71 吉田 勝俊・井上 雄志・亀山健三郎・ 吉利 賢治・山下 由紀・羽生富士夫 12.原発性アミロイドーシスの3症例の臨床病理学的検討 (第四内科)湯村 和子・内藤 隆・原 陽子・ 荒井 純子・佐中 孜・二瓶 宏 教育講演 臨床医学に必要な統計の知識 その2 具体的な事例について (東京大学医学部 健康科学・看護学科 疫学生物統計学教授).大橋 靖雄 1.含フッ素ロイシノールの合成研究 (化学) 岡田みどり 〔目的〕有機フッ素化合物は特異的な性質を有して おり,生理活性物質へのフッ素の導入は,生理活性の 増強や新たな活性の発現等が期待されることから注目 を集めている.著者は,降圧剤としてのレ島ン阻害剤 へのフッ素の導入を目的として,含フッ素目イシノー ルの合成法について検討した.また,レニン阻害効果 についても若干の知見を得たのでその結果を報告す る. 〔実験,結果〕①トリフルオロロイシノールの合成: 3−CF3一γ・プチロラクトンより光学分割で得られた光学 活性なアミドから,トリフルオロロイシノールの4つ の光学異性体のすべてを合成した.②モノフルオロロ イシノールの合成:市販の(s)一(十)・3一ヒドロキシー2一メ チルプロピオン酸メチル(1)を原料とした光学活性な モノフルオロロイシノールの合成法を開発した.すな わち不惑エポキシ化反応によって(1)からエポキシド を合成した後,これをDIBAL(還元剤)によって開裂 して,1,2一ジオール化合物とした.次いで水酸基をアミ ノ基に変換し,光学活性なモノフルオロロイシノLル 誘導体を合成することに成功した.③レニン阻害効果 の検討:トリフルオロロイシノールの4つの光学異性 体についてペプチド化合物を合成し,レニンに対する 阻害効果を調べたところ,天然のロイシノールと同じ 絶対配置を持つ光学異性体の1つに阻害効果の増強が 認められた. 2.幼若および成熟ラット摘出十二指腸のエンドセ リンに対する反応性 (薬理学) 入江かをる 血管内皮細胞由来の血管収縮物質として報告された エンドセリン(ET)は,その後の研究により,生体内 の種々の組織に広く分布し,その作用も多様であるこ とが明らかになってきた.ETの消化管平滑筋に対す る作用については,モルモット摘出回腸で一過性弛緩 に続く持続性収縮反応が報告されている.本研究では ETファミリーのうちET−1およびET・3について,幼 若および成熟ラヅト摘出十二指腸の反応性を検討し た. 〔方法〕1および11∼13週齢のウィスタ一系雄性 ラットを,断頭(幼若)または撲殺(成熟),摘出した 十二指腸をマグヌス管に懸垂し,機械的反応を等張性 に記録した.ETによる反応性の大ぎさは各標本の50 mM KCIによる収縮高の%として評価した. 〔結果と考察〕成熟ラット十二指腸は,ET−1(10−9 ∼10−6M)に対して濃度依存性の一過性の弛緩とそれ に続く持続的な収縮反応を示した(低濃度では収縮反 応のみ).収縮反応は標本を充分洗一回45分経過しても tachyphylaxisを示した.成熟ラット十二指腸はET−3 に対して,ET・1と同様の反応性を示したが,その程度 は小さかった.幼若ラット十二指腸は,成熟動物と異 なり,ET・1(10−9∼10−7M)に対して濃度依存性の収 縮反応のみを示した.低濃度では,自動能の充進と立 ち上がりの遅い収縮反応であった.ET−3に対しても ET−1とほぼ同様の収縮高と濃度反応曲線が得られた. ETに対するラット十二指腸の反応性が成熟期と幼若 期で異なることから,ET受容体サブタイプの発達に 伴う変化の可能性が考えられる.ETによる十二指腸 の最大収縮高は,AChによる最大収縮と同程度に大き く,生体内での消化管運動への関与に興味が持たれる.
3.過分極性繊毛脚光受容細胞の光感受性Kイオ
ン・チャンネルの性質 (第一生理学) 島谷 祐一・片桐 康雄 視覚(光感覚)の分子生理学的な基礎研究において, 視細胞(光受容細胞)の光情報変換機構の解明は,中 心課題の一つである.我々は今回Patinopecten網膜 の過分極性繊毛三光受容細胞のホール・セル電位固定 記録に成功した. その結果,①過分押型細胞には光で活性化される外 向き電流と内向き電流が存在する,②内向き電流はCa 一603一72 電流であり,Coイオンで抑制される,③外向き電流は K電流で,光照射でKコンダクタンスは増加する,④ 外向き電流に対応するKチャンネルは暗黒化で脱分 極性電位ステップで一年間に活性化され,A電流様外 向き電流が生じる,⑤光照射下で脱分極ステップを行 うと,A電流様外向き電流の不活性化過程が特異的に 抑制される,⑥Kチャンネルの光感受性および電位感 受性はともにA電流プロッカーである4APで完全に ブロックされる,⑦従って,光受容電流は,膜電位下 (40∼50mV)で不活性化している電位感受性Kチャン ネルが光照射で脱胎活性化を起こすために生じると考 えられる,といった興味深い性質が明らかになった. これらの結果は過分極性繊毛型細胞の光受容機構は, 今迄に知られている他のタイプの光受容機構とは異 なったものであることを示唆している. 4.培養糸球体内皮細胞の生物学的特徴に関する検 討 (第4内科) 新田 孝作・ 内田 啓子・筒井 貴朗・同上 桂子・ 成澤 公恵・内藤 隆・浅野美和子・ 大図 弘之・湯村 和子・二瓶 宏 〔目的〕ウシ腎より培養した糸球体内皮細胞(GEN) の形態学的および生物学的特徴について検討する. 〔方法〕まず,内皮細胞マーカーの発現について免疫 組織化学的に検討し,大動脈由来の内皮細胞(AEC) と対比した.次いで,隣接するメサンギウム細胞 (GMC)とのco−culture系を用いて増殖制御における 相互作用を検討した。 〔結果〕第Vl咽子関連抗原が陽性でアセチル化しDL の取り込みを認め,アンギオテンシン変換酵素を産生 する点はAECと同様であったが, Weibe1・Palade小 体を認めず,プロスタグランディン(PG)としてPGE2 を最も多く産生する点が異なっていた.一方,両細胞 が互いに接着する状態でco・cultureした場合,マイト