施工過程を考慮した逐次計算に基づく 山留め解析法と
その適用性に関する研究
平 成 2 7年 9 月
實 松 俊 明
施工過程を考慮した逐次計算に基づく 山留め解析法と
その適用性に関する研究
實 松 俊 明
目 次
ペ ー ジ
第 1 章 序 論 1
1.1 は じ め に 1
1.2 既 往 の 研 究 3
1.3 本 研 究 の 目 的 と 内 容 1 6
1.4 本 論 文 の 構 成 1 7
第 2 章 逐 次 計 算 に よ る 山 留 め 解 析 法 1 9
2.1 は じ め に 1 9
2.2 山 留 め 壁 に 作 用 す る 側 圧 1 9
2.3 解 析 法 の 概 要 2 0
2.4 解 析 法 の 特 長 2 1
2.5 ま と め 2 3
第 3 章 掘 削 除 荷 時 の 水 平 土 圧 変 化 に 関 す る 室 内 要 素 実 験 2 4
3.1 は じ め に 2 4
3.2 実 験 計 画 2 5
3.2.1 実 験 概 要 2 5
3.2.2 試 料 お よ び 供 試 体 2 6
3.2.3 実 験 ケ ー ス 2 7
3.2.4 実 験 装 置 2 8
3.3 実 験 結 果 3 1
3.4 鉛 直 応 力 減 少 に 伴 う 側 方 応 力 の 変 化 3 3
3.5 ま と め 3 6
第 4 章 解 析 モ デ ル の 提 案 と 検 証 3 7
4.1 は じ め に 3 7
4.2 山 留 め 解 析 モ デ ル 3 7
4.3 土 圧 変 化 モ デ ル 4 0
4.3.1 土 圧 - 変 位 関 係 モ デ ル 4 0 4.3.2 掘 削 除 荷 に 伴 う 水 平 土 圧 減 少 量 の 評 価 4 3
4.4 山 留 め 解 析 の 手 順 4 5
4.5 側 圧 条 件 お よ び 地 盤 反 力 係 数 4 6
4.6 土 圧 変 化 モ デ ル の 検 証 4 8
4.7 ま と め 5 1
第 5 章 複 数 事 例 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 に よ る 適 用 性 検 討 5 2
5.1 は じ め に 5 2
5.2 実 測 事 例 の 概 要 5 2
5.3 解 析 ケ ー ス 6 5
5.4 解 析 結 果 6 7
5.4.1 実 測 値 と の 比 較 6 7
5.4.2 解 析 結 果 の 深 度 分 布 7 2
5.5 ま と め 9 3
第 6 章 控 え 杭 を 用 い た タ イ ロ ッ ド 山 留 め 工 法 の 挙 動 評 価 9 4
6.1 は じ め に 9 4
6.2 タ イ ロ ッ ド 工 法 の 挙 動 計 測 9 6
6.2.1 計 測 現 場 の 概 要 9 6
6.2.2 挙 動 計 測 結 果 9 6
6.3 実 測 値 か ら 逆 算 し た 控 え 杭 の 変 位 抑 制 効 果 1 0 0 6.4 山 留 め 壁 の 背 面 地 盤 変 位 の 検 討 1 0 5
6.4.1 検 討 概 要 1 0 5
6.4.2 背 面 地 盤 変 位 の 実 測 事 例 1 0 5
6.4.3 山 留 め 壁 の 背 面 地 盤 変 位 の 簡 易 評 価 法 1 0 6
6.5 タ イ ロ ッ ド 工 法 の 挙 動 評 価 1 1 1
6.5.1 解 析 手 法 の 概 要 1 1 1
6.5.2 解 析 条 件 1 1 3
6.5.3 実 測 値 と の 比 較 1 1 5
6.6 ま と め 1 1 9
第 7 章 結 論 1 2 0
参 考 文 献 1 2 2
研 究 歴 1 2 6
謝 辞 1 3 4
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第 1 章 序 論
1.1 は じ め に
根 切 り 時 に お け る 山 留 め 壁 の 応 力・変 位 の 計 算 に は ,簡 便 さ と 実 用 性 か ら 山 留 め 壁 を 梁 ,地 盤 の 抵 抗 を ば ね と し て 扱 う「 梁 ・ ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 )」例 え
ば 1 ) ~ 3 ) が 広 く 用 い ら れ て い る 。 一 般 的 な 「 梁 ・ ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 )」 は ,
外 力( 荷 重 )と な る 側 圧 が 山 留 め 壁 背 面 側 か ら 作 用 し ,根 切 り 底 以 深 の 掘 削 側 地 盤 が そ れ に 抵 抗 す る 考 え 方( 以 下 ,全 載 荷 法 と す る )に 基 づ い て ,施 工 段 階 毎 に 単 独 に 力 の 釣 り 合 い を 解 く も の で ,多 く の 指 針・規 準 類 に 採 用 さ れ て い る
1 ) , 4 )。
一 方 ,全 載 荷 法 は 各 施 工 段 階 の 解 析 を 独 立 に 行 う た め ,施 工 の 連 続 性( 施 工 過 程 )が 間 接 的 に し か 考 慮 さ れ な い こ と ,お よ び 施 工 中 に 地 盤 や 山 留 め 壁 の 剛 性 が 高 く な る ケ ー ス へ の 対 応 が 難 し い 等 の 課 題 1 )が あ り ,各 掘 削 段 階 で 開 放 さ れ る 掘 削 側 の 側 圧 を 増 分 荷 重 と し て , そ れ に 対 す る 増 分 応 力 ・ 変 位 を 算 出 し , 順 次 累 加 す る 逐 次 計 算 に よ る 山 留 め 解 析 法 が 提 案 さ れ て い る例 え ば 5 ) ~ 7 )。
近 年 ,都 市 部 の 建 替 え 工 事 お よ び 鉄 道 や 高 速 道 路 等 と の 近 接 工 事 の 増 加 に 伴 い ,山 留 め 壁 の 応 力 だ け で な く 変 位 に つ い て も 高 い 予 測 精 度 が 求 め ら れ て お り , 山 留 め 壁 に 作 用 す る 側 圧( 土 圧 + 水 圧 )の 適 切 な 評 価 が 重 要 で あ る 。山 留 め 壁 の 背 面 側 側 圧 に つ い て は ,宮 崎 8 )や 佐 藤 ら 9 )に よ る 実 測 値 に 基 づ く 研 究 等 多 く の 検 討 が 行 わ れ て お り ,背 面 側 側 圧 は 掘 削 に よ る 山 留 め 変 位 に 伴 い 変 化 す る こ と が 確 認 さ れ て い る 。し か し ,山 留 め 壁 の 掘 削 側 根 入 れ 部 の み に 地 盤 ば ね を 配 置 す る 従 来 の 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )で は ,こ れ ら の 側 圧 挙 動 や プ レ ロ ー ド 等 に よ り 山 留 め 壁 が 戻 る 際 の 背 面 側 側 圧 の 増 加 の 影 響 を 直 接 評 価 す る こ と は 難 し い 。
そ こ で ,施 工 時 の 山 留 め 挙 動 を で き る だ け 再 現 す る 試 み と し て ,山 留 め 壁 の 両 面 に 地 盤 ば ね を 配 し て 背 面 側 側 圧 の 変 化 を 直 接 評 価 す る と 共 に , 施 工 過 程
