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はじめに
濾胞性リンパ腫の約 10∼15% を占めるI期およ びnon-bulky II期の限局期症例は,放射線照射に よ る 局 所 制 御 で 10 年 のfailure-free survivalは 50∼60%,また全生存率は 60∼80% と長期間の 疾患制御が可能であるが 10% 以上の症例は 10 年の寛解後も再発し,限局期といえども治癒は 困難である1).また,85∼90% を占めるBulky II期,III期,IV期の進行期症例では化学療法で腫 瘍の縮小効果が得られるものの,化学療法は生 存の延長には寄与せず,さらに,併用する薬剤 をより強力なものにしても生存延長には寄与し ないことが明らかとなっており2∼5),従来は,濾 胞性リンパ腫の大部分を占める初発進行期症例 に対しては,腫瘍増大による圧迫症状,腹水, 胸水などの体腔液貯留,汎血球減少といった病 状進展時まで化療実施を待つ,“watchful wait” の考え方が中心であった.しかし,最近のキメ ラ型抗CD20 モノクローナル抗体を中心とする分 子標的薬や新たな抗ガン化学療法薬などの有望 な新薬開発や,造血幹細胞移植の進歩により難 治性の濾胞性リンパ腫に対してもaggressive非ホ ジキンリンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma ; NHL)と同様に治癒を期待しての新たな治療戦 略が展開されつつある.1.初発例に対する治療戦略
1)初発限局期 I期およびnon-bulky II期の限局期症例は,前述 のように濾胞性リンパ腫の 10∼15% を占めるに すぎないが,真の限局期であることを診断する濾胞性リンパ腫に対する最新の治療戦略
小椋美知則
要 旨 濾胞性リンパ腫は,その 85∼90% がbulky II期,III期,IV期の進行期症例であり,従来の化学療法剤 での併用化学療法では腫瘍の縮小効果が得られるものの,生存延長には寄与しないことが明らかとなっ ており,従来は,病状進展時まで化療実施を待つ,“watchful wait”の考え方が中心であった.しかし, キメラ型抗CD20 モノクローナル抗体(rituximab)と化学療法の併用,およびrituximabの維持療法に より,明らかな生存延長効果が検証され,こうした治療戦略が初発進行期濾胞性リンパ腫に対する新た な標準的治療法となりつつある.さらに,β線を放射するラジオアイソトープを抱合した抗体(ibritumo-mab tiuxetan)による放射免疫療法,低毒性で有効性が高く,外来での治療に適した,経口fludarabine
や,bendamustineなどの新たな抗ガン化学療法薬などの有望な新薬開発や,造血幹細胞移植の進歩によ り難治性の濾胞性リンパ腫に対してもaggressive非ホジキンリンパ腫と同様に治癒を期待しての新たな 治療戦略が展開されつつある. 〔日内会誌 96:787∼804,2007〕 濾胞性リンパ腫,キメラ型抗CD20 モノクローナル抗体(rituximab) ,放射免疫療法,pu-rine analog,造血幹細胞移植 おぐら みちのり:名古屋第二赤十字病院血液内科
ためには少なくとも末梢血と骨髄のflow cy-tometric analysisによるリンパ腫浸潤の有無を確 認することが重要である.これは,濾胞性リン パ腫細胞は形態学的に異型性が乏しく目視によ る同定が困難だからである.治療は病変部位の リンパ節領域に 35∼40Gyの放射線照射(involved field radiation)を実施することで比較的長期間 の疾患制御が可能である.しかし,10 年以後の再 発はあり,治癒することはない.また,照射部位 を広範囲にすることは再発率抑制への効果はな く,むしろ再発後の化学療法の実施を困難にす るだけであるので避けるべきである.初発限局 期の症例にrituximabと放射線を併用することの 有用性の検証が今後なされることが期待される. 2)再発限局期 再発時が照射野外再発で照射可能範囲の限局 期再発であれば,再び放射線照射が可能である. 初発限局期と同様にrituximabと放射線照射の併 用の再寛解期間の延長に及ぼす効果についての 検証はこれからである. 3)初発進行期 85∼90% を占める初発進行期症例に対しては 前述のごとく,aggressive NHLの標準的化学療 法であるCHOP療法(cyclophosphamide, doxoru-bicin,vincristine,prednisolone)を実施しても 80% ほどの全奏効割合(overall response rate ; ORR)は得られるものの寛解期間の中央値は 31 カ月であり,ほとんどが再発し,治癒は得られ ない2∼5).こうした難治性のB細胞性indolentリン パ腫に対して治癒の可能性を期待しての治療戦 略として抗CD20 モノクローナル抗体,purine analogueなどの新規抗腫瘍薬の応用がある. (1)キメラ型抗CD20 モノクローナル抗体 (rituximab,リツキサン") ①単剤で 1 コースの使用 濾胞性リンパ腫に対する治療法で最近最もイ ンパクトのあるものの一つは,キメラ型の抗CD 20 モノクローナル抗体の開発である.米国IDEC 社により開発されたキメラ型抗CD20 モノクロー ナル抗体(rituximab,リツキサン®)は,難治再 発性のB細胞性低悪性度リンパ腫に対して米国, 欧州,日本ではじめて承認された抗体療法薬で ある.米国での臨床試験の結果6∼8)を受けて,我 が国でも再発性のB細胞性リンパ腫を対象に安全 性と薬理動態をPrimary endpointとした臨床第I 相試験を 12 症例に対して実施し非血液毒性は grade 1 または 2 で,血液毒性もgrade 3 以下で あり米国で確認された 375mg!m2週 1 回点滴静 注×4 の日本人での安全性が確認され,臨床第II 相試験への推奨用量は 375mg!m2週 1 回点滴静 注x4 と決定された.