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バレス『自由人』に関する考察

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バレス『自由人』に関する考察

著者

炭谷 公美子

雑誌名

年報・フランス研究

38

ページ

55-68

発行年

2004-12-25

URL

http://hdl.handle.net/10236/10326

(2)

バ レス『 自由人』 に関す る考察

炭谷 公美子 は じめ に モー リス・バ レスの『 自由人』は、『観念小説三部作・ 自我礼拝』の第

2作

目として、前年 の『蛮族 の眼の下』 に続 いて

1889年

に発表 された。随所 にち りばめ られた宗教用語 、歴史・美術 0文 学 にお ける固有名詞 の圧倒 的な多 さ、 観念 的な言葉 の多用、構成の複雑 さが、現代 に生 きる我 々 に とって はひ どく読 みづ らく、作品世界 を我 々か ら離れ た、閉 じた もの として いるが、 このあか ら さまに露 出されたデ ィ レッタ ンティズムは、発表 当時バ レスよ り上 の世代か ら は傲慢かつ理解 困難 にみえた という。 しか し同世代か らひ と世代下 の読者か ら は、 まさに熱狂的な支持 を得 た。そ の ことが後 にダダイス ト、シュール レア リ ス トたち をして、 「バ レス裁判①」 と呼ばれるパ フォーマ ンスを行なわ しめる。 この作品が若 いシュール レア リス トたちを虜 にしていな けれ ば、 このパ フォー マ ンスはなか った と思 うと、非常 に興味深 い。彼 らは 「保守主義者バ レス」 に 射程 を合わせたのではない。 「『自由人』 を書 いたのに、保 守主義者 とな った バ レス」で あったか らこそ、パ フォーマ ンスの槍玉 に上 げたのである。彼 らは 単 に熱狂 した ばか りでな く、少なか らず この作 品か ら影 響 を受 けて いる。それ は、 この作 品が同時代 を生きる魂・悩める若 い知識人たちを代弁 して いる とい うだ けでな く、文学的 にみて も革新性 を備 えていた とい うことである。それが な けれ ば裁判 にか け られ るとい う 「栄誉」 に浴す こともなか ったろ う。今 回の 論文で は まず 、 この奇書 ともいえ る作 品の特 異 さのひ とつで ある 〈〈

EXAMEN

MORAL〉

〉と名付 け られた部分 を取 り上 げ、そ こで 「起 こって いる こと」 の詳

(3)

バレス『自由人』に関する考察 細 と、その意味 を探 る。そ して後半では、 この作品 にお ける 「自由人」 「自我」 のあ りかたについての考察 を試みる。

1

作品全体の構成 について 物語 は、語 り手 の 日記形式で進行す るが、 日付 けは一切 な く、読み進 め ば季 節の移 り変わ りや天候 、時刻が察せ られ るだ けの、一人称 の精神・ 意識 の記録 ともいうべきものである。〈〈je〉〉の名前は明か されないが、前作 と同 じ人物が主 人公で あ り (前作 では二人称 で語 られた)、 そ の話者/主 人公 は、バ レスが想定 す る読者 (バレスよ りおおむね

10歳

ほど若 い大学生、バカ ロレア合格者、文学 青年

)が

、よ く似 た感性 を供 えた精神・ 肉体 の持 ち主 と して一体感 を持 ち、 さ らにそれは作者の 「写 し」であると受 け取れ るよ うに描かれる。 ひ と通 りのおお まかなあ らす じ (全体の進行 と構成

)を

示 してお く。 全体 は大き く3篇に分け られている。 第 1篇 は初夏、旧友 シモ ンとの再会で始 まる。複雑 さと単純 さを合わせ持つ、 この皮肉な友人 との英仏海峡の島、ジュルゼーでのヴ ァカ ンスを経て、二人で、 魂 を絶 え間な く感 動 を生み出す ひ とつの機械 とす るための計画 に意気投合す る までが語 られ る。

3篇

の うち最 も短 く、オー プニ ングの趣 きである。 また ジェ ルゼーでのバカ ンスの期間 も短期間である。 第

2篇

で は、秋か ら冬 にかけてのヴォー ジュの僧院のような邸宅 にお けるふ た りの隠遁・思索 生活 へ と進 む。郷 里 ロレー ヌの歴史・ 文化 の検証 を中心 に、 ロレーヌの魂 と自 らの 自我 のつなが りを求 める小旅行、春先 の シモ ンとの共 同 思索 生活 の破たん、直感 に導 かれて のヴェネツィアヘの旅、 ここで もロレー ヌ の場合 と同様 に歴史、ルネサ ンス期 の絵画 を通 して ヴェネテ ィアの魂 との一致 が探 られ る。

