• 検索結果がありません。

2014 設計コンテスト研修用 研修テキスト ( 含 補足資料 ) 幾何公差 2014 年 JEITA 3D ISTEC 実証分科会 小池忠男 ( 想図研 ) 設計コンテストの関係者以外の複製 配布を禁止します Copyright (c)2014, Japan Electronics and Inf

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2014 設計コンテスト研修用 研修テキスト ( 含 補足資料 ) 幾何公差 2014 年 JEITA 3D ISTEC 実証分科会 小池忠男 ( 想図研 ) 設計コンテストの関係者以外の複製 配布を禁止します Copyright (c)2014, Japan Electronics and Inf"

Copied!
98
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用

幾何公差

2014年 JEITA 3D ISTEC 実証分科会 小池 忠男(想図研) 1

研修テキスト

(含・補足資料) ★設計コンテストの関係者以外の複製・配布を禁止します。 この研修テキストは 設計コンテスト参加者向け研修会用のものです。 1

(2)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 <内容> 2 第1章 基本事項 1-1. 幾何公差とは 1-2. 幾何公差で使われる用語 1-3. 幾何公差の種類 第2章 形状公差 2-1. 真直度 2-2. 平面度 2-3. 真円度 2-4. 円筒度 第3章 姿勢公差 3-1. 平行度 3-2. 直角度 3-3. 傾斜度 第4章 位置公差 4-1. 位置度 4-2. 同軸度 4-3. 同心度 4-4. 対称度 第5章 輪郭度公差 5-1. 形状公差の輪郭度 5-2. 姿勢公差の輪郭度 5-3. 位置公差の輪郭度 第6章 振れ公差 6-1. 円周振れ 6-2. 全振れ 第7章 特別な指示方法 7-1. 包絡の条件 7-2. 最大実体公差方式 7-3. 突出公差域 第8章 普通幾何公差 8-1. 普通公差方式 8-2. JIS普通幾何公差 8-3. JEITA普通幾何公差 8-4. JISとJEITAの比較 <本テキストの構成> ・第1章は、幾何公差についての基本事項に関して。 比較的重要だと思われる用語と19個の幾何公差の概略を説明している。 ・第2章から第6章までは、幾何公差をその属性から5つに分け、説明している。 「JEITAの普通幾何公差」との関連から、他の幾何公差に比べて、「位置度」と「面の 輪郭度」について詳しく説明する。 ・第7章は、設計コンテストの課題との兼ね合いで、知っていなければならない3つの 指示方法について説明している。 ・第8章は、「JISの普通幾何公差」を含めて「JEITAの普通幾何公差」の説明であり、 「3DAモデルガイドライン」の説明の一部になるものである。 2

(3)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 3 1-1. 幾何公差とは ■ 「寸法公差」による指示とは 40±0.1 30 ± 0.1 m m n m m m n n n n 29.9 ~30. 1 29.9 ~30. 1 29.9~ 30.1 29.9 ~30 .1 29.9~ 30.1 29.9 ~30. 1 29 .9~3 0.1 29 .9~ 30.1 29 .9~3 0.1 29.9 ~30 .1 「長さ寸法」の意味=“二点測定”する「二点寸法」 m=39.9~40.1 n=29.9~30.1 (a) (b) (c) 29. 9 30 .1 0.2 29. 9 30 .1 0.2 39.9 0.2 40.1 39.9 0.2 40.1 高さ寸法 30±0.1 への期待 幅寸法 40±0.1 への期待 <図面指示> <ポイント> ・「寸法公差」を使って図面を書いている設計者の中には、「寸法公差」の意味を誤っ て受け止めているケースがある。 例えば、この図面指示で ・「高さ寸法」30±0.1に期待する解釈は、『上の面は29.9から30.1までの間に在って、 その変動は0.2に抑えられている』というもの また、 ・「幅寸法」40±0.1に期待する解釈も、『幅は39.9から40.1までの間に抑えられてい て、変動は0.2まで』というものである。 しかし、この「高さ寸法」「幅寸法」は、JIS製図規則では、 「長さ寸法」あるいは「大きさ 寸法」といわれるもので、「長さ寸法公差は形体の実寸法だけを規制している」だけで、 「形状偏差」は規制していない。 「長さ寸法」は、“二点測定される「二点寸法」に過ぎない。つまり、「長さ寸法公差は、 形体から形体までの二点測定による値」でしかないのである。 したがって、右下の3つの図で見るように (a)全体に上に湾曲した形状でも、「二点寸法」が29.9~30.1の間にあれば合格 (b)うねるように曲がっていても、 「二点寸法」が29.9~30.1の間にあれば合格 また、 (c)のように、全体が平行四辺形に歪んでいても、mとnの「二点寸法」が、「寸法公差 内」にあれば合格である。 3

(4)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 4 1-1. 幾何公差とは <例1>任意断面における真円度合いはどう表すのか <互いの軸線の位置ずれは?> <例3>互いの軸同士の関係をどう表すのか φ 30 ± 0. 1 φ 15 ± 0. 1 ? ? <互いの軸線の姿勢は?> -0 .0 4 0 φ 1 5 0h 7 任意断面の輪郭 ? <例2>軸全体の直線性はどう表すのか φ10 ±0.1 ? ■ 「寸法公差」指示で 設計意図を表すことができているか (1) <例4>「穴同士はやや厳しい公差」で、「部品基準に対してはそれよ りも緩い公差」にしたいとき、どう表すのか NO.2 NO.1 φ0.05 20 2 20 19.9 φ0.05 φ0.05 NO.3 NO.2 NO.1 20 2 NO.3 19.9 20 15 15 φ0.2 φ0.2 φ0.2 基準面 基準面 <穴相互の公差> <基準からの公差> 「寸法公差」ではどう表すか? NO.3 NO.2 NO.1 3× φ8+0.050 基準面 基準面 <ポイント> ・ここでは、「寸法公差」による図面指示での問題点をいくつか指摘しよう。 <例1> この場合、円筒部品の直径は、φ150+0/-0.04であり、寸法公差0.04に規制され ている。この寸法は「二点寸法」であり、円筒の任意の断面を「二点測定」して149.96 ~150の間にあるか否かを検証して合否判定するだけである。「幾何公差」でいうとこ ろの「真円度0.04」は表現されていない。 <例2> この円筒部品では、直径が10±0.1と指示されているだけで、その検証は例1と同様 に、円筒の任意の断面を「二点測定」して9.9~10.1の間にあるか否かを検証して合 否判定するだけである。 「幾何公差」でいうところの、全長にわたっての軸線、あるい は母線の「真直度」は表現されていない。 <例3> この部品には、2つの軸線が存在している。2つの軸の寸法公差は指示されているが、 2つの軸線同士の平行的隔たりや、2つの軸線の傾き(姿勢関係)など、どうあればよ いかは指定されていない。「幾何公差」における「同軸度」に相当するものである。 <例4> この場合については、「寸法公差」で規制する指示方法は見当たらない。しかし、「幾 何公差」には、(少し難解な指示になるが)その方法がある。 その方法については、後で説明する。 4