( 施 工 の 連 続 性 )を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 手 法( 以 下 ,両 面 ば ね 法 と す る )が 提 案 さ れ て い る 1 0 ) ~ 1 6 )。両 面 ば ね 法 は 逐 次 計 算 に 基 づ く 手 法 で あ る た め ,掘 削 前 の 初 期 側 圧 の 設 定 や 掘 削 直 後 に 根 切 り 底 以 深 の 地 盤 に 残 留 す る 側 圧( 平 衡 側 圧 )の 扱 い な ど ,従 来 の 全 載 荷 法 に 基 づ く 梁 ・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )と は 異 な る 考 え 方 や パ ラ メ ー タ が 必 要 と な る 。し か し ,こ れ ら の パ ラ メ ー タ の 設 定 法 や 解 析 法 の 適 用 性 に 関 す る 検 討 は 少 な く 不 明 な 点 が 多 い 。
- 2 -
こ の よ う な 背 景 を 基 に ,本 研 究 で は ,施 工 過 程 や 背 面 側 側 圧 の 変 化 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )に つ い て ,解 析 モ デ ル と パ ラ メ ー タ の 設 定 法 を 提 案 す る と 共 に ,解 析 法 の 適 用 性 に つ い て 検 証 を 行 っ た 。本 論 文 は , こ れ ら の 一 連 の 研 究 成 果 を ま と め た も の で あ る 。
- 3 -
1.2 既 往 の 研 究山 留 め 壁 に 生 じ る 応 力 お よ び 変 形 の 算 定 方 法 は ,山 留 め 壁 や 地 盤 の モ デ ル 化 の 方 法 に よ っ て 様 々 で あ る が ,一 般 的 に 用 い ら れ て い る 方 法 は ,以 下 の 種 類 に 分 類 さ れ る 1 )。
① 単 純 梁 法
② 連 続 梁 法 ( 梁 ・ ば ね モ デ ル な ど )
③ 有 限 要 素 法
こ れ ら は 主 に 山 留 め 壁 と そ れ を 支 持 す る 支 保 工 や 地 盤 の モ デ ル 化 の 方 法 に よ る 分 類 で あ る が ,さ ら に ,荷 重 お よ び 解 析 の 考 え 方 や 地 盤 の 扱 い 等 に よ っ て 様 々 な 手 法 が 提 案 さ れ て い る 。山 留 め 解 析 手 法 の 概 要 を 表 1.1 に 示 す 。荷 重 お よ び 解 析 の 考 え 方 と し て は ,施 工 過 程( 施 工 の 連 続 性 )を 考 慮 し た 逐 次 計 算( 増 分 解 析 )と ,施 工 段 階 ご と の 力 の 釣 り 合 い を 単 独 で 考 え る 全 載 荷 法 の 2 種 類 に 分 け ら れ る 。 ま た , 地 盤 に つ い て は , 地 盤 抵 抗 を 仮 想 の 支 点 ( ピ ン ), 弾 性 ば ね ,あ る い は 強 度・変 形 特 性 に 応 じ た 弾 塑 性 ば ね と し て 扱 う 方 法 等 に 分 類 さ れ る 。 以 下 に , 既 往 の 山 留 め 解 析 手 法 お よ び 特 徴 に つ い て ま と め る 。
表 1.1 既 往 の 山 留 め 解 析 手 法
解 析 手 法 荷 重 の
考 え 方
掘 削 側 地 盤 の 扱 い
背 面 側
の 側 圧 備 考
単 純 梁 法
単 純 梁 モ デ ル1 ) 全 載 荷 法 仮 想 支 点 (ピ ン )
通 常 は 一 定
・ 実 務 で 多 く 用 い ら れ て い る 。
・ 原 則 と し て 応 力 の み を 評 価
仮 想 支 点 法 5 ) 逐 次 解 析 仮 想 支 点 (ピ ン )
通 常 は 一 定
連 続 梁 法
弾 性 法 2 ) 全 載 荷 法 連 続 ば ね (弾 性 )
通 常 は 一 定 梁 ・ ば ね モ デ ル
( 弾 塑 性 法 )3 ) 全 載 荷 法 連 続 ば ね (弾 塑 性 )
通 常 は 一 定
・ 実 務 で 多 く 用 い ら れ て い る
弾 塑 性 累 加 法6 ) 逐 次 解 析 連 続 ば ね (弾 塑 性 )
通 常 は 一 定 両 面 ば ね 法 5 ) 逐 次 解 析 連 続 ば ね
(弾 塑 性 , 非 線 形 )
変 化 を 直 接 考 慮
・ 背 面 側 の 側 圧 変 化 を 考 慮 可 能
有 限
要 素 法 有 限 要 素 法 1 ) 両 方 と も
可 FEM 要 素 両 方 と も
可 能
・ パ ラ メ ー タ 設 定 が 複 雑
・ モ デ ル 化 や 解 析 に 時 間 が か か り ,施 工 計 画 変 更 へ の 対 応 が 難 し い
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(1) 単 純 梁 モ デ ル 1 )単 純 梁 モ デ ル は ,図 1.1 に 示 す よ う に ,山 留 め 壁 を 切 梁( 地 盤 ア ン カ ー )や 地 下 構 造 体 等 の 支 点 間 ,あ る い は 最 下 段 切 梁 と 地 盤 中 の 仮 想 支 点 間 を ス パ ン と し た 単 純 梁 に 分 割 し て ,根 切 り 時 に 山 留 め 壁 に 作 用 す る 曲 げ モ ー メ ン ト お よ び せ ん 断 力 を 計 算 す る 方 法 で あ る 。1 次 根 切 り 時 に つ い て は 山 留 め 壁 が 自 立 状 態 と な る の で , 通 常 は 自 立 山 留 め の 梁 ・ ば ね モ デ ル ( Chang の 式 )1 )に よ り 検 討 す る 。単 純 梁 モ デ ル は ,計 算 が 比 較 的 簡 単 で あ る こ と か ら ,比 較 的 小 規 模 の 山 留 め に 対 し て は 現 在 も 使 用 実 績 は 高 い 。た だ し ,本 手 法 は 原 則 と し て 山 留 め 壁 の 応 力 と 支 点 反 力 を 求 め る た め の 解 析 法 で あ る 。
図 1.1 単 純 梁 モ デ ル の 概 要 1 )
(a)1次根切り時
切梁支点
仮想支点
(c)3次根切り時 切梁支点 切梁支点
仮想支点
(b)2次根切り時
(e)1段切梁撤去時
地下構造体
(d)2段切梁撤去時
切梁支点
地下構造体
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(2)仮 想 支 点 法 1 ) , 5 ) , 1 7 )単 純 梁 法 は 掘 削 や 支 保 工 架 設 等 の 施 工 段 階 を 考 慮 せ ず に ,掘 削 後 の 状 態 の 山 留 め モ デ ル に 全 て の 荷 重 を 作 用 さ せ る 方 法 で あ る た め ,厳 密 に は 施 工 の 連 続 性 が 考 慮 さ れ て い な い 。こ の 点 を 考 慮 し て ,施 工 過 程 を 考 慮 し た 手 法 と し て 野 尻 に よ り 提 案 さ れ た の が 仮 想 支 点 法 5 )で あ る 。
