法と呼ぶ傾向が強い。代表的な心理療法として は、行動療法、家族療法、論理療法、ゲシュタルト療 法、自律訓練法(自己催眠)、森田療法、箱庭療法、内 観療法などがある。 a精 神 分 析 b ジクムント・フロイトによって創始された心理治療の 方法。フロイトは、人間には無意識の世界が存在し、 人の行動はその無意識によって左右されると考え、無 意識に抑圧された葛藤を表面化させて、本人が意識す ることによって、症状が解消するという治療仮説を立 てた。それが精神分析の始まりである。その後、精神 分析は人間の心や精神を理解する包括的な心理学とし て発展し、哲学・思想、文学、芸術、など人文学全体 に影響を与えている。 a精 神 医 学 b 各種の精神疾患に関する診断、治療、研究を行う臨床 医学の一分野。精神医学を専門的に行う医師を精神科 医と呼ぶ。同じ「心」の問題を扱う臨床心理士と異な り、精神科医は、医師(国家資格)で投薬ができる。民 間資格である臨床心理士は、投薬治療を行うことがで きない。心理学者は「心」とか「心理」というが、医 師は「精神」という。統合失調症や拒食・過食、うつ 病など比較的重い症状の精神疾患を扱う。

心 理

p s y c h o l o g y

(26)

基 礎 知 識

核となる 5 分類

 世界中に数限りなくある宗教・宗派も書籍においては5つに大別することが

できます。(1)宗教学ないし宗教一般、(2)キリスト教・イスラム教・仏教な

どの伝統宗教に関する研究書、(3)伝統宗教をベースにした生き方・暮らし方

などの関連書

(法話・物語・生活規範)

、(4)その他の宗教

(新宗教・新新宗教)

、(5)

精神世界、の5つです。

宗教一般・宗教学

 「宗教一般・宗教学」とは、特定の宗教を論ずるのではなく、各宗教を包括

して横断的に考察する書籍群です。また世界の様々な宗教についての概説や事

典、比較宗教・宗教間対話など、特定の宗教に関する時事的なトピックを扱う

書籍も含みます。その時々の世界情勢などにも配慮して、関心を集めている宗

教について拡充することが必要です。

宗教書の読者とは?

 宗教書の読者は①特定の信仰を持つ層

(信者・宗教教師)

、②自己研鑽や学問的

な関心を持つ層に分類できます。①の読者については、自店の地域性を考慮

し、各宗教・宗派の品揃えに強弱をつけた棚を構成することが重要です。『宗

教年鑑』

(文化庁発行)

、NHKが行っている全国県民意識調査・都道府県民の信

仰を参考にしてください

(共にサイトで検索できます)

 また②は広がりのある読者で、a)他ジャンルから興味が広がった読者

(歴史 →神道や仏教、哲学→キリスト教など)

。b)メディアで取りあげられた宗教教師

(牧 師・僧侶など)

に関心を持った読者。c)個人的な〈人生の転機〉をきっかけに宗

宗 教

(27)

教に関心を持った読者、などが想定されます。a)・b)については広く世間の

関心を集めるトピックに注意を払い、関連する宗教的なテーマの拡充を試みた

り、地元メディアで連載を持つ著者の著作をチェックして確実に在庫を確保し

たいものです。c)については可能な範囲で基本図書を揃える、などが有効で

す。

 近年、欧米などで広がっているマインドフルネス

(瞑想を中心とした心理療法)

の影響で、上座部仏教

(ヴィパッサナー)

や瞑想法などへの関心が、特定の信仰

を持たない人々やビジネスマンの間で高まっています。また今日の世界情勢か

らイスラム教・比較宗教についても多くの関心を集めています。

精神世界はトレンドを逃さずに

 「精神世界」は新刊も多く、トレンドが常に変化するために、ジャンル区分

が難しいコーナーです。しかし、他店の売れ行きなど最新の動向を把握しつつ

自店のお客様の嗜好をつかむことができれば、全体の売上に大きく貢献できる

分野でもあります。性別や年齢、社会的地位や知識のレベルにかかわらず、幅

広い層が関心を持っているジャンルです。また、知識をさらに深めたいという

志向をもつ読者が数多く存在します。

 こうした方々は、新しいテーマや、お気に入りの著者の新刊情報にとても敏

感であり初速も速いので、自店の顧客ニーズを過去の実績から掴み、常に適正

部数の仕入を心がけることが必要です。信頼を得られる棚を構築することがで

きれば、読者は「その棚の」リピーターとなっていく傾向が強いです。

r e l i g i o n

(28)