3篇

の うち最 も長 く、本編 といえ る。期間 は秋 か ら翌春 まで の約 半年間であ り、また内容的にも変化 に富む。 第

3篇

では、パ リに戻 ってか らの恋愛体験 のままな らな さと、カ ンヌ逃避行 に終 わ るそ のてん末が語 られ 、 シモ ンヘの手紙が したため られ る。語 られ る期

(4)

バ レス『自由人』に関する考察 57

間 は 、夏 か ら秋 まで 、 全体 の 中で は補 足 的 役 割 を持 ち 、 シモ ンヘ の 手紙 は総 括 で あ る。

EXAMEN MORALと

ロ ヨラの『霊操』

全体における位置と構成

く〈

EXAMEN MORAL〉

〉は、第2篇 〈〈L'Ёglise militante〉〉の第

4章

く〈Examens de

conscience〉〉に含 まれ て いる。 この章 は、章題 の あ と短 い二 か た ま りの地 の文 が あ り、そ れ に続 いて く〈

EXAMEN PHYSIQUE〉

〉、 〈〈

EXAMEN MORAL〉

〉とい う ふ た つ の小 タイ トル で統 括 され る文 とで構 成 され て い る。 ひ とつ の 内面 的 な精 神・ 意 識 の流 れ が 、 時 系 列 的 な物 語 りの 中で分 節 化 され 、 さ らに宗 教 的 な マ ニ ュ アル の枠 組 み が 移 植 され る。枠 を作 り、 さ らにそ の枠 の 内外 で分 節化 す る こ とは 、 前作 『蛮 族 の 眼 の下 』 にお いて既 に作 者 が 試 み た 手 法 で あ るが 、 こ こで は さ らに徹 底 され 、 よ り複雑 な 回路 が設定 され る。 〈〈

EXAMEN MORAL〉

〉は、イ エ ズス会 の創始 者 。イ グナチ ウス・ デ 0ロヨ ラ の 『霊 操 』 にお け る瞑 想 の枠 組 み を ほ ぼそ の ま ま持 って きて い る。 内容 と して は 、 話 者 で あ る主 人公 が 、友 人 シモ ン と共 に行 な った一 晩 の思 索 が綴 られ て い る。構成 は、 まず 〈〈

EXAMEN MORAL〉

〉の章題 の も とに6つの、 ひ とつか ら複 数 の段 落 で作 られ る文 のか た ま りが あ り、続 いて 〈〈働 禦 sJわ″ル ″ω 〉〉の も と に2つ、く〈丘

"索

θル ル“θ″〉〉、く(OJJagν`〉〉の も とに各 ひ とつ の、計10の か た ま りで構 成 され る。 各かた ま りは短 い もので数行 、長 くて も

50行

程 で あ る。 ② 『霊操』について 門脇佳吉氏によれば、『霊操』とは、「イグナチオが <霊 操を授ける人

>に

< どのよ うに霊操を授けるか

>指

南 した指導書②」で、その本質 と目的は、 「魂 を準備 し、整えるあらゆる方法のことである。霊操で目指す ことは、まず、す べての邪な愛着を己か ら除き去 り、除去 した後、魂の救いのために自分の生活 をどのように整えるか ということについて、神の御旨を探 し、見い出す ことで

(5)

バレス『自由人』に関する考察 ある。③」神 の御 旨を探 し、見 い出す とは、最終的 にはロヨラ自身が体験 した と 同様の神秘体験 に至 る とい うことである。

16世

紀 にイエズス会 の創始者が記 し た、神秘体験 に至 る ことを 目的 とした指導書であ り、カ トリック世界 に生 きて いな い我々には理解不可能な気が して くるが、仏教 にも精通 した訳者である門 脇氏 による 「『霊操体験』が、禅の接心 (7日間の座禅

)と

類似 している」④と の指摘 に勇 を得て、取 り組んでみよ う。 ロヨラは、以下 のよ うに記述す る。 「実 に魂 を満 た し、満足 させ るのは、多 く知 るよ りも物事 を内的に深 く感得 し味わ うことに他な らない。⑤」この言葉 に、 我 々はバ レスが 『霊操 』 に こだわ る由縁 を伺 い知 る事が 出来 る。バ レスは作品 中、語 り手である主人公 に、以下 のよ うに語 らせ て いる。 「無味乾燥な しか も 無限 に豊かな本、その教 える心 のか らくりは、いつ読んで も胸 を掻 き乱 さず に はおかない本。ディレッタン トの、狂信者の書いた本である。それは僕の懐疑 と軽侮を膨張させ、感激への要求を強めて くれる。⑥」 「哲学者たちは何故 この ロヨラの機械論に憤慨するのか。大部分の人達のなかで既に本能的となってい るあの観念総合の作用によって、人間機械の発条をなぜ思いのまま操 らないの か。(7)」 ③