仮 想 支 点 法 の 概 要 を 図 1.2 に 示 す 。仮 想 支 点 法 は ,単 純 梁 モ デ ル と 同 様 の 解 析 モ デ ル で あ る が ,施 工 段 階 や 施 工 の 連 続 性 を 考 慮 す る た め に ,各 掘 削 段 階 で の 山 留 め 壁 の 応 力・変 位 の 増 分 値 を 算 出 し ,前 ス テ ッ プ の 値 に 順 次 累 加 す る 方 法 で あ る 。し た が っ て ,各 段 階 に お け る 荷 重 は ,山 留 め 壁 背 面 側 の 側 圧 を 山 留 め 架 構 で 受 け る と い う 考 え 方 で は な く ,根 切 り に よ っ て 取 り 去 ら れ る 掘 削 側 の 地 盤 反 力 と い う 考 え 方 に 基 づ い て い る 。
各 根 切 り 段 階 の 留 め 壁 の 応 力・変 位( 増 分 値 )は ,山 留 め 壁 を 最 下 段 切 梁 と 掘 削 底 以 深 の 仮 想 支 点 で 支 持 さ れ る 単 純 梁 に モ デ ル 化 し ,増 分 荷 重 と し て 最 下 段 切 梁 と 掘 削 底 ま で の 側 圧 を 作 用 さ せ て 求 め る 。 な お , 切 梁 が 架 か ら な い 1 次 掘 削 時 に お け る 山 留 め 壁 の 応 力・変 位 は ,1 次 掘 削 底 ま で の 側 圧 を 荷 重 と し た 自 立 山 留 め の 梁 ・ ば ね モ デ ル 1 )( 通 称 Chang の 式 ) に よ り 算 出 す る 。
こ の 他 に , 本 手 法 で は 以 下 の 仮 定 ・ 補 正 を 行 っ て い る 1 7 )。
① 仮 想 支 持 点 に お け る 曲 げ モ ー メ ン ト は , そ の 位 置 の 地 盤 と 山 留 め 壁 の 剛 比 に 応 じ て 0.2~ 0.5 の 固 定 度 を 考 慮 し て 計 算 す る 。
② 前 段 階 の 仮 想 の 支 持 点 位 置 を 根 切 り す る こ と と な る 場 合 に は , さ ら に 深 部 の 良 質 地 盤 に 新 た な 仮 想 の 支 持 点 を 仮 定 す る 。 そ の 段 階 の 算 定 に 用 い る 側 圧 に は ,前 段 階 ま で の 仮 想 の 支 持 点 に お け る 反 力 を 加 え る( 図 1.2(2)
(b)参 照 )。
③ 仮 想 の 支 点 と な り 得 る 地 層 は , 根 切 り 底 以 下 で , 根 切 り が 進 行 し て も 水 平 移 動 の な い 地 層 と し ,砂 ・ 粘 土 な ど の 土 質 の 違 い に は 関 係 な く
N
値 10 以 上 の 地 層 と し て い る 。本 手 法 は ,施 工 段 階 を 考 慮 し た 解 析 法 で あ る が ,山 留 め 壁 を 分 割 し て 単 純 化 し て い る こ と ,ま た ,掘 削 底 以 深 の 解 放 さ れ る 側 圧 は 厳 密 に は 考 慮 さ れ て い な い た め , 簡 易 な 評 価 法 と い え る 。
- 6 -
(a) 2 次 掘 削 時(b) 3 次 掘 削 時
(c) 4 次 掘 削 時
図 1.2(1) 仮 想 支 点 法 の 概 要 1 7 ) に 修 正 ・ 加 筆
硬質層 仮想支点
第1段 切ばり
軟弱層
根切り状況
h h1
h2
荷重状況
R1
1R
z
曲げモーメント
M1
M2=1R
z
・(h-h1-h2)M
z
=- 0.5~0.2 M2変形
仮想支点 第 2 段 切ばり
根切り状況
h h3
h1+h2
荷重状況
R2
2R
z
曲げモーメント 変形
R2
R1
M3
=2R
z
(h - h1- h2- h3)
-0.5~
0.2M3
R
z
=1R
z
+2Rz
仮想支点 第 3 段 切ばり
根切り状況 荷重状況 曲げモーメント 変形
h
h1+h2
+h3
3R
z
R2
R1
M4
=3R
z
×(h-h1-h2-h3-h4)
-0.5~
0.2M4
R
z
=1R
z
+2Rz
+3Rz
R3h4
R3
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(a) 2 次 掘 削 時(b) 3 次 掘 削 時
(c) 4 次 掘 削 時
図 1.2(2) 仮 想 支 点 法 の 概 要 ( 中 間 層 を 持 つ 場 合 )1 7 )
(仮想支点)
第 1 段 切ばり
根切り状況
粘土 砂
粘土
砂
荷重状況
R1
1R
z
曲げモーメント
仮想支点 第 2 段 切ばり
根切り状況
R2
2R
z
R1
R2
2R
z
曲げモーメント
1R
z
荷重状況
仮想支点 第 3 段 切ばり
根切り状況 荷重状況
R3
3R
z
R1
R2
R3
R
z
R2=2R
z
+3Rz
曲げモーメント
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(3)梁 ・ ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 : 全 載 荷 法 )1 ) , 2 ) , 3 )
「 梁 ・ ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 )」 は , 掘 削 底 面 付 近 の 地 盤 の 抵 抗 を 弾 塑 性 の 地 盤 ば ね で 表 現 す る こ と で 実 情 に 近 い モ デ ル 化 を 図 っ た 手 法 と し て ,山 肩 ら 2 ) に よ り 提 案 さ れ た 。そ の 後 ,中 村・中 沢 3 )に よ っ て ,よ り 汎 用 性 を も た せ た 手 法 と し て 弾 塑 性 法 を 改 良 し た「 弾 塑 性( 拡 張 )法 」が 提 案 さ れ ,現 在 ,各 種 の 山 留 め 関 連 の 指 針 ・ 技 術 基 準 類 に 多 く 採 用 さ れ て い る 1 ) , 1 8 ) , 1 9 )。
図 1.3 に 梁 ・ ば ね モ デ ル の 概 要 を 示 す 1 )。本 手 法 は ,山 留 め 壁( 全 長 )を 梁 に ,切 梁 を 集 中 ば ね ,掘 削 底 以 深 の 地 盤 を 弾 塑 性 ば ね で モ デ ル 化 し ,山 留 め 壁 の 応 力 と 変 形 を 算 出 す る 方 法 で あ る 。
図 1.4 に 解 析 用 の 荷 重( 側 圧 )を 示 す 。解 析 用 の 荷 重 は ,背 面 側 側 圧 か ら 平 衡 側 圧 を 差 し 引 い た 値 と な る 。平 衡 側 圧 は ,山 留 め 壁 の 変 位 に 関 係 な く 作 用 し て い る 側 圧 1 )と し て 定 義 さ れ ,掘 削 直 後 の 山 留 め 壁 が 変 位 し て い な い 状 態 で 掘 削 側 に 作 用 す る 側 圧 と し て 評 価 さ れ る 。
図 1.3 梁 ・ ば ね モ デ ル の 概 要 1 )
図 1.4 解 析 用 の 側 圧 と 地 盤 反 力
切 梁 の ば ね
地 盤 の ば ね
( 弾 塑 性 ) 荷 重
梁
平衡側圧 背面側
側圧 受働側圧
支保工 ばね
地盤反力の上限
(受働側圧 - 平衡側圧)
荷重
地盤反力 支保工ばね
