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青年期女性の骨密度に及ぼす食生活を含む生活習慣 の影響

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

青年期女性の骨密度に及ぼす食生活を含む生活習慣 の影響

著者 中口 緑

発行年 2010‑03‑25

URL http://hdl.handle.net/10105/2897

(2)

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青年期女性の骨密度に及ぼす食生活を含む生活習慣の影響

奈良教育大学大学院 教育学研究科 教科教育専攻 生活科学教育専修

083902   中ロ 緑

(3)

II ft

I 過去及び現在の生活習慣の影響一横断研究     P 2

Ⅲ 生活習慣改善による骨密度‑の影響一介入研究‑ p 14

Ⅲ まとめ p35

(4)

I 過去及び環在の生活習慣の影響一横断研究

1.はじめに

10歳代後半から20歳代にかけて青年期では欠食や外食の頻度が高く食事時間が不規則等 の食習慣がみられることが報告されている1, 2)健康増進、特に女性では将来の妊娠・授 乳に備えるために好ましい生活習慣を身につけることが必要であると考えられる。池田ら は食習慣の年代別の比較から10代後半で食習慣に最も問題点が多いことを報告している3)0

著者は大学の卒業研究において、妊娠中の骨密度が食事や外出頻度などのライフスタイ ルと関係があること、妊娠初期から骨密度がかなり低い人がいること、妊娠中には骨密度 が低下することなどを認めた4) 。高い骨密度を保持することは、胎児の発育や出産後の母 乳成分の確保のため、さらには将来にわたる骨折や骨粗紫症などの第一次予防の観点から

も大切であると考えられる。そのためには、妊娠前の最大骨量に達する時期に骨量を高め ておくことが重要である。

そこで、本研究では、青年期女性を対象として、超音波法により測定された骨密度と過 去および現在の食生活を含む生活習慣との関連を、横断的解析により検討した。

2.研究方法

2. 1.対象者および倫理的配慮

対象者は奈良市内の2つの大学の女子学生8 7名(18‑23歳)であるo超音波酎羊よる 骨密度測定およびアンケート調査を平成20年6‑7月に行った。

対象者に対しては研究開始時に、研究の目的、協力いただく事柄、骨密度の測定方法と 本測定方法は身体に影響を与えないこと、および得られた個人情報は研究の目的以外に使 用しないことなどを明記した文書および口頭により協力を依頼し、承諾を得た。また、研 究開始前に研究内容について、奈良教育大学研究倫理委員会に倫理審査を申請し、研究倫 理に照らし問題ないとの承認を得たO

2. 2.骨密度測定方法および骨密度指標

骨密度測定は毎回同一の1台、超音波骨密度測定装置(Lunar製 Achilles lOOOPLUS

Ⅱ)を用い、毎回同一人物が同一場所にて行ったO この装置は、超音波が瞳骨を透過する

際の速度である超音波伝播速度(SOS ; Speed Of Sound)、超音波が骨の中で減衰する

率である超音波減衰係数(BUA ; Broadband Ultrasound Attenuation)の二つの指標

が出力され、両者は骨組織を異なる観点から評価しているが、本研究では両者を統合した

(5)

stiffness5)を骨密度の指標として用いたD測定に当たって以下の点に注意を払ったO 被験 者をキャスターがついていない安定した椅子に背筋を伸ばして楽な姿勢で座らせる、塵の

両側面を70%エチルアルコールに浸した綿花で十分にふく、測定足をまっすぐにしふくら はぎは支持台に密着させる、瞳をできる限り後方に寄せる、測定中は動かないように注意 するなどである。

2. 3.食生活・生活習慣および背景要因の帯査方法

骨密度測定時に、表1に示す1‑22の食品群について、摂取頻度を1 :卵から20:ジュ ース・炭酸飲料類については最近1週間の摂取頻度を「1日に2回以上」 「殆ど1日に1回」

「2, 3日に1回」 「週に1回」 「殆どとらない」の5つのカテゴリーから、21:ご飯、 22:

パンの摂取頻度については「殆ど1日3回」 「殆ど1日2回」 「殆ど1日1回」 「2, 3日に 1回」 「週に1回」 「殆どとらない」の6つのカテゴリーから選択させた。牛乳について揺 摂取量を記入させた。

表1 調査した食品群名

1.・卵、 2:牛乳・チーズ・ヨーグルト、 3:肉・ハム・ソーセージ類、 4:魚介類・練り 製品、 5:小魚(ちりめんじゃこ・ししゃもなど)、 6:豆・豆製品(豆腐・納豆など)、

7:緑黄色野菜(ほうれん草・にんじんなど)、 8:その他の野菜(きゅうり・もやしな ど)、 9:果物、 10:海草(わかめ・昆布など)、 ll:きのこ(しいたけ・えのきなど)、

12:いも(じゃがいも・やきいもなど)、 13:油料理(フライなど)、 14:インスタント 麺類、 15:めん類(うどん・スパゲッティなど)、 16:おそうざい・冷凍食品類、 17:

朝食、 18:汁物(味噌汁・スープなど)、 19:菓子(アイスクリームを含む)、 20:ジュ ース・炭酸飲料類、 21:ご飯、 22:パン

さらに、年齢、身長、体重、現在の運動、食品のバランス、塩分の摂りすぎ、香辛料の 好み、間食の回数、欠食の回数、食事作り、飲酒、喫煙、コーヒー・紅茶の量、カルシウ ム剤の摂取有無、過去の牛乳摂取量、過去の運動履歴、ダイエットの経験について調査し た。

2. 4.疲労度の調査方法

健康に関する調査について産業衛生協会の「自覚症状しらべ」 6)を用い、表2に示す30

項目の症状について「非常にある」 「ある」 「少しある」 「全くない」の4段階のカテゴリー

で自覚症状を調査したO

(6)

表2 調査した疲労症状

1:頭がおもい、 2:全身がだるい、 3:足がだるい、 4:あくびがでる、 5、頭がぼんや りする、 6:ねむい、 7:目がつかれる、 8:動作がぎこちない、 9:足もとがたよりない、

10:横になりたい、 ll:考えがまとまらない、 12:話をするのがいやになる、 13:い らいらする、 14:気がちる、 15:熱心になれない、 16:ちょっとしたことが思い出せな い、 17:することに間違いが多くなる、 18:物事が気になる、 19:きちんとしていられ ない、 20:根気がなくなる、 21:頭がいたい、 22:肩がこる、 23:腰がいたい、 24:

いき苦しい、 25:口がかわく、 26:声がかすれる、 27:めまいがする、 28:まぶたや 筋肉がぴくぴくする、 29:手足がふるえる、 30:気分が悪い

2. 5.集計・解析方法

1 )食品摂取状況と健康状況を評価する各指標の算出

各食品群の摂取状況を把握するために、個々の食品群について1 :卵から2 0 :ジュー ス・炭酸飲料類までの摂取頻度が「1日に2回以上」を5点、 「殆ど1日に1回」を4点、

「2, 3日に1回」を3点、 「週に1回」を2点、 「殆どとらない」を1点と得点化した。

また、 21 :ご飯、 22:パンの摂取頻度に関しては「殆ど1日3回」を6点、 「殆ど1日 2回」を5点、 「殆ど1日1回」を4点、 「2, 3日に1回」を3点、 「週に1回」を2点、

「殆どとらない」を1点と得点化した。それをもとにバランススコア、たんばく質スコア、

カルシウムスコア、菓子スコアの4種のスコアを作成したD また、健康状況を把握するた めに、 30項目の症状についてそれぞれ「非常にある」を3点、 「ある」を2点、 「少しあ る」を1点、 「全くない」を0点と得点化し、疲労スコアを算出した。それぞれのスコアの 算出方法は次の通りであるO

