納茜
眞性膀胱憩室の一斑に観て
凍京女子讐學專門學校病理學敢室 ︵主任 佐藤敏艘︶矢 ケ
部 榮 子
急性膀胱憩室とは膀胱に封して狭き開口部を以て連絡せる盲嚢にして、其内面は膀胱粘膜を以て覆はれた るものなり。之に類するものに假性膀胱憩室あり。此の者は膀胱周園に生じたる膿瘍が膀胱内に破れ疲痕様 に憂化せる膿瘍壁が盲嚢の如く見えるもの軽愚なり。余は多磯魚慢性胃潰瘍の穿孔性腹膜炎にて死亡せる病 理解割に於て結石形成を俘ふ大なる靭性膀胱憩室に遭遇せるを以て蝕に其一例を報告せんと欲す。 實 験 倒 病歴 岡○軍○、五九歳、男子。 生前の病歴不明にして唯十七歳の時に胃酸過多症を患ひ、三年前急性腎臓炎に罹りしと。此時は治癒せる も昭和三年三月撮護腺肥大を起し、以來排尿困難となリセる牽制に自身カプ王グルを使用せりと云ふ。 病理解剖的所見 昭和三年十月一日 佐藤敏授執刀。圖附文論部ケ矢
榮養不良なる申等度大の男性屍にして.外部所見に特識す難き事なし、 胸腔、心臓は左心室の肥大あむ辮膜は硬化し.冠俄動脈にも艦影の硬化あ夢、 肺臓、爾肺共氣腫の爲多少容積塘賛しも炭粉沈着あるも他に特溺の獲化を認めすQ 腹腔、大網膜は一般に潮紅し.一部は腹壁腹膜と癒着す。胃の大さは普懸大にして大面は約四〇㎝あり。 胃内には約一〇〇礁のカフ罫残澄様の血液と.粘液の混合せるものを容れ葱食物の騰渣なし。胃小岩の幽門 の斎くに直締約0。五瓢の潰瘍あむて其底面は穿孔せむ。漿膜面の周忌には凝血附着し肝臓の下面を以て覆 はる夫れよう上方約二㎝の所に更らに同O×O・α。巳の黒総形の穿孔せる潰膓あり。その他幽門部に碕大小不 同の四個の潰瘍を見たう。何れも遽縁鏡にして潰瘍底は清潔な蔭。 腸、賜粘膜は貧血、津腫性にし℃㌔潰瘍なし。大腸も一般に貧血す。 肝臓、普通大にして︵諺×誤×G。。.、︶遊離縁銑、被膜は一般にチァノ蒼ぜを示し為散在性の被膜下出血を見る 硬度軟、割面に於て友自色ち濯濁あり。小葉像は不墾なり◎ 脾臓、小、割面貧血し、脾材墾瞭な轟。 膵臓、普蓮より小、硬度軟なう。 食道、一般に蒼自、食道下部は血液浸潤すQ 腎臓、左側︵愚×の・心。・、︶硬度硬一被膜剥離容易ならす,表面は叢様友自色を呈し、凸凹不逞、所々に嚢腫 継伽 ォを見る。割面に於てば腎孟の獲張山口十度にして蓮華の萎纏あ・9の皮質は狡く、腎〃発意の浩⋮失せる贋あり。輸 尿管は籏張し、︵約二・八㎝︶壁は肥厚す。 .右側腎、︵戸こ◎×刈×恥α置︶の所見は左鱒に同じQ
矢ケ部長撮膀胱慰室の覇瞬就て 二五
矢ケ部頚置︷性瞳脚胱甜脚室の一画に競隅て 二六 膀胱、小にして︵の.軌×の×恥“αOごp︶を算し、殆ど球形にして前後に歴た扁風なう。後壁の左側に膀胱自身よ墾 大なる憩室を見出せり。 内面を槻するに膀胱壁は約二㎝に肥厚し,内腔狭く、内面の肉梁は肥大し明らかなるヒ⇔巴犀睾ぴ訴Φの像 を呈す。粘膜は所々に出血を認め、殊に膀胱頂には乳階様に粘膜の増殖を認む。気霜腺には左右垂葉には特 別の獲露なきも、中葉は肥大し揚指頭大のポソ﹃プ、精阜の後方に突出せり。膀胱三角は全麻に輕度に凹隔 す。