EXAMEN MORALに

お け る 『 霊 操 』 の 利 用 の さ れ か た 具 体 的 に く〈

EXAMEN MORAL〉

〉 と 『 霊 操 』 と の 間 テ ク ス トを 見 て み る 。 まず『霊操』は、魂の機械化の為の具体的な実践マニュアル として機能す る。 ヴォージュの屋敷の隠遁生活 は、次のような『霊操』の総注の第

20に

お いて、 その意図を見出す ことができる。 「すべて の友人や知人、および世間的な配慮か ら遠 ざかれば遠 ざか るほ ど、 よ リー層霊 的実 りを得 るであろ う。 た とえば、住 んでいた家 を出て、他 の家、 または他の部屋 に移 り、出来 るだけ 目立たず にそ こに住 む方がよい。…… この 離れ た生活 か らの利点 は多 いが、…… このよ うに離れ住 む人 は、 さまざまな事 柄 に心 を散 らさず 、ただひ とつの こと、つ ま り創造主 に仕 え、 自分 の魂 の利益

(6)

バレス『自由人』に関する考察 だ け に こ ころ を集 中 し、切望 してや まぬ もの を懸 命 に求 め るた め 、 生来 の 自分 の能 力 を一 層 自由 に使 え るの で あ る。私 た ち の魂 が ます ます 独 りとな り、 人や 周 りか ら離 れ れ ば離 れ るだ け 、創 造 主 に近 づ き、触 れ る の にふ さわ しい もの に な る。3)」 主 人 公 とシモ ンは、 ヴ ォー.ジュ の屋 敷 に届 く手紙 は焼 き、外 部 との連 絡 を一 切 遮 断す る。 さ らに沈 黙 の規 則 もまた 『霊 操 』 の総 注 にお いて 示 唆 され て い る ことで ある。 『 霊 操 』 は また 、 内容 と手 法 が 一体 化 した形 式 、言 い換 えれ ば精 神・ 意 識 の 「枠 組 み

/回

路 」 と して 、《

EXAMEN MORAL〉

〉に はめ込 まれ 、最大 限 に活 用 され る。神 の意 志 を知 る為 に感 覚 を研 ぎす ます 精 神 ・ 意 識 の 回路 を借用 して 、 バ レス は、感 受 力 を増 大 させ 、魂 を絶 え間 な く感 動 を生 み 出す ひ とつ の機 械 と す るた め の 回 路 を作 品 の なか に設 定 す る。 そ のサ ー キ ッ トを満 た して通 過 す る 精 神・ 意識 の様 相 が綴 られ る。 『霊操 』の中で、〈〈

EXAMEN MORAL〉

〉に使用 されて いるの は、第 一週 の 「第 二 霊操 (自分 の罪 につ いて の黙想)」 で あ る。 そ れ は、 以下 の フ ォー マ ッ トで進 行 す る。そ の部 分 の 『霊操 』 を見 て み よ う。 【第一週 0第 二霊操】一― 自分の罪についての黙想一― この霊操は、準備の祈 り、第一・第二前備、第一か ら第五の要点、主 との対話の合計9 つのパー トに大きく分節されている。①) 第一前備……想像力を働かせて、黙想の現場に身を置 く。 第二前備・……自らの罪について深 く強い悲嘆と痛悔の涙を願 う。 第一要点・……自分の罪を順次に思い起 こしなが ら、住んでいた場所や家を思い起 こし、 他者 と交わ した会話を思い起 こし、果た して来た職務について考える。 第二要点・……罪の重大さを知る。 第二要点 ……わた しは何 ものであるかを省察す る、つま り、すべての人に比べて、天 国にいるすべての天使 と聖人に比べて、いかに小さいか、神 にくらべ、 とるにた らぬ も

(7)

バ レス『自由人』に関する考察 のであるか、ではわた し一人どうして存在 し得るかを順に省察する。想像力を駆使 して、 この身が朽ち果てて、醜い骸になることをじっくり見、この身が潰瘍や膿腫におかされ、 そ こか らおびただ しい罪 と悪が吹き出 し、けが らわ しい膿が流れでるのを観察する。 第四要点……神 とは誰であるかの洞察。全知全能の神の属性 と、それ とは反対の私の 属性 とを比較する。 第五要点……すべての被造物 をた どり、それ らが今迄 自らを生きなが らえさせ、命 を 守 り続けて くれた ことに思い至る。 対話 この プ ロセ スが 、く〈