(5)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 5 1-1. 幾何公差とは 19 .9 20 .1 互いに平行な平面 定盤 定盤など ハイトゲージ 定盤 支え 支え 20 A 0.2 A 0.1 0.1 0.2 20 公差値 互いに平行な平面 定盤など <寸法公差による指示> <設計者の意図> <設計者の意図を正確に表した図面指示> <左記の図面指示の解釈> 20 ± 0.1 20 ± 0. 1 基準面 ■ 「寸法公差」指示で 設計意図を表すことができているか (2) <ポイント> ・ここでは、「寸法公差」指示における、 「寸法起点」 の意味、あるいは「基準面」指示 の不確かについて説明する。 ・左上の図面指示で、設計者の意図は右側の点線の内部に示すものだとする。 つまり ⇒「寸法起点」あるいは「基準面」を定盤等に置いて、そこから直角に距離19.9~ 20.1であってほしい ⇒具体的には、ハイトゲージなどを使って測る ⇒ぐらぐらして不安定なときは、支え(スペーサ)などを入れて安定させて測る ◆この「寸法公差」による指示で、果たして「設計者の意図」は正確に伝えられている か。 ・この「設計者の意図」を「正確に伝える図面指示」は、左下のような図面指示である。 ⇒その解釈は、一義的に、右側に示すようなものになる。 ・つまり、「幾何公差」を用いることで、はじめて設計者の意図を正確に伝えることがで きる、のである。 5

(6)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 6 1-1. 幾何公差とは ■ <例4>の「穴同士:厳しい公差」&「部品基準:緩い公差」 ⇒ 幾何公差による指示は <穴相互の公差域> <基準からの公差域> NO.2 NO.1 φ0.05 20 2 20 19.9 φ0.05 φ0.05 NO.3 NO.2 NO.1 20 2 NO.3 19.9 20 15 15 φ0.2 φ0.2 φ0.2 基準面 基準面 NO.3 NO.2 NO.1 3× φ80 +0.05 基準面 基準面 ・JIS/ISO:「公差の組合せ」 ・ASME:「複合位置度公差」 <対象の部品> NO.1 NO.3 NO.2 3×φ8+0.050 A B C A φ0.05 φ0.2 B C A <幾何公差による指示> <2つの公差域の変動の様子> 15 15 15 15 <ポイント> ・先に取り上げた<例4>に対する「幾何公差」を用いた指示方法を示しておく。 ・これは、JISでは「公差の組合せ」(*1)、ASMEでは「複合位置度公差」記入法と言 われるものである。 ・「位置度の幾何特性記号」を1つ用いて、上段枠で三平面データム系からの位置度 公差を指示し、下段枠で形体相互の位置度公差を指示する方法である。 ・この「複合位置度公差」の場合は、「上段枠で指示した規制」と「下段枠で指示した 規制」の2つが同時に満足していなければならない。 ・公差域φ0.2と公差域φ0.05の2つの公差域の変動の様子の2つのケースを、右下 の図で示しているが、狭い公差域の一部でも、大きい公差域からはみ出たものはNG で、両者の公差域が重なった領域が合格である。 ・なお、それぞれ「位置度の幾何特性記号」を用いて 「三平面データム系からの位置 度公差」と「形体相互の位置度公差」とを2段重ねて指示する(下図参照)方法とは意 味が異なるので注意が必要である。この場合は、それぞれの公差域が独自に満足し ていれば合格である。 (*1)JIS B 0025 (ISO/DIS 5458)「製図ー幾何公差表示方式ー位置度公差方式」 6 3×φ8+0.050 A B C A φ0.05 φ0.2

(7)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 7 《従来からの考え方》 ・「寸法によって、形状と位置を規制すれば、所定の物は造ることができる」 ・「精度の高いものは、寸法公差を厳しくすれば、達成できる」 ⇒ どうして幾何公差が必要か、よくわからない(ようです) 《幾何公差を用いるようになった背景》 ・「欧米では、幾何公差を用いた図面でないと、設計意図が正確に通じない」 ・「寸法公差と幾何公差の両者をうまく使えば、製造しやすく、経済的になる」 ⇒ 幾何公差を理解し、適切に使うことは重要だ、と気づきつつある(ようです) ・幾何公差は 設計の“機能的要求”によって指示するもの ・幾何公差とは 対象物の“幾何学的な定義”である (対象物の「形状」「姿勢」「位置」「振れ」を 一定の公差域内に規制する) ・図面で指示される幾何公差は 製造方法や測定方法を特定するものではない 1-1. 幾何公差とは ■ 幾何公差は、なぜ必要なのか ■ 幾何公差の特徴 <ポイント> ・欧米では、「幾何公差の入っていない図面は、貧弱な図面だ」(図面として体をなし ていない)と言われる。 ・欧米人の疑問、「日本人は、幾何公差のない寸法公差だけの図面で、どうして設計 意図を正確に伝えられるのか?」 7

(8)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 8 1-1. 幾何公差とは 「幾何公差」では、「対象物(部品)は複数の“形体”からできているもの」と考えます。 その“形体”が、どのようになっていればよいかを指示するのが幾何公差です。 幾何公差は、国際的に合意された方式で、設計や生産技術の共通語です。 寸法公差指示に比べて、この幾何公差の重要性は増しています。 幾何公差においても、寸法と同様に、ばらつき(偏差)の許容値が公差です。 幾何公差は、全部で19個(記号の数でいえば14個)あります。 (形状公差が6つ。姿勢公差が5つ。位置公差が6つ。振れ公差が2つ) 幾何公差は、図示記号をベースとした指示ルールにしたがって指示します。 また、機械製図にはない、いくつかの幾何公差特有の用語があります。 したがって、幾何公差を正しく使うためには、 用語の意味を理解したうえで、正しい指示ルールを身に付ける必要があります。 <ポイント> ・幾何公差の理解には、「形体」という用語の理解が欠かせない。 ・対象物(部品)は、多数の「形体」から構成されているとみる。 ・この「形体」がどのような状態(幾何的状態)になっていればよいか、を決めるのが 「幾何公差」である。 ・「幾何公差」は、設計と生産技術における「国際共通語」。 ・これを正しく身に付ければ、それは世界のどこにおいても通用する。 ・「幾何特性のばらつき」=「幾何偏差」。 ・「幾何偏差」に「数値(公差値)」が入ったもの=「幾何公差」。 ・幾何公差は、全部で19個ある。 ・記号の数からすると、14個。 ・幾何公差の指示は、図示記号によって行う。 ・幾何公差には、独特な用語がある。 ・この用語を理解して、記号を正しく使うことが重要。 8

(9)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 9 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ 形体 (Feature) 部品(対象物)の 「表面」、「穴」 などを 「形体」 という 幾何公差は、それら形体に対して指示される その形体が、どれだけの領域内に収まっていればよいかを指定する その領域内を、「公差域」という 形体は、2つに大別される ①現実に存在するもの (円筒の外側表面など) → 「外殻形体」 という ②実在するものから導かれるもの (軸線・中心面など) → 「誘導形体」 という (2本の)軸線 =誘導形体 (円筒外径また は内径を測って 導かれるもの =仮想的) 外側表面 =外殻形体 (現実に存在 するもの) 中心面 =誘導形体 (平行な2つの表面を 測って導かれるもの =仮想的) 外側表面 =外殻形体 (現実に存在 するもの) ★ <ポイント> ・部品は、様々な「形体」からできている ・その「形体」について、どうあればよいかを指示するのが「幾何公差」 ・どうあればよいかは、ある範囲の領域(これが公差域)を示すことである。 ・幾何公差を指示するうえで、その形体が ①外殻形体か(「実際に存在するもの」、「じかに空気に触れる表面」) ②誘導形体か(「実在するものを測定して求めれられるもの」、「仮想的」) を区別することは非常に重要である。 その2つの方法は、まったく異なるから…。 ・部品(対象物)を見たら、どんな「形体」から出来ているか、考えられることが、幾何 公差を使う上で大切。 9