表3 食品摂取スコアと疲労スコアの算出方法

バランススコア: 1.卵から9.果物までの9つの食品群の各得点を加算

たんばく質スコア: 1,卵、 3,肉、 4.魚、 6.大豆製品の4つの食品群の各得点を加算 カルシウムスコア:カルシウム含有量を基に、牛乳の得点を4倍、大豆製品の得点を2倍、

菓子スコア 疲労スコア

小魚、緑黄色野菜、その他の野菜、海藻類の得点をそのままとして加質 : 1 9.菓子と2 0.ジュースの各得点を加算

: 1.頭がおもいから3 0.気分が悪いまでの3 0項目の疲労症状の各得点

・'.‑',Tt¥'

(各食品群名および疲労症状は表1 ,表2を参照)

(7)

2)解析方法

まず、骨密度の分布を調べた。骨密度との関係について、各生活項目の中で連続変量に ついてはPearsonの積率相関係数により、離散変量についてはカテゴリーごとの骨密度平 均値をカテゴリー間で比較し、分散分析法により有意差検定を行ったo 次に、骨密度を従 属変数、年齢、 BMI (Body Mass Index)および各生活項目の中で骨密度との関連の比 較的大きかった項目を独立変数として、 5%レベルでモデルから削除の条件で変数減少法に よる重回帰分析を行った。さらに、項目相互間の関連性を考慮して骨密度と生活要因全体 の構造を探るためにパス解析を行った。モデル適合度の指標として、 CFI (比較適合度指標)、

AlC (赤池情報量基準)を用いたD 分析はSPSSVer.12およびAmosVer.5を用い、危険率

5%を有意水準としたO

(8)

Ⅲ.結果

60   70   80   90  100  1 10  120  130

Stiffness

図1 骨密度値の分布

骨密度値の分布を図1に示す。

骨密度値は63‑128、平均値94.1、

標準偏差14.7で、ほぼ正規分布 を示していた。

対象者の年齢、身長、体重、

BMIおよび骨密度測定結果の記 術統計値を表4 に示すo BMI18.5以下の「痩せ」が12人

(13.8%)存在したD

表4 対象者の特性及び骨密度測定結果

n‑87

M SD M m M ax

年齢(読) 19. 2 1. 2 18 23

身長(cm ) 57. 3 5. 3 141 173

体重(kg) 51. 3 6. 6 38 80

B M I 20. 7 2. 2 16.6 27.1

Sti 斤 ness 94. 1 4. 7 63 128

SO S 1555. 0 32. 6 474 1623

BUA 118. 4 . 4 90 145

M:平均値 SD:標準偏差 Min:最小値 Max:最大値 SOS (Speed of Sound) :超音波伝播速度

BUA (Broadband Ul trasound Attenuation) :超音波減衰係数

Stiffness‑ (0.67*BUA) + (0.28*SOS) ‑420

(9)

表5 身体特性、各種食品摂取スコア、疲労スコア の記述統計値および骨密度値との単相関係数(r)

n‑87

M S D r

年齢 19. 2 1. 2 0. 208

身長 157. 3

51. 3 20. 7

5. 3 6. 6 2. 2

0. 138

体重 0. 077

BM I 0. 013

バラ ンススコ ア 28. 5 5. 4 0.182

たんばく 質スコ ア 18. 2 3. 8 0. 207'

カルシウムスコ ア 27. 8 7.1 0.150

菓子スコ ア 6.7 1. 9 0. 085

牛乳摂取量 102. 9 124.6 0. 340

疲労スコ ア 25.1 13. 5 ‑0. 053

★★:p<0.01, ★:p<0.05

0     1 00     200     300     400     500     600

牛乳渡取 ml/日

図2 牛乳摂取量と骨密度

7 ノ

年齢、身長、体重、 BMI、および各 種食品摂取スコアの平均値、標準偏差 および骨密度値との単相関係数を表5 に示す。骨密度値と有意な相関の見ら れる項目は年齢、バランススコア、た んばく質スコア、牛乳摂取量といずれ も有意の正相関であったO また、カル シウムスコアとは正の傾向がみられた。

図2に骨密度値と牛乳摂取量の関係を 示す。

過去および現在の生活習慣の各項目 のカテゴリ一別骨密度平均値と標準偏 差を表6に示す。カテゴリー間で有意 差の見られた項目は、 「喫煙の有無」、

「中高の運動クラブ」で、タバコを吸

わない、中・高時に運動クラブに入っ

ていた場合に骨密度値が有意に高かっ

m

(10)

表6   過去および現在の生活習慣と骨密度値との関係

∩‑87

項目 カ テゴリ ー N M SD △ 1

住まい 1 自宅 67 93. 4 14. 0

2 I 人暮ら し 20 96. 2 17. 0

現在の運動 1 定期的なス ポーツを する 21 94. 4 17. 4

2 歩く 程度 24 93. 0 14.1

3 ほと んど なし 42 94. 5 13. 8

食品のバラン ス 1 考える 21 92. 6 15. 3

2 時々考える 48 93. 6 15.2

3 考え ない 18 97. 1 12.8

塩分の摂り すぎ 3 気をつける 15 89. 9 14. 5

2 時々気を つける 40 92. 3 13. 6

3 意識し ない 32 98. 3 15.5

香辛料 1 殆ど 使わない 14 90. 9 13. 4

2 調理で使う 56 95. 3 15. 4

3 食卓で も 使う 17 92. 7 13. 6

間食の回数 1 食べない 87. 8 13. 0

2 遇に3, 4回 24 94. 6 15.2

3 1日1回以上 58 94. 4 14. 7

欠食の回数 1 殆どし ない 50 95. 0 13. 8

2 過に1回以上 37 92. 8 15.9

食事作り 1 1日1食以上 29 94. 4 15. 7

2 殆どし ない 58 93. 9 14. 3

酒 1 飲まない 78 94. 2 14. 0

2 遇に1匡 l以上 92. 6 20.5

喫煙の有無 1 吸っ ていない 81 95. 0 14.7

2 吸っ ている 81. 0 6. 9

コ ‑ ヒ ーl紅茶 1 1日0杯 52 93. 3 14. 3

2 1日1杯以上 35 95. 2 15. 4

カルシウム剤の摂取 1 摂っ ていない 84 93. 9 14.8

2 摂っ ている 98. 0 14. 7

中学生の牛乳 1 ほと んど毎日 38 95. 7 14. 0

2 時々飲んだ 24 94. 7 17. 5 △ 2

3 飲んでいない 20 89. 1 13. 2

4 忘れた 98. 2 8. 8

高校生の牛乳 1 ほと んど 毎日 11 97. 4 15. 6

2 時々飲んだ 33 92. 9 11. 7 △ 2

3 飲んでいない 37 92. 4 ー 6. 5

4 忘れた 104. 7 14.2

現在の乳.乳製品摂 1 毎日 36 96. 5 14. 8

取頻度 2 2、 3 日に1回 21 92. 2 17. 6

3 過に1回 18 93. 6 12. 9

4 と ら ない 12 90. 8 11. 6

中.高の運動ク ラ ブ 1 入っ ていない 38 90. 2 13. 4

2 はいっ ていた 49 97. 1 15. 1

ダイ エ ット の経験 1 なし 57 92. 8 15. 6

2 あり 30 96. 5 ー 2. 6

p<0.05, ‑: p>0.05, n=対象者, M=平均値SD=標準偏差, △ 1 :一元配置の分散分析

△2:中学生の牛乳、高校生の牛乳に関しては「4 忘れた」をのぞいて検定

(11)

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(12)