EXAMEN MORAL〉

〉にお いて は次 のよ うに応用 され る。 「前備 」 は、短 いふ たか た ま りの文章 によ り、以 下 の よ うな状 況 設 定 と して 示 され る:主人公 とシモ ンは 、 フ ロ ック を着 、 ネ クタイ を締 め 、 エ ナ メル の靴 を履 く。部屋 の ラ ンプ をつ け、あか あか と火 を燃や し、暖 炉 の椅 子 に腰掛 ける。 夜 の 明 け る まで 寝 な い ことに決 め る。 「シモ ンは歓 喜 を交 え た 、 苦 痛 に近 い興 奮 を感 じて 、痙 攣 した指 先 を高 くあ げ、癒 病 の身振 りをす るほ ど興 奮 して いた。 … … 最 初 の言 葉 を発す る まで に、 い ささか粗 野 で は あるが 、 しか も新奇 な情 熱 を、気 勢 を、僕 は伝染作用 によ って味わ った。(10」 第 一 要 点 と第 二 要 点 は、 以 下 の よ うに箇 条 書 き の 形 式 を とる 中 に混 在 させ ら れ る。 イ タ リ ック体 や 大 文 字 表 記 が 使 用 され る。 『霊操 』 フ ォー マ ッ トの借用 で あ るが 、 会 話 の途 中 に挿 入 され て いるだ け に、 奇 異 な 印象 を伴 う。本 論 文 に お い て 、原 文 訳 は 、伊 吹武 彦 氏 の名 訳 に依 って い るが 、 こ こで は原 文 を紹 介 す る。

Et d'abord parcourons,lui ditte,leS heux oさ nous avons demeuだ.

I.DANS GROUP DE LA FAMILLE(c℃ st―≧―dire au milicu de∝ s relations quc je ne me suis

pas faites moi―meme),J'江〆Ch6:

Pαr′θれs″ (leS p6ch6s par pens“s sont les plus graves,car la pens“ est rhomme meme);

ciest ainsl que Je rniabaissal Jusqulh avoir des preJuges sur les situatlons sociales et quc Je respectai

(8)

バ レス『自由人』に関する考察

Par′α″Jθ(leS p6ch6s par parole sont dangereux,car par ses paroles on arnve aゞ influencer

soi―nttme);dest ainsi quc jiai dit,pour ne point ptta含 ぼe difκrent,mine phlases m6diocres qui mlont fait rme plusコ巌;diocre.

Par θι

“ッ″(leS p6ch6s par oeuvre,des←a―dire les acdons,n'ont pas grande importance,si la

pens“proteste);tOutefoisユ y a des cas:ainsi,le tort quc je me is en me remsant un fauteuil a

oreincttes otj'aurais m6di“ plus noblement.

2.DANS LA VIE ACⅡVE(d est―瀑dire au miheu de ceux quc∫ d cOnnus par ma propre

initiative),j'ai p6ch6: Pα r′ιれsθθ: ・・・""“"。(11) その後、以上の 「分析」 に対す るふた りのデ ィスカ ッションが

100行

弱にわ た って描かれ、一行 開 けて、主人公 の苦行 (肉体 をむち打つ こと

)へ

のハ イテ ンシ ョンな欲求が

40行

余 りとうとうと綴 られ る。それはおおよそ神秘体験 に近 い、読者 を相手 に した内面の告 自で ある。 「こうい うことを書 き記す のはため らわれ る。諸君 に示すべ きは理屈で はな くそ の場 の盛 り上が るよ うな感動 で あ る。 しか も僕 にはそ こにある神秘 の雲 をそ の ま ま再 現す る ことが 出来 な い… 。。.(12)」 そ して 〈〈働 η"sJあκル ″銘 〉〉(黙想の対象 となる、想定 された出来事 の起 こ るそ の場所 にいるかのよ うに、 リアル にイ メー ジす る こと、 『霊操 』の もっ と も基 本的な黙想形態

)へ

の提案が主人公 によってな され、続 く二段落 のひ とか たま りは、〈〈働 禦 sJわ″ル ″θγ〉〉と章立てされ る。そ こでは状況構成の内容の みが示 され る。 「夜 の間に一 人の男がベ ッ ドに うず くまって いる。絶望 と無力 のため に天 を仰 ぎなが ら。彼 はモル ヒネ によって も制 し得な い不断 の刺痛 に悩 んでいる。0」 そ うして いる うちに夜が開け (時間の経過 を示す地 の文)、 彼 らは凍 りつ く明 け方、〈〈ル

"索

θル ル“θ″)〉 を始める。 自らが死んで、柩 に横たわ り、それで一 切が終わ る様子 を想像す る この部分 は、第二要点 に相 当す る。そ して3つの段 落か ら構成 される 〈〈6JJag夕θ〉〉がその後 に続 く。

(9)