(a)根 切 り 直 後 の 側 圧 (壁 変 位 拘 束 )
(b)作 用 荷 重 と 地 盤 反 力
( 解 析 モ デ ル )
- 9 -
図 1.5 に ,各 施 工 段 階 に お け る 解 析 の 考 え 方 を 示 す 。梁・ば ね モ デ ル は ,外 力( 荷 重 )と な る 側 圧 が 山 留 め 壁 背 面 側 か ら 作 用 し ,床 付 け 以 深 の 掘 削 側 地 盤 が そ れ に 抵 抗 す る と い う 考 え 方 に 基 づ き ,施 工 段 階 毎 に 単 独 に 力 の 釣 り 合 い を 解 く 手 法 で あ る ( 以 後 , 全 載 荷 法 と 呼 ぶ )。 従 っ て , 前 ス テ ッ プ と の 施 工 の 連 続 性 は 直 接 考 慮 さ れ ず ,施 工 中 に 地 盤 剛 性 や 山 留 め 壁 の 剛 性 が 高 く な る ケ ー ス へ の 対 応 が 難 し い な ど の 課 題 が 挙 げ ら れ る 。ま た ,山 留 め 変 位 に 伴 う 山 留 め 壁 の 背 面 側 側 圧 の 変 化 は 直 接 考 慮 さ れ ず , 通 常 一 定 と し て 扱 わ れ る 。
図 1.5 梁 ・ ば ね モ デ ル に よ る 各 ス テ ッ プ の 解 析 の 考 え 方
1 次根切り直後
(壁の変位を拘束)
平衡側圧
(静止側圧)
背面側圧
作用荷重と地盤反力 受働側圧
地盤反力の上限
(受働側圧 - 平衡側圧)
2 次根切り直後
(壁の変位を拘束)
平衡側圧
(静止側圧)
背面側圧
作用荷重と地盤反力 受働側圧
地盤反力の上限
(受働側圧 - 平衡側圧)
荷重
荷重
地盤反力 1次根切 地盤反力
2次根切
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(4)弾 塑 性 累 加 法 6 ) , 7 )「 弾 塑 性 累 加 法 」は 梁 ・ ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )と 仮 想 支 点 法 5 )の 長 所 を 取 り 入 れ て ,花 村 ら 6 ) , 7 )に よ り 提 案 さ れ た 山 留 め 解 析 法 で あ る 。山 留 め 壁 を 弾 性 の は り ,根 切 り 底 以 深 の 地 盤 を 弾 塑 性 ば ね で モ デ ル 化 し ,各 掘 削 工 程 毎 に 最 下 段 切 梁 以 深 を 解 析 対 象 と し て ,各 工 程 に よ っ て 発 生 す る 変 位・応 力 等 の 増 分 値
( 各 次 計 算 値 )を 算 出 ,各 次 計 算 値 を 順 次 累 加 す る こ と で 山 留 め 架 構 の 挙 動 を 求 め る 。
図 1.6 に 弾 塑 性 累 加 法 の 掘 削 工 程 毎 の 解 析 モ デ ル を ,図 1.7 に モ ー メ ン ト 分 布 の 各 次 計 算 値 と 累 加 計 算 値 を 模 式 的 に 示 す 。最 下 段 切 梁 以 深 し か モ デ ル 化 し て い な い が ,地 盤 の 非 線 形 お よ び 施 工 過 程 を 考 慮 し た 手 法 で あ る こ と が 特 徴 で あ る 。
図 1.6 各 工 程 毎 の 解 析 モ デ ル 7 )
図 1.7 モ ー メ ン ト 分 布 の 各 次 計 算 値 と 累 加 計 算 値 7 )
[1 次 掘 削] [2 次 掘 削] [3 次 掘 削] [4 次 掘 削]
切 梁 最 下 段 切 梁
[1 次 掘 削] [2 次 掘 削] [3 次 掘 削] [4 次 掘 削]
背 面 側 掘 削 側 側 圧
地 盤 反 力
塑 性 域 弾 性 域 山 留 め 壁
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根 切 り 底 以 浅 の 背 面 側 側 圧(
P
1,P
2; 設 計 側 圧 と 呼 ぶ )は ,山 留 め 設 計 施 工 指 針 1 )に 示 さ れ て い る 側 圧 係 数 法 や ラ ン キ ン・レ ザ ー ル の 主 働 側 圧 を 参 考 に 設 定 す る 。た だ し ,2 次 根 切 り 以 後 の 解 析 に 用 い る 側 圧 は ,前 工 程 ま で の 根 切 り に よ っ て 発 生 し た 側 圧 差 ( 山 留 め 壁 に 作 用 す る 受 動 側 側 圧 と 主 働 側 側 圧 の 差 ) の う ち ,現 工 程 の 根 切 り で 解 放 す る 部 分 の 側 圧 差( 解 放 側 圧 )を 設 計 側 圧 に 加 え た 側 圧 と す る 。図 1.8 に 示 す 2 次 根 切 り で は 1 次 根 切 り で 発 生 し た 解 放 側 圧① を 設 計 側 圧 ② に 加 え た も の が 解 析 用 側 圧 と な る 。
図 1.8 側 圧 7 )
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本 解 析 モ デ ル は ,最 下 段 切 梁 を ピ ン 支 持 と 仮 定 し ,そ れ 以 深 の 解 析 対 象 と し て い る 。 し か し , 本 来 , 切 梁 位 置 で は 切 梁 の 圧 縮 変 形
δ
と 固 定 端 モ ー メ ン トM
f が 発 生 す る 。 そ こ で , 各 次 計 算 値 ( 変 位 , 曲 げ モ ー メ ン ト ) に は 図 1.9 お よ び 下 式 に よ る 補 正 を 行 う 。補 正 範 囲 は 最 下 段 切 梁 の 1 段 上 の 切 梁 よ り 深 い 深 度 と す る 。δ
= (P
-P
0)/K
( 1.1)M
f=α
・M
m a x ( 1.2)こ こ で ,
P
: 切 梁 軸 力 ( 計 算 値 )P
0: プ レ ロ ー ド 量K
: 切 梁 の 弾 性 圧 縮 バ ネ 定 数α
: 支 点 固 定 度M
m a x: 計 算 値 の 最 大 モ ー メ ン ト支 点 固 定 度 は ,山 留 め 壁 の 剛 性・地 盤 及 び 切 梁 の 状 態 等 に 応 じ て 適 切 に 仮 定 す る 必 要 が あ る が , 切 梁 に 十 分 な プ レ ロ ー ド を 与 え る 場 合 に は
α
= 0.2~ 0.3 程 と す る 6 )。図 1.9 最 下 段 切 梁 に 関 す る 補 正 7 )
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(5)両 面 ば ね 法背 面 側 側 圧 の 変 化 を 直 接 評 価 す る た め に ,山 留 め 壁 の 背 面 側 に も 地 盤 ば ね を 考 慮 し た 山 留 め 解 析 法 が 提 案 さ れ て い る 1 0 ) ~ 1 6 )。
森 重 1 0 )は , 比 較 的 剛 性 の 大 き い 場 所 打 ち 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 地 中 壁 を 山 留 め