分散分析および重回帰分析で骨密度との関連の有意または比較的大きかった項目を観測 変数としパス解析を行い、元のデータ‑の適合性が高いと認められた最終モデルを図4に

示す。骨密度‑のパス係数が有意であったのは、 「年齢」、 「喫煙の有無」、 「牛乳摂取量」で いずれも正であった。すなわち、年齢が高く、喫煙習慣が無く、牛乳摂取量が多い場合に 骨密度が高かった。また、 「疲労スコア」の「喫煙の有無」 ‑のパス係数は負で有意、 「バ ランススコア」の「喫煙の有無」 ‑のパス係数は正であった。すなわち、喫煙習慣有りの 者では疲労スコアが高く、バランススコアが低い傾向が示された。さらに、 「バランススコ ア」の「牛乳摂取量」 ‑のパス係数は正で有意、 「高校生の牛乳」の「牛乳摂取量」 ‑のパ ス係数は負で有意、 「中・高の運動」の「牛乳摂取量」 ‑のパス係数は正であったO すなわ ち、牛乳摂取量が多い者では、バランススコアが高く、高校生の時期に牛乳摂取の習慣が あり、中・高の時期に運動クラブに入っていた傾向がみられた。

e 5

一一 .0 0

疲 労 ス コ ア

バランススコア

高校生の牛乳

.00

中・高の#2

運動ウラブ

BE

喫煙の有無

.18

牛乳摂取量

X2‑2L9

p値‑.347

CFI‑.936 AIC‑69.9

図4 骨密度に影響を与える要因 ‑パス解析の結果

**:pく0.01, *:pく0.05, el一  誤差,数字は標準化パス係数

#1:1毎日, 2時々, 3飲んでいない #2:1入っていた, o入っていない

#3:1無し, 0有り

10

(13)

4.考察

4. 1.超音波骨密度測定法について

本法で得られた骨密度指標は二重X線吸収法(DXA法)により測定された大腿骨頚部や 腰椎の骨密度と高い相関が見られること、接骨骨密度を本法とDXA法により測定した場合、

両者間には高い相関が見られることが報告7, 8)されているO本法の測定精度について、繰 り返し行った測定に対する変動係数は1.0‑1.6%9)、あるいは2.3‑2.8%8)の報告もあり、

DXA法の0.5‑ ‑1.5%7)に比べると若干大きいD しかし、超音波法はX線を使用していない ため設置場所の制約がなく座位で比較的短時間に測定ができ、 Ⅹ線被爆がないため青年期 の女性にも安心して使用できる等の利点ある。したがって、本法の骨密度測定の理論やDXA 法との関係を理解して用いれば、本法は青年期女性の骨密度測定の手段として有用である

と考えられるo

4. 2.青年期女性の骨密度に影響する食生活・生活要因

青年期女性の骨密度に影響を与える要因として「年齢」、 「喫煙の有無」、 「牛乳摂取量」

が抽出され、年齢が高いほど、牛乳摂取量が多いほど、喫煙習慣がない場合に、骨密度が 高いという結果が得られた。

年齢に関して、本対象者の年齢層は18‑23歳とせまい範囲であるが、この範囲内で骨密 度と正の関係が認められたO最大骨量(ピークボンマス)に達する時期は従来20‑台0歳代

といわれ、近年の研究では16、 17歳の可能性が指摘されている10‑12)しかし、本研究 の結果より、最大骨量に達する時期は16、 17歳ではなく、その後も上昇しているD したが って、青年期女性の骨密度と生活習慣との関連を考える場合は、年齢を考慮する必要があ るo

牛乳摂取量が多いほど骨密度が高い理由について、乳・乳製品はCaの含有量が多いこと、

乳・乳製品のCaは小魚や緑黄色野菜、海草などのCaに比べて腸管からの吸収率がはるか に高いことなどが考えられる。また、牛乳摂取量はバランススコアと有意の正の関連が見

られ、牛乳摂取量の多い者で食事のバランススコアも高いことが示されている。従って、

牛乳のみでなく種々の食品を摂取することが、腸管や腎臓でのカルシウム吸収や骨形成促 進作用があるビタミンD、骨の主成分であるコラーゲンの合成にかかわるビタミンCなど の各種のビタミン類を多く摂取することに繋がったとも考えられるo 著者は妊婦の骨密度 についても牛乳摂取量が影響を与えることを報告4)しており、また、高校生において他に も同様の報告13)が見られているO

ここで、現在の牛乳摂取量は高校生の牛乳とも有意の関連、すなわち高校生の時の牛乳 摂取習慣が現在にも影響していることがわかる。従って、成長期からの乳・乳製品摂取の

習慣が大切であると言えるO

喫煙習慣がある場合に骨密度が低い理由について、ニコチンによる血管収縮作用により

ll

(14)

骨形成‑の血流量の減少が関連すると考えられる。また、喫煙の有無は疲労スコアやバラ ンススコアと関連が見られたことから、身体的、精神的な疲労やバランスの悪い食生活が 間接的に影響していることも考えられる。また、パス図には示していないが、喫煙習慣の ある者では、飲酒をしている割合が高かった(喫煙群では50%、非喫煙群は7.4%)こと から、飲酒習慣が疲労や食生活の悪化と関連し、骨密度を低下させることも推測される。

喫煙者は最大骨量が低く、閉経後の骨量減少も著明であるという報告14)もみられる0 本研究での喫煙者の割合は6.9% (6/87)で、国民栄養調査で報告15)されている20歳 代女子の18.9%と比較すると少ない。国民栄養調査によると20歳代女子の喫煙習慣ありの 割合は平成元年では8.9%であったが年々増加していることから、青年期女性における喫煙 者の増加がうかがえる。このことから骨密度‑の喫煙の影響を青年期女性に啓発する必要 があるといえるO

また、一般的に骨密度と運動およびBMIとの間には関連がみられるが、今回関連がみら れなかったo その理由として、運動に関しては対象者の中には運動部に所属し定期的な運 動をおこなっている者が少なかったことが考えられる。また、 BMIに関しては、 BMIとカ ルシウムスコアおよびバランススコアとはいずれも有意の負の相関がみられることから、

体重よりも食事因子の方が骨密度‑の影響が大きいためと考えられる。

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平成20年6‑7月に奈良市内の2つの大学の女子学生(18‑23歳) 87名を対象に超音波 法による骨密度測定および体格、疲労、現在および過去の食生活・生活習慣に関する調査 を行い、生活習慣と骨密度との関連を横断的に解析した。その結果、年齢が高いほど、牛 乳摂取量が多いほど、喫煙習慣がない場合に骨密度が有意に高かった0

6.参考文献

1 )健康・栄養情報研究会、編.国民栄養の現状.平成13年厚生労働省国民栄養調査結果.

東京:第‑出版社, 2003.

2)健康・栄養情報研究会、編.国民栄養の現状.平成14年厚生労働省国民栄養調査結果.

東京:第‑出版社. 2004.

3)池田順子.若年成人の食生活の実態と健康増進の取り組み.栄養学雑誌. 2001 ; 59 :

s191.

4)中ロ緑、米山京子.妊娠中の食生活を含むライフスタイルが骨密度に及ぼす影響.秦 良教育大学紀要. 2008 ; 57 : 77‑83

5)山本逸雄、森田陸司.超音波方式による骨粗しょう症の診断.病態生理1995; 14:

444‑448.

12

(15)

6)日本産業衛生協会産業疲労研究会.産業疲労の自覚症状しらべ.労働の科学1970;25 :

12‑33.

7)山崎 薫、串田一博、大村亮宏、他.超音波骨密度測定装置(Achilles)の使用経験‑

測定精度と有用性の検討  Therapeutic Research 1992: 13:585‑593

8)遊 逸明、山本逸雄、高田政彦、他.超音波法を用いた骨量評価法について‑軽骨超 音波測定装置Achillesの使用経験‑. Therapeutic Research 1992; i3:3899‑3907 9)米山京子、池田順子.妊娠中の母体の骨密度変化および骨密度と胎児発育との関係.

日本公衛誌. 2000 ; 47 : 661‑669

1 0) 小野智子、樫本修.思春期女子の骨董増加と影響を及ぼす因子.日本骨代謝学会 雑誌. 1997; 15: 196.