(10)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 10 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ 形体 (Feature) 外殻形体 外殻形体 誘導形体 誘導形体 誘導形体 外殻形体 外殻形体 外殻形体 外殻形体 誘導形体 誘導形体 外側形体 内側形体 「外側形体」と「内側形体」 ⇒はまり合う形体同士のとき ⇒最大実体公差方式(マルM)のとき重要になる ⇒幾何公差を指示するときに 重要になってくる 「外殻形体」か 「誘導形体」か <問> この部品には どのような「形体」が いくつあるか ★ <ポイント> ・直方体の部品の場合 ⇒外殻形体:6つ ⇒誘導形体:3つ ・円筒状の部品の場合 ⇒外殻形体:3つ ⇒誘導形体:2つ ・部品は、また、別の見方がある 円筒穴のある円筒状の部品においては ①外側形体 ②内側形体 ⇒これは、穴部品と軸部品とが「はまり合う」場合に重要になってくる概念。 ⇒「外側形体」か「内側形体」によって、「幾何公差」の扱いが異なってくるから。 (詳細は後ろの章で紹介する) <問> ・この部品はどのような形体から出来ているか、を考える設問 ・円筒状の軸に、半月キーの溝らしきものが付いた部品例 ⇒どのような形体が、いくつあるだろうか ⇒外殻形体は?誘導形体は? 10

(11)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 11 (2) (1) (5) (3) (4) (8) (7) (10) (9) (6)

・直線形体 (straight line feature)‥(4)(9) ・平面形体 (plane feature)‥(2)(3)(5)(6)(7)(10) ・円筒形体 (cylindrical feature)‥(1)(8) ・軸線(中心線)(axis)‥(4)(9) ・中心面 (median plane)‥(5)(10) 平面形体 平面形体 中心面 平面形体 平面形体 円筒形体 円筒形体 軸線 軸線 中心面 部品 に存在する「形体」 <問>の答え ・外殻形体…(1)(2)(3)(6)(7)(8) ・誘導形体…(4)(5)(9)(10) <ポイント> ・この部品は、全部で10個の「形体」から成り立っている。 (1)円筒の周面:円筒形体=外殻形体=外側形体 (2)円筒の手前の表面:円形の平面形体=外殻形体 (3)円筒の奥側の表面:円形の平面形体=外殻形体 (4)円筒の任意の断面における円形体の中心(点)を結んだ線:軸線(中心線)=誘 導形体 (5)円筒の手前の表面と奥側の表面との中間にある平面:中心面=誘導形体 (6)部分円筒の手前の半円の表面:平面形体=外殻形体=内側形体 (7)部分円筒の奥側の半円の表面:平面形体=外殻形体=内側形体 (8)部分円筒の周面:円筒形体=外殻形体=内側形体 (9)部分円筒の任意の断面における円形体の中心(点)を結んだ線:軸線(中心線) =誘導形体 (10)部分円筒の手前の半円の表面と奥側の半円の表面との中間にある平面:中心 面=誘導形体 11

(12)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 12 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) A A 形体の姿勢偏差、位置偏差、振れなどを決めるために設定した、理論的に正確な幾何学的基準 のこと 図面指示 解釈 実際の設定 「関連形体に幾何公差を指示するときに、その公差域を規制するために設定した 理論的に正確な幾何学的基準」 (JIS B 0022:1984) データム形体 データム(平面) 実用データム形体(定盤など) データム形体 データム平面 データム形体 データム(軸直線) データム形体 実用データム形体 データム=最大内接円筒の軸線 =最大内接円筒 ★ <ポイント> ・データムは、関連形体の幾何公差を指示するときに必要なもの。 ・簡単にいえば、「基準」である。 *典型的な2つの「データム」の説明。 (1)データム平面(左図):平らな表面をデータムに指定する場合 ・その部品のデータム指定した部分(形体)を「データム形体」という ・その凹凸のあるデータム形体の出っ張った3か所に接触する「完全な平面」が「デー タム」であり、この場合は「データム平面」という ・「データム」は現実には存在しない。 ・実在するもので代用するのが「実用データム形体」である。これは、定盤等である。 ・「データム形体」よりも1ケタ以上精度の良い平面を備えた「実体」である。 (2)データム軸直線(右図):円筒の軸線をデータムに指定する場合 ・データムに指定した形体は、軸線であり、直線形体である。 ・このときのデータムは、「データム軸直線」と呼ばれる。 ・この場合の実在するもので代用する「実用データム形体」は、精度の良い「軸(スピン ドル)」である。 ・この軸は、「データム形体」(円筒穴)にピッタリはまり合う「最大内接円筒」である。 ・「データム」は、この「最大内接円筒の軸線」である。 ・データムは理想的な形状なので、直線であるから「データム軸直線」という。 12

(13)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 13 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) 「二つのデータム形体によって設定される単一のデータム」 (JIS B 0022) A B φ φ A-B B A A-B <図面指示例> 左の指示例は、2つのデータム軸直線A,Bを 「共通データム」とする例 <設定例> 2つの最小外接同軸円筒の軸線(これが実用データ ム)によって設定される共通軸直線がデータムとなる ←同軸が保証された2つの外接円筒 で支持することが必要 固定式支持 調整式支持 「共通データム」とは 実用データム形体=接触面 データム形体 データムA-B <ポイント> ・データムとして、比較的用いられるものに「共通データム」がある。 ・ 「共通データム」は「単一データム」である。1つのデータムとして扱われる。 ・(右図に示すように)実際の部品の左の「データム軸直線」と右の「データム軸直線」 が互いに同一直線上になくても、実際の支持する「実用データム形体」は、それ自体、 良い精度の「同軸が保証された1対の支持具」である。その支持具の軸線が、「データ ム軸直線」となる。 13

(14)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 14 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) 「公差付き形体の基準とするために、個別に2つ以上のデータムを組み合わせて用 いる場合のデータムのグループ」 (JIS B 0022) 位置公差は一般に、互いに直交する3つのデータム平面と関連して指示する。 これらの三平面によって構成されるデータム系を、「三平面データム系」という。 データムの一義性を確保するため、データムの優先順位を定めて指示する Y X Z C B A JEITA DS1 第1次データム平面 第2次データム平面 第3次データム平面 X Y C B A JEITA DS1 第1次データム平面 第2次データム平面 第3次データム平面 Z <円筒状の対象物の場合> <注> DS1: データム系1を表す 「データム系」とは 「三平面データム系」による指示 ★ <ポイント> ・データムのグループが「データム系」 ・直交する3つのデータムのグループから成るのが「三平面データム系」 ⇒「JEITAの普通幾何公差」を理解する上では、 「三平面データム系」は必須 前提:データムの優先順位;A⇒B⇒C 「通常の(直方体の)対象物の場合の三平面データム系」(図示のもの) ・第1次データム平面:データム形体Aを含む平面 ・第2次データム平面:第1次データム平面に直角で、データム形体Bを含む平面 ・第3次データム平面:第1次データム平面に直角、第2次データム平面に直角で、 データム形体Cを含む平面 「円筒状の対象物の場合の三平面データム系」 (図示のもの) ・第1次データム平面:データム形体Aを含む平面 ・第2次データム平面:第1次データム平面に直角で、データム形体B(軸線)を含む 平面 ・第3次データム平面:第1次データム平面に直角、第2次データム平面に直角で、 データム形体B(軸線)とデータム形体C(軸線)の両方を含む平面 14