壁 に 用 い る 場 合 の 設 計 法 と し て ,山 留 め 壁 の 両 面 に 地 盤 ば ね を 配 し た 解 析 モ デ ル を 提 案 し て い る 。 解 析 法 の 概 要 を 図 1.10 に 示 す 。 本 手 法 は , 各 掘 削 時 の 背 面 側 土 圧 か ら 掘 削 直 後 の 掘 削 側 土 圧 ( 平 衡 土 圧 ) を 差 し 引 い た 荷 重 に 対 し て , 山 留 め 壁 の 変 位 ・ 応 力 , 切 梁 軸 力 , 地 盤 反 力 ( 土 圧 ) を 計 算 す る も の で あ る 。 そ の 際 ,山 留 め 壁 の 背 面 側 に も 地 盤 反 力 に よ る 土 圧 の 減 少 を 考 慮 す る 。土 圧 - 変 位 関 係 は 静 止 土 圧 を 初 期 値 と し ,壁 の 変 位 に 応 じ て 主 働 土 圧 と 受 働 土 圧 の 間 を 変 動 す る 。 こ の 他 に も , 同 様 の 考 え に 基 づ く 両 面 ば ね 法 2 0 )が 提 案 さ れ て い る が ,い ず れ も 各 掘 削 段 階 に お け る 荷 重 評 価 に 必 要 な 掘 削 直 後 の 土 圧 分 布( 平 衡 土 圧 ) の 評 価 法 , あ る い は 土 圧 - 変 位 関 係 の 履 歴 特 性 の 設 定 法 に つ い て は , 特 に 明 確 に さ れ て い な い 。
図 1.10 解 析 法 の 概 要 ( 森 重 )1 0 )
① 各節点に対するk値 切梁のばね係数など との準備計算
E1
En
(n-1)
n次掘削 n次掘削
k1
k2
kn
R1
R2
(n-1)P0α
(n-1)Pmα
(n-1) ppα
(n-1)Pmβ
② n次掘削開始前の変位量,土 圧(水圧を含む),応力,切梁 反力(計算開始時の基準条件)
掘削による支持力の減少
③ 掘削に伴う壁体 の指示条件の変 化
④ 掘削による地盤の支持 力の減少を考慮した条 件に対する変位量δ'n R1
R2
掘削深さ
(n-1)Ppα
nPpα
(n-1) P0α
⑤ δ'nによる土圧の算定 nPm''=P0±δ'nk
nPpα nP0α Pαβ
⑥ 計算土圧の補正 Pam<Pm<Ppm
nP0α
nPpα
nP0α
Paβ
P0β
補正土圧
(補正区間)Pm>Ppα Pm<Paβ
(補正区間)
⑦ 繰返し計算
⑥における土圧により④~⑥の計算を行 ない,計算の当初の土圧と⑥における土 圧との差が無視できるまで計算を繰返す
⑧ n次掘削終了時の変位量,土圧,応力,
切梁 反力の計算
⑦における繰返し計算により求めた最終 の変位量,土圧,切梁 反力およびこれ から算定した応力をn次掘削終了時の値 とする
P0β P0β
P0β
(n-1)の切梁
Pαβ
Pαβ
- 14 -
さ ら に施 工 時 の 山 留 め 挙 動 を 再 現 す る た め に ,山 留 め 壁 の 両 面 に 地 盤 ば ね を 配 し て 背 面 側 側 圧 の 変 化 を 直 接 評 価 す る と 共 に ,施 工 過 程( 施 工 の 連 続 性 )を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法 が 提 案 さ れ て い る( 以 下 ,両 面 ば ね 法 と す る )1 1 ) ~ 1 6 )。
大 西 ・ 石 崎 1 1 ) , 1 2 )は , 両 面 ば ね 法 を 用 い て , い く つ か の 事 例 に 対 す る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 を 行 っ て い る 。 解 析 法 の 概 要 を 図 1.11 に , 土 圧 - 変 位 関 係 を 図 1.12,図 1.13 に 示 す 。本 手 法 は 各 掘 削 段 階 の 増 分 荷 重 に 対 す る 山 留 め 変 位・
応 力 ,切 梁 軸 力 ,地 盤 反 力( 土 圧 )の 変 化 量 を 計 算 し ,前 ス テ ッ プ の 値 に 順 次 累 加 す る も の で あ る 。各 次 の 増 分 荷 重 評 価 に 必 要 な 掘 削 直 後 の 側 圧 分 布( 平 衡 側 圧 ) は , 図 1.11 に 示 す よ う に 掘 削 側 地 盤 を 以 下 の 3 つ の 領 域 に 分 け て 設 定 し て い る 。
・ 領 域 Ⅰ : 掘 削 側 地 盤 が な く な る 領 域
・ 領 域 Ⅱ : 土 被 り 圧 の 減 少 に よ り , 静 止 土 圧 が 減 少 す る 領 域
・ 領 域 Ⅲ : 土 被 り 圧 が 減 少 す る が , 掘 削 前 の 静 止 土 圧 を 保 持 す る 領 域 提 案 し て い る 静 止 土 圧 の 減 少 範 囲 を 表 1.2 に 示 す 。こ れ ら の 値 は 実 測 値 と の 比 較 に 基 づ い て 経 験 的 に 設 定 さ れ た も の で あ る 。
図 1.11 解 析 法 の 概 要 ( 大 西 ら )1 1 )
- 15 -
図 1.12 土 圧 - 変 位 関 係 (領 域 Ⅲ )1 1 ) 図 1.13 土 圧 - 変 位 関 係 (領 域 Ⅰ ,Ⅱ )1 1 )
表 1.2 掘 削 面 以 深 の 静 止 土 圧 が 減 少 す る 深 さ 1 1 )
こ の 他 に , 元 井 1 6 )は , RC 連 続 壁 で 実 測 し た 多 数 の 側 圧 の 分 析 に 基 づ い て , 両 面 ば ね 法 ( 逐 次 計 算 ) の 設 計 定 数 の 評 価 法 を 提 案 す る と 共 に , RC 連 続 壁 を 対 象 と し た 個 別 事 例 の 挙 動 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 に よ り 有 効 性 を 確 認 し て い る 。
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1.3 本 研 究 の 目 的 と 内 容1.2 節 に 示 し た 既 往 の 研 究 よ り ,施 工 過 程 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 手 法( 両 面 ば ね 法 )は ,施 工 の 連 続 性 だ け で な く ,山 留 め 壁 背 面 側 の 側 圧 変 化 も 直 接 考 慮 す る こ と が で き ,従 来 の 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )よ り 合 理 的 な 解 析 法 と 考 え ら れ る 。し た が っ て 側 圧( 土 圧 )- 変 位 関 係 モ デ ル や 入 力 定 数 を 適 切 に 設 定 す れ ば ,実 際 の 掘 削 工 事 を よ り 適 切 に 評 価 で き る と 考 え ら れ る が ,両 面 ば ね 法 は ,掘 削 前 の 初 期 側 圧 の 設 定 や 掘 削 直 後 に 根 切 り 底 以 深 の 地 盤 に 残 留 す る 側 圧( 平 衡 側 圧 )の 扱 い な ど ,従 来 の 全 載 荷 法 に 基 づ く 梁・ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 ) と は 異 な る 考 え 方 や パ ラ メ ー タ が 必 要 と な る 。