1 1) 徳丸久.小児における軽骨超音波法による骨評価の年齢別変動一腰椎骨密度との 比較検討‑.日本小児科学会雑誌. 1997 ; 101 : 1142‑1148

1 2) 広田孝子、瀧本朋子、山西佐智実、他.初経年齢、体格及び運動歴のピークボン マス‑の影響.日本骨代謝学会雑誌. 1997; 15 : 256

1 3) 相良多喜子、西条旨子、広川渉、他.高校生の骨密度に対する栄養素摂取量およ び生活習慣の関連.日本公衛誌. 2002 ; 49 : 390‑397

1 4 ) Krall,E.A.,Dawson‑Hughes,B.:Smoking increases bone loss and decreases intestinal calcium absorption.J.Bone.Miner.Res., 14^215‑220, 1999.

1 5) 健康・栄養情報研究会編,国民健康・栄養の現状.平成17年厚生労働省国民栄養 調査結果.東京、第一出版、 2008; 76‑77

13

(16)

Ⅱ 生活習慣改善による骨密度‑の影響一介入研究

1.はじめに

女性の骨密度と生活習慣との関連を検討した横断研究(研究I)により、牛乳の摂取量 が少ないほど、また、喫煙者では骨密度が有意に低いことが明らかにされた。また、統計 的有意差は認められなかったが、欠食をしているものでは骨密度が低い傾向も認められたO 特に、将来の妊娠・授乳に備える時期である青年期女性においては、好ましい生活習慣を 身につける必要があるO

青年期は生活の自由度が高まり、食を含む生活習慣全般を自己管理するようになるため、

食生活や生活習慣が好ましくない方向‑向かうことは容易に推測される。実際に、青年女 性を対象としたライフスタイルの変容に関する研究においてライススタイルが好ましくな

い方向に進むという報告1)がみられるo

そこで、本研究では研究I (横断研究)の対象者の中から骨密度が平均値以下の者を対 象とし、食生活やライフスタイル改善のための教育(介入)を一定期間行い、生活の改善 が骨密度を増加させるかについて検討した。

2.研究方法

2. 1.研究のデザイン 研究の概略を表1に示す。

研究の開始は平成20年6月〜7月で、対象者に対して骨密度を高めるための食を含む生 活の指導を6ケ月間に4回、超音波法による骨密度測定、尿中代謝指標の測定、体格およ

び食生活・生活習慣の調査を研究開始時と終了時の2回、栄養摂取状況の調査は研究開始 時に1回行い、 6ケ月間の骨密度変化率と食生活・生活習慣の変容状況との関連を解析す る。

IE

(17)

表1研究のデザイン

時期(暦 年.月) 対象者  測定・調査項目    介入(教育)

開始 H206月下旬〜

7月上旬

7月中旬    低骨密度者

介入  7月下旬一 開始   8月上旬

10月上旬

12月上旬

2月上旬

低骨密度者 で同意の得 られたもの

骨密度測定

開始時と同じ調査・採尿

△:研究Iの対象者全員

2. 2.対象者および倫理的配慮

奈良市内の2大学の骨密度測定を行った女子学生87名の中から、骨密度値が平均値以下 の者46名を介入研究の対象者とした。そのうち、 6カ月後の測定および調査を実施できた のは33名で、内分泌に関する治療を行っていた1名を除く32名を解析の対象としたO

対象者に対しては研究開始時に研究の目的、協力いただく事柄、骨密度の測定方法と本 測定方法は身体に影響を与えないこと、および得られた個人情報は研究の目的以外に使用 しないことを明記した文書と口頭により協力を依頼し、承諾を得たD また、研究開始前に 研究内容について、奈良教育大学研究倫理委員会に倫理審査を申請し、研究倫理に照らし 問題ないとの承認を得た。

15

(18)

2. 3.骨密度測定方法および骨密度指標

骨密度測定は毎回同一の1台、超音波骨密度測定装置(Lunar製 Achilles lOOOPLUS

Ⅱ)を用い、毎回同一人物が行ったO この装置は、超音波が鍾骨を透過する際の速度であ る超音波伝播速度(SOS ; Speed Of Sound)、超音波が骨の中で減衰する率である超音 波減衰係数(BUA ; Broadband Ultrasound Attenuation)の二つの指標が出力され、

両者は骨組織を異なる観点から評価しているが、本研究では両者を統合したStiffness2)を 骨密度の指標として用いたO

測定に当たって以下の点に注意を払った。

被験者をキャスターがついていない安定した椅子に背筋を伸ばして楽な姿勢で座らせる、

瞳の両側面を70%エチルアルコールに浸した綿花で十分にふく、測定足をまっすぐにして ふくらはぎを支持台に密着させる、睦をできる限り後方に寄せる、測定中は動かないよう に注意するなどである。

2. 4.食生活状況の調査方法

食品、栄養素摂取状況の把握には以下の2つの方法を用いた。

1 )摂取頻度からの食品摂取状況の把握

骨密度測定時に、表2に示す1‑22の食品群について、摂取頻度を1 :卵から20:ジュ ース・炭酸飲料類については最近1週間の摂取頻度を「1日に2回以上」 「殆ど1日に1回」

「2, 3日に1回」 「週に1回」 「殆どとらない」の5つのカテゴリーから、 21:ご飯、 22 パンの摂取頻度については「殆ど1日3回」 「殆ど1日2回」 「殆ど1日1回」 「2, 3日に

1回」 「過に1回」 「殆どとらない」の6つのカテゴリーから選択させた。牛乳については 摂取量を記入させた。

表2 調査した食品群名

1:卵、 2:牛乳・チーズ・ヨーグルト、 3:肉・ハム・ソーセージ類、 4:魚介類・練り 製品、 5:小魚(ちりめんじゃこ・ししゃもなど)、 6:豆・豆製品(豆腐・納豆など)、

7:緑黄色野菜(ほうれん草・にんじんなど)、 8:その他の野菜(きゅうり・もやしな ど)、 9:果物、 10:海草(わかめ・昆布など)、 ll:きのこ(しいたけ・えのきなど)、

12:いも(じゃがいも・やきいもなど)、 13:油料理(フライなど)、 14:インスタント 麺類、 15:めん類(うどん・スパゲッティなど)、 16:おそうざい・冷凍食品類、 17:

朝食、 18:汁物(味噌汁・スープなど)、 19:菓子(アイスクリームを含む)、 20:ジュ ース・炭酸飲料類、 21:ご飯、 22:パン

16

(19)

2 )秤量法による栄養素摂取量の把握

研究開始時に、おのおの連続する3日間に摂取したすべての調理名、材料名、重量(g)、

秤量時の形態を、備考欄には油の使用有無やインスタント食品のメーカー名などについて 記録させたO秤量は対象者本人の摂取分の重量測定を基本としたが、家族全体分から摂取 した割合での算出も可とした。記入に当たっての具体的な注意事項、記入例、目安量につ いて文書および口頭で説明したo 栄養計算はエクセル栄養君Ver.4.0を用いて行った。

2. 5.食生活を含む生活習慣および背景要因の調査内容

食生活については食品のバランス、塩分の摂りすぎ、香辛料の好み、間食の回数、欠食 の回数、食事作り、コーヒー・紅茶の摂取頻度、飲酒、喫煙、カルシウム剤の摂取有無、

を調査したO 生活状況および身体活動については、現在の運動、日常の身体活動、エレベ ーターやエスカレーターの使用、就寝時刻の規則性、睡眠時間を調査した。背景要因とし て年齢、身長、体重、生理の規則性について調査したO

2. 6.疲労度の調査方法

健康に関する調査について産業衛生協会の「自覚症状しらペ」 3)を用い、表3に示す30 項目の症状について「非常にある」 「ある」 「少しある」 「全くない」の4段階のカテゴリー