(15)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 15 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) 「データムを設定するために、加工、測定及び検査用の装置、器具などに接触さ せる対象物上の点、線又は限定した領域」 (JIS B 0022) A1 A3 C1 φ0.1 ABC A φ0.05 A B C φ4 B1 φ4 B2 A2 ◆点のデータムターゲット ◆線のデータムターゲット ◆領域のデータムターゲット A1 φ4 A1 A1 「データムターゲット」とは 「データムターゲット」による指示 <ポイント> ・「データムターゲット」とは、「データム」設定において、加工と検証用の装置や器具な どに直接接触させる「点」「線」「領域」である。 それらは、以下のように呼ばれる。 ・「点のデータムターゲット」、「データムターゲットポイント」 ・「線のデータムターゲット」、「データムターゲットライン」 ・「領域のデータムターゲット」、「データムターゲットエリヤ」 <左図の指示例の説明> ・|位置度|φ0.1|A|B|C|の指示があるので ・第1次データム平面A:3か所の「点のデータムターゲット」で受ける (面に直角な方向の移動の自由度、面を含む2軸の軸周りの自由度の3自由度が拘 束される) ・第2次データム平面B:2か所の「領域のデータムターゲット」で受ける (面に直角な方向の移動の自由度、面を含む1軸周りの自由度の2自由度が拘束さ れる) ・第3次データム平面C:1か所の「点のデータムターゲット」で受ける (面に直角な方向の移動の自由度の1自由度が拘束される) (以上で、6自由度すべてが拘束され、この部品が三平面データム系に固定され、 「位置度の公差付き形体」の加工および検証が可能となる) <注意点> 「データムターゲット」の記号指示をしたからと言って、「データム三角記号」の指示を 省略することはできない。 15

(16)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 16 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) 「データムターゲット」の実際例 《図面指示》 《実用データム形体》 A1 A2 A3 A B1 B2 B C1 C3 φ6 φ6 C C2 φ6 先端が小さな球面状 のピン 先端が平坦なピン (指示径がピン外径) 円筒ピンの母線で支持 《図面指示》 <ポイント> ・3つの「データムターゲット」の実際例の紹介 ・「点のデータムターゲット」の場合 ピンの端部先端が半球形状の「突き当て」(locating button)によって支持する ⇒ほぼ点接触となるので、質量の大きな部品には向かない。線、領域などのデータム ターゲットを検討する ・「線のデータムターゲット」の場合 ピンの母線(軸線に平行な円筒表面上の直線部)で支持する ・「領域のデータムターゲット」の場合 ピンの端部平坦部(エッジは糸面取り、C0.3程度の処理あり)で支持する ⇒面接触となるので、質量のある部品にも対応できる。 図面で支持された直径が、ピンの外径である。 16

(17)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 17 三平面データム系の指示例 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ データム (Datum) 第2次データム平面 データム形体B (直径4の軸線) 第2次データム平面: 右の直径4の軸線を含み第1次データム平面 と第3次データム平面に直交するデータム平 面。 データム形体C (直径4の軸線) 第3次データム平面 第3次データム平面: 右の直径4の軸線と左の直径4の軸線を共 に含むデータム平面。第1次データム平面 と第2次データム平面に直交 第1次データム平面 第1次データム平面: 離れた3か所の平面度0.05CZの平面形 体によって設定されるデータム平面 データム形体A (平面度0.05CZの平面) C B A JEITA DS1 ★ <ポイント> ・この部品では、第1次データムとして、3か所のわずかに出っ張った平面形体がデー タム平面Aを構成している。この平面は、平面度0.05の共通公差域に収まったデータ ム平面である。 ・次の第2次データムは、データムBであるφ4±0.05の円筒穴の軸線を含むデータム 平面である。この時点では、平面の方向は決まらない。 ・第3次データムは、データムBとデータムC(図で左側のφ4±0.05の円筒穴の軸線) の両者を含む平面となる。これが決まると、初めて第2次データム平面が確定する。 つまり、第3次データム平面に直角で、データム形体B(軸線)を通る平面である。もち ろん、この平面は、第1次データム平面にも直角である。 <注意点> ・データム軸直線Bとデータム軸直線Cを含む平面が、第2次データム平面ではないこ とに注意。 17

(18)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 18 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ 公差域 (tolerance zone) ◆点の規制 ◆円形の規制 ◆直線の規制 ◆曲線の規制 <その1> 平面的領域(2次元的領域)をもつもの <例>円の中心 <例>平面上の直線要素 <例>円筒の輪郭 <例>平面上の曲線要素 φf Et E 一方向 f L C f K Kt φf ★ <ポイント> *公差域は、大きく「平面的領域」と「立体的領域」の2つからなる。 ◆平面的領域を持つ公差域は、以下の4つ。 (1)(円の中心(点)など)点の変動を規制する「直径fを公差値とする公差域」 (2)(平面上に存在するなどの)直線の変動を規制する「間隔fを公差値とする平行 二平面間の公差域」 (3)(円筒の任意の横断面に表れる輪郭などの)円形の変動を規制する「同心とする 大小二円の半径差の公差域」 (4)(曲面上の線要素など)曲線の変動を規制する「直径fの円によって囲まれる公 差域」 18

(19)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 19 1-2. 幾何公差で使われる用語 ◆ 公差域 (tolerance zone) <その2> 空間的領域(3次元的領域)をもつもの ◆円筒の規制 ◆平面の規制 ◆曲面の規制 ◆点の規制 ◆直線の規制 <例>球の中心 <例>円筒の周面 <例>軸線、稜線などの直線要素 <例>曲面の表面 <例>平面の表面 Sφf Et E f Z f P Sφf Ft F 二方向 L f2 f1 L φf ★ <ポイント> ◆こちらは空間的領域をもつ公差域で、全部で6つ。 (1)(球の中心点、頂点などの)点の変動を規制する「球の直径fを公差値とする公差 域」 (2)(円筒の周面など)円筒面の変動を規制する「同軸とする大小二円筒の半径差を 公差値とする公差域」 (3)(円筒の軸線など)直線要素の変動を規制する「水平方向の辺の長さf1、垂直 方向の辺の長さf2の長方形を断面とする直方体の公差域」 (4)(円筒の軸線など)直線要素の変動を規制する「公差値fを直径とする円筒内部 が公差域」 (5)(平坦な表面など)平面の変動を規制する「間隔fの平行二平面間が公差域」 (6)(曲面全般にわたる)曲面の変動を規制する「公差値fを直径とする球によって囲 まれる空間が公差域」 19

(20)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved.

2014設計コンテスト 研修用

20 1-2. 幾何公差で使われる用語

◆ 理論的に正確な寸法 (theoretically exact dimension : TED)

「形体の位置又は方向を幾何公差(輪郭度、位置度、傾斜度の公差)を用いて指示するときに、 その理論的輪郭、位置又は方向を決めるための基準とする正確な寸法」 (JIS Z 8114:1999) 25 15 φ0.08 φ8 A B C A B C 15 A 50 B 50±0.2 0.1 A B R30 A A 0.1 60° 「輪郭度」での使用例 「位置度」での使用例 「傾斜度」での使用例 ・寸法公差をもたない寸法 ・“枠付き寸法”ともいわれる ・「TED」(テッド)という言い方もされる ★ <ポイント> ・「理論的に正確な寸法」は、寸法公差にはなく、幾何公差においてのみ用いられる 用語である。 ・これが用いられる幾何公差は、「輪郭度」「位置度」「傾斜度」の3つだけである。 ・輪郭度では、規制したい対象(形体)の「真の輪郭」を決定するために、最低限用い られる。 ・位置度では、規制したい対象(形体)の「真の位置」を決定するために用いられる。 ・傾斜度では、規制したい対象(形体)のデータムと「真にあってほしい角度関係」を指 定するために用いられる。 20

(21)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 21 1-2. 幾何公差で使われる用語 「理論的に正確な寸法」による指示について ★ 指示において 「並列寸法記入法」 、「直列寸法記入法」のいずれを用いても、その差はない