62 バレス『自由人』に関する考察 ④ く〈

EXAMEN MORAL〉

〉にお いて『霊操』の導入が果たす効果 以上 、我 々は『霊操 』 との対応 関係 を確認 した。 しか しなが ら、それぞ れの 対応 は、細 かなデ ィテ ィール によって喚起 され る もので、きっか け、あるいは 機械 のスイ ッチ と言 って もいいよ うな ものである。ひ とつの精神・意識 の流れ は、箇条書 き、大文字 、イ タ リック といつた、分節化・ 細分化 され た宗教 的枠 組み に衝突す る ことによって、枠組 み と同様 に、分節化 0細 分化す る。マニ ュ アル としての『霊操』は、枠組み一形式 として抽出された時、 「神の御旨を知 る」 とい う究極 目的 もまた、有機 的な対 象を持 たぬ まま、枠組み に組み込 まれ る。 ひ とつの精神・意識 の流れ は、 自我その ものである。 「自我礼拝」 とい う自我 を中心 としたひ とつの疑似宗教体 系、ひ とつの世界・宇宙観 を構築す る枠組み として機能す る。そ して この回路 の中を流れて いるのは、先 も述べたよ うに、 ひ とつ らな りの精神

.意

識である。〈〈6JJagνθ〉〉の部分でも、実際の呼びかけは 「魂よ、」が一度あるだけで、他 に 《6JJo7夕θ》 といえる部分はない。 「今僕の 経過 した罪 に対す る この憎悪 、至高 の もの に対す る この情熱 は、僕 の魂 の彩 し い瞬時である。 しか も僕はそ の数瞬 を分析 した。一旦 この英雄的感情 を分解 し た上は、また思 いのままに組み立て る ことが 出来 るだ ろ う。Qの」 とい う言葉が 興味深 い。 「分解 した以上は、思 いのままに組み立てる ことが出来 る」根拠 は ど こに もな いが 、 『霊 操 』 が枠 組 み と して の マ ニ ュ アル で あ るの に対 し、 く〈

EXAMEN MORAL〉

〉は、そのマニュアルの指南す る回路 を満た して通過す る 意識 と感情の流れである。 『霊操』 と 《

EXAMEN MORAL〉

〉の関係は本来、宝 島の地 図 と、宝 島への地図を頼 りにその島 を探 し、実際 に宝 を手 に入れた 冒険 謂 の関係で ある。宝 は物質で あるか ら、い くら読者が冒険や なぞ解 きや主 人公 に感情移入 した ところで、 日の前 に実際の宝が出現す る ことはないか ら、物語 に高揚 した ところで、主人公が手 に入れた宝 を読者 も手 に入れた気 になる こと はな い。 ところが意識や感情 は物質 ではな い。読者 は、回路 を流れて いる意識 が 自分 のそれでな いの にかかわ らず 、 この奇妙 に分節化・細 分化 された回路 の

(10)

バ レス『自由人』に関する考察 63 中を流れて ゆ く意識や感情 を意識 を傾注 してた どつている うち、 くだんの意識 や感情 と自分 のそれが一体化 し、そ の 「感情」 を味わ う。作者で あるバ レス に よ り、厳密 に条件付 けされ、想定 された読者で あれ ば、なお さ らで ある。 この 場合 、感情そ の ものが宝探 しの宝で ある。それ故 、作品があたか もマニュアル のよ うに機能 して いる錯覚 に陥 り、読者 は実際 に 自らの魂 を分析・分解・再構 築 したわ けでないのに したよ うな気 にな り、物語 の主人公 と同様 な意識・感情 の、神秘体験 ともいえる高揚感 を味わ い、作品はテ ンシ ョンの高いシンパ シー を獲得 していく。 さ らに この枠組 みの導入 は、作 品 にもうひ とつの補強 をなす 。精神・意識 の 流れ は、流れで ある限 リー定 の方 向性 を条件付 け られ る。そ のままではただ流 れて い くだ けの精神 e意 識 は、『霊操』 とい う幾重 にも分節化 されたサーキ ッ トの 中で人為的 に流れ を変 え られ、分断 され、形式 のめ ま ぐる しい変化 のなか にス ピー ドを変化 させ られ、行 き所 を見失 って溢れ、 またある時は小タイ トル が穿たれ る ことで重層的 に新 たな意 味 を加 え られ 、ポ リフォニ ックな豊か さと 予定調和でない リズム、ダイナ ミズムを獲得す る。 また、 『霊操』 を持 って くる ことで、作者バ レス は、 自分 に とって好都合な 展 開 を引き寄せ る ことが出来 る。『霊操』 は神 との対話 を目的 とす る指南書で あるか ら、対話 に到 る方法 のみが語 られ、対話 の相手で ある神 の言葉そ の もの は語 られな い。それ ゆえ、方法論 のみ を利用 し、対話 の相手 を神以外 の人物 に す げ替 え、対話 内容 を創作す る ことが出来 る。つ ま り、バ レスの得意 とす る と ころの、実在 の人物 を架空の シチ ュエー シ ョンの もとに彼の持ち駒 として動か す スタイル を、容易に展 開出来 る。バ ンジャマ ン・ コンスタン、サ ン ト=ブ ー ヴ といったバ レスの先人 を自らの論 旨展 開 に引き寄せ、 自我礼拝 の 「聖者」 に見 立て、祈祷 を捧 げ、対話 を持つ という以降の展開の布石 ともなっている。 Ⅲ 作品における「自由人」の 「自我」のあ りかた エ ミール・ リ トレの辞書では、 「自由人」 とはまず、 「古代 ギ リシアにお け