ー ト

その他 イスラム教 ヒンドゥー教 世界の宗教 南都六宗 ︵法相宗 華厳宗 律宗︶ 中村元 大乗仏教 唯識 中論 龍樹 異端宗教 キリスト教関連読み物 説教集 賛美歌 キリスト教 聖書入門 イエス キリスト教史 神学 聖書学 聖書 葬式 戒名 仏事 宗派別入門 仏教入門 仏教事典・辞典 瞑想 ︵マインドフルネス︶ アメリカ仏教 インド仏教 ブッダ 原始仏教 ︵初期仏教︶ 宗教時事 宗教社会学 比較宗教学 宗教学概論 宗教学事典 仏像 写経 写仏 仏画 巡礼 お寺ガイド ﹁大法輪﹂ ﹁サンガ・ジャパン﹂ 枡野俊明 釈徹宗 小池龍之介 塩沼亮潤 南直哉 玄侑宗久 サンスクリット語 パーリ語 大蔵経 仏教聖典 原始仏典 ダライ・ラマ チベット仏教 お経折り本 お経CD 観音経 法華経 般若心経 お経 ひろさちや 酒井雄哉 瀬戸内寂聴 松原泰道 法話・エッセイ 天台宗・真言宗 最澄 千日回峰行 空海 大日経 理趣経 曼荼羅 梵字 曹洞宗・臨済宗 無門関 臨在録 十牛図 碧巌録 道元 正法眼蔵 修証義

(29)

宗 教

r e l i g i o n 創価学会 世界救世教 生長の家 大本教 天理教 幸福の科学 阿含宗 真光 真如苑 立正佼成会 シュタイナー グルジェフ クリシュナムルティ 神智学 魔術 錬金術 スウェーデンボルグ 西洋神秘主義 ネイティブアメリカン インドの聖者 OSHO 藤田一照 澤木興道 鈴木大拙 沢庵 一休 夜船閑話 白隠 良寛 法然 浄土・浄土真宗 開目抄 立正安国論 日蓮 日蓮宗 陰陽道 呪術 神仏習合 神様 神社 正信偈 教行信証 歎異抄 浄土三部経 蓮如 親鸞 アセンション 超古代 予言 超能力 宇宙人 UFO 陰謀論 生死観 へミシンク 前世 死後 体外離脱 ホ・オポノポノ 天使 霊能者 スピリチュアル読み物 引き寄せの法則 ザ・シークレット bashar ニール ドナルド ウォルシュ プレアデス シルバー・バーチ エドガー・ケイシー ホメオパシー パワーストーン 波動 レイキ 呼吸法 チャクラ 瞑想 アーユルヴェーダ ヨーガ

(30)