NO.1 NO.2 NO.3

0 +0.05 3×φ8 10 ± 0. 1 20±0.1 20±0.1 10±0.1 0. 2 10 .1 9. 9 29.8 9.9 49.7

NO.1 NO.2 NO.3 0.2 0.4 0.6 NO.1 NO.2 NO.3

0 +0.05 3×φ8 10 ± 0. 1 10±0.1 30±0.1 50±0.1 0.2 10.1 9.9 9.9 29.9 49.9

NO.1 NO.2 NO.3 0.2 0.2 0.2 NO.1 NO.2 NO.3

30 50 10 10 A B A B 3× φ8+0.050 φ0.2

NO.1 NO.2 NO.3

10 10 20 20 A B A B 3× φ8+0.050 φ0.2 10 実用データム形体A NO.2 NO.3 NO.1 10 20 20 φ0.2 φ0.2 φ0.2 実用データム形体B <公差域> <公差域> <公差域> 「並列寸法記入法」 「直列寸法記入法」

NO.1 NO.2 NO.3

0 +0.05 3×φ8 10 ± 0. 1 50±0.1 30±0.1 10±0.1 「累進寸法記入法」 <ポイント> ・「理論的に正確な寸法」について、その指示方法が「並列寸法記入法」 と「直列寸 法記入法」とで違いがあるか、疑問に思っている人がいる。 ・「理論的に正確な寸法」は「公差を持たない寸法」。 したがって、基本的には、 「理論的に正確な寸法」の場合は、 「並列寸法記入法」 で 指示しても、 「直列寸法記入法」で指示しても、その意味するところは、全く同じである。 ・基準(データム)からの位置寸法がいくつか直接的にわかるという点では、 「並列寸 法記入法」の方が、図面の読み手には親切だといえる。 (参考として下側の図で) 寸法公差における「並列寸法記入法」、「累進寸法記入法」と「直列寸法記入法」に おける許容域(公差域)の違いを示す。 ただし、この図は、部品の下辺と左辺が直角になっているとの前提の表現になってい るので、かなり理想的になっているので、注意が必要。 「二点測定」による公差域は、これとは大いに異なる。 21

(22)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 22 幾何公差は 全部で19個 記号の数では 14個ある ★JIS B0021 「製品の幾何特性仕様(GPS)-幾何公差表示方式 -形状、姿勢、位置及び振れの公差表示方式」 形状公差 6つ 姿勢公差 5つ 位置公差 6つ 振れ公差 2つ 《ポイント》 ①「輪郭度」には、線 と面の2つがあり、形 状公差、姿勢公差、 位置公差の3つの使 い方がある ②「位置度」には、 データムを用いる場 合と用いない場合の 2つの使い方がある ③同じ記号を使って 「同軸度」と「同心度」 の2つがある 特性 記号 振れ公差 位置公差 姿勢公差 形状公差 公差の種類 (form (run-out tolerance) (location (orientation tolerance) tolerance) tolerance) 平面度 (flatness) 真円度 (roundness) 円筒度 (cylindricity) 真直度 (straightness) 線の輪郭度(profile of a line) 面の輪郭度(profile of a surface) 傾斜度 (angularity) 面の輪郭度 線の輪郭度 直角度 (perpendicularity) 平行度 (parallelism) 同軸度 (coaxiality) 同心度 (concentricity) 対称度 (symmetry) 面の輪郭度 線の輪郭度 位置度 (position) 全振れ (total run-out) 円周振れ(circular run-out) 1-3. 幾何公差の種類 デ ー タ ム は 不 要 デ ー タ ム が 必 要 *データムが不要な場合と必要な場合とがある * ★ ★ ★ <ポイント> ・これが、現在、定義されている幾何公差のすべてである。 ・定義上は、全部で19個。 ・記号の数では、14個となる。 ・幾何公差は、「形状公差」、「姿勢公差」、「位置公差」、「振れ公差」の4つに大別さ れる。 ・輪郭度(線と面の2つ)は、特殊な幾何公差で、 「形状公差」、「姿勢公差」、「位置 公差」の3つの用い方がある。 ・位置度も、少し特殊な幾何公差で、「データムを必要としない=単独形体の幾何公 差」と、「データムを必要とする=関連形体の幾何公差」の2つの用い方がある。 ・同じ記号を使って「同軸度」と「同心度」という2つの用い方がある。 ・振れ公差(円周振れと全振れ)は、1つの軸線を基準に回転させて回転面の変動を 評価する、他の幾何公差とは異質な特性を対象とする幾何公差である。 ・振れ公差は、動的変動を対象とする幾何公差である。 ・その他の公差は、静的変動を対象とする幾何公差である。 22

(23)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 23 1-3. 幾何公差の種類 形状公差 ◆ 「真直度」 ◆ 「平面度」 ◆ 「真円度」 ◆ 「円筒度」 ◆ 「線の輪郭度」 ◆ 「面の輪郭度」 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの ・真っ直ぐであるべき線がどれだけ直線と隔たってもよいか ・真っ平らであるべき面がどれだけ平面と隔たってもよいか ・円形であるべき輪郭がどれだけ真円と隔たってもよいか ・円筒であるべき形状がどれだけ正確な円筒と隔たってもよいか ・輪郭線が目標の正しい輪郭線とどれだけ隔たってもよいか ・輪郭面が目標の正しい輪郭面とどれだけ隔たってもよいか <6個> <ポイント> ・形状公差は、ここに掲げる6つ。 ・すべてデータムを必要としない、形体自体の状態で決定される「単独形体の幾何公 差」である。 23

(24)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 24 1-3. 幾何公差の種類 姿勢公差 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの ◆ 「平行度」 ◆ 「直角度」 ◆ 「傾斜度」 ◆ 「線の輪郭度」 ◆ 「面の輪郭度」 ・基準の平面に対して平行であるべき表面がどれだけ隔たってもよいか ・基準の平面に対してある角度であるべき表面がどれだけ隔たってもよ いか ・基準の平面に対して直角であるべき表面がどれだけ隔たってもよいか ・輪郭線が基準に対して目標の正しい姿勢での輪郭線とどれだけ隔たっ てもよいか ・輪郭面が基準に対して目標の正しい姿勢での輪郭面とどれだけ隔たっ てもよいか 基準 対象 基準 対象 対象 基準 基準 基準 <5個> <テキスト> ・姿勢公差は、ここに示す5つ。 ・すべてデータムを必要とする、データム(基準)に対する形体の状態で決定される 「関連形体の幾何公差」である。 24

(25)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 25 1-3. 幾何公差の種類 位置公差 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの ◆ 「位置度」 ◆ 「同軸度」 ◆ 「同心度」 ◆ 「線の輪郭度」 ◆ 「面の輪郭度」 ◆ 「対称度」 ・対象の線が基準に対して正しい位置からどれだけ隔たってもよいか ・対象の軸線が基準の軸線に対してどれだけ隔たってもよいか ・対象の中心が基準の中心に対してどれだけ隔たってもよいか ・対象の中心面が基準の中心面からどれだけ隔たってもよいか ・輪郭線が基準に対して目標の正しい位置での輪郭線とどれだけ隔たっ てもよいか ・輪郭面が基準に対して目標の正しい位置での輪郭面とどれだけ隔たっ てもよいか 基準 基準 基準(真位置) 基準 基準 基準(真位置) <6個> <テキスト> ・位置公差は、ここに示す6つ。 ・(位置度を除いて)すべてデータムを必要とする、データム(基準)に対する形体の状 態で決定される「関連形体の幾何公差」である。 ・位置度の場合は、データムを必要とする場合と必要としない場合の2つがある。 25