(11)

バ レス『自由人』に関する考察 る 自由人」 を差す。 これが 当時 の一般的認識 とすれ ば、我 々は古代ギ リシアに おける 「自由人」 について まず認識 を持たね ばな らない。 ① ポール・カー トリッジによる古代ギ リシアにお ける 「自由人」 ケ ンブ リッジの歴史学者カー トリッジは、ア リス トテ レス的な二極対立 に古 代ギ リシアのメンタ リティを置 く、興味深 い論考 を展開 している。D。 彼 によれ ば、ギ リシア市民 に とって、ギ リシア市 民 とは、定義上 自由人であ り、奴隷 とは市民のア ンチテーゼである。カー トリッジは、前

472年

のアイス キ ュ ロスの『ベル シア人』 を、異民族の他者化・ 均質化 したステ レオタイ プ と しての 「異民族」の概念 を作 り出す プロセスの進行の例 として挙 げる。そ して、 ア リス トテ レスの『政治学』 にお いて示 され る、ギ リシア的 自由と異民族 的奴 隷制 、あるいは、ギ リシア人 は本性 的に 自由であ り、異民族 は本性 的 に奴隷的 である といった、極度 に単純化 され た二極対立が、古代 ギ リシアの基本的 メン タ リテ ィであ るとす る。少数 のギ リシア市民=自由人 と多数の異民族=奴 隷 とい う構 図に鑑 みて、カー トリッジは 「アテナイの 自由とは狭義 の市民のための 自 由で あ り、 いわ ば供給 を厳 しく制限す る ことで価 値が維持 され る貴重資源 のよ うな もの。③」 と指摘す る。 さ らにギ リシア市民=自由人 と対極 にある異民族=奴 隷 につ いて、 「奴隷状態 とは、社会 的死で ある」 とす る、オー ラン ド・パ ター ソンによる奴隷状態 の定義 を紹介す る。パ ター ソ ンによれ ば、 「奴隷 はまず生 まれ なが らに して疎外 を経験す る。つ ま り自分が本来属 して いた血縁的・ 共 同 体的紐帯か ら強制的 に引き裂 かれ るか らで ある。そ して奴隷 は、 自分 とは異質 な社会 に、 同化 を許 さぬアウ トサイ ダー と して強制的 に移植 され、そ こで永久 に疎外 されて生きて いかね ばな らな い。奴隷 は奴隷 にされた時点で肉体 的な死 を免れた に もかかわ らず、む しろそ のゆえ に こそ 、ある象徴 的な、生きなが ら の死 によって、生き延びた代償 を無際限に支払 ってゆかね ばな らぬ。0」 『 自我礼賛』 にお いては、他者 は徹底的 に蛮族 (異民族

)と

決めつ け られ、 描かれ る。他者 は本性 的 に奴隷であるとい う属性 を与え られ る ことにな る。 と

(12)

