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ニヤーヤ学派の討論思想 : 仏教徒との論争史の解明

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ニヤーヤ学派の討論思想 : 仏教徒との論争史の解明

須藤, 龍真

http://hdl.handle.net/2324/4059957

出版情報:九州大学, 2019, 博士(文学), 課程博士 バージョン:

権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (3)

(2)

(様式6-2)

氏 名 須藤 龍真

論 文 名 ニヤーヤ学派の討論思想

―仏教徒との論争史の解明―

論文調査委員

主 査 九州大学 准教授 片岡 啓 副 査 九州大学 教授 岡野 潔 副 査 九州大学 准教授 吉原 雅子 副 査 九州大学 准教授 藤井 倫明

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

上記の論文は、紀元後9世紀頃のカシミールの学匠であるバッタ・ジャヤンタの大著『ニヤーヤマ ンジャリー』の「討論章」を取り上げ、原典校訂・和訳・各概念史研究を行ったものである。研究 は五部に分かれる。

序論において須藤氏は、討論章の位置付けを明らかにすべく、ニヤーヤ学派の論述対象である十 六原理について整理し、先行研究を踏まえて十全な調査を行う。資料状況を明らかにした後、先行 出版の不備を補うべく、写本に基づき新たな再校訂本を須藤氏は提供する。原典批判にあたって須 藤氏が参照したサンスクリット写本は六写本。須藤氏は、討論章のみならず、『ニヤーヤマンジャリ ー』の全章にわたって、関連する研究を各章ごとに整理する。以上を踏まえたうえで、討論章の研 究状況を浮き彫りにし、その研究必要性を訴える。

第 II 部の本論では、『ニヤーヤマンジャリー』の討論章で取り上げられる議論学の諸概念につい て、関連する様々な問題を須藤氏は整理する。討論術で主題とされる論議・論諍・論詰・曲解・詭 弁的論駁・敗北の根拠について、須藤氏は、その概念の定義を明らかにすると共に、史的な変遷に も目配りをする。さらに須藤氏は、討論術をめぐるジャヤンタの議論背景を明らかにし、論争史を 掘り起こしていく。先行するニヤーヤ諸論師のみでなく、後続する諸論師にも目配りしながら、ジ ャヤンタの思想史上の位置を明らかにする。また、ジャヤンタによる議論の思想的な価値も同時に 明らかにする。

伝統の長い討論術に関連する諸概念を整理するにあたっては、史的な変遷を踏まえる必要がある。

須藤氏は、いずれの概念についても、ニヤーヤ学の伝統を明らかにした上でジャヤンタの言説を定 位・評価しており、整理された概念史を読者に提供する。

第IV部の校訂テキストにおいて須藤氏は、『ニヤーヤマンジャリー』に関する現在の研究水準を 踏まえて、入念に写本の異読調査から行う。シャーラダー写本とマラヤーラム写本の異読情報は特 に重要であり、本校訂テキストにおいても、随所に貴重な本文訂正が見られる。第V部は、以上の 校訂テキストを踏まえた和訳である。

大部の本論文であるが、巻頭には詳細な目次が付されており、読者は迷うことがない。全体の構 成も分かりやすく、読者が容易に各議論の位置付けを視認できるよう配慮されている。須藤氏は、

(3)

いずれの概念についても丁寧に概念史を解きほぐし、一つの見通しを得ている。原典と和訳は、今 後、長く使われる基礎資料となるはずである。本学の博士論文として十二分の出来であり、博士号 を認めるに値する論文と判断する。

参照

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