で自覚症状を調査した。

表3 嗣査した疲労症状

1:頭がおもい、 2:全身がだるい、 3:足がだるい、 4:あくびがでる、 5、頭がぼんや りする、 6:ねむい、 7:目がつかれる、 8:動作がぎこちない、 9:足もとがたよりない、

10:横になりたい、 ll:考えがまとまらない、 12:話をするのがいやになる、 13,:い らいらする、 14:気がちる、 15:熱心になれない、 16:ちょっとしたことが思い出せな い、 17:することに間違いが多くなる、 18:物事が気になる、 19:きちんとしていられ

ない、 20:根気がなくなる、 21:頭がいたい、 22:肩がこる、 23:腰がいたい、 24:

いき苦しい、 25:口がかわく、 26:声がかすれる、 27:めまいがする、 28:まぶたや 筋肉がぴくぴくする、 29 :手足がふるえる∴30:気分が悪い

2. 7.生活指導の内容および方法

第1回目の指導時に作成した骨密度教育の資料および「健康な骨作りの目標」 8項目を 示し、具体的な今後の取り組みを説明したD対象者には6ケ月間、毎月1週間の期間に1

2種類(卵、牛乳、乳製品、肉、魚、小魚、豆・豆製品、緑黄色野菜、その他の野菜、果 物、海そう、芋)の食品摂取の状況(2回以上食べた◎、 1回食べた〇、食べていない×)

および骨密度を高めるための目標の達成度(出来た〇、できなかった×)、 1日の歩行数、

17

(20)

1週間の初日と最終日の体重の測定・記録を実施させ、 2ケ月分をまとめて提出させた。

第2回目の指導は個別に、前回の食生活の調査に基づき作成した食生活と活動状況につ いてのアドバイス(全員)および栄養計算結果(食事記録提出者のみ)をもとに行った。

このアドバイスは池田らが作成した食生活指導システムを用いて作成したもので、食‑の 心くぼり、食品のとり方、野菜のとり方、カルシウムのとり方、朝食のとり方、肥満度等 について現状を評価し、どうすればよいかを文章と図で示したものである4)0

第3回目と4回目の指導は目標達成の記録に基づきアドバイスを行い、記録の継続と目 標の達成を励ました。

表4 健康な骨作りの目標

1 : 1 日 1 万 歩 、 2 : 1 日合 計 3 時 間 立 っ て い る 、 3 : 3 食 食 べ る 、 4 : 卵 、 牛 乳 . 乳 製 品 、 肉 ま た は 魚 、 大 豆 製 品 、 緑 黄 色 野 菜 、 淡 色 野 菜 を毎 日摂 る 、 5 : 牛 乳 2 00 m l、 乳 製 品 lO Og は 必 ず 摂 る 、 6 : イ ン ス タ ン ト食 品 、 加 工 食 品 、 総 菜 だ け の 食 事 を しな い 、

7 : 規 則 正 しい 生 活 を す る 、 8 : 体 重 の 減 少 を 防 ぐ

2. 8.尿中の骨代謝物質の測定方法

骨代謝の状況を調べるため、昼間の1回尿を提供してもらい、コラーゲンの代謝産物で 骨代謝の状況を知ることができる骨代謝指標の尿中ハイドロキシプロリン(以降H. pと する)をParekhらの方法5, 6)により、 CaをMXB法(カルシウムE‑テストワコ‑)

により、尿素窒素をクレア‑ゼ・インドフェノール法(尿素窒素B‑テストワコ‑)によ り測定し、 1回尿であるため、同時に測定したクレアチニンによって濃度の補正を行った。

<H. Pの測定方法>

:.v.y.二

(a) Oxidant溶液(酸化剤) (丑 酢酸クエン酸バッファ

酢酸ナトリウム5.7g、クエン酸ナトリウム3.75g、クエン酸0.55gを蒸留水50ml に溶解し、さらにイソプロパノール38.5mlで溶解した後、蒸留水を加えて全量 100mlにするo

② 7%クロラミンT溶液

クロラミンナトリウム3.5gを蒸留水50mlに溶解する。

③①と②溶液を4 : 1の割合で使用直前に混合する。

(b) Ehrlich^l

パラジメチルアミノベンズアルデヒド液(60%過塩素酸12.2mlにパラジメチルアミ ノベンズアルデヒド8.8gを溶解したもの)をイソプロパノールで溶解し、全量で 50mlにする。

18

(21)

(C)濃塩酸

(d) Norit (活性炭) (e) 1.2NNaOH (∫)イソプロパノール (g) H.p標準液 (測定方法)

① 実験前日に尿2ml、濃塩酸2mlをネジ付き試験管にとり、 THRMO‑MIXER (以降 MIXERとする)でよく揖拝し、 124℃で3時間加水分解を行い、常温に戻るまで放置

する。

②加水分解した尿に、吸光度を見る際の影響を考慮して脱色するためNorit50mgを加え、

MIKERでよく揖拝した後、 5分間3000rpmで遠心分離器にかけるO

③ ②の上澄み液0.5mlに1.2NNaOHを2ml加えMIXERでよく摸拝し中和処理する。

④ 中和処理した試料(討1.0ml、イソプロパノール0.5ml、 Oxidant溶液1mlを中試験管に とり、 MIXERでよく摸拝し4‑5分放置する。

⑤ ④にEhrlich試薬1.0mlを加え、 60℃のWater Bath中で2 0分揚浴し、その後すぐ に水につけ冷却するD

⑥ 分光光度計558nmで、 H.p標準液(0、 2.5、 5、 10〃g/ml)により吸光度を測定する。

(H.p量の求め方)

① H.p標準液の吸光度により、一次方程式の計算式を求める。

② ①で求めた計算式に被験体の吸光度を代入し、 H.p濃度を求める。

③ それぞれの被験体をH. p標準溶液と濃度をそろえ、さらに、クレアチニン量で補正し H.p量を求める。 (以降H.p/Creとする)

<クレアチニンの測定方法>

試薬

(a)ピクリン酸(1.2g/dl) (b) 0.8NNaOH

(C)クレアチニン標準液 (測定方法)

① 目盛り付き小試験管に尿0.1mlを測りとり、ピクリン酸2mlを加える。

② ①にNaOHを0.5ml加え、直後にMIXERでよく摸拝し、中和させるO

③ ②を室温で1 0分間放置した後、試験管に蒸留水を加えて全量10mlにし、よく擾拝 する。

④分光光度計515nmで、クレアチニン標準液(0、 0.5、 l.0mg/ml)より吸光度を測

蝣・I; ' :ち̲

(クレアチニンの求め方)

クレアチニン標準液の吸光度測定値を用いて、検量線を作成し、計算式を一次方程式に

19

(22)

より求め、被験体の吸光度を代入し、クレアチニン濃度を求めた。

<Caの測定方法>

試薬

(a)緩衝液(モノエタノールアミン緩衝液pH12.0)

(b)発色試薬(メチルキシレノールブルー(MXB) 8‑キノリノール) (c) Ca標準液(CalOmg/dl)

(測定方法)

① 小試験管に緩衝液を2mlずつ入れる。

② ①に尿0.05mlを入れてMIXERでよく摸拝するo

③ ②に発色試薬を1mlずつ入れてMIXERでよく裸搾するo

④分光光度計610nmで、 C a標準液(0、 2.5、 5.0、 7.5mg/dl)より吸光度を測定する。

(caの求め方)

c a標準液の吸光度測定値を用いて、検量線を作成し、計算式を一次方程式により求め、

被験体の吸光度を代入し、 C a濃度を求めた。

<尿素窒素の測定方法>

m

(a)クレア‑ゼ(ウレア‑ゼ)

(b)ウレア‑ゼ溶解用試液(グリセリン)

