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最新鋭躯幹用DXA装置Prodigy(GE Healthcare社製)による部位別骨密度測定 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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名寄市病誌 17:9〜!2  2009

最新鋭躯幹用DXA装置Prodigy(GE Healthcare社製)による 部位鞍骨密度測定

Bone mflleral measしπemeη亡。∫verfeb1芝11 body,∫emo1四1ηeck and dfs亡al rad加s us加gηew DXA(ProdfgyごGE Hea1亡hcareλ

坂田 仁

H (冶hlSa 【紐3

Key Words:DXA, Prodigy,骨密度測定,腰椎,大腿骨近位部

はじめに

 当院では1994年に真の骨体積密度を測定でき るpQCTD2)3》を導入して骨密度を測定してきたが,

装置の老朽化と高価でかつ末梢骨の測定であるた めに全国的な普及が見られなかったことより,

2007年10月に躯幹骨用の最新鋭DXA装置(GE

Healthcare社製Prodigy Advance)を導入するこ とになった.このPrOdigy(図1)ではデジタル検 出器の採用やスマートスキャン方式の導入が特徴

とされ,高速撮影,被曝線量の低減,および測定 画像の歪みを減らした画像再構成が実現されてい る」) 〕.当科におけるこのProdigyによる骨密度測 定の実際と問題点について検討を加えて報告する.

図1 Prodigy(GE Healthcare謹製)

対象および方法

 平成19年10月から平成20年7月までの期間 に,当院で腰椎骨密度測定を行った20歳以上の

女性は865名(表1),そのうち大腿骨頚部骨密度 測定を行った者は863名(表2)である.既に骨 粗特配の治療を受けている症例,初診の患者さん,

健診でかかられた方を含んでいる.大腿骨頚部に

表1 腰椎骨密度の年代別評価(YAMとの比較)

20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代

70%未満 0 0 0 7 35 77 60

70〜80% 0 1 1 16 47 103 47

80%以上 5 9 27 65 100 176 86

5 10 28 88 182 356 193

表2大腿骨頚部骨密度の年代別評価(YAMとの比較)

20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代

70%未満 0 1 1 9 30 85 94

70〜80% 1 0 1 18 35 125 49

80%以上 4 9 26 61 116 146 49

5 10 28 88 181 356 192

名寄中央整形外科

Depむof Or亡hoμSur& Nayoro Ch uose汝efgeka Clfnfc

9

(2)

ついては両側の大腿骨頚部骨折を有した2例を除 外した.また,擁骨遠位部で骨密度を測定したの は2回目の検査において行なった250例である.

 骨密度測定方法としては,GE Healthcare社製 の躯幹用DXA(Prodigy Advance)を用い, L1〜4 椎体の正面像,大腿骨頚部と擁骨遠位部の骨密度 測定を行った.

結 果

1)当科の腰椎と大腿骨頚部の骨密度と基準値と の比較

 部位別,性別,機種別の骨粗汁症の診断基準値 は!996年に設定された5).その後の基準値の改 訂はなされていないが,図2に当科の対象の骨密 度を基準値と比較をして表した.当科対象の基準

値は若年成人平均値が女性の腰椎で

1.122±0.112g/cm2,大腿骨頚部で0.934±0.093g

/cm2である.

 40代までは対象数が少ないので参考程度と考 え,今後症例を増やして検討することとして,50 代以降の骨密度は腰椎及び大腿骨頚部ともに当科 の対象の方が基準値に比べて高値を示した.また,

大腿骨頚部の方が腰椎よりも基準値に近い傾向を

示した.

2)部位別・年代別骨密度について

 骨密度による原発1気骨粗籟症の診断基準(2000

年度改訂版)ηによると,脆弱性骨折の認められ ない場合には,若年成人平均値(YAM)の80%

未満を骨量減少,70%未満を骨粗嶺症と定義して いる.この定義に基づいて,腰椎と大腿骨頚部に ついて年代別に分類して表1,2に示した.腰椎 では50歳未満に骨粗籟症は認められず,大腿骨 頚部では30代,40代に各1名が骨粗籟症の骨密 度域にあった.50代以降は骨粗彫症の症例が

徐々に増加している。

3)骨粗籟症診断率について

 前述の部位別・年代別骨密度から,骨密度が YAMの70%以下を骨粗籟症と診断して,骨粗髪 症の診断率を図3に示した.50代以降の女性に おいて,2006年のガイドラインに引用されてい る山本81の報告した骨粗籟症の年代別頻度に比べ て,60〜64歳の腰椎,55〜59歳と80歳以降の 大腿骨頚部が近似したものの,その他の年代では 腰椎と大腿骨頚部ともに少ない頻度を示した.

70〜79歳で20%台前半,80歳以降で腰椎では

31.1%,大腿骨頚部では48.9%であった.