平 衡 側 圧 に つ い て は , 実 測 値 に 基 づ い た 検 討 2 1 ), 要 素 実 験 (
K
0除 荷 試 験 )2 2 ) , 2 3 )や 模 型 実 験 2 4 )に よ る 検 討 が 行 わ れ て お り , 一 般 的 な 梁 ・ ば ね モ デ ル ( 弾 塑 性 法 )に お け る 平 衡 側 圧 の 評 価 法 に 採 用 さ れ て い る 1 )。し か し ,こ れ ら の 検 討 は 掘 削 に よ る 土 被 り 圧 減 少 に 伴 う 静 止 土 圧・側 圧 の 変 化 を 対 象 に し た も の で , 逐 次 計 算 で 必 要 な ,掘 削 中 に 地 盤 反 力 が 発 生 し た 状 態 か ら の 土 被 り 圧 減 少 に 伴 う 土 圧・側 圧 変 化 に つ い て 検 討 し た 例 は 見 当 た ら な い 。ま た ,解 析 モ デ ル や パ ラ メ ー タ 設 定 法 の 妥 当 性 検 証 に つ い て は ,個 別 事 例 で は な く ,で き る だ け 多 く の 事 例 に 対 し て シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 を 行 い ,実 測 値 と 解 析 結 果 の 差 異 や ば ら つ き な ど を 比 較 検 討 す る 必 要 が あ る 。
そ こ で 本 研 究 で は ,施 工 の 連 続 性 や 背 面 側 側 圧 の 変 化 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )に つ い て ,室 内 要 素 実 験 お よ び 実 測 デ ー タ を 基 に ,解 析 モ デ ル と パ ラ メ ー タ の 設 定 法 に つ い て 検 討 し た 。次 に 複 数 の 実 測 事 例 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 を 行 い ,本 解 析 法 の 適 用 性 を 検 討 す る と 共 に ,従 来 の「 全 載 荷 法 」に 基 づ く 梁 ・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )と の 比 較 を 行 っ た 。最 後 に ,評 価 法 が 十 分 に 確 立 さ れ て い な い「 控 え 杭 形 式 の タ イ ロ ッ ド 山 留 め 工 法 」 の 挙 動 解 析 に 本 解 析 法 を 適 用 し , 実 測 値 と の 比 較 を 行 っ た 。
- 17 -
1.4 本 論 文 の 構 成本 論 文 の 構 成 を 図 1.14 に 示 す 。
第 1 章 で は ,各 種 の 山 留 め 解 析 法 に 関 す る 既 往 の 研 究 を ま と め る と 共 に ,両 面 ば ね 法 の 課 題 を 取 り 上 げ て , 本 論 文 の 目 的 と 範 囲 を 明 ら か に す る 。
第 2 章 で は ,施 工 過 程 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )の 概 要 を 示 し ,現 在 広 く 用 い ら れ て い る 従 来 の 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 ) と の 荷 重 や 解 析 法 の 考 え 方 の 相 違 に つ い て 整 理 す る 。ま た ,従 来 の 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )で は 扱 う こ と が 難 し い が ,本 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )で は 考 慮 可 能 な 地 下 工 法 の 例 を い く つ か 示 す 。
第 3 章 で は , 掘 削 直 後 に 床 付 け 以 深 の 山 留 め 壁 に 作 用 す る 側 圧 ( 平 衡 側 圧 ) を 確 認 す る た め に ,砂 お よ び 粘 性 土 試 料 を 用 い て 掘 削 を 模 擬 し た 室 内 要 素 実 験 を 行 い ,種 々 の 応 力 状 態 か ら 掘 削 除 荷 し た 時 の 土 圧 変 化 特 性 に つ い て 検 討 し た 結 果 を 示 す 。
第 4 章 で は , 第 3 章 の 室 内 要 素 実 験 結 果 お よ び 実 測 側 圧 の 分 析 に 基 づ い て , 本 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )に 用 い る 土 圧 変 化 モ デ ル を 提 案 し ,側 圧 が 実 測 さ れ て い る 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 地 中 連 続 壁 の 挙 動 と 解 析 結 果 の 比 較 に よ り 妥 当 性 の 検 証 を 行 な う 。
第 5 章 で は ,ソ イ ル セ メ ン ト 壁 を 用 い た 複 数 事 例( 8 現 場 ,14 測 点 )の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 を 行 い ,解 析 モ デ ル に 適 し た パ ラ メ ー タ の 設 定 法 を 提 案 す る と 共 に ,従 来 の 全 載 荷 法 に よ る 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )と の 相 違 を 含 め 本 解 析 法 の 有 効 性 に つ い て 検 討 す る 。
第 6 章 で は ,一 般 的 な 山 留 め 工 法( 切 梁 工 法 ,ア ン カ ー 工 法 )と は 異 な る「 控 え 杭 を 用 い た タ イ ロ ッ ド 山 留 め 工 法 」に つ い て ,本 解 析 法 を 組 み 込 ん だ 挙 動 評 価 法 を 提 案 し , 実 測 デ ー タ と の 比 較 に よ り 妥 当 性 を 確 認 す る 。
第 7 章 で は , 本 研 究 で 得 ら れ た 成 果 を 総 括 す る 。
- 18 -
図 1.14 本 論 文 の 構 成 解 析 法 の 検 証
( 複 数 事 例 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 ) 序 論
既 往 研 究 の ま と め 課 題 の 整 理 本 論 文 の 目 的 と 概 要
解 析 法 概 要
第 2 章 本 解 析 法 の 概 要 , 荷 重 の 考 え 方
背 面 側 側 圧 の 挙 動
平 衡 側 圧 の 評 価 法 検 討
( 掘 削 除 荷 を 模 擬 し た 室 内 要 素 実 験 ) 解 析 モ デ ル
構 築 ・ 検 証
解 析 モ デ ル の 提 案 土 圧 変 化 モ デ ル の 検 証
結 論 ま と め
控 え 杭 を 用 い た タ イ ロ ッ ド 山 留 め 工 法 の
挙 動 評 価 法 の 提 案 適 用 性
検 討
第 1 章
第 3 章
