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文芸書では芥川賞や直木賞が一般に知られていますが、人文書にはどのような賞 がありますか?
文芸分野における芥川賞や直木賞と同じように、人文書の分野でも販売に影響を 及ぼす賞があります。代表的なものは各新聞社が主催する「大佛次郎賞」「読売 文学賞」「毎日出版文化賞」です。そのほか「大宅壮一ノンフィクション賞」、「講 談社ノンフィクション賞」「小林秀雄賞」なども影響力があります。
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1月
主催:紀伊國屋書店 紀伊國屋じんぶん大賞
★第5回(2015年)東浩紀『弱いつながり』(幻冬舎)
2月
主催:読売新聞社
読売文学賞《評論・伝記賞》
★第66回(2015年)富士川義之『ある文人学者の肖像 評伝・富士川英郎』(新書館)
3月
主催:姫路市 和辻哲郎文化賞
★第27回(2015年)亀井俊介『有島武郎 世間に対して真剣勝負をし続けて』(ミ ネルヴァ書房)、稲垣良典『トマス・アクィナスの神学』(創文社)、『トマス・アクィ ナス「存在の形而上学」』(春秋社)
4月
主催:日本文学振興会、運営:文藝春秋 大宅壮一ノンフィクション賞
★第46回(2015年)須田桃子『捏造の科学者STAP細胞事件』(文藝春秋)
6月
主催:日仏会館、読売新聞社 渋沢・クローデル賞
★第32回(2015年)大森晋輔『ピエール・クロソウスキー 伝達のドラマトゥル ギー』(左右社)
Q.
A.
と 人 文
賞
受 書
主催:読売新聞社、中央公論新社 読売・吉野作造賞
★第16回(2015年)福永文夫『日本占領史 1945―1952』(中央公論新社)、木村幹『日 韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)
9月
主催:講談社
講談社ノンフィクション賞
★第36回(2014年)清武英利『しんがり 山一證券最後の12人』(講談社)
主催:日本翻訳家協会 日本翻訳出版文化賞
★第51回(2014年)岸本良彦訳『新天文学』(工作舎)、高田英樹訳『マルコ・ポーロ ルスティケッロ・ダ・ピーサ 世界の記「東方見聞録」対校訳』(名古屋大学出版会)
10月 主催:新潮社 小林秀雄賞
★第13回(2014年)山田太一『月日の残像』(新潮社)
主催:アジア調査学会、毎日新聞社 アジア・太平洋賞
★第26回(2014年)葛兆光『中国再考 その領域・民族・文化』(岩波書店)
11月
主催:毎日新聞社
毎日出版文化賞《人文・社会部門》
★第68回(2014年)秦郁彦『明と暗のノモンハン戦史』(PHP研究所)
主催:サントリー文化財団
サントリー学芸賞《思想・歴史部門》
★第36回(2014年)福嶋亮大『復興文化論―日本的創造の系譜』(青土社)、本田 晃子『天体建築論―レオニドフとソ連邦の紙上建築時代』(東京大学出版会)
12月
主催:朝日新聞社 大佛次郎賞
★第40回(2014年)長谷川郁夫『吉田健一』(新潮社)
大佛次郎論壇賞
★第13回(2014年)遠藤典子『原子力損害賠償制度の研究 東京電力福島原発事 故からの考察』(岩波書店)
(部門がある場合人文系のみ表記)
人文の雑誌(定期刊行物)にはどのようなものがありますか。また人文書担当者と してはそれらの雑誌をすべて読んでおくべきでしょうか?