有効性においても,評価可 能 11 症例で完全寛解 2 例,部分寛解 5 例とORR 63.6% と米国での成績と同様に濾胞性リンパ腫症 例で高い奏効割合が認められた.引き続いて実 施された再発性の低悪性度リンパ腫に対する単 剤での臨床第II相試験9)では,69 症例に投与され ORR55.7%{完 全 奏 効 割 合(%complete re-sponse;%CR)16.4%,部分奏効割合(partial response;%PR)39.3%}で あ り,rituximab は我が国でも再発性低悪性度リンパ腫に対して 有効であると確認され,2001 年 9 月に承認され た.Rituximabは単剤で評価すべき奏効割合が期 待できるが,図 1A,1Bに示すように 50% のpro-gression free survival(PFS)が再発症例で約 220 日9),初発症例で約 370 日と比較的長期間のPFS が得られるもののPFS曲線はプラトーにならず, rituximab単剤での治癒は期待できない10). ②維持療法 週 1 回の 4 回投与からなる単回投与に引き続 いて,維持療法の研究も進んでいる.Hainsworth らは 6 カ月ごとの 4 回の維持療法を初発の濾胞 性リンパ腫(小リンパ球性リンパ腫も含む)に 対して実施して,PFSが 34 カ月と,単コース投 与に比べて改善されることを示唆する報告をし た11).さらにスイスのSAKKグループは,前治療 歴がある症例も含めて,単コースのrituximab 投与でstable disease(SD)以上の効果があった 症例をランダム化して,3 カ月目,5 カ月目,7
図 1A. rituximabによる再発 indolentlymphomaに対する治療成績(PFS)(文献 9より) Rituximabによるindolent B NHLに対する
単剤療法でのprogression free survival
indolent B-NHL Probability 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 days 0 100 200 300 400 500 n=63 図 1B. 初 発 濾 胞 性 リ ン パ 腫 に 対 す る rituximabに よ る 治 療 成 績(評 価 可 能 全 49例 の
progression-free survival,文献 10より)
100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 30 60 90 120150180210240270300330360390 % free Time to progresslon (d) カ月目,9 カ月目の 2 カ月毎に 4 回の維持投与を 行うか否かの比較試験を実施した.前症例を対 象とした解析で無イベント生存率において有意 に維持療法群が優れていて,rituximabの維持投 与の有用性が検証された(図2)12).欧州のEORTC ではアントラサイクリン系薬剤を含まない化学 療法歴のある濾胞性リンパ腫症例に対してCHOP 対R-CHOPのランダム化比較試験を行い, CR, PR例をさらに,rituximab維持療法群と経過観察 群とにランダム化比較し,R-CHOPの後で,さら にrituximab維持療法を実施した群は,PFSのみ ならず全生存割合も有意に優れているとの報告 を行った(図 3)13).米国 で はECOGとCALGB のintergroup studyにより,18 歳以上の初発進行 期(III期,IV期)の低悪性度B細胞性リンパ腫 (Working Formulation分類のA,B,C)症例 (n=401)に対して,寛解導入療法としてCyclo-phosphamideとfludarabineの併用療法(CF療法) とCyclophosphamide,vincristine,prednisolone からなるCVP療法をランダム化比較した後にsta-ble disease(SD),PR,CRの効果が得られた症 例{progression of disease(PD)以外の症例}を
図 2. 濾胞性リンパ腫に対する rituximabの単剤投与後の rituximab維持投与のランダム化比
較試験.Eventfree survivalで維持投与群が有意に優れていた.(文献 12より)
1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 Probability
Standard : median 11.8 months
Prolonged : median 23.2 months
Months since start of treatment
P=0.024 48 42 36 30 24 18 12 6 再びランダム化し,rituximab維持療法群 (rituxi-mabを 1 週間毎に 4 回を,6 カ月間隔で 4 コース: n=120)と経過観察群(n=117)とで比較検討 する大規模な臨床第III相試験を実施した.試験 途中でCF療法の毒性が強く導入化学療法はCVP 群のみに統一されて試験が終了した.Primary endpointのtime-to treatment failure(TTF)は 強い有意差を持ってrituximab維持療法群が優れ ていることが検証され,その後の,濾胞性リン パ腫のみを対象とした解析でも,PFSは強い有意 差(p=0.0000003)で維持療法群が優れていた (図 4)ことはもちろんであるが,こうしたラン ダム化比較試験では通常,有意差が検出できな い全生存割合でも,有意差(p=0.03)をもって 維持療法群が優れていたことが検証されたこと は,注目に値する14).これらの試験結果を受けて 欧州に引き続き米国でも,濾胞性リンパ腫に対 するrituximabの維持療法が承認された.