輸尿管は右側に於ては正常の経過を取り、膀胱壁を斜に穿煙して正常位置に開口す、左側に於ては結締 織に包まれて憩室の後方に至り、斜下方に膀胱に向って走り、憩室と膀胱と接するあたりにて膀胱壁を穿通 し正常位置に開口す。此左側輸尿管開口部の約一㎝上前方に於て直秘画七㎜位の開口あり。之によって膀胱 な は憩室と連絡す。憩室には小鶏卵大樹黄友臼色の尿石と、翌々掴濁せる黄色尿とを容る。憩室壁は約○。七 ㎝にして筋層をも認めらる。内面は無論なる所あり、極小乳癌駿を呈せる所あり。 尿石表面は淡姦直白色にして小なる粗逡面を呈し表面面一髄位の厚さに於ては比較的密なるもその次に位 すると思はる\層は有孔雑なわ。最内部には申煮卵黄の如きものを有し、粘土様硬度を有す。 解剖的診断、一、慢性多登性胃潰瘍及胃潰瘍の腹膣内穿孔。二、穿孔性腹膜炎。三、結石を有する膀胱憩室 四、爾側の水腎性萎縮腎。五、肺水腫 顯微動的所見、憩室壁の一部を鏡瞼せるに上皮は存在せざるも恐らく墨描に消失せるものなる遷し。固有膜 は浮腫性にして尊影の圓形細胞の浸潤あり、筋縄結締織は著明に増加し、肥大を來せる筋組織を互に隔離し 且つ、圓形細胞の浸潤及毛細管を有す。漿膜部に於ては硬憂せる動脈あり。問質結締織の増殖に俘ひ揮力繊 維は輕度の増加を示し、其微細なる繊維は各個の筋繊維に及ぶ。固有膀胱粘膜上皮は既に屍後に潰失し、張く
圓形細胞にて浸潤せる固有膜露出しも所々に海塩あり。筋騒の肥大著明.漿膜の小血瞥には硬攣あ・90 結石を化學的に分析せるに燐酸アンモンマグネシヤ、其主成分を成し肉眼的に牛煮卵黄の如き部分は尿硬 脂なりき◎ 案 上記の膀胱部の病理解剖並に臨諏鹸所見によれば.本擁は其性膀胱憩室に謝す。穿魁昏浮は眞性憩室の登 生部位によって三種に匿別せ聾◎離ち輸尿瞥開麺部は最も屡豊野遇するものにして.その他は、膀胱頂部即 ち胎生尿管の膀胱端に相醸する部位並に膀胱底部の國轟﹂馨霧霧①峠皇遺影の後方に登生するものにして就中 底部の憩室は最も稀有なわと報ず。されば翼牲憩室の成因は其部位によって登生的原因も異なるが如し。即 ち膀胱頂に於けるものは胎生尿管郵の抵抗薄賜によるものと考へられ秘輸尿管開口部に於けるものは先天的 の形成異常に属するもの多しと.叉憩室が親生児又は胎齢に於て婁見せられたる公営には、胎生時に於ける 腎臓は、尿の分泌無き爲め之を膀胱壁自身の論難異常・叉は過剃形成によるものと考へらる。︵建鷺ミミ隷き 知ミき§Oぎ鑓瓜ミ焔き§ミ§Q蕊零蔚ご然るに遣ハ性勝胱憩室は最も暮露男子の高齢者に多く蜘且つ大多毎号に於て 撮護腺肥大及膀胱括約筋の鰯直を論賛す。︵等さ聖寒写経。欝︶殊に男子に翻し女子に非常に稀なる等の事實 より,高齢者に於ける憩室の直接病醤が那漫に存するかに就ての病理は碕不購なる所あるが如し。 杉村氏︵剛鵠⋮︶は本病の病因を研究するため勝胱部の或る一定部に壁の懸造上抵抗の弱き所が存在するや否 やに就て注意を擁ひ毒筆づ膀胱底の組織麟養化及叢叢力繊維に就て幼若者より高年者に至る多数の材料に就 て組織的検査を無げたる所に依れば.ピ嗣陣暮霧謹①蓄電鶏蟹の後方にては算して先天的に筋層の薄弱なる部位即 柴慶部騨翼盤膀胱慰難の櫨鯛罫就て 嵩囎