a上 座 部 仏 教・大 乗 仏 教 b 上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)は、釈迦の教えを忠 実に守り、涅槃(ねはん。輪廻からの解脱)に至ることを 旨とし、インドからスリランカ、東南アジアに伝播し たもの。大乗仏教は、大衆の救いを第一と考える菩 薩の思想を強調するもので、インドから北上しシルク ロードを経て、中国・日本に伝播した。自身の成仏に あたり、「空」(くう)の立場から縁起(えんぎ)を説く。 a龍 樹 b 龍樹(りゅうじゅ)は南インドのバラモン出身の僧(イ ンド名ナーガールジュナ)。インド大乗仏教中観派(ちゅ うがんは)の祖。幼い頃から多くの学問に通じ、大乗 仏教の基盤となる『般若経』で強調された「空」の思 想を理論的に基礎づけ、体系化し、上座部仏教に比肩 する教えとした。後の大乗系仏教全般に決定的影響を 与え、「大乗八宗の祖」とされている。 a中 論 b 『中論』(ちゅうろん)は、初期大乗仏教の僧、龍樹が 「空」の思想を理論的・哲学的に構築したもの。特定 の考え方に固執する「とらわれ」をすべて否定し、徹 底した中道が説かれている。『中論』の説く「空」そ して「中道」は、大乗仏教の根本思想とされている。 漢語に訳したのは鳩摩羅什(くまらじゅう)。 a唯 識 b 唯識(ゆいしき)は龍樹の空思想と異なり、一切が空で はなく、静かに事象を観察すれば、ただ心すなわち識 (しき)だけが唯一のものとして存在するという考え。 自分を苦しめ迷わせる心を深層から分析し解き明か す。中期大乗経典の一つで、玄奘三蔵(げんじょうさん ぞう)がインドから中国に伝え、奈良時代に日本に伝 来した。仏教の根本学として重要な思想。 a密 教 b 密教(みっきょう)はインド仏教後期の時代に成立。ヒ ンドゥー教の隆盛により仏教が圧迫され、その再興を 模索するなかで、ヒンドゥー教の要素をも取り込むこ とで成立した。仏教の各宗派の中でも特に祈祷を重視 し、そのための呪文や儀式が多く整えられている。チ ベット仏教はインドの後期密教を継承している。日本 における密教は最澄の天台宗と空海の真言宗がある。 a浄 土 思 想 b 「阿弥陀仏」の名を唱え、聞くことそのものに功徳(く どく)があり、極楽往生できるという教え。日本では 円仁(えんにん)が中国で学んだ浄土的要素を天台宗に 取り入れ、空也が布教活動を始め、源信(げんしん)が 『往生要集』を撰述。その後、末法思想が一般化した 平安時代を経て、鎌倉時代に法然が浄土宗を、親鸞が 浄土真宗を開き、一般民衆にこの思想を広めた。 a禅 宗 b 大乗仏教の宗派の一つ。インドで生まれ、達磨(だる ま)が中国に伝えて発達、日本には鎌倉時代に栄西 (えいさい)が臨済宗を、道元(どうげん)が曹洞宗をそ れぞれ伝え、江戸時代に隠元(いんげん)が伝えた黄檗 宗(おうばくしゅう)を加えて、この3宗派を総称して いう。坐禅を中心にした修行により悟りが得られると する。江戸中期の白隠慧鶴(はくいんえかく)によって、 師から弟子への悟りの伝達を重んじる公案体系がまと

キ ー ワ ー ド

(31)

められた。 aアメリカ 仏 教 b 1950年代にアメリカの知識階級に伝わった禅(Zen) は、60∼70年代のヒッピームーブメントの中で若者 達に支持された。その後、上座部仏教のヴィパッサ ナー瞑想法などから心理療法としてのマインドフルネ スが生み出されたと言える。今日では行為としての瞑 想の実践がビジネスマンに広がっている。またアメリ カで禅指導を行っていた藤田一照(ふじたいっしょう) や山下良道(やましたりょうどう)などが、日本におい ても、これまでの経験を生かした瞑想指導を行ってい る。 aマイ ンド フル ネ ス b 70年代、微生物学者のジョン・カバットジンによっ て、ストレス低減プログラムとして始められた心理療 法。瞑想(坐禅・ヴィパッサナー瞑想法など)を応用した 治療法で、一瞬一瞬の呼吸や身体の感覚に意識を集中 させ、セルフコントロールの能力を高める。正式には マインドフルネスストレス低減法と呼ばれ、うつ症状 やストレスを抱えた人などに治療効果を上げている。 a聖 書 b 聖書はキリスト教とユダヤ教の教典である。ユダヤ教 では旧約聖書を、キリスト教では旧約聖書と新約聖書 の両方を教典とする。聖書は世界中の様々な言語に翻 訳されているが、現在日本における代表的な翻訳は 「新共同訳」と呼ばれ、カトリックとプロテスタント が共同で訳語の統一に取り組んだものである。 aオ カ ルト b 狭義では、神秘主義・思想や魔術や錬金術などをさす 言葉だが、広義では、UFO、宇宙人、超能力、予言、 陰謀論などを含んだ総称として使われる。本手引の棚 区分では広義の意味で「オカルト」と定義している。 近年は陰謀論にまつわる著作の出版が活発だが、トレ ンドや情報の鮮度に気を配る必要がある。 aス ピ リ チュ ア ル b 既存の宗教観・世界観などにとらわれずに、神や天 使、魂、宇宙などの超自然的な存在を信じ、探求する 思想・文化の総称。1970年代のニューエイジ思想が、 現在の精神世界の棚構成の土台になっているが、その 中でも特に「スピリチュアル」は中心的なジャンル と位置づけることができる。近年、「スピリチュアル」 という言葉が本来の語義よりも広くカジュアル化して いる。 a願 望 実 現・引 き 寄 せ の 法 則 b 古代から伝わる、民俗的・宗教的または儀式・魔術を ルーツとして、現代の成功哲学・自己啓発法の影響を 受けて発展した、現代人向けの願望の実現法。ロン ダ・バーン『ザ・シークレット』(角川書店、2007年) の発売以降、「引き寄せの法則」が話題となり、現在 もブームが続いている。新刊点数が比較的多いが、実 績のある定番書籍も必須のジャンル。