我が国 では,維持投与の承認はなく,今後,わが国で の適応拡大が望まれる. ③rituximabと化学療法の併用療法(R-CHOP 療法,R-CVP療法) 単剤でのrituximabの有効性の限界を乗り越え ることが期待されている治療戦略の一つがrituxi- mabと化学療法剤との併用療法である.Rituxi-mabと化学療法剤とのin vitroでの相乗効果の報告 があり,今後は,併用薬剤もリンパ腫に有効な 化学療法剤の多くの薬剤での臨床試験での検証 が期待されている.このようにrituximabと化学 療法との併用にはin vitroでの明確なrationaleが あり,Czuczmanらの低悪性度リンパ腫を対象と した臨床研究報告では 6 コースのCHOP療法と CHOP前 2 回,CHOP中 2 回,CHOP終了後 2 回 の 6 回のrituximab投与の併用でORR95%,%CR 55%,検索された 8 症例中 7 例で分子生物学的 寛解が確認され,historical controlのCHOP療法 に比べ長期間のPFSが報告された15).この極め て,有望な結果を受けて,我々は,未治療の濾 胞性リンパ腫を中心とする低悪性度リンパ腫に 対して,rituximabとCHOP療法の併用によるラ ンダム化比較臨床第II相試験を実施した16).この 試験は,rituximabの投与 2 日後にCHOPを実施 しこの交互投与を 6 コース実施する群(concur-rent群)と,CHOPを 6 コース終了 1 カ月後にri-tuximabをweeklyで 6 回投与する群(sequential 群)とを比較するopen labelの無作為化比較試験
図 3A. ランダム化比較第Ⅲ相試験(EORTC Study)で,再発濾胞性リンパ腫を CHOP対
R-CHOPでランダム化比較し,PR,CR例をさらに,Riruximabの維持療法群対観察群にラン
ダム化比較した.PFSは維持療法群が有意に優れていた.(文献 13より) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 O N 110167 66 167
Number of patients at risk : Treatment
90 126 42 86 17 47 5 Observation 12 Rituximab 5 4 3 2 1
Progression free survival from 2nd randomization
Overall Logrank test : p<0.0001
(years)
図 3B. ランダム化比較第Ⅲ相試験(EORTC Study)で,再発濾胞性リンパ腫を CHOP対
R-CHOPでランダム化比較し,PR,CR例をさらに,rituximabの維持療法群対観察群にランダム
化比較した.Overallsurvivalは維持療法群が有意に優れていた.(文献 13より)
Overall survival from 2nd randomization 0 O N 39 167 23 167
Number of patients at risk : Treatment
148 155 99 112 14 19 50 69 2 Observation 4 Rituximab 5 6 4 3 2 1 (years) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0
Overall Logrank test : p=0.011
で,結果としては,concurrent群 とsequential 群のORR(overall response rate)は各々,94% (95% CI : 79∼99)対 97%(95% CI : 85∼100)で,% CRは各々,66%,68% であり有意差は認めなかっ た.観察期間中央値 28.2 カ月の時点で,PFS 中央値は,concurrent群で 34.2 カ月,sequential 群では未到達であった(有意差無し).毒性も両 群に有意差はなく,CHOPと併用するrituximab
図 4. E1496試験で,濾胞性リンパ腫症例の progression-free survivalは強い有意差で, rituximab維持投与群が優れていた.(文献 14より) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 0 1 2 3 4 5 6
Years from maintenance randomization
MR(120)
OBS(117) Log-rank one-sided p=0.0000003
HR 0.4(0.3-0.6)
Probability
HR = hazard ratio ; MR = maintenance rituximab ; OBS = observation
図 5. Rituximabと CHOP療法の併用における rituximab投与スケジュールのランダム化比
較第Ⅱ相試験での progression-free survival(PFS).Concurrentarm(Arm C)と
se-quentialarm(Arm S)の 2群間での有意差は認められなかったが,Arm Sで PFSが長い傾
向が見られた.(文献 16より)
Days after the first treatment Probability
Arm C(n=32) Median : 1,026(95%CI, 813- .)days Arm S(n=33) Median : not yet reached
0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 0 200 400 600 800 1000 1200 Log-rank test : P =0.2272 : censored は化療との同時投与でも,化療後の維持的な投 与法でもほぼ同等の有用性を示したが,維持療 法的なsequential群が,良好なPFSの傾向を示し たことは興味深く,今後の検討の必要性を示唆 した(図 5). CzuczmanらのrituximabとCHOP療法の併用 試験のup-dateな報告では,初発例が約 80% を占 める対象に対し,%CRは 55% であったが,腫瘍 径が 5cm未満の症例では%CRは 82% であったの に対し,5cm以上 7cm未満では 18% と減少し,