(C)緩衝液(りん酸緩衝液pH7.0 サリチル酸ナトリウム

ペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム二水塩) (d)発色試薬B (次亜塩素酸ナトリウム)

(e)尿素窒素標準液(尿素窒素50mg/dl) (測定方法)

① ウレア‑ゼGmlをウレア‑ゼ溶解用試液(グリセリン) 6mlで溶解し、クレア‑ゼ溶液 を作るO

② 緩衝液と①を20対1の割合で混ぜて発色試薬Aを作る。

③ 尿を10倍に薄める。 (尿0.5mlと蒸留水5ml)

④ 小試験管に10倍尿0.02mlと発色試薬A2mlと発色試薬B2mlを入れて、 MIXERでよ く擾拝する。

⑤ 分光光度計570nmで、尿素窒素標準液(0、 10、 20、 40mg/dl)より吸光度を測定す るO

(尿素窒素の求め方)

尿素窒素標準液の吸光度測定値を用いて、検量線を作成し、計算式を一次方程式により 求め、被験体の吸光度を代入し、尿素窒素濃度を求めた。

20

(23)

2. 9.集計・解析方法

1 )食品摂取状況と健康状況を評価する各指標の算出

各食品群の摂取状況を把握するために、個々の食品群について1 :卵から20 :ジュー ス・炭酸飲料類までの摂取頻度が「1日に2回以上」を5点、 「殆ど1日に1回」を4点、

「2, 3日に1回」を3点、 「週に1回」を2点、 「殆どとらない」を1点と得点化したO また、 21 :ご飯、 22 :パンの摂取頻度に関しては「殆ど1日3回」を6点、 「殆ど1日 2回」を5点、 「殆ど1日1回」を4点、 「2, 3日に1回」を3点、 「週に1回」を2点、

「殆どとらない」を1点と得点化した。それをもとにバランススコア、たんばく質スコア、

カルシウムスコア、菓子スコアの4種のスコアを作成したO また、健康状況を把握するた めに、 30項目の症状についてそれぞれ「非常にある」を3点、 「ある」を2点、 「少しあ る」を1点、 「全くない」を0点と得点化し、疲労スコアを算出した。それぞれのスコアの 算出方法は次の通りである。

表5 食品摂取スコアと疲労スコアの算出方法

バランススコア : 1卵から9.果物までの9つの食品群の各得点を加算

たんばく質スコア: 1.卵、 3.肉、 4.魚、 6.大豆製品の4つの食品群の各得点を加算 カルシウムスコア:カルシウム含有量を基に、牛乳の得点を4倍、大豆製品の得点を2倍、

菓子スコア 疲労スコア

小魚、緑黄色野菜、その他の野菜、海藻類の得点をそのままとして加寡 : 1 9.菓子と2 0.ジュースの各得点を加算

: 1.頭がおもいから3 0,気分が悪いまでの3 0項目の疲労症状の各得点 l‑'lft

(各食品群名および疲労症状は表2,表3を参照)

2)食生活・生活習慣に関する各種項目の変容評価のためのカテゴリー化

食生活・生活習慣に関する項目の開始時から終了時‑の変化の状況を3つ(①好ましい 状態を維持、 ②改善がみられた、 ③改善がみられないまたは悪化した)に区分し、変容評 価のためのカテゴリー化を行ったo

3)解析方法

まず、開始時と終了時の骨密度から骨密度変化率を算出したo算出方法は図2に示すD 各種測定値や食品摂取スコア、睡眠時間、疲労スコアについて、開始時と終了時の比較に はpaired t‑testを用いた。骨密度変化率と各種測定値や食品摂取スコア、睡眠時間、疲労 スコアの変化量との関係についてはPearsonの積率相関係数を算出し、有意性検定(片側 検定)を行ったDまた、行動変容のカテゴリー夜を行った項目については、 ①好ましい状 態を維持と②改善がみられたの2つのカテゴリーを1つに統合したカテゴリーと③改善が

21

(24)

見られないまたは悪化したとの2つのカテゴリー間で、骨密度変化率の平均値を比較し、

分散分析法により有意差検定を行ったO次に、骨密度変化率を従属変数、年齢、開始時BMI (Body Mass Index)および各生活項目の中で骨密度との関連の比較的大きかった項目 を独立変数として、 20%レベルおよび5%レベルでモデルから削除の条件で変数減少法に

よる重回帰分析を行った。さらに、項目相互間の関連性を考慮して骨密度変化と生活要因 との関連についての構造を探るためにパス解析を行った。モデル適合度の指標として、 CFI

(比較適合度指標) 、AIC(赤池情報量基準)を用いた。分析はSPSS Ver.12およびAmosVer.5 を用い、危険率5%を有意水準としたO

>・?

(25)

蝣1 vllll.

開始時の骨密度値の分布を図1に示す。最小値70、最大値95、平均値84であった。

骨密度変化率の分布を図2に示すD最小値15%、最大値20%、平均値7.2%であった。

図1対象者の開始時骨密度値の分布

23

7

M = 7 ー2

S D = 5 .2

6

5

4

3

2

1

0

f!/2:i

i

n = 3 2

i‑

& $.

r;=

m m まニ%&zm

′お く汚

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1

1 I

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≡=1き′ 至≡2

1 ㌢=1 堵

:===/====‑i" L=Jf

‑5        10  15  20

stiffness変化率(%)

図2 6ケ月間の骨密度変化率△の分布

△ : (終了時Stiffness一開始時Stiffness)

/開始時Stiffness*100

(26)

開始時および終了時の骨密度値を図3に示す0 2時点の差は有意であったD

t=7.68軸A, n=32

60

開始時        終了時

図3 開始時および終了時の骨密度値

△:paired t‑test,**:pく0. 01

開始時の栄養素摂取量の記述統計値を表6に示すO食事記録の得られたものは25名であ った。平均値はエネルギーl,536kcal、たんばく質57g、脂質55g、炭水化物208g、カルシ

ウム476mgであった。現行の「日本人の食事摂取基準(2010年版) 7)」に比較するとェ ネルギ‑は   2 9歳女性の基準量IJOOkcal (身体活動レベルI)を下回り、たんばく 質は推奨量50gを上回っていた。カルシウムは推奨量650mg (18‑29歳)を大きく下回っ ていたo なお、国民栄養調査による18‑29歳女性の栄養素等摂取量の平均値8)に比べる

と、特にエネルギー、たんばく質、炭水化物で低かった。

表6 対象者の栄養素摂取量(開始時)

n‑25

M S D M i n M ax

エ ネ ルギ ー kcal 1536 311 1012 2240

た んばく 質 g 57 12 32 80

脂質 g 55 14 27 76

炭水化物 g 208 43 133 331

カ ルシ ウ ム m g 476 191 92 967

M:平均値, sD:標準偏差 Min 最小値 Max 最大値

m

(27)

対象者の身体特性および骨密度測定結果、およびそれらの開始時と終了時の差と骨密度 変化率との相関係数を表7に示す。開始時のBMIの平均は21.2でやせォ18.5)は6%

見られた0 2時点間で差の見られたものはStiffnessとSOSであったo

表7 対象者の身体特性および骨密度測定結果、およびそれらの差と骨密度変化 率△ (r)との相関係数

n=32

M S D △ 5 ド

年齢 開始時 19.l l.4 ‑0.248

身長 開始時 156.4 6.0

終了時 156.5 6.0

差 0.0 、 4 ‑0.056

体重 開始時 51.9 6.6

終了時 52.1 7.