4)測定部位別の骨密度の相関

 腰椎と大腿骨頚部の相関係数は図4のように 0.715,腰椎と模i骨遠1/3の相関係数は図5のよう に0.475,大腿骨頚部と擁骨遠位1/3の相関係数 は0.588であった.

 また,擁骨遠位1/3の骨密度は,腰椎,大腿骨 頚部よりも低値を示している.

(%YA㈲

  董30   重20   董恥 骨凄oo 密 go 度 80    70    §0    50

(%YAM>

h争.一

2◎ 3{}40 50 6ζ) 70 80 §0100

       (歳)

     腰 椎

13◎

12◎

1繊

10◎

90 80 70

§0 5◎

40

2◎ 30 4◎ ξ50 6《} 70 80 9倉1{}(}

      〈歳)

   大腿骨頚部

図2腰椎・大腿骨頚部骨密度の加齢による変化

10

(3)

(%)

 60.

  50 一 粗 40.

症 30,

症 20。

度 10

0 ・

雛壷恥 嘗i lllll

魑腰椎 謡大腿骨頚部 勲腰椎(山本)

50〜5斗 55〜59 60〜64 65〜6970〜74 75〜79  80〜

       (歳)

       年  齢

図3 DXAによる骨粗髪症発症頻度の比較

(%YAM>

   160    14G 腰 120

  100

密  80 度  6◎

  4◎

  2G

Y=2◎,G《}4牽O.79§*X

・瓢◎715 ゥ。P8・

2G    60    雀00   董40

大腿骨頚翻骨密度

(%YAM)

図4 腰椎と大腿骨密度(%YAM)の相関

(%YA嫉)

概 陶

骨 12奪   10§{立 施  8G 骨  §0 度 40   20

Y=32,329牽0.4崖*X γ=α475

     0   0

     Q

8(80

(%YAM)

  120 100 80 6G

2(}    60    100    140         20

         (%YA幡1

Y=2t264+・α59*X

ゼ=o.588

     Q

腰椎骨密度

40

   0〈も◎○0 20

    60   100

         (%YAM)

   大腿骨頚部骨密度

図5 豚骨遠位1/3と腰椎,大腿骨密度(%YAM)との相関

考 察

 2006年版の骨弓懸症の予防と治療ガイドライ ン9}によると,躯幹骨DXAは,骨折リスクをよく 反映する椎体や大腿骨計測に最も良い適応であり,

骨粗懸症の診断に最適な測定法である.大腿骨近 位部骨折の相対リスクを最も予測できるのは,同 部位の骨密度測定であり,さらに大腿骨近位部骨 密度は椎体骨折をはじめ,あらゆる骨折の予知に 優れる(レベル1).したがって,椎体と大腿骨近 位部の両者を測定することが望ましいと述べられ

ている.

 骨密度測定装置の機i種別・部位別基準値が1996 年改訂版の原発性骨粗嶺症の診断基準において設 定されているω.その後の機種の改良が見られる が,その基準値は変更されていない。その基準値 と当科の骨密度測定値とを比較した.その結果,

腰椎と大腿骨頚部の骨密度はともに基準値より高 い値を示した.対象は当科において既に骨粗籟症 として治療している症例が多く含まれることを考

11

えると逆の結果が得られたことになる。腰椎骨密 度についてはL1〜4の正面像で測定しているが,

骨折椎体の除外を行っていなかったために高値を 示していることが考えられる.腰椎については,

少なくとも骨折椎体を除いた骨密度で評価しなけ ればならない ).そのためには,腰椎X−PやMRIで の診断を併せて行うべきであり,椎体別の骨密度 も考慮する必要がある.一方,大腿骨頚部の骨密 度測定では骨粗籟症の症例を多く含む当科の対象 は基準値よりも三値が予測されたにもかかわらず,

腰椎に比べ基準値に近いもののほぼ全ての年代で 高い値を示した.そのために,山本8}の腰椎DXA による骨置潮症推定人口に比べて,当科の対象で は骨粗嶺症の診断書が低い傾向となっている.

 DXA装置については約20年の歴史があり,最近 では機i種の改良が進んで,スキャン方法としては ペンシルビーム方式からファンビーム方式に変わ ってきており,測定精度の向上やスキャン時間の 短縮がなされてきた姻。当科の骨密度測定機種で あるProdigyもファンビーム方式であり,骨粗嶺

(4)

症の診断基準値は機種によって新しく策定される ことが必要と考えられる.

 現在用いられている列挙基準値は1996年に設 定されたものであり,その後の骨量測定装置の普 及や,ライフスタイルの変化,骨粗髪症の予防や 啓発活動により,骨量基準値が変化している可能 性があり,その見直しの作業が進行している.日 本骨代謝学会では骨密度基準値設定委員会を組織 化し,2004−2006年の骨密度データを全国的に収 集し,新しい骨密度の基準値を設定することを計

画している1ω.

 また,大腿骨近位部での骨密度測定の重要性が 高まってきており,今後,DXAによる大腿骨近位 部の骨密度測定を普及させるためには現状に即し た標準測定方法を定める必要があるm12M3).