7cm以上では 0% であった(p=0.005)17). ろ胞性リンパ腫の大多数を占める進行期症例 の治療方針として,長い間“watchful wait”の 考え方が受け入れられ,B症状や圧迫症状,胸水・ 腹水の出現などの時点で化学療法が開始される ことが多かった.しかし,Czuczmanらの成績は 腫瘍量が増大してからのrituximab-CHOP療法の powerが不十分である一方,massとしての腫瘍 量が少なければ分子生物学的寛解をふくめCR になる確率が極めて高く,長期間寛解が維持さ れうることを示している.2004 年に報告された 試験後 9 年間のfollow-upのデータでは,増悪ま での期間(time to progression ; TTP)は 82.3 カ月であり,CR症例は未だmedianに到達してい ない(図 6).残念ながら,PFSの生存曲線はゆっ くりではあるが低下してきており,治癒をもた らす治療となることを示唆するものではないが, 今までのconventional chemotherapyと比べ,き わめて長期間の寛解維持が多くの症例で期待で きる内容である18).従って,現時点では標準的治 療として確定はしていないものの,初発進行期 のろ胞性リンパ腫に対しては“watchful wait”を せずに,rituximab-CHOP療法を施行して完全寛 解を目指すべきであると判断される.Czuczman らは,前治療歴のある症例を 67% 含む濾胞性リ ンパ腫を中心とする低悪性度Bリンパ腫にrituxi-mabとfludarabineの併用療法(R-F)を実施し80% の%CRと 40 カ月の観察期間中央値でも奏効期間 は中央値に到達していないという有望な結果を 報告した19).Rituximabとの併用にCHOP,CVP あるいはfludarbineなど,どの化学療法が至適な 組み合わせなのか,あるいはrituximabをどのよ うに併用するのが至適であるなどについては, 今後の検証が望まれる.英国のMarcusらは初発 進行期の濾胞性リンパ腫,約 320 例に対してCVP 療法とrituximab併用のR-CVP療法のランダム化 試験を実施した.ORR,%CRともにR-CVP療法 が優れ(ORR : 81% 対 57%,%CR : 41% 対 10%, p<0.0001),30 カ月の観察期間中央値でTTP は 32 カ月対 15 カ月でR-CVPが有意に優れてい た(図 7)(p<0.0001)20).R-CHOPに比べ,短い TTPはCVPの治療強度が弱いためとも言われて いる.R-CHOPのCzuczmanらの臨床第II相試験 のTTPに比べ見劣りはするものの,化学療法に rituximabを併用することがORRや%CRのみな らずTTPも明らかに改善することをランダム化 試験で検証したことの意義が大きい. ランダム化比較試験で多剤併用化学療法にri-tuximabを加えることの有用性を検証できたもの には,R-CVP以外に,ドイツのGLSGによるR-CHOP療 法,R-FCM(rituximab+fludarabine, cyclophosphamide,mitoxantrone)療 法 が あ る21, 22).初発進行期の濾胞性リンパ腫に対して, R-CHOPはCHOPに比べORR, TTFで優れていた が(図 8),%CRが 20% と低い数値であり,%CR での優位性は検証できなかった.ドイツの試験 ではwatchful waitで腫瘍量が多い症例を中心に 試験を実施したためである.再発進行期,濾胞 性リンパ腫に対しては,R-FCMはFCMに比べ, ORR,%CR,PFSの全てに於いて優れていた. (2)自家造血幹細胞移植(初発進行期には実 施すべきではない) 初発進行期の 50 歳以下の若年症例に対して Horningらはin vitroパージング処理をした自家骨 髄移植で 6.5 年の追跡期間中央値で 10 年生存率 が 86%とhistorical controlと比較してきわめて良 好な成績を報告している23).しかし,この研究は rituximabが開発利用できる以前のもので, rituxi-mabとCHOP療法の併用による長期間のPFSが報 告されている現在,さらなるfollow up dataが確 認できるまでは初発進行期の若年症例には研究 的治療法としてのパージング(in vivoもしくはin vitro)を含む自家造血幹細胞移植の試みは,現時 点では一般的には推奨できない.現在までに, GLSG,GOELAMS,GELAによる 3 つのランダ ム化比較試験が実施され,GLSG,GOELAMS の試験ではevent-free survival(EFS)において, 移植群の優位性が検証されたが,生存割合では
図 6
A.indolentB-celllymphomaに対する R-CHOP療法の成績(CR,PR別の TTP).CR例
は 9年の経過観察でも medianに達していない.(文献 18より)
B.A.indolentB-celllymphomaに対する R-CHOP療法の成績(治療歴別の TTP).(文献
18より) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60
Time From Treatment to Progression (months)
Time From Treatment to Progression (months)
% Progression Free
% Progression Free
64 68 72 76 80 84 88 92 96 100104108112 - x - Complete Responders/Unconfirmed Complete Responders(n=33) - o - Partial Responders(n=5)
- v - Overall Responders(N=38)
P =.0001(Cr/Cru vs. PR)