差 0. 2 1.9 0. 075

B M l 開始時 21.2 2.3

終了時 21.2 2.6

差 0.1 0.8 0.064

S tiffne ss△ . 開始時 84. 0 6.6

終了時 90. 0 8.5

変化率(鶴) 7.2 5.2 **

S 0 S △ 2 開始時 1534.6 20.1

終了時 1562.1 21.0

変化率(鶴) 27.4 10.4 ** 0.026

B UA △ 3 開始時 111.6 6.4

終了時 109.5 8.3

変化率 (% ) ‑2.0 7.6 0.842*

**:pく0.01, ‑:p〉0.05, :平均値 SD:標準偏差

△1 :骨密度値 Stiffness‑ (0.67*BUA) + (0.28+SOS) ‑420

△2 : SOS (Speed of Sound) :超音波伝播速度

△3 : BUA (Broadband Ultrasound Attenuation) 超音波減衰係数

△4 : (終了時stiffness一開始時Stiffness) /開始時stiffness*100

△5 : paired t‑test

zft

(28)

尿中骨代謝指標の介入開始時および終了時の平均値、標準偏差と骨密度変化率との相関 係数を表8に示す。尿中Ca/Cr eの変化、尿中N2/Cr eの変化と骨密度変化率との

間には一定の関係は認められなかったO尿中H.P/C r eの変化と骨密度変化率の関係を 図4に示すo 両者間にはr ‑0.346 (p‑0.08)で正相関の傾向がみられたo

表8 尿中骨代謝指標の介入開始時および終了時の平均値、標準偏差と骨密 度変化率との相関係数(r)

M S D P △一

ド H .p / C re 開 始 時 3 .5 1 .3

m g / g 終 了 時 3 .1 0 .8

差 ー0 .5 1 .4

‑ 0 .3 4 6 C a / C re 開 始 時 1 0 8 .0 7 4 .0

m g / g 終 了 時 1 7 0 .0 10 7 .0

差 6 2 .0 15 3 .0 ‑ 0 .1 1 4

N 9/ C re 開 始 時 6 .0 3 .2

m g / g 終 了 時 差

8 .9 4 .4

2 .8 6 .8 ‑ 0 .2 0 6

p>0.05, △1 ;paired t‑test

H.p:ハイドロキシプロリン Cre:クレアチニン Ca:カルシウム N.尿素窒素

図  ft p/Creの変化量とStiffness変化率

26

(29)

食品摂取スコア、睡眠時間および疲労スコアの介入開始時と終了時の平均値、標準偏差 およびその変化と骨密度変化率との相関係数を表9に示す。 2時点間で差の見られたもの はバランススコア、たんばく質スコア、カルシウムスコア、牛乳摂取量、疲労スコアで、

疲労スコアのみ終了時に低くなりその他は終了時に高くなった。また、牛乳摂取量の差お よび睡眠時間の差と骨密度変化率との間には有意な正相関が見られた。

表9 食品摂取スコア、睡眠時間および疲労スコアの介入開始時および終了時の平均値、

標準偏差およびその変化量と骨密度変化率との相関係数( I )

n=32

M S D △1

P r

バ ランススコア 開 始 時 2 7 .3 6 .5

終 了 時 差

2 9 .5 5 .1

2 .2 3 .6 * * 0 .0 32

た ん ばく質 スコア 開 始 時 17 .5 4 .0

終 了時 差

19 .2 3 .3

1.6 2.6 ** ‑ 0.110

カル シウ ムスコア 開 始 時 2 6.2 7.9

終 了時 差

2 9.1 6.2

2 .8 5.0 ** ー 0.0 9 8

菓 子 スコア 開 始 時 6.9 1 .8

終 了時 差

6.3 1 .8

‑ 0.6 1 .4

‑ 0 .10 3

牛乳 摂取 量 開 始 時 6 7.7 9 9.9

終 了 時 差

108 .8 8 6 . 5

4 1.1 9 6 . 8 辛 0 .2 34 *

睡 眠 時 間 開 始 時 6 .2 1.1

終 了時 差

6 .3 1.1

0 .1 1.0 ‑ 0.2 6 5

疲 労 スコア 開 始 時 24 .3 4 .7

終 了時 差

19 .6 4 .4

‑ 4 .8 12 .7 * 0.14 8

各種スコアは表5参照 fe:p<0.01, ★:p<0.05, ‑:p>0.05

△:paired t‑test

27

(30)

生活習慣の変化の割合および骨密度変化率との関係を表1 0‑1、 1 0  に示す。 ② 好ましい状態‑と改善された割合が比較的多かった項目は「日常の身体活動」、 「エレベー

ターやエスカレーターの使用」、 「就寝時刻」、 「塩分の摂りすぎ」、 「欠食の回数」である。

骨密度変化率がカテゴリー間で有意差の見られた項目は「現在の運動」 「エレベーターやエ スカレーターの使用」 「就寝時刻」 「間食の回数」で、 「現在の運動」 「エレベーターやエス カレーターの使用」 「就寝時刻」が好ましい状態を維持または改善された場合に、 「間食の 回数」が改善がみられないまたは悪化した場合に、骨密度が高くなった。

表10‑1 生活習慣の変化(下段参照)の割合およびStiffness変化率との関係

n=32

sti ffness変 化 率 (鶴 )

項目 カ テ ゴ リ l

生 活 習 慣

の 変 化 ∩ 鶴 M △ SD p△ 2

現 在 の 運 動 l 定 期 的 な ス ポ ー ツ を す る ① 2 6. 3

① 14. 0 5. 0 **

2 歩 く 程 度 ② 2 6. 3

3 殆 ど な し ③ 28 87. 5 ② 6. 2 4. 6

日 常 の 身 体 活 動 1 良 く 動 か す ① 0 0. 0

① 9. 3 6.1

2 普 通 ② 7 21. 9

3 あ ま り 動 か さ な い ③ 25 78.1 ② 6. 6 4. 9

エ レ ベ ー タ ー や エ ス 力

1 使 わ な い よ う に し て い る ① 4 12.5

① 10. 2 4. 4 . **

2 時々 使 う ② 8 25. 0

レ l タ I の 使用 3 良 く 使 う ③ 20 62. 5 ② 5. 4 4. 9

就 寝 時 刻 1 規 則 的 ① 3 9. 4

① 11. 3 4. 3 **

2 ど ち ら か と い う と 規 則 的 ② 8 25. 0

3 不 規 則 ③ 21 65. 6 ② 5. 1 4. 4

生 理 1 順 調 ① 12 37. 5

① 7. 5 5. 2 ー

2 時 々 不 服 ② 5 15. 6

3 と て も 不 順 ③ 15 46. 9 ② 6. 8 5. 4

食 品 の バ ラ ン ス 1 考 え る ① 4 12. 5

ゥ 6. 9 4. 0 ‑

2 時 々 考 え る ② 6 18. 8

3 考 え な い ③ 22 68. 8 ② 7. 3 5. 8

塩 分 の 摂 り す ぎ 1 気 を つ け る ① 3 9. 4

① 6. 7 5. 3 ‑

2 時 々 気 を つ け る ② 8 25. 0

3 意 識 し な い ③ 21 65. 6 ② 7. 5 5. 3

香 辛 料 1 殆 ど 使 わ な い ① 6 18. 8

① 9. 0 5. 2 ー

2 調 理 で 使 う ② 1 3.I

3 食 卓 で も 使 う ③ 25 78.1 ② 6. 7 5. 2

.05, ‑:p>

生活習慣の変化 ①好ましい状態を維持(1‑1)

②好ましい状態‑と改善された(2‑1, 3‑2, 3‑1)

③改善がみられないまたは悪化した(1‑2, 1‑3, 2‑2, 2‑3, 3‑3)

△1 :生活習慣の変化①と変化②を合併してカテゴリー①,それ以外をカテゴリー②とした。

△2 : 2群間の平均値の差の検定

28

(31)

表10‑2  生活習慣の変化(下段参照)の割合およびStiffness変化率との関係

stiffness変化率(鶴)

項 目 カテゴリ.