バ レス『自由人』に関する考察 ころが、疎外 によ るス トレス を感 じて いるのはむ しろ主 人公 の青年で ある。な ぜ な ら、作 品にお いて描かれ る他者 はおおむね彼 自身 と同 じポ リス、同 じ階層 の出身で あ り、本性 的属性 を考 えるな らば、彼 にあるものは他者 の うちに もあ り、他者 にない ものは彼 の うちにもな い ことにな るか らである。 この矛盾 を解 消す るために、作者 は 「新 たな る自由人」 を提案 し、話者/主 人公 に語 らせ るの である。 ②作品の中での 「自由人」の描かれ方 作 品 中で示 され る 「自由人」 は、以下 のよ うな属性 を持 つ。 「自由人」 は蛮 族 一異邦人 を受 け入れな い。蛮族 との接触 を避 け、 自らを護 り、破壊的衝動 を もって懐疑 を向け、軽蔑す る。そ して 「自由人」 の世界観 は、 自らによって選 択 され るべ きもので、他 によって与 え られ、創造 され る ものであってはな らな い。 自らの もとに秩序立て られ、統制 されたシステム としての美 と感動 を至上 とし、 自 らを万物 の中心 とす る、孤独で専制的な精神的世界観で ある。 「自由 人」 として の気塊は、 「蛮族 の眼の下 (社会)」 │こお いては、内に秘 める。なぜ な らそれ をあ らわ にす れ ば、 「自由人」 としての独 自の世界観 を形成す る こと がかなわな くなるか らである。 また作者 は、経済 に も言及す る。バ レスは主 人公 一話者 に 「金な くして は 自 由人はない。①」 と言わ しめ、主人公 はた った ひ と冬 のつつ ま しい隠遁 0思 索生 活 のために予算 を立てる! 大革命以降、特 に第二帝政時代 、ブル ジ ョア階層 の躍進 によ り大 き く発展 し た資本主義社会 は、バ レス的 に言 えば、 「蛮族 の眼の下」 にお ける経済社会で ある。それ は普仏 戦争 の屈辱 的な敗 北の後 、よ りむき出 しにな って い く。食 い は ぐれな いまで も、親 の金 を大 き くあて に出来な い主人公 の経済的立場 は、作 家で あるバ レスの経済 的立場 とオーバー ラップす る。 またバ レスが想定す る こ の作 品の読者層 の経済 的立場 とも、 ほぼ一致す る。バ レスの主人公 は、経済社 会 と断絶 出来ない。 この 「断絶 出来 な い」 とい う ことが、 この作品 のテーマの

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バ レス『自由人』に関する考察 最低音 のメロデ ィーです らある。 「金な くして 自由人はない」、金 とい う社会 の 基本 的価値 の、生活臭 を帯びた乱暴な流入 が、作 品世界 と同時代 の現実社会 と の垣 根 をあいまいにす る。匿名の 日記 とい う形態 を採 って いる この作品で は、 直接 的 には作者 の声 はき こえな い、 にもかかわ らず我 々は作者本人の精神 的 冒 険謂 を読んでいるよ うな奇妙な感覚 に襲われ る。 もともと宗教 を想起 させ るよ うなニ ュア ンスか ら 「自我礼讃」 とい うコンセ プ トが生 まれて いるのは言 うまで もないが、 ここに『霊操』 の枠組み を導入 し た ことで、 あるひ とつの ことが明確 にな る。それ は 「自我」 と 「神」 との決定 的な違 い、つ ま り 「自我礼讃」が一つの宗教体 系・ 世界観・宇宙観 として完結 す る為 の、 もっとも大 きな要 素の欠落で ある。それ は 「自由人」 とい う概 念 を 導入 した ところで補 い得な い、 「永遠」 とい う観念である。 人は皆死ぬ。死ぬ か ら人間で あ り、死なないか ら全能

/神

で ある。 「自我」が獲得 しな けれ ばな らないのは、この時間的永遠である。『霊操』には このよ うな記述がある。 「黙 想や観想 を行な う方法や順序 を教 え る人は、観想や黙想 のための歴史的出来事 を要約 して、短 く要点 だ けを順序 よ く忠実 に語 り伝 えな けれ ばな らな い。Q9」 門脇氏 の解 説 によれ ば、 「歴史的出来事」 とは、 「救 いの歴史的出来事」であ る。氏 は、宗教者 として、 さ らに

<真

の礎

>を

掴 む ことの大切 さを指摘す る。 「

<真

の礎

>と

は、歴史 を貫 く原動力を意味す る。は0」 それ こそが神 の永遠 で あ り、永遠 とは神その ものな のである。 『霊操』 の 「祈 り」 とい う枠組み を借 りる ことで、バ レスは、 自由人の 自我 に神 の属性 である永遠 をまとわせ よ うと す る。 さいごに一― 「自由人」の 自我 と父祖 とのつなが リーー 先人 アルチ ュール・ ランボー は、ブル ジ ョアの本質 を 「所有」 とみた。それ は 「身につ ける」 「飾 る」 とい うことである。 ブル ジ ョアは、すで に 「身 に付 けて いる」存在で ある。 ランボー は、物質的・精神的 0社 会 的 に 「身 に付 けた もの」すべて に対 して決別 し、ブル ジ ョア として の属性 を断 ち切 ろ うとした。

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バレス『自由人』に関する考察 すべて を捨 てた

=属

性 を離れた ところで沸 き上が る もの を己 の うち に確信 し、 見よ うとした と言える。 それ に対 して、 このバ レスの想定 した主人公 には、すべて を捨てれ ば空虚で ある とい う認識が ある。だか ら決 して脱がな い。 ジ ョルゼー のヴ ァカ ンス には 女 を連れて い く。 ヴォー ジュでの瞑想生活 では、仕事 にけ りはつ けるものの、 経済 的 に無理のな い予算 を立て、暮 らしを組み立て る。好 んで借 りた古 い僧院 のよ うな屋敷、青年 の心象 の外的拡大反映 と言 え る壁 いっぱいの本 、手伝 いの 娘、 フロックコー ト、エナ メル の靴。や り玉 にあげ られ る作家達、脱 ぎ着 の出 来 る上着のように 「かたち」として持 って来 られ る『霊操』。ヴェニスに行 けば、 案 内書 にまず頼 る。 さ らに言 うな ら、周到な読者 の想定。常 に何か身 にま とっ て いなけれ ば不安 で あるが、それが 自らの空虚 (もはやそ こか ら何 の感動 も生 み出せない、枯渇 した状態