 躯幹骨DXA装置では擁骨遠位部の測定も可能 で,今回の当科の対象では,剥製遠位1/3の骨密 度を腰推,大腿骨頚部と比較した.その結果,擁 骨遠位1/3骨密度は腰椎,大腿骨頚部に比べて低 値を示し,それぞれ相関も強いものではなかった.

日本人における擁骨遠位1/3骨密度により求めた 骨粗籟症の有病率が部位による検出能に大きな開 きがあり,槙i骨DXAを用いると,脊椎・大腿骨DXA で評価するよりも高頻度に骨粗嶺症と診断されて おり,鎖骨DXAでは過大評価されやすいと考えら れる1闘D.また,一般に擁聡達密度は鎖骨遠位1/3 部位以外は診断に役立たないと考えられている.

また,野掛骨密度で躯幹骨骨折を予測するには限 界がある.ただ,擁軽骨密度でも,当科のpQCT では遠位4%部位で海綿骨の豊富な部位であり,

擁骨遠位端骨折例では骨密度が低値を示してい た15).今後はProdigyで同時に測定可能とされてい る擁骨遠位端の骨密度についても検討を加えてい きたいと考えている.

 高齢者が寝たきりになったり,寿命に影響のあ る大腿骨頚部骨折や腰椎骨折の骨危険リスクはそ の部位の骨密度の影響があり,それぞれの部位で の骨密度測定が必要であるH).今後もProdigyによ る骨密度測定を継続し,さらなる骨粗骨症の診断 や薬物治療の効果判定に役立てたいと考えている.

まとめ

1)GE Healthcare社製DXA最新装置Prodigyに よる腰椎,大腿骨頚部,榜i骨遠位1/3の骨密度測 定を行い,その使用経験について報告した.

2)20歳以降の女性865名に骨密度測定を行い,

12

当科の症例では50代以降において,腰椎,大腿骨 頚部ともに基準値より高値を示したが,その傾向 は腰椎において強かった.

3)腰椎と大腿骨頚部の骨密度の相関はr・0.715と 比較的良好であった.擁骨遠位1/3と腰椎の相関 はr;0.475,大腿骨頚部との相関はr・0.588と必ずし も強くはなく,無骨遠位1/3骨密度は腰椎,大腿 骨頚部に比べて低値を示し,骨粗嶺症診断率が高

くなる可能性がある.

4)当科の骨密度が基準値と解離を示しているこ とから,新機種に対する基準値の見直しの必要性 が考えられる.また,腰椎においては面密度の異 常値を生ずる椎体の骨棘形成や特に骨折による椎 体変形について考慮した骨密度評価を行うべきで

ある.

 本論文の要旨は上川北部医師会学術講演会(平 成20年7月31日)で発表した.

1)坂田 仁:末梢骨用定量的CT(pQCT)による骨粗籟症  検診について.名寄市弊誌4:7−10,1996,

2)坂田 仁:pQCTによる模i骨遠位端における骨粗懸症   の病態について.別冊整形外科33:47−51,1998,

3)坂田 仁:ラロキシフェンとその他の骨粗籟症治療薬   との骨密度改善効果の比較.名寄市病誌16:12−

  15,2008.

4)曽根照喜:腰椎:DXA(QDR,DPX,XR).日計65:145−

  148,2007

5)高桑昌幸:高速スキャン(10秒)X線骨密度測定装置   (DXA法)における測定精度とその意義.CLINICIAN  53:1147−1153,2006.

6)日本骨代謝学会骨粗籟症診断基準検討委員会:原発性  骨粗嶺症の診断基準(1996年度版).日骨代謝誌4:219−

 233,1997,

7)折茂 肇ほか:原発性骨粗野症の診断基準(2000年  度改訂版).日骨代謝誌18:76−82,2001.

8)山本逸雄:骨粗籟症人口の推定く)steopQrosis Jpn 5:

 223−226,1997.

9)折茂 肇ほか=骨粗嶺症の予防と治療ガイドライン  2006年版.ライフサイエンス出版.東京.2006.

10)福永仁夫,曽根照喜:骨粗嶺症の予防と治療ガイドラ  イン2006年版 骨量測定基準値とその問題点.THE  BONE 21:319−321,2007.

11)日本骨粗嶺症学会骨強度評価委員会:大腿骨近位部  BMD測定マニュアル.Osteoporosis Jpn l 5:359−

 399,2007.

12)福永仁夫,友光達志:大腿骨:DXA(QDRDPXXR).日臨  65:159−162,2007,

13)曽根照喜:大腿骨近位部骨密度と測定マニュアル  ℃LINICAL CALCIUM 18;1114−1118,2008.

!4)伊東昌子:無骨:DXApQCT,日臨65:149453,2007,

15)坂田 仁:pQCTによる針魚遠位端骨折の発症機序に  ついての検討.日手会誌14:289−292,1997.

参照

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