(26)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 26 1-3. 幾何公差の種類 振れ公差 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの ◆ 「円周振れ」 ◆ 「全振れ」 回転軸 回転軸 ・対象の表面の一部が対象物を1回転させたときにどれだけ変動しても よいか ・対象の表面全体が対象物を1回転させたときにどれだけ変動してもよ いか <2個> *「円周振れ」には、次の4種類がある 「半径方向」、「軸方向」、「斜め法線方向」、「斜め指定方向」 *「全振れ」には、次の2種類がある 「半径方向」、「軸方向」 <ポイント> ・振れ公差は、ここに示す2つ。 ・いずれも、データムを必要とする。そのデータムは、いずれも軸線である。 ・ここに示す「円周振れ」は、「半径方向の円周振れ」であり、この他に「軸方向」「斜め 法線方向」「斜め指定方向」の合計4つがある。 ・全振れには「半径方向」と「軸方向」の2つがあり、ここに示すのは「半径方向の全振 れ」である。 26

(27)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 27 2-1. 真直度 X Y t x5 x4 x3 x1 x2 X Y t y1 y2 y3 y4 y5 y6 0.1 0.1 表面上の直線要素 対象の表面 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 第2章 形状公差 <長手方向の直線要素の場合> <短手方向の直線要素の場合> <事例> 平坦な表面上にある直線要素を規制する <公差域> 公差値を間隔とする平行二直線間 <ポイント>表面上のどの方向の直線要素を規制したいのかを明確に指示する <図面指示> <図面指示> ■ 真直度が指示できるのは直線形体だけ ここから、19個の個々の幾何公差の説明となる。 <ポイント> ・真直度の指示でだいじなことは、対象の直線要素を明確に指示することである。特に、 3次元CADの3Dモデル上での指示では、特に注意を要する。 ・2D図面で指示する場合には、どの投影図において指示するかが、重要である。 27

(28)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 28 2-2. 平面度 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 第2章 形状公差 対象の表面 t t 0.1 t t <事例> 平坦な表面全体を規制する <ポイント>対向する表面(底面)との平行関係に ついては、何ら規制していない <公差域> 公差値を間隔とする平行二平面間 <ポイント>平行度は平行二平面間にあればよく、表面全体の形状の特徴 (例えば、上に凸、下に凸など)は規制していない <図面指示> ■ 平面度が指示できるのは平面形体だけ <ポイント> ・平面度の公差域は、「間隔を公差値とする平行二平面に挟まれた空間」である。 ・対向する表面との「平行性」は何ら問題視していない。 ・平面度を指示したからといって、その表面の「形状の特徴」までは規制していない。 「中高であること」「中高を許さない」などの指定は、公差記入枠の下側近傍に、注記 として指示する。 28

(29)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 29 2-2. 平面度 第2章 形状公差 ■ 平面度における 記号“CZ”の使い方 表面C 表面B 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1CZ A.それぞれの公差域 が0.1であればよい とき B.2つとも1つの公差域 0.1がほしいとき *通常はこのように、1つの公 差記入枠を使って指示する *公差値の後に記号“CZ”を追加する 離れて同じ位置にある2つの平坦な表面に 指示する平面度指示には 2通りがある <図面指示> <図面指示> CZ:common zone 「共通公差域」 幾つかの離れた形体に対して 1つの公差域を適用する場合 に公差記入枠の中に 記入する文字記号 <ポイント> ・同じ位置に離れて複数ある平坦な表面への「平面度」の指示では、注意が必要。 ・指示方法には、2種類がある。 「それぞれが単に同じ値の平面度であればよいとき」⇒A 「複数あるが、1つの共通の公差域に収めたいとき」⇒B。 このときは「共通公差域」を表す記号“CZ”を用いる。 ・加工上は、圧倒的に、Bが難しい。 29

(30)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 30 2-3. 真円度 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 第2章 形状公差 軸線 軸線に直角な任意の横断面 円筒形体 円筒の輪郭 軸線 軸線に直角な任意の横断面 円すい形体 円すいの輪郭 大きな円 小さな円 対象の輪郭 対象の輪郭 内接円 外接円 t (公差値) φ 0.1 0.1 φ φ 対象の輪郭 0.1 ■ 円筒部品 ■ 円すい部品 ◆ 「真円度」の考え方 ◆ 「真円度」の公差域 <図面指示> <図面指示> ■ 真円度が指示できるのは円形形体だけ <ポイント> ・真円度が適用できるのは、その形体の軸線に直角な横断面で、その形体を仮に切 断して、その縁に表れる輪郭が円形形体の場合である。 ・ここでは、円筒形状、円すい形状の場合を示しているが、このほか、太鼓状、鼓状な どの回転形体にも適用できる。また、球にも適用できる。 ・その公差域は、「中心を同じくする大小2つの円の半径差の値」となる。 ・形体が円筒、円すい、太鼓、鼓のいずれにせよ、公差記入枠からの指示線の矢印 は、軸線に対して直角に当てるのがよい。 30

(31)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 31 2-4. 円筒度 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 第2章 形状公差 小さな円筒 大きな円筒 同軸 実際の軸線 任意の横断面にける輪郭 φ 0.1 実際の輪郭 0.1(公差値) 小さな円筒 大きな円筒 <図面指示> <公差域> ■ 円筒度が指示できるのは円筒形体だけ *公差域は、同軸の大小2つの円筒 に囲まれた空間 この空間に対象の円筒表面がすべて あればよい *明らかに円筒形でないものは円筒度では規制できない a) 太鼓形状 b) 鼓形状 c) 円すい形状 *円筒度の規制対象は、円筒の 周面、つまり外殻形体である <ポイント> ・円筒度が適用できる形体は、円筒形体のみである。 ・太鼓状、鼓状、円すい状の形体には、円筒度は適用できない。たとえ、円筒度の公 差値が大きいからといっても、これらの形体を円筒度で規制しようとするのは誤りであ る。 ・円筒度の公差域は、「同軸の大小2つの円筒の半径差で表わされる空間」である。 (例えば、食べ物の「ちくわ」をイメージするとよい) 31

(32)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 32 3-1. 平行度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第3章 姿勢公差 基準とする表面 対象の表面 t 互いに平行な平面 互いに平行な平面 t(公差域) 実用データム形体 A A 0.1 互いに平行な平面 0.1 (公差値) 実用データム形体 ■ データム(平面・直線)に対して平行な形体(平面・直線)が規制対象 <図面指示> *公差域は、データム平面に対して平行であって 公差値を間隔とする平行二平面の間の空間領域の 内部である *対象の表面は、公差値0.1を間隔とする平行二平 面の間になければならないので、自動的に、平面度 0.1となる <注意> 指示する面は、指定したデータムと平行な 関係にある平面形体でなければならない <ポイント> ・平行度で規制できる形体は、図(あるいは3Dモデル)で基準の表面に対して平行な 関係にある形体(平面、直線)である。 ・その基準が、データムであり、データム平面またはデータム直線となる。 ・公差域は、データムに平行な「公差値を間隔とする平行二平面間」であり、それゆえ に、「平面度」「真直度」は自ずと「それと同じ公差値」となる。 ・(この図面指示では)「平行度0.1」の指示の中に、「平面度0.1」「真直度0.1」を含ん でいる。 <注意点> ・平行度では、その平面、直線を「公差値を間隔とする平行二平面間」に規制するだ けであって、位置を規制していないことに注意。 32