)故

で ある と認識 して いる。 しか し空虚 で ある こと には耐 え られない。空虚な 自我 は、 い くら陶冶 しよ うと、 ど こまで いって も空 虚で しかない。む しろ、陶冶す るほどにす り減 り、枯渇す るのは、道理である。 自由人の 自我 の内 に無条件 に最後 に残 り、そ こに必然的 に辿 り着 く一獲得 的 に 身 にま とうのではな く、所有す るので もな く、 自分 自身が どうしよ うもな くそ うで ある一唯一 の属性 こそ、父祖 とのつなが りな ので ある。 これ につ いて は、 今後 も考察 を続 けていきたい。 使用テキス ト Maurice BARRЁS,Zθ cグルθグレ

“οちSёric〈〈Fins dc siёcles〉〉di五 gёe par Hubert Juin,Union

Gёnёrale d'ЁditiOns,1986。 日本語訳は、『自我礼讃』 (伊吹武彦訳、河出書房、1941年)を使用した。 1921年にダダイス トによって行われたパ フォーマ ンス、バ レス裁判 につ いて は、 ダ・ シュール レア リズム研 究 の立場 か らの言及が多数 あるが、 ここで は三好 美千代 氏 の論文 『ジャ ック・ リゴー に関す る覚書 』 (『年報 ・ フランス研 究 』30、 関西 学 院 大学 フラ ンス文学会 、1996)よ り、簡 単 明瞭 な記述 を紹介 してお く。 「ダ ダイ ス ト 注   Q

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バ レス 『 自由人』 に関す る考 察 達 は初期 の態度 を変節 した としてモー リス・ バ レス に対 して、精神 の秩序 の撹乱罪 を 適用 し模擬裁判 を行 った。 自我 を確立 した 自由人 を説 いたバ レスが、 ダダイ ス ト達 の 嫌悪す る保守主義者、伝統主義者 、愛国主義 と して立 ち現 れたか らで ある。(p.233)」 パ フォー マ ンスでは、被告席 にバ レスに模 した人形 を座 らせ、参加ダダイス トたちが 弾劾す る側 と弁護す る側 にわかれて弁論 を行 った。 なお、バ レスの態度が 「変節」で な く、保守主義者、伝統主義者 と しての素地 が最 も初期 の小説作品よ り顕れ て いる こ とは、 この論文 に先駆 ける拙 稿 『モー リス・ バ レス 自我 と蛮族 』 (『年報・ フラン ス研究 』33、 関西学 院大学 フランス文学会 、1999)にお いて示 した通 りで あ り、 ダ ダイス ト達 はそれ を読み取 って いなか った と言えるのだが。 (2)イ グナチ ウス・ デ・ ロヨラ、 『霊操』、門脇佳 吉訳、岩波文庫 、1996年、訳者 「解 題」、 p.38. (3)同書、p.58. (4)同書、 「解題」、p.18. (5)同書、p.61. (6)textθ,p.141(訳 書、 p.192)。 (7)Jbガ.,p。164(訳書、p.222). (8)ロヨラ、前掲書、p.79. (9)同書、p.105。 (10)textθ,p.158∼ 159(言尺∈罫、 p.215-6). (11)jbガ 。,p。159. (12)jbガ ,p.161(訳 書 、p.219)。 (13)′bたtp.163(訳書、 p.220∼221)。 (14)Jbjグ,p.164(訳 書、 p。222) (15)ポール 0カ ー トリッジ、『古代ギ リシア人 自己 と他者の 肖像』、(第

6章

非人間的 束縛 につ いて)、 橋場弦訳、 自水社 、2001年. (16)同書、p.295. (17)同書、p.203. (18)た 油″,p.244(訳 書、 p346) (19)ロヨラ、前掲書、p.60。 (20)同書、p.61. (文学研 究科研 究員)

参照

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市民的その他のあらゆる分野において、他の 者との平等を基礎として全ての人権及び基本

その他 わからない 参考:食育に関心がある理由 ( 3つまで ) 〔全国成人〕. 出典:令和元年度食育に関する意識調査 (

一︑意見の自由は︑公務員に保障される︒ ントを受けたことまたはそれを拒絶したこと

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