- x - Previously Untreated Palients (n=29) - o - Previously Treated Patients (n=9) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100105110 A. B. x x C CC C C C CC CCC C C C C C C C C C C C C C C C CC C CC CC C C C CC C C C CCCC C C C C o o o o o o o o o o o v v v v v v v v v v v v v v v v v v v v x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x 有意差は認められなかった.GOELAMSの試験 では,移植群に二次発癌が多く,p値もmarginal (p=0.05)であったため, 彼ら自身の結論では, 移植医療を若年の初発進行期,濾胞性リンパ腫 の初回治療とすべきではないと報告した.ドイ ツのGerman Low Grade Lymphoma Study Group(GLSG)は,初発進行期低悪性度リンパ 腫に対してCHOP-likeレジメンでの奏効例を大量 化学療法群とCHOP-likeレジメン追加群とにラン ダム化比較試験を実施し,大量化学療法群がPFS で有意に優れていることを検証した24).しかし, 同じグループがその後実施した 4 群比較のラン ダム化試験でR-CHOPでのPFSが大量化学療法群 と同等であったことは,rituximabが使用できる
図 7. 初発進行期,濾胞性リンパ腫に対する CVPと R-CVPのランダム化試験(time to pr o-gression;TTP).R-CVPが有意に TTPで優れていた.(文献 20より) 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 3 0 6 9 12 15 18 21 24 27 Study month R-CVP : median 32 months Log-rank P-values
Without signification by center : P<.0001
With signification by center : P<.0001 CVP : median 15 months
Event free probability
33
30 36 39 42 45
図 8. GLSGによる初発進行期濾胞性リンパ腫に対する R-CHOPと CHOPとのランダム化比
較試験(臨床第Ⅲ相試験)
Time to treatmentfailureは P<0.0001で R-CHOPが優れていた.(文献 21より)
1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 0 2 3 4 years p R-CHOP(195/223) CHOP(144/250) 1 現在,初発進行期での移植療法は実地医療とし て実施すべきでないことを明確に示している(図 9).研究的治療として実施する場合には,どう いった理論的根拠でドイツ試験が示したR-CHOP や自家移植でのPFSを延長できるのかを明確に示 さなければならない. 初発進行期に対する以上の戦略algorismを図 10 に示す.
2.再発進行期に対する治療戦略
1)rituximabと 化 学 療 法 の 併 用 療 法(R-fludarabine療法,R-cladribine療法など) 再 発 性 の 進 行 期 ろ 胞 性 リ ン パ 腫 に 対 し て Czuczmanらはpurine analogueの抗腫瘍薬であ るfludarabineとrituximabの 併 用 に よ り 0RR図 9. 初発進行期,濾胞性リンパ腫に対して R-CHOP,CHOPのランダム化比較試験で CR,
PRとなった 60歳未満症例は IFNと auto-PBSCTのランダム化比較試験を受けた.60歳以
上は IFN投与.Rituximabを投与された群は,移植群,非移植群ともこの解析時点では同等の
奏効期間(response duration)を示していて,rituximabの非投与群のみが PFSで劣って
いる.(文献 21より) 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 0 2 3 4 years p R-CHOP/IFN(117/132) CHOP/PBCT(32/35) R-CHOP/PBCT(40/44) CHOP/IFN(77/111) 1 図 10. 初発進行期濾胞性リンパ腫の治療アルゴリズム
放射免疫療法(ibritumomab tiuxetan)や経口フルダラビン,bendamustinなどの低毒性か
つ高い有効性の新規薬剤の上市後は,大量化学療法や造血幹細胞移植の適応は極めて狭いもの になると予想される. CR, PR, SD R-CHOP etc As clinical trial Progression (Relapse, regrowth) Advanced (Ⅲ, Ⅳ) Symptomatic or asymptomatic
Clinical trial(CHASER followed by HD-CT with auto-PBSCT, R-2-CdA, new drugs, allo-HSCT)
relapse
Clinical trial, Palliation PD F/u With Or Without rituximab F/u
Rituximab to old age
90%,%CR80% のきわめて有望な成績を報告し ている19).この療法では骨髄や末梢血中への腫瘍 浸潤がPCR法によるbcl-2 再構成で確認できた 15 症例で約 90% に分子生物学的寛解が得られ,ri-tuximabとfludarabineとの併用療法の大規模な