(33)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 33 3-2. 直角度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第3章 姿勢公差 t 対象の表面 基準とする表面 90° t 90° 90° (公差域) 実用データム形体 A A 0.1 90° 90° 0.1(公差値) 実用データム形体 ■ データム(平面・直線)に対して直角な形体(平面・直線)が規制対象 <図面指示> *公差域は、データム平面に対して直角であって 公差値を間隔とする平行二平面の間の空間領域の 内部である *対象の表面は、公差値0.1を間隔とする平行二平 面の間になければならないので、自動的に、平面度 0.1となる <注意> 指示する面は、指定したデータムと直角の関係 にある平面形体でなければならない <ポイント> ・直角度で規制できる形体は、図(あるいは3Dモデル)で基準の表面に対して直角な 関係にある形体(平面、直線)である。 ・その基準が、データムであり、データム平面またはデータム直線となる。 ・公差域は、データムに直角な「公差値を間隔とする平行二平面間」であり、それゆえ に、「平面度」「真直度」は自ずと「それと同じ公差値」となる。 ・(この図面指示では)「直角度0.1」の指示の中に、「平面度0.1」「真直度0.1」を含ん でいる。 <注意点> ・直角度でも、その平面、直線を「公差値を間隔とする平行二平面間」に規制するだ けであって、位置を規制していないことに注意。 33

(34)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 34 3-3. 傾斜度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第3章 姿勢公差 基準とする表面 θ 対象の表面 t t θ (公差域) 実用データム形体 A A 0.1 60° 実用データム形体A 60° TED 0.1 (公差値) ■ データム(平面・直線)に対してある角度をなす形体(平面・直線)が規制対象 <図面指示> *公差域は、データム平面に対して指定した角度であって 公差値を間隔とする平行二平面の間の空間領域の内部で ある *対象の表面は、公差値0.1を間隔とする平行二平 面の間のなければならないので、自動的に、平面度 0.1となる <注意> 指示する面は、指定したデータムと理論的に正確な角 度寸法で指示された平面形体でなければならない <ポイント> ・傾斜度で規制できる形体は、図(あるいは3Dモデル)で基準の表面に対してある角 度をもった関係にある形体(平面、直線)である。 ・その基準が、データムであり、データム平面またはデータム直線となる。 ・公差域は、データムに「理論的に正確な角度寸法」の平面上あるいは直線上の「公 差値を間隔とする平行二平面間」であり、それゆえに、「平面度」「真直度」は自ずと 「それと同じ公差値」となる。 ・(この図面指示では)「傾斜度0.1」の指示の中に、「平面度0.1」「真直度0.1」を含ん でいる。 <注意点> ・傾斜度でも、その平面、直線を「公差値を間隔とする平行二平面間」に規制するだ けであって、位置を規制していないことに注意。 34

(35)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 35 4-1. 位置度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第4章 位置公差 基準面B 基準面A 基準面C a b c 位置度で規制したい対象(点) 30 20 25 B C A 0 +0.1 B sφ0.1 A C sφ18 20 sφ0.1 25 30 データム平面A データム平面C データム平面B <図面指示> ■ 三平面データム系に対して真位置としたい形体(この場合は点)が規制対象 (1)基準となるデータムを決め、 優先順位を決める (2)データムからの位置寸法を TEDで指示する <主な指示手順> *公差域は、データム平面Aから30、データム平面Bか ら20、データム平面Cから25を真位置とする直径0.1の 球の内部である 規制したい中心点 (球の中心) 基準とする表面A 基準とする表面C 基準とする表面B ★ <ポイント> ・この位置度は、データムを必要とする「関連形体の位置度」である。 ・この例は、位置度の典型的な例として、「球形体の中心の点」を「三平面データム 系」に対してある公差域(公差値を直径とする球の内部)に規制する例である。 ・ 「三平面データム系」を用いて「対象の形体」を規制する場合、その形体の「真の位 置」を確定するために、まず、対象の部品を「三平面データム系」に対して「どのように 固定するか」が重要になる。 ・(手順としては)3つのデータムを設定する⇒そのデータムの優先順位を決める(この 優先順位は、その部品が相手部品に対してどう組み立てられるかに依存する)。 35

(36)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 36 4-1. 位置度 第4章 位置公差 ■ 「位置度」指示おけるデータム優先順位の重要性 B A C 第3次データムの区画 第2次データムの区画 第1次データムの区画 A B C B A C φ10 φ0.1 0 +0.1 15 20 A B C 15 A φ10 φ0.1 0 +0.1 C B 20 90° A B C A:第1次データム B:第2次データム C:第3次データム 15 20 真位置 90° A B C A:第1次データム C:第2次データム B:第3次データム 15 20 真位置 <データムの優先順位:A→B→Cの場合> <データムの優先順位:A→C→Bの場合> ★ <ポイント> ・ここでは、「三平面データム系」の優先順位の違いで、規制したい形体が、どう変化し てしまうか、を示している。 ・対象物(部品)の左辺と下辺との姿勢関係が、やや鋭角の(90°よりやや小さい角 度にできている)状態を想定している。 ・(2通りの図からわかるように)「データムの優先順位の仕方」によって、その部品は 「合格になったり」「不合格になったり」することに注目のこと。その意味でも、 「データ ムの優先順位の指示」は重要なのである。 ⇒これは、「JEITAの普通幾何公差」を指定する場合の、データム系の優先順位の指 定の重要性にもつながっている。 36

(37)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 37 4-2. 同軸度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第4章 位置公差 規制したい軸線 基準の軸線 φ 12 φ 20 A φ0.1 A 基準の軸線 規制したい軸線 明らかに位置がずれている ■ 基準の軸線に対して同じ位置としたい軸線が規制対象 *公差域は、データム軸直線を中心とした 公差値を直径とした円筒の内部である <図面指示> *この場合の公差域は、データム軸 直線Aを中心とした直径0.1の円筒の 内部である したがって、対象の軸線は、データム Aに対して最大0.05の変動が許される <注意> 最初にわずかでもずれている軸線 同士の規制には適用できない t(公差値) データム軸直線 規制したい軸線 φ0.1 データム軸直線A φ12の軸線 <使用上の注意> 同軸度が適用できるのは、 データムも規制したい形体も、 ともに軸線(誘導形体)である <ポイント> ・同軸度で規制できる形体は、データムとする軸線と同軸上にある「軸線」である。 ・規制したい軸線の許容域は、公差値の半分以内である。例えば、公差値φ0.1の場 合は、その半分の半径0.05 までの領域である。 <同軸度の注意点> ①(3Dモデルあるいは図で)最初から一致したところにない「軸線」は規制できない。 ②規制したい「軸線」が複数あっても、共通公差域を表す記号“CZ”は、決して用いる ことはない。 ⇒(補足)これはなにも、この「同軸度」に限らず、位置公差の「位置度」「対称度」「同 心度」のすべてに共通したことである。というのも、これらはすべて「真にあってほしい位 置」(真位置)という基準があって、それを中心に「公差域」(公差値)が決まっている からである。規制したい対象がいくらあっても、それら1つひとつが指定した公差域内に あることを要求しているので、共通公差域“CZ”を用いる必要性がないでのある。 37

(38)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 38 4-3. 同心度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第4章 位置公差 φ0 .02 データム円(φ30)の中心 対象円の中心 データム直線A 形体が存在する表面 φ0.1 ■ 基準の中心や軸線に対して同じ位置としたい中心が規制対象 *公差域は、データム 円Aの中心に公差値で ある直径0.02の円の内 部(平面領域)である <図面指示> <図面指示> <公差域> <公差域> *それぞれの公差域は、 データム軸直線Aを中心 に公差値である直径0.1 の円の内部(平面領域) である t=0.1 φ30 φ0.02 A A φ16 A φ0.1 φ0.1 φ20 A φ30 A φ6 <ポイント> ・同心度の場合、規制したい形体は「円形体の中心点」である。基準となるデータムの 方は、軸線であったり、中心点であったりする。 ・(上の図面指示では)円の中心点をデータム(ポイント)とする、円の中心点を規制す る同心度である。 ・(下の図面指示では)円筒穴の軸線をデータム軸直線とする、円の中心点を規制す る同心度である。 38