宗 教

r e l i g i o n

(32)

基 礎 知 識

 日本史でも世界史でも棚づくりの前提として、最低限の歴史の流れを知って

おく必要があります。まずは、売り場にある簡単な通史の目次や歴史年表に目

を通します。特に世界史においては、時代によって同じ地域でも国名が変わっ

たり、「神聖ローマ帝国」「ハプスブルク帝国」など今では存在しない国名が登

場するので、この作業によって主要な国名や王朝の順番などを頭に入れておく

ことは必須の作業です。大枠の時代をおさえたら、キーワード、さらには著者

という流れで棚の配列を考えていきます。

日本史の棚づくり――

郷土の歴史に注目する

 まず自分が勤務する店舗がある地域の歴史に着目してください。日本史の特

色として、地域によって売れる時代、ジャンルが大きく異なるという点が挙げ

られます。日本の各地域は、それぞれ固有の歴史・民俗を持っています。近隣

にある古墳や城址、名を馳せた武将、地元が舞台の合戦、古来伝わる伝統文

化・祭り……。歴史ファンの一定数は確実に地元の歴史に関心を持っているた

め、まずは郷土史の棚をしっかり構築することが固定客の獲得につながります。

 さらに地元に在住する著者にも注意しましょう。大学などアカデミズムに籍

を置く研究者だけでなく、在野の郷土史家にも注目することが必要です。自治

体史の執筆や市民講座など、地域に密着した活動をしている著者の刊行物は、

住民から強い関心を向けられており、他書店との差別化も図れます。

 また日本史は、専門の研究者からゲームやコミックから興味が芽生えた歴史

ファンまで、読者層の幅が非常に広いジャンルです。専門性の高い「歴史書」

から一般的な「歴史読み物」まで、バラエティに富んだ出版物が刊行されてい

歴 史

まず歴史年表や通史の目次で、

歴史の流れとキーワードを把握する

(33)

ます。まずは獲得したい客層を明確にしましょう。学生・専門家を主要な顧客

とするなら「歴史書」の品揃えを充実させ、一般の歴史ファンやファミリー層

をターゲットと考えるなら「読み物」の割合を多くすることが必要です。自店

の立地や規模、そこから導かれる店舗コンセプトに合わせて硬軟のバランスを

いかに取るかは人文書の棚づくりに共通するポイントですが、出版物の振り幅

の大きい日本史ジャンルにおいては特に意識すべき点となります。

世界史の棚づくり――

常に人気のある地域・時代を押さえつつ

 世界史の棚はどの時代や地域を充実させるかがポイントになります。出版さ

れる書籍も多く、それだけ人気があるのは、古代エジプトや古代ローマ、中国

の三国時代です。ヨーロッパ各国史の中ではドイツ史です。

 また「テルマエ・ロマエ」の影響で古代ローマに関する書籍が増え、ドラマ

「ダウントン・アビー」人気で執事やメイドに関する書籍の需要が高まったよ

うに、小説やコミック、TVドラマなどから世界史に波及することがあります。

 昨今の流れとしては、「世界史」と「日本史」を跨ぐような書籍

(「アジア史」 といった類)

、特にどの地域・国とは限らない文明史など、「世界史」の棚のど

こに置けばよいのか迷うものが増えているのも特徴の一つです。「世界史概論」

などの中分類を作ってまとめたり、著者の専門分野や既刊からどこの棚に置く

かを決めたりする必要があるでしょう。

 また、これまでは伝統的に第二次大戦までを「世界史」に置き、それ以降は

「海外事情」に置くという分け方が一般的でしたが、戦後70年を過ぎ、どこで

区切るかが課題となっています。決定打となるような新しい分け方はまだ定

まっていませんが、「1989年」まで、あるいは「20世紀末」までを世界史で扱

うといった意見も増えてきています。

h i s t o r y

参照

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信号を時々無視するとしている。宗教別では,仏教徒がたいてい信号を守 ると答える傾向にあった

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな

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1) 。その中で「トイレ(排泄)」は「身の回りの用事」に