雑誌や定期刊行物は人文分野の情報源としてとても重要です。なぜなら各ジャン ルを代表する雑誌はそのときどきのトレンドのテーマや中心的な著者やこれから 活躍する若手の著者が網羅されているからです。掲載されている論文を読む必要 は必ずしもありませんが、各分野の毎号の特集と著者名は常に注目するとよいで しょう。
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R哲 学・思 想 系
『思想』 岩波書店/月刊/29日
哲学、人文・社会科学の業績を紹介。
『現代思想』 青土社/月刊/27日
思想と哲学。隣接科学の領域を特集形式で取り上げる。
『みすず』 みすず書房/月刊/1日
人文書好きのための情報誌。1・2月合併号では読者アンケートを特集。
『atプラス』 太田出版/季刊
「思想」と「活動」に焦点をあてる。
『談』 水曜社/年3回
次の時代に生きる価値観をテーマ別に提示する。
『表象』 月曜社/年1回 表象文化論学会の学会誌。
『別冊 水声通信』 水声社/不定期 1テーマを掘り下げる編集。
『nyx ニュクス』 堀之内出版/不定期 分野横断的な思想誌。
R歴 史 系
『日本歴史』 吉川弘文館/月刊/25日
日本歴史の研究と正しい歴史知識普及を目的とする。
『史学雑誌』 山川出版社/月刊/中旬
日本の歴史学研究において最も権威ある雑誌の一つ。
『歴史学研究』 青木書店/月刊/24日 歴史学研究会員の研究成果を収録。
『歴史評論』 校倉書房/月刊/10日
学界最先端の論文を中心に毎回特集を組む。
Q.
A.
系 雑 誌 文
人
『歴史読本』 KADOKAWA/季刊/6日 歴史よりテーマをとりあげて特集。
『歴史街道』 PHP研究所/月刊/6日
現代感覚とビジュアルな誌面で歴史を読む。
『歴史群像』 学研パブリッシング/隔月刊/6日 戦史をドラマチックに解説する。
R宗 教 系
『大法輪』 大法輪閣/月刊/8日
1934年創刊。一般の人へ仏教をやさしく紹介。
『サンガ・ジャパン』 サンガ/季刊 仏教の可能性を探す新しい総合誌。
R心 理 系
『臨床心理学』 金剛出版/隔月刊/月初
臨床心理学の専門誌。最新知見の紹介も充実。
『精神療法』 金剛出版/隔月刊
初学者からベテランまで、総合精神療法専門誌。
『児童心理』 金子書房/月刊/12日
子どもと歩む教師と父母に厚い信頼の代表誌。
『こころの科学』 日本評論社/隔月刊
心理、精神医学領域を具体的にわかりやすく解説。
R教 育 系
『そだちの科学』 日本評論社/年2回 子どもの心の問題をわかりやすく解説。
『発達』 ミネルヴァ書房/季刊
発達、心理、保育、教育に関するトピックを扱う。
R総 合
『世界』 岩波書店/月刊/8日 現代の諸問題を論ずる総合雑誌。
『ユリイカ』 青土社/月刊/27日 現代詩と批評の専門誌。
『考える人』 新潮社/季刊
シンプルな暮らし、自分の頭で考える力を提案する。
『kotoba』 集英社/季刊
扱うものは、小説・フィクション以外のすべてのもの。
『SIGHT』 rockin on/不定期
リベラルに世界を読む、渋谷陽一責任編集。
R書 評 誌
『週刊読書人』(週刊読書人/週刊)、『図書新聞』(図書新聞/週刊)
R出 版 社P R誌
『scripta』(紀伊國屋書店/季刊)、『未来』(未來社/季刊)、『ちくま』(筑摩書房/月刊)、
『UP』(東京大学出版会/月刊)、『本郷』(吉川弘文館/隔月刊)、『春秋』(春秋社/月刊)、
『究』(ミネルヴァ書房/月刊)
常備セットが重要であることはわかりました。そのほかに人文書棚を活性化させ るための定番フェアやセットはどのような企画がありますか?