(39)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 39 4-4. 対称度 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの 第4章 位置公差 基準の中心面 規制したい中心面 (公差域)t 0 . 1 0 . 0 5 0 . 0 5 データム形体の中心面 基準の中心面 位置は同じ 規制したい形体(外殻形体) <注意> 規制したい形体が外殻形体である 場合には、たとえ基準と同じ位置に あっても、対称度は適用できない ■ 基準の中心面や軸線に対して同じ位置としたい中心面や軸線が規制対象 *公差域は、データム中心平 面を中心に公差値の半分だけ 離れた2つの平行二平面間の 空間領域の内部である <図面指示> 0.1 A A 10 10 *この場合の公差域は、データ ム中心平面Aから公差値の半分 0.05だけ離れた2つの平行二平 面間の空間領域の内部となる <公差域> <使用上の注意> 対称度が適用できるのは、 データムも規制したい形体も、 ともに誘導形体である <ポイント> ・対称度は、データムにできる形体は中心面あるいは軸線など「誘導形体」であり、規 制する形体も中心面あるいは軸線などの「誘導形体」である。 ・データム形体も規制する形体も、3Dモデルあるいは図で、同一位置になければなら ない。 ・対称度の場合も、規制形体の許容域は、指示された公差値の半分までの領域であ る。 <対称度の注意点> ・(右下の図で示すように)同一位置にあるからといっても、規制対象が表面(外殻形 体)に対しては、対称度は適用できない。 そのような場合は、「位置度」を用いる。 39

(40)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 40 第4章 位置公差 ■ 「形状公差」・「姿勢公差」・「位置公差」 相互の関係について 30 A A 0.1 0.2 0.05 A 形状公差 姿勢公差 位置公差 図面指示 公差域 (2) 図示するか否かの関係 (1) 定義による公差域の関係 形状公差≦姿勢公差≦位置公差 形状公差<姿勢公差<位置公差 30 0. 2 0. 1 0. 1 データム平面A 位置度 0. 1 平行度 0.05 平面度 平行 ★ <ポイント> ・「形状公差」「姿勢公差」「位置公差」相互の関係がどのようになっているか理解する ことは、複数の幾何公差を指示する場合、重要である。 ・(右上の図で示す)3つの公差域の占める領域の関係を、イメージとしてしっかり覚え ておいてほしいところ。 ・幾何公差を、個々に図示すべきか否かは、(右下に示す)(2)の関係式にのっとり指 示する、ということである。 40

(41)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 41 5-1. 形状公差の輪郭度 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 第5章 輪郭度公差 ■ 曲面の表面にある輪郭線が規制対象 *この場合は、半径70の円弧面に無数に存在する 輪郭線(線要素)が規制対象 <図面指示> *公差域は、真の輪郭線を中心に公差値を直径と する円が移動したときにできる「内側の包絡線」と「外 側の包絡線」に囲まれた平面領域の内部である *この場合の公差域は、半径69.95と半径70.05 の2つの円弧に囲まれた平面領域の内部となる 規制したい線要素 線要素を含む平面 真の輪郭線 外側の包絡線 内側の包絡線 φt 公差値を直径とする円 真の輪郭線 外側の包絡線 内側の包絡線 φ0. 1 R70 真の輪郭線 0.1 R7 0 (1) 線の輪郭度 <ポイント> ・これは単独形体の輪郭度で、データムを必要としないもの。 ・「規制したい対象の線の要素」が、「理論的に正確な寸法」によって「真の輪郭線」が きちんと定義されていることが重要。 ・(この図の場合では)対象の曲面に対して直角な平面によって縁に表れる「輪郭線」 が規制したい「線要素」である。 ・この平面上において「公差値を直径とする円によって決まる領域」が公差域である。 ・(この図面指示では)「真の輪郭線」とは、「半径70の理想的(完全)な円弧」である。 つまり、公差域は、これを中心に「直径0.1の円が占有する領域」である。 41

(42)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 42 <単独形体の幾何公差> データムを必要としないもの 真の輪郭面 規制したい表面 外側の包絡面 内側の包絡面 Sφt 公差値を直径とする球 真の輪郭面 外側の包絡面 内側の包絡面 Sφ0. 1 真の輪郭面 R70 ■ 曲面の表面の輪郭面が規制対象 <図面指示> *公差域は、真の輪郭面を中心に公差値を直径と する球が移動したときにできる「内側の包絡面」と「外 側の包絡面」に囲まれた空間領域の内部である *この場合の公差域は、半径69.95と半径70.05の 2つの円弧面に囲まれた空間領域の内部となる *この場合は、半径70の円弧面が真の輪郭面 0.1 R7 0 5-1. 形状公差の輪郭度 第5章 輪郭度公差 (2) 面の輪郭度 ★ <ポイント> ・これは単独形体の「面の輪郭度」で、データムを必要としないもの。 ・「規制したい対象の表面(曲面)」が、「理論的に正確な寸法」によって「真の輪郭面」 がきちんと定義されていることが重要。 ・(この図の場合では)対象の曲面の表面が規制したい「輪郭面」である。 ・この輪郭面上において「公差値を直径とする球によって決まる空間領域」が公差域 である。 ・(この図面指示では)「真の輪郭面」とは、「半径70の理想的(完全)な円弧面」であ る。つまり、公差域は、この円弧面を中心に「直径0.1の球が占有する空間領域」であ る。 42

(43)

Copyright (c)2014, Japan Electronics and Information Technology Industries Association, All rights reserved. 2014設計コンテスト 研修用 43 <関連形体の幾何公差> データムを必要とするもの <図面指示> ■ データムに対して姿勢が決まった曲面表面の輪郭線が規制対象 *この場合の真の輪郭線はデータム平面A に平行である *公差域は、データム平面Aに平行な平面に表れる 真の輪郭を中心に公差値を直径とする円が移動した ときにできる「内側の包絡線」と「外側の包絡線」に囲 まれた平面領域の内部である *この場合の公差域は、半径69.95と半径70.05の2つ の円弧に囲まれた平面領域の内部で、これはデータム 平面Aに平行である 規制したい線要素 線要素を含む平面 表面A 真の輪郭線 外側の包絡線 内側の包絡線 φt 公差値を直径とする円 データム平面A 真の輪郭線 外側の包絡線 内側の包絡線 φ0. 1 R70 データム平面A 真の輪郭線 0.1 R7 0 A 0.1 A 5-2. 姿勢公差の輪郭度 第5章 輪郭度公差 (1) 線の輪郭度 <ポイント> ・これは「姿勢公差」の「線の輪郭度」なので、姿勢の基準となる「データム平面」の設 定が必要となる。 ・(この例では)手前の表面Aに直角な曲面上にある、表面Aに平行な「線要素」である 「輪郭線」を規制する、というものである。 ・「線要素を含む平面」は「表面A」とは平行である。 43

参照

関連したドキュメント

2014 年度に策定した「関西学院大学

Copyright(C) 2020 JETRO, Nagashima Ohno & Tsunematsu All rights reserved... a)

昨年度同様、嘔吐物処理の研修、インフルエンザ対応の研修を全職員が受講できるよう複

6月 7月 8月 10月 11月 5月.

*一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した 2014 年度次世代エネルギー技術実証事

*一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した 2014 年度次世代エネルギー技術実証事

*一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した 2014 年度次世代エネルギー技術実証事業

施設設備の改善や大会議室の利用方法の改善を実施した。また、障がい者への配慮など研修を通じ て実践適用に努めてきた。 「