第 4 章
第 5 章
第 6 章
第 7 章
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第 2 章 逐 次 計 算 に よ る 山 留 め 解 析 法
2.1 は じ め に
本 章 で は ,施 工 過 程 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法( 両 面 ば ね 法 ) の 概 要 を 示 し ,解 析 法 の 特 長 お よ び 現 在 広 く 用 い ら れ て い る 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 ) と の 相 違 点 に つ い て 整 理 す る 。
2.2 山 留 め 壁 に 作 用 す る 側 圧
図 2.1 に 掘 削 時 に 山 留 め 壁 に 作 用 す る 側 圧( 土 圧 + 水 圧 )変 化 の 模 式 図 を 示 す 。 掘 削 前 に は , 山 留 め 壁 の 両 側 に 作 用 す る 側 圧 は 釣 り 合 っ た 状 態 に あ る が , 掘 削 が 開 始 さ れ る と ,地 盤 の 除 去 に よ り 山 留 め 壁 の 掘 削 側 に 作 用 し て い た 側 圧 は 減 少 し ,側 圧 の バ ラ ン ス が 崩 れ て 山 留 め 壁 は 掘 削 側 に 変 形 す る 。山 留 め 壁 が 変 形 す る と , そ れ に 伴 い 背 面 側 の 側 圧 は 減 少 し ( 主 働 状 態 ), 逆 に 掘 削 側 の 側 圧 は 増 加 す る ( 受 働 状 態 )。 ま た , 切 梁 架 設 に よ る プ レ ロ ー ド 時 に は 山 留 め 壁 が 背 面 側 に 押 し 戻 さ れ , 背 面 側 側 圧 は 再 び 増 加 す る 。
図 2.1. 掘 削 時 の 側 圧 変 化 の 模 式 図 1 ) を 参 考 に 作 成
掘削前 掘削直後
土圧
掘削後
背面側圧 増加 変形
側圧 減少
プレロード
背面側圧 切梁減少
- 20 -
2.3 解 析 法 の 概 要図 2.2 に 施 工 過 程 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法 ( 両 面 ば ね 法 ) の 概 念 図 を 示 す 。本 解 析 法 は 各 施 工 段 階 で 生 じ る 増 分 荷 重 を 評 価 し ,そ れ に 対 す る 山 留 め 変 位 ,応 力 ,地 盤 反 力 等 の 変 化 量 を 計 算 し ,前 ス テ ッ プ の 値 に 順 次 加 え て い く 逐 次 計 算 法 で あ る 。各 次 の 増 分 荷 重 は ,根 切 り 時 に は 壁 変 位 を 拘 束 し た 状 態 で 生 じ る 掘 削 除 荷 に 伴 う 開 放 側 圧 ( 図 2.2(a-3)お よ び (c-3)), プ レ ロ ー ド 時 に は プ レ ロ ー ド 荷 重 と な る( 図 2.2(b-3))。な お ,支 保 工 解 体 時 に は , 解 体 前 の 支 保 工 の 支 点 反 力 を 逆 向 き に 作 用 さ せ る 。 従 来 の 弾 塑 性 法 の よ う に , 山 留 め 壁 の 掘 削 側 だ け で な く 背 面 側 に も 地 盤 ば ね を 設 け る こ と に よ り ,山 留 め 変 位 に 伴 う 背 面 側 の 側 圧 変 化 を 考 慮 す る こ と が 可 能 で あ る 。
本 手 法 で は 各 ス テ ッ プ の 増 分 荷 重 を 評 価 す る た め ,各 根 切 り 段 階 で 山 留 め 壁 の 変 位 を 拘 束 し た 状 態 を 想 定 し ,そ の 時 に 掘 削 側 に 生 じ る 側 圧・土 圧 分 布( 平 衡 側 圧 ・ 土 圧 ) を 適 切 に 評 価 す る こ と が 重 要 と な る 。
図 2.2 解 析 法 の 概 念 図
(a-1) 根切り前 (a-2) 根切り直後
( 壁変位拘束 ) (a-3) 荷重 (a-4) 増分変位と側圧変化 (a-5) 根切り後
(c-1) 根切り前 (c-2) 根切り直後
( 壁変位拘束 ) (c-3) 荷重 (c-4) 増分変位と側圧変化 (c-5) 根切り後 (b-1) プレロード前 (b-2) プレロード直後
( 壁変位拘束 ) (b-3) 荷重 (b-4) 変位増分と側圧変化 (b-5) プレロード後
(a)1 次根切り
(b)切梁 プレロード
(c)2 次根切り 初期 側圧
側圧の 減少
受働
側圧 地盤反力
受働 主働 側圧
側圧
側圧の 減少
受働 側圧
受働 側圧
受働 側圧
受働 側圧 地盤反力
地盤反力 主働
側圧
主働 側圧
増分変位
増分変位 掘削
平衡側圧 平衡側圧
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2.4 解 析 法 の 特 長本 解 析 法 は ,山 留 め 壁 の 両 面 に 地 盤 ば ね を 設 置 す る こ と に よ り ,プ レ ロ ー ド あ る い は 掘 削 に 伴 う 背 面 側 お よ び 掘 削 側 の 側 圧 変 化 を 適 切 に 評 価 す る こ と が 可 能 で あ る 。ま た ,施 工 段 階 ご と の 増 分 解 析 を 採 用 し て い る た め ,施 工 過 程 を 考 慮 し て い な い 従 来 の 弾 塑 性 法 1 )で は 取 り 扱 う こ と が 難 し か っ た ,施 工 中 の 地 盤 物 性 変 化 や 山 留 め 壁 の 剛 性 変 化 を 直 接 考 慮 で き る の が 特 長 で あ る 。
本 解 析 法 で 対 応 可 能 な 地 下 工 法 の 例 を 以 下 に 挙 げ る 。
① 施 工 中 に 断 面 性 能 が 変 化 す る 場 合 ( 図 2.3(a))
・ 免 震 ピ ッ ト な ど の ド ラ イ エ リ ア
・ 支 保 工 解 体 時 に 本 設 RC 壁 の 立 ち 上 り 部 を 利 用 す る ケ ー ス ・ 山 留 め 壁 の 本 設 利 用 に よ り 合 成 壁 と な る ケ ー ス
② 施 工 中 に 地 盤 改 良 が 行 わ れ る 場 合 ( 図 2.3(b))
上 記 の よ う な ケ ー ス で は , 本 解 析 法 が 有 効 と い え る 。
- 22 -
(a)施 工 中 に 壁 の 断 面 性 能 が 変 化 す る 場 合
(b)施 工 中 に 地 盤 改 良 が 行 わ れ る 場 合 ( 変 位 対 策 な ど )
図 2.3 本 解 析 で 扱 う こ と が 可 能 な 工 法 の 例
E 2 I 2 E
1I
1掘 削 完 了 地 下 壁 立 上 げ 切 梁 撤 去
E 2 I 2
- 23 -
2.5 ま と め本 章 で は ,掘 削 時 の 側 圧 挙 動 の 概 要 を 示 す と 共 に ,背 面 側 圧 の 変 化 を 考 慮 可 能 な ,施 工 過 程 を 考 慮 し た 逐 次 計 算 に 基 づ く 山 留 め 解 析 法( 両 面 ば ね 法 )の 概 要 を 整 理 し た 。解 析 法 の 考 え 方 や 従 来 の 手 法( 弾 塑 性 法 )と の 相 違 点 を 示 す と 共 に , 適 用 メ リ ッ ト が あ る ケ ー ス の 洗 い 出 し を 行 っ た 。