臨床研究による成績が期待されている.Fluda-図 11. Kaplan-Meier法による freedom from recurrence(FFR)を示す. 再発性濾胞性 リンパ腫 113症例の内 ex vivo purging.により処理された自家骨髄移植片中のリンパ腫細胞 が PCR法で陰性の 48症例の内 6症例が大量化学放射線治療後に再発し,陽性の 65症例の内 49症例が再発した.8年の FFRは陰性例で 83%,陽性例では 19%であった(P = .0001). (文献 27より) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 14 12 10 8 6 4 2 0 Probability Years PCR NEGATIVE PCR POSITIVE rabineは我が国ではCLLに対してのみの保険承認 であるため,現在,経口製剤のリンパ腫に対す る臨床治験が終了,申請されていて早期承認が 望まれている.また,purine analogueの一つで あるcladribine(2-CdA)は,我が国ではリンパ 腫に対する臨床治験が終了後25) ,承認されrituxi-mabとの併用療法の臨床試験が進められている. 2)purging法による自家造血幹細胞移植併用の 大量化学寮法 自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法では, 寛解期間の延長は認められるものの生存曲線は plateauにならず, 今回の報告でも生存曲線はpla-teauにはなっていない,すなわち治癒が期待でき る治療法として確立していない.今までのとこ ろ,濾胞性リンパ腫に治癒が期待できる自家造 血幹細胞移植併用での治療法としては,Dana Farber Cancer Instituteによる,抗B細胞抗体と 補体でのex vivo purging処理をした自家骨髄移植 併用の大量化学放射線療法がある.1991 年にGrib-benらが報告した時点で未処理の(PCR法で微少
残存腫瘍が陽性の)群に比してex vivo purging 処理群(PCR法で陰性群)の生存割合の優位性 が認められたが26),1999 年にFreedmanらにより 報告されたup-dateの報告ではex vivo purging処 理群の 8 年生存割合は 83% でほぼplateauになっ ており,自家造血幹細胞移植片中のリンパ腫細 胞をPCR法レベルで陰性化すれば自家造血幹細 胞移植併用の大量化学放射線療法で治癒が期待 できることを示している(図 11)27). rituximabは治療強度の高い寛解導入療法と併 用することでPCRレベルでの深い寛解,すなわ ちmolecular remissionを高率に達成するだけで なく,in vivoパージングにより腫瘍細胞混入のな いcleanな自家移植片での自家造血幹細胞移植を 可能にすることが期待されている.Vosoらは CHOP3 コース施行後に,高用量のキロサイドと ミトキサントロンをrituximabと併用し 3 例の MCLと 15 例の濾胞性リンパ腫症例で,PCRでの 評価可能な 7 例においてPCR陰性の腫瘍混入の ない自家移植片の採取が可能であったと報告し
図 12. cyclophosphamide(p-CTX),cytarabine(p-AraC),もしくは cytarabine plus
ex vivo purging(ex vivo purging)で PCR陰性の自家末梢血幹細胞移植片が得られた症例
蓄積の比率.
大量シタラビンと rituximabとの併用がもっとも高い in vivo purging効率が得られた.(文献
29より)
Cumulative proportion of patients
with PCR-negative harvests
p-CTX p-AraC Ex-vivo Purging 100 80 60 40 20 0 P=0.007 P=NS HDS Ex-vivo R-HDS
ている28).Magniらはindolent B-cell lymphoma において大量キロサイドとrituximabとの併用に より高いpurging効率が得られることを報告した (図 12)29).今後は,濾胞性リンパ腫を中心とす るB細胞性低悪性度リンパ腫の再発進行期に対す る治癒を目指した治療戦略として,キロサイド を中心とした多剤併用化学療法とrituximabの併 用により分子生物学的寛解を含む高い完全寛解 率を目指し,かつリンパ腫細胞の混入がPCRレ ベルで陰性のいわゆるcleanな自家末梢血幹細胞 移植片を採取保存した後にTBIを含む前処置での 大量化学放射線療法の有効性の検証を進めるべ きであると思われる.われわれは再発進行期の 濾胞性リンパ腫にCHASE療法30)にrituximabを 併用したCHASER療法を開発し,PCRレベルで リンパ腫細胞陰性の自家移植片を採取後L-PAM! TBIによる大量化学放射線療法と自家末梢血幹細 胞移植の臨床第II相試験を実施しているが,現時 点では安全性に問題なく移植例全員がCRを持続 している31). 3)同種造血幹細胞移植併用の大量化学療法 同種骨髄移植ではGVL効果により生存曲線が plateauになることが知られ治癒の期待ができる 治療法であるが,移植ドナーの確保,高齢移植 の困難性,治療関連死亡率の高さ(早期死亡で 30∼40%)から,移植適合ドナーの存在する若 年症例が主な対象になってきた.しかし,Sykes や,KhouriあるいはSlavinらの報告した,fluda-rabine,cyclophosphamideの 2 剤,またはfluda-rabine,busulfan,ATGのcombination,あるい はcyclophosphamide,ATG,胸腺照射の組み合 わせによるnon-myeloablativeかつimmunoabla-tiveなregimenによる,いわゆるRIST (reduced-intensity stem cell transplantation)は前治療に よる毒性が低く,比較的高齢者にも安全にGVL 効果による治癒を期待した同種造血幹細胞移植 を実施できる点で注目されている32∼34).