棚づくりやフェア企画の際に、出版社や出版団体や取次が提案する定番のセット やフェアを利用するのも有効です。
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「書物復権」は、岩波書店、紀伊國屋書店、勁草書房、青土社、東京大学出版会、
白水社、法政大学出版局、みすず書房、未來社、吉川弘文館の10社で構成され ている団体です。毎年5月中旬ごろ、各社の品切れのラインナップから読者のリ クエストの多い書目を復刊して共同フェアを行っています。
「四六判宣言フェア」は、文字どおり四六判の書籍に限定して行うフェア企画で す。大月書店、紀伊國屋書店、春秋社、晶文社、人文書院、青土社、創元社、白 水社、平凡社、みすず書房、吉川弘文館の11社で構成されています。各社5点、
計55点のラインナップで毎年7月に行われます。
「歴懇リバイバル」は歴史書懇話会(明石書店、校倉書房、思文閣出版、東京堂出版、刀水 書房、同成社、塙書房、法蔵館、山川出版社、ミネルヴァ書房、吉川弘文館の11社)が主催す る共同復刊企画フェアです。各社の品切書籍の中から、日本史を中心に考古学、
宗教史、東洋史、西洋史、国文学、伝記等を復刊します。
「アジアの本の会」は、明石書店(事務局)、かもがわ出版、現代書館、高文研、コ モンズ、彩流社、春秋社、新評論、筑波書房、東京大学出版会、東方出版、梨の 木舎、農山漁村文化協会、めこんの14社で構成されています、随時企画される ブックフェアや棚セット(基本セット90点と特選セット48点の2種)でのコーナーづく りを提案しています。
そのほか、棚づくりの参考となる企画に取次の人文書セットがあります。トーハ ン(人文書オーダーベスト)、日販(人文書ていばん)は、それぞれ独自に人文書出版社 の商品を仕入れ、棚をつくるための企画セットを書店に提案しています。
人文会でも毎月1回、会員各社の一押し書籍を「自信のオススメ」という形で FAXにてお送りしています。また、トーハンと協力し年に3、4回「ベストセレ クション」を発行しております。これはある特定のテーマを設定し、その関連書 籍をピックアップしてまとめています。
人文会Webサイトにアップされておりますのでご覧ください。
Q.
A.
の フ ェ 番
定 ア・セ ッ ト
各ジャンルの棚づくりに役立つ参考図書や情報源を教えてください。
人文書のトレンドを把握するには日ごろからアンテナを張っておくことが重要で す。近刊・新刊情報の収集には各出版社の新刊案内やPR誌、取次広報誌、新聞 書評欄、新聞広告、webなどが役に立ちます。また基本図書による棚づくりには
「人文書のすすめ」「教育書販売へのご提案」「仏教のすすめ」など、出版団体の 発行する棚づくりの案内書を利用することをお勧めします。人文会刊行の「人文 書のすすめⅣ」(2008年、非売品)は分野の動向と基本図書を収録しています。
そのほか、店頭で販売している人文書の入門書は、それぞれの分野の基本知識 やキーワードや重要著者などが平易に解説されているので、書店実務の参考書と しても有用です。
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R哲 学・思 想
貫成人『図説・標準 哲学史』(新書館、2008年)
ドミニク・フォルシェー『年表で読む哲学・思想小辞典』(白水社、2001年)
「哲学の歴史」(中央公論新社、2007年)
R心 理
渋谷昌三監修『史上最強図解 よくわかる心理学』(ナツメ社、2010年)
R宗 教
仏教書総目録刊行会『仏教のすすめ』(2013〜14年、非売品)
R歴 史
保立道久『基本の30冊 日本史学』(人文書院、2015年)
樺山紘一『新・現代歴史学の名著』(中央公論新社、2010年)
R社 会 学
長谷川公一ほか編『社会学』(有斐閣、2007年)
R教 育
教育図書出版会『教育書販売へのご提案―効率的で個性のある棚づくりのため に』(2014年6月改訂、非売品)
※その他、岩波書店の「思考のフロンティア」、ナツメ社の「図解雑学シリーズ」などは各テーマにつ いてコンパクトにまとまっているので棚づくりに役に立つ。
R書 店 業 務 ・販 売 実 務 に 関 す る も の トーハン『出版流通の基礎知識』(トーハン)
日販経営相談センター編『書店実務ハンドブック』(日本出版販売)
須長文夫、相田良雄、柴田信『出版販売の実際』(エディタースクール出版部、2005年)
Q.
A.
図 書 ・ 考
参 情報源( 図書 編 )