- 24 -
第 3 章 掘 削 除 荷 時 の 水 平 土 圧 変 化 に 関 す る 室 内 要 素 実 験
3.1 は じ め に
両 面 ば ね 法 で は ,施 工 ス テ ッ プ 毎 の 荷 重 増 分 を 算 定 す る た め ,掘 削 前 の 状 態 の み で な く ,掘 削 中 の 状 態 か ら の 掘 削 除 荷 に 伴 う 土 圧 の 減 少 量( 平 衡 側 圧 )を 適 切 に 評 価 す る 必 要 が あ る 。図 3.1 に 掘 削 側 の 側 圧 変 化 の 模 式 図 を 示 す 。平 衡 側 圧 に つ い て は , 青 木 ら に よ る 実 測 値 に 基 づ い た 検 討 2 1 ), 桂 ら に よ る 要 素 試 験(
K
0除 荷 試 験 )2 2 ) , 2 3 )や 元 井 ら に よ る 模 型 実 験 2 4 )に よ る 検 討 が 行 わ れ て お り , 一 般 的 な 梁・ば ね モ デ ル( 弾 塑 性 法 )に お け る 平 衡 側 圧 の 評 価 法 に 採 用 さ れ て い る 1 )。し か し ,こ れ ら の 検 討 は 掘 削 に よ る 土 被 り 圧 減 少 に 伴 う 静 止 土 圧・側 圧 の 変 化 を 対 象 に し た も の で あ り ( 図 3.1 の ① → ② の 経 路 ), 逐 次 計 算 法 で 必 要 な ,地 盤 反 力 が 発 生 し た 状 態 か ら の 土 被 り 圧 減 少 に 伴 う 土 圧・側 圧 変 化( 図 3.1 の ③ → ④ の 経 路 )に つ い て 検 討 し た 例 は 見 当 た ら な い 。そ こ で ,三 軸 試 験 装 置 に よ り ,任 意 の 応 力 状 態 か ら 鉛 直 応 力 を 除 荷 し た 時 の 水 平 土 圧 変 化 に つ い て 検 討 し た 。図 3.1 掘 削 時 の 土 圧 変 化 モ デ ル 受働破壊線
σ'V
σ'h
σ'V0
σ'V1
σ'V2
p'h2
p'h1
p'h0
主働破壊線
①
④
③
②
①初期状態(静止土圧)
②1次掘削直後(壁を拘束した仮想状態)
③1次掘削完了(地盤反力発生)
④2次掘削直後(壁を拘束した仮想状態)
σ'V p'h
有効上載圧
水平土圧
p'h1A
K0
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3.2 実 験 計 画3.2.1 実 験 概 要
根 切 り 時 の 掘 削 側 地 盤 の 応 力 状 態 を 再 現 す る た め ,掘 削 側 の 土 要 素 を 模 擬 し た 要 素 実 験 を 行 っ た 。 桂 ら 2 3 )は , 施 工 過 程 を 模 擬 し た 要 素 実 験 を 行 い , 砂 質 土 に 対 す る
K
0 除 荷 時 の 側 方 応 力 の 残 留 度 合 い に つ い て 検 討 し て い る 。 本 論 の 実 験 で は ,既 往 のK
0圧 密 か らK
0除 荷 時 の 挙 動 に 加 え ,地 盤 反 力 が 発 生 し た 任 意 の 応 力 状 態 か ら の 土 被 り 圧 減 少 時( 壁 変 位 を 拘 束 し た 条 件 )の 側 方 応 力 変 化 に つ い て も 検 討 し た 。 図 3.2 お よ び 以 下 に 本 実 験 で 用 い た 応 力 経 路 を 示 す 。①
K
0圧 密 過 程 : 側 方 ひ ず み を 生 じ さ せ な い 条 件 下 で , 所 定 の 鉛 直 応 力σ
v0’
( 土 被 り 圧 ) ま で 圧 密 を 行 う 。
② 側 圧 載 荷 過 程 : 鉛 直 応 力 を 一 定 に 保 っ た 状 態 で , 地 盤 反 力 の 発 生 に よ る 側 方 応 力 の 増 大 を 想 定 し , 所 定 の 応 力
σ
h0’
( こ の 時 の 土 圧 係 数 をK
u と 定 義 ) に な る ま で 側 方 応 力 を 載 荷 す る 。③ 除 荷 過 程 : 側 方 ひ ず み を 変 化 さ せ な い 条 件 下 ( 山 留 め 壁 の 変 位 を ゼ ロ と 仮 定 し た 状 態 )で ,鉛 直 応 力 を 除 荷 す る 。な お ,③ の 過 程 の 側 方 応 力 が 平 衡 土 圧 に 相 当 す る 。
図 3.2 実 験 に 用 い た 応 力 経 路 受働破壊線
σh0'
σV0'
σV'
鉛直応力 側
方 応 力
主働 破壊線
Kp
Ku
K0
Ka
σh'
Ku: 除荷開始時 ( 側方ひずみ一定 ) の土圧係数
③ 除荷過程 ( 側方ひずみ一定)
② 側圧載荷過程 ( 鉛直応力一定 )
① K
0
圧密過程 σh'σV'
- 26 -
3.2.2 試 料 お よ び 供 試 体試 料 に は ,豊 浦 砂( 土 粒 子 密 度
ρ
s= 2.631g/cm
3,最 大 間 隙 比e
m a x= 0.97,最 小 間 隙 比e
m a n= 0.62, 均 等 係 数Uc
= 1.6, 平 均 粒 径D
5 0= 0.17mm
) お よ び カ オ リ ン 粘 土( MC ク レ ー ,土 粒 子 密 度ρ
s= 2.744g/cm3,液 性 限 界W
L= 61%,塑 性 指 数I
p= 28%) を 用 い た 。 図 3.3 に 豊 浦 砂 の 粒 径 加 積 曲 線 を 示 す 。供 試 体 寸 法 は , 直 径 5
cm
, 高 さ 10cm
で あ る 。 砂 の 供 試 体 は 空 中 落 下 法 に よ り 作 製 し ,供 試 体 内 の 空 気 を CO2で 置 換 し た 後 ,脱 気 水 を 通 水 し ,バ ッ ク プ レ ッ シ ャ ー を 50kN/m
2載 荷 し て 飽 和 さ せ ,B 値 を 96%以 上 に し た 。粘 土 の 供 試 体 は , 粉 体 の カ オ リ ン 粘 土 に 水 を 加 え , ス ラ リ ー 状 態 ( 含 水 比W= 120% ) に し
た 試 料 を 予 圧 密 装 置 に 投 入 し て 負 圧 に よ り 十 分 に 脱 気 し た 後 , 100kN/m
2の 鉛 直 応 力 で 予 圧 密 す る こ と に よ り 作 製 し た 。予 圧 密 し た 粘 土 試 料 を 成 形 し て 三 軸 試 験 装 置 に 設 置 し た 後 , バ ッ ク プ レ ッ シ ャ ー を 100kN/m
2載 荷 し て B 値 が 96%以 上 で あ る こ と を 確 認 し た 。 な お ,
K
0 圧 密 開 始 前 の 供 試 体 自 立 時 に お い て , 初 期 有 効 拘 束 圧 が 大 き い とK
0値 が 過 大 と な る こ と か ら , 本 実 験 で は 可 能 な 限 り 小 さ い 等 方 圧 ( 10~ 15kN/m
2) か ら 実 験 を 開 始 し た 。図 3.3 豊 浦 砂 の 粒 径 加 積 曲 線
0.01 0 0.1 1 10
20 40 60 80 100
粒 径
(mm)
通過質量百分率
(% )
豊浦砂