M.D. Anderson Cancer CenterのKhouriらは濾 胞性リンパ腫に対する同種造血幹細胞移植の治
療毒性を低減し治療効果を改善する目的でnon-図 13. 自家造血幹細胞移植後に再発した濾胞性リンパ腫 5例を含む,再発リンパ腫の 20症例 に対する骨髄非破壊的治療による同種造血幹細胞移植の成績(PFS)(文献 36より) 3年の PFS は 95% 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1
Cumulative Proportion Surviving
0 10 20 30
Months Posttransplant
40 50 60
myeloabrative regimenの報告をした35).BEAM 療法を含む前治療歴が中央値 2 回で,移植時に 化学療法抵抗性の 2 症例を含む 10 症例(年齢中 央値が 50 歳,最高 60 歳)に,fludarabine 25 mg!m2×5 daysとcyclophosphamide 1g!m2×2 days(fludarabineの最後 2 日間に併用投与)を 投与し,全症例がCRに到達,好中球数の 500!µl 以上への回復は 11 日で好中球数の 500!µl以下の 日数は 6 日,5 症例は血小板輸血が不必要でgrade 3 以上の毒性を認めなかったとするきわめて有望 な成績を示した.Mixed chimerismについては, 移植後 30 日までに半数の症例でRFLP(restric-tion fragment length polymorphism)解析で 80% 以上のドナー細胞率が確認され,100 日までに 70% の症例で確認された.最近,M.D. Anderson Cancer Centerからは再発進行期濾胞性リンパ腫 5 例を含む 20 例の自家造血幹細胞移植後の再発 リンパ腫症例に対し,フルダラビン,シクロフォ スファミド,リツキシマブを中心とした前処置 によるRISTを実施した成績が報告された.全例 に移植片生着が認められ,急性GVHDは 5% に grade 2 が認められたにすぎなかった.1 例にday 115 で増悪が認められ(donorリンパ球輸注後完 全奏効),1 例が真菌感染症で 10.5 カ月後に死亡 した以外は 19 例が無病生存であり,25 カ月の観 察期間中央値で 3 年のPFSは 95% と,きわめて 有望な成績であった(図 13)36).これは,RIST によるallo-HSCTがpurged AHSCT後の再発例 に対して有力なsalvage therapyとなる可能性を 示唆している.至適regimen,至適薬用量などの 開発,donor lymphocyte infusionの至適投与時 期,至適投与細胞量,mini-transplantationが適応 となる組織系,長期毒性など多くの解決すべき 問題点はあるものの,低悪性度リンパ腫のみな らず多くの造血器腫瘍,一部の固形がん,自己 免疫疾患に有効性が報告されているこの治療法 は,きわめて有望な治療戦略であり我が国でも 臨床試験による検証が速やかに実施され, fluda-rabine,cladribine,ATGなど現在の我が国では mini-transplantationに適応のない薬剤が使用可 能となることが望まれる 4)造血幹細胞移植の今後の展望 rituximabと化療併用により,初発進行期濾胞 性リンパ腫の生存曲線は明らかに改善してきて いることがSWOGの試験成績でも報告されてい る(図 14)37).また,後述の放射免疫療法による,
図 14. SWOGの初発進行期濾胞性リンパ腫に対する,各年代毎の試験成績(生存曲線)CHOP と抗体併用で,明らかな生存割合の改善が認められる.(文献 37より) 100 80 60 40 20 0 2 4 6 8 10 Percentage
Years After Registration CHOP+MoAb
ProMACE
CHOP
図 15. radioimmunotherapy(放射免疫療法)
の作用機構の模式図 90Y 90Y 90Y 90 Y 90Y 90 Y 90Y 90Y 放 射 性 同 位 元 素 ( 9 0 Y ) を 抱 合 し た 抗 CD20モノクローナル抗体(ibritumomab tiuxetan) 極めて有望な成績や,今後上市される経口フル ダラビンとrituximabによる高い有効性と低毒性 が期待されること,また,今後,calicheamicin を抱合したCD22 に対する新たな抗体や,有望な 新規抗がん剤であるbendamustineの治験予定を 鑑みると,濾胞性リンパ腫に対する造血細胞移 植の適応は今後極めて狭いものになると予想さ れる.より低毒性で生命予後を改善する新たな 薬剤の開発が進めば,毒性が極めて高い造血幹 細胞移植は,そうした薬剤に対する治療抵抗例 や,再発時の高リスク群,transform群に限定さ れるものと思われる.
3.放射免疫療法,ibritumomab tiuxetan
( Zevalin
®, 図 15 ), tositumomab
(Bexxar
®)
モノクローナル抗体による抗腫瘍効果を増強 する目的でさまざまな殺細胞効果を持つ薬物が 抱合されるが,放射性同位元素を抱合した抗体 による治療がradioimmunotherapy(放射免疫療 法)である(表 1).iodine-131(131I) ,yttrium-90(90Y),copper-67(67Cu)などが広く使用され る放射性同位元素であるが,それぞれに放射す る線源,エネルギー,半減期が異なりリンパ腫 に対して実用化(米国FDAにて承認)されてい るのは,マウス抗CD20 モノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 (IDEC-2B8)に90Yを抱合したibritumomabtiux-表 1. radioimmunotherapyの臨床研究状況 Trial Phase Isotope Disease Target Antigen Antibody Ⅰ I-131,90Y
Cutaneous T-cellNHL,CLL CD5 T101 Ⅰ 90Y Relapsed B NHL Idiotype Idiotype Ⅰ I-131 Relapsed B NHL CD37 MB-1 Ⅰ I-131 Relapsed NHL CD21 OKB7 Ⅰ I-131,90Y Hodgkin’ s disease Ferritin Antiferritin Ⅰ I-131,Cu-67 Refractory B NHL,CLL HLA-DR Lym-1 Ⅰ ,Ⅱ I-131,90Y Refractory B NHL CD22 LL2 Ⅰ ,Ⅱ ,Ⅲ I-131
Refractory B NHL,untreated low-grade NHL CD20 Anti-B1 Ⅰ ,Ⅱ ,Ⅲ 90Y Refractory B NHL CD20 Y2B8
NHL,non-Hodgkin’ s lymphoma;CLL,chronic lymphocytic leukemia;HLA,human leukocyte antigen.