生活習慣

の変化 ∩ 鶴 M △t S D P△2

間食の回数 1 食べない ∫ 2 6.3

① 4.2 4.6

2 遇に3,4回 ② 7 21.9

3 毎 日 ③ 23 7 .9 ② 8.4 5.1

欠食の回数 1 ほとんどしない ① 16 50.0

① 7.7 5.5 ‑

2 遇に1 , 2 回 ② 9 28.

3 週に3 回以上 ③ 7 21.9 ② 5.4 4.1

食事作り 1 3 食とも ① ー 3.1

① 6.0 4.1 ー

2 1 日1か ら2 色 ② 3 9.4

3 ほとんどしない ③ 28 87.5 ② 7.5 5.5

酒 1 飲まない ① 29 90.6

① 7.4 5.3 ー

2 週 ー こ2 、3 回 ② 1 3.1

3 毎 日飲む ③ 2 6.3 ② 4.2 2.4

喫煙の有無 1 吸っていない 甘 29 90.6

ョ 7.5 5.4 ‑

2 吸っている ② 1 3.1

③ 2 6.3 ② 4.5 1.8

コーヒー.紅茶 1 1 日0杯 ① 13 40.6

ョ 7.7 6.2

2 1日1杯以上 ② 5 15.6

③ 14 43.8 ② 6.5 3.8

乳 .乳製 品摂取頻度#

1 1 日1 回以上

2 2 、3 日に1 回 ① 8 25.0

ョ 7.7 5.6

3 週 1 回 ② 14 43.8

4 とらない ③ 10 31.3 ② 6.1 4.4

p<0.01, ★ : p<0.05, ‑ : p>0.05, n‑対象者, M‑平均値, SD‑標準偏差 生活習慣の変化 ①好ましい状態を維持(1‑1)

②好ましい状態‑と改善された(2‑1, 3‑2, 3‑1)

(診改善がみられないまたは悪化した(1‑2, 1‑3, 2‑2, 2‑3, 3‑3) 罪 :乳・乳製品摂取頻度のみ(丑好ましい状態を維持(1‑1)

②好ましい状態へと改善された

(2‑1, 3‑2, 3‑1, 4‑3, 4‑2, 4‑1)

③改善がみられないまたは悪化した

(1‑2, 1‑3, 1‑4, 2‑2, 2‑3, 2‑4, 3‑3, 3‑4, 4‑4)

△ 1 :喫煙の有無以外は生活習慣の変化①と変化②を合併してカテゴリー①,それ以外を カテゴリー②とした。

喫煙の有無は生活習慣の変化②と変化③を合併してカテゴリー②とした。

△2 : 2群間の平均値の差の検定

29

(32)

重回帰分析の結果を表11に示す。分析に含めた変数は、 「年齢」 「運動変化」 「就寝時刻 変化」 「牛乳摂取量変化」 「間食変化」 「エレベーター変化」 「睡眠時間変化」である。 「運動 変化」と「就寝時刻の変化」が好ましい状態を維持または好ましい状態‑と改善された場 合に骨密度が高くなった。

表11変数減少法による重回帰分析の結果

従属変数: Stiffness変化率

投 入 条 件 X S t

20 % レベ ル 5% レベ ル

β t P β t P

年 齢 ‑0 .2 24 ‑ 1.4 5 0 0 .15 9 ‑

運 動 変 化 △ 0.29 9 2 .02 4 0.0 53 0.3 5 2 .3 8 0.0 24

就 寝 時 刻 変 化 △ 0 .4 12 2 .79 6 0.00 9 0 .4 6 3 .12 0.0 04 牛 乳 摂 取 量 変 化

間 食 変 化 △

工 レベ 一 タ‑ 変 化 △ 睡 眠 時 間 変 化

0 .22 8 1.48 4 0 .14 9

R =0 .70 3 , F= 6.5 8 ,p= 0 .00 1 R =0 .66 1. F= 1 1.2 66 ,p= 0 .000 β :標準化係数

△ : 1 好ましい状態を維持または好ましい状態へと改善された 0 改善が見られないまたは恵化した

分散分析および重回帰分析で骨密度変化率との関連が有意または比較的大きかった項目 を観測変数としてパス解析を行った。元のデータ‑の適合性が高いと認められた最終モデ ルを図5に示すD

骨密度変化率‑のパス係数が有意であったのは、 「運動変化」と「就寝時刻変化」で、い ずれも正であったoまた、年齢は負の傾向、牛乳摂取量は正の傾向が見られた。すなわち、

運動および就寝時刻が好ましい状態に変化した場合、骨密度は高くなり、年齢が低いほど、

牛乳摂取量が多いほど骨密度が高くなる傾向が示された。

また、 「エレベーター使用変化」、 「睡眠時間変化」および「欠食変化」の「就寝時刻変化」

‑のパス係数はすべて正で有意、 「エレベーター使用変化」の「運動変化」 ‑のパス係数は 正であったD すなわち、就寝時刻が好ましく変化した者では、エレベーター使用、睡眠時 間および欠食においても好ましい状態に変化したことがわかる。

30

(33)

.42

図5 骨密度変化率に影響を与える要因‑パス解析の結果 数字は標準化パス係数:p<0.01, ★:p<0.05, el‑e8誤差

カテゴリー変数の分類: 1 好ましい状態を維持または好ましい状態へと改善された 0 改善が見られないまたは悪化した

31

(34)

・・ J5W

4. 1.超音波骨密度測定法について

本法で得られた骨密度指標は二重x線吸収法(DXA法)により測定された大腿骨頚部や 腰椎の骨密度と高い相関が見られること、軽骨骨密度を本法とDXA法により測定した場合、

両者間には高い相関が見られることが報告9, 10}されている。本法の測定精度について、

繰り返し行った測定に対する変動係数は1.0‑1.6%11)、あるいは2.3‑2.8%10)の報告も あり、 DXA法の0.5‑1.5%9)に比べると若干大きい。しかし、超音波法はⅩ線を使用して いないため設置場所の制約がなく比較的短時間に測定ができ、 Ⅹ線被爆がないため青年期 女性にも安心して使用できる等の利点あるO したがって、本法の骨密度測定の理論やDXA 法との関係を理解して用いれば、本法は青年期の女性の骨密度測定の手段として有用であ

ると考えられるD

4. 2.骨代謝指標との関係

尿中H.pは骨吸収指標であり、尿中H.p量が多いほど骨の代謝が盛んであることを示し ているD骨密度が増加した者では、尿中H.p量が増加する傾向が見られ、骨密度変化が骨 代謝を反映することが示唆されるが、統計的有意性は認められていないD その理由として 例数が少ないことも考えられることから、さらに検討する必要性がある。

4. 3.介入による生活習慣の変化

6ケ月間の介入を行った後、食生活・生活習慣および疲労に変容が見られるかを2時点 の食生活・生活習慣を比較することにより検討した。

まず、各食品群の摂取状況を把握するために算出した各種食品スコアについて嘩和した ところ、バランススコア、たんばく質スコア、カルシウムスコア、牛乳摂取量がいずれも 終了時には大きくなっており、 2時点の間に有意な差が見られ、食生活が好ましく変容し ていることが示された。

また、生活習慣の項目も「日常の身体活動」、 「エレベーターやエスカレーターの使用」、

「就寝時刻」、 「塩分の摂りすぎ」、 「欠食の回数」で好ましい状態‑と改善された割合が比 較的多くなり、生活習慣においても好ましく変容していることが示唆された。

以上より、骨密度を高めるための教育や毎月の目標達成の記録によって、食生活や生活 習慣の改善に対する意識を高め、さらに行動‑と結びつけることができると考えられるo

4. 4.骨密度変化に影響を与える生活要因

本介入研究では対照群を設けることができなかったため、介入指導によって生活上の変 容がみられたか否かを基準として骨密度変化‑の効果を検討したO

パス解析の結果、骨密度変化率に有意に影響を与える要因として「運動変化」 「就寝時刻

32

参照

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