表 2. ibritumomabと rituximabのランダム化試験の結果(文献 38より)
90Y Ibritumomab Rituximab Tiuxeton P No. % No. % Response .002 * 39/70 56 58/73 80 ORR .040 * 11/70 16 22/73 30 CR 3/70 4 3/73 4 CCR/Cru 25/70 36 33/73 45 PR 43.4-67.4 68.1-87.7 95% CI(ORR),% Durable response †
.046 * 37/70 53 49/72 68 A†6 months .110 * 28/69 41 38/72 53 A †9 months .231 * 21/67 31 27/67 40 A †12 months
Durable response follicular only † .019 ‡ 30/58 52 40/54 74 A†6 months .037 ‡ 22/57 39 32/54 59 A †9 months .111 ‡ 17/56 30 24/51 47 A †12 months
CCR,complete clinicalresponse;CRu,complete response unconfirmed.
*P values were calculated from the Cochran-Mantel-Haenszeltest,strati
-fied by histology.
† The denominatorrepresents allpatients exceptongoing responders cen-sored within the specified time period, and the numerator represents r e-sponders with TTP >_ the specified time period.
‡ P values were calculated from the Fisherexacttest.
etan(Zevalin®)と,マウス抗CD20 モノクロー ナ ル 抗 体(B1)に131Iを 抱 合 し たtositumomab (Bexxar®)である.これらの抗体の抗腫瘍効果 には抗体そのものの効果も含まれるが,主たる 抗腫瘍効果は放射性同位元素から放射されるβ 線である.90Yは純粋にβ線のみを放射し,そのエ ネルギーは 2.3MeVで到達長は 5mmであり,半 減期は 64 時間という特徴を有し,これを抱合し たZevalin®は外来での使用が可能である.131I はβ線とともにγ線も放射するため,カメラで症例
図 16. 初発進行期,濾胞性リンパ腫に対する 131-Itositumomabの単剤,短コースによる治 療成績(PFSおよび全生存割合)(文献 39より) 100 80 60 40 20 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 Survival (%)
Years after Dosimetric Dose
Overall survival Progression-free survival 毎の投与量を決定することが可能であるが,一 方では放射線を遮蔽できる隔離病棟での治療が 必要となる.131Iの半減期は 192 時間で,beta 線エネルギーは 0.6MeV,到達長は 0.8mmである. 我が国では,現在,Zevalin®の臨床第II相試験が 開発治験として登録が終了しており,早期承認 が 望 ま れ る.Zevalin®は,米 国 で のrituximab とのランダム化臨床第III相比較試験で,奏効期 間,TTPでは有意差は認められなかったもの の,%CRで 30% 対 16%(P=.04),ORRで 80% 対 56%(P=.002)でZevalin®が有意に優れてい た(表 2)38).また,90Yによる体内被曝のため, 一過性の骨髄抑制がZevalin®の主たる毒性であっ た. 1) 初発進行期,濾胞性リンパ腫に対するtosi-tumomab単剤での成績
Kaminskiらは 76 例のIII,IV期濾胞性リンパ腫 に対して131I tositumomabを単剤,単回投与での 臨 床 第II相 試 験 を 実 施 し た39).95% が 奏 効 し,%CRは 75% と極めて高い%CRが得られた. CRのうち 80% がPCR法によって分子生物学的寛 解と判断された.観察期間中央値が 5.1 年で,無 増悪生存期間(progression-free survival : PFS) の中央値は 6.1 年,5 年PFSが 59% ときわめて優 れた成績であった(図 16). 現在までにmyelodys-plastic syndromeなどの二次発癌もなく,R-CHOP療法に匹敵するような優れたtositumomab の成績は,今後,ランダム化試験でその有用性 を検証する価値が極めて高いものと思われる.
まとめ
長い間,治癒の期待できない難治性リンパ腫 の代表であった濾胞性リンパ腫であるが, rituxi-mabの応用の進歩によりPFSは明らかに延長する ことが検証されてきた.また,cladribine(2-CdA), fludarabineのpurine analogは我が国では 2-CdA が承認され,経口剤のfludarabineの治験は終了 し審査中である.ibritumomabの治験も終了して おり,こうした薬剤の早期承認,と他の分子標 的薬(bortezomibなど)の導入により,今後は indolent B-cell NHLの治癒に向けての治療戦略の さらなる進歩が期待されている. 文 献1)Mac Manus MP, Hoppe RT : Is radiotherapy curative for stage I and II low-grade follicular lymphoma? Results of
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