﹄穴ケ部謄謄置冊性膀胱甜心室の一鱗四に就て ご八 は無く、且つ此靱帯と膀胱壁の筋層とは固く結合せるを槍出せり。叉膀胱壁の弾力繊維は年齢に俘ふて増加 するを認めす。然るに氏は憩室様に膨出せる部分を組織的に橡せるに結締組織の増加ありて、且つ筋組織に 繊維性の墾化あるを縁切たるに依り、漸如き部位は膀胱の内塵が高まb叉は正常なる内塵に於ても膨出を來 すものならんと述べ、且つ結締織の増加及筋組織の繊維性礎化に就ては肝硬憂の如き慢性炎症叉は膀胱壁の 動脈硬礎によるならんと解せり。宇佐美氏︵富トっ刈︶は左側輸尿管開口部に結石形成を俘ひたる大なる眞性憩室 及右側輸尿管開口部に小なる憩室を癒せる一例を報告し、其病理組織的研究に依れば麗なる多数の筋間憩室 ︵国β8︶が存在するを確め、之を輸尿管の過剰形成によるものと解繹し、之が部分的に閉塞し且、撮護腺肥大 のため大なる憩室を形成するに至りたるものなりと云へりQ 等ミミ㌧§は女子に於ても括約筋の剛直も翼壁の尿欝滞を早し得るを以て女子の例を先天的のみと考ふる 事態はすと述べ花り。 肉§翠黛Qざ鍾貸ミは成長せる小児及大人に於ける憩室登生の原因と、之に合併せる病症の統計的観察を試み たり。男性憩室患者総藪六二例中里六六・一%に於て囁護心霊大あり。二四・二%には括約筋の剛直、四・八 五%に於て撮護腺癌あり。ご二・八%に於ては其排尿困難の原因を明らかにする事を得ざりしと云ふ。而し て憩室形成に裾護腺肥大を俘ふものは大仁五五歳以上なるに、括約筋の剛直は六−三〇歳の間に過て見られ 六〇歳以上に立ては稀なりと云ふ。期る事實より氏は憩室は後天的のものにして、少なくとも膀胱壁に先天 的に筋組織の薄弱の如き憩室形成の傾向を有するもの、叉は素因がある時には、正常の膀胱輝輝を示す時に於 ても荷膀胱壁に盲嚢を形成し得るものにして、就中後天的の排尿困難は憩室成立に最も重要なる事なりとQ 省新生見に於て外観的排尿困難なくして、輸尿管開口部附近に憩室を形成せる例に於ては屡々泌尿器叉他の
臓器に時型を俘へう⑫ 而して本例症に就で案ずるに膀胱壁の求心牲肥大は膿尿急難を鵡せる膀胱に於ては常に見らる\ものにし て、帥ち過勢働による膀胱筋の肥大に墓︽も.尤も之は本例の言論腺肥大によるものと考ふ。而して本例に 於ける膀胱憩室は左側輪⋮尿管開智部の上前方に存し噛最も屡々見る塊津咳蹄謡の第一種に相黙するものにし て、組織豫より眞性憩室︵穿鷺罫︶なる事は明らかなら。 本患者の憩室登生に就て按ずるに其位置離醐係より宇佐美義の擁に於ける如く之を輸尿管の過剰形成をも 考へられ、叉憩室壁の外膜師ち漿膜の動脈硬凝より該部の榮養障碍に基く結締組織の増伽により抵抗減弱に よるものとも考へもる。而して本命には昭和三年三月よ藁薦護腺熱大あり。その頃より常にカプ!グ川にて 排尿せりと云ふ事實よう進度の排展障碍は以前より存せるものと思推す。央故に謁袋§黛Qざ§ミN§によりて 観察され泥る如くも本丁は先天性抵抗薄賜部が存在’しも之に撮⋮護腺肥大に基く排尿困難のため膀胱内鰐高ま り、長い間に斯如き大なる憩室を形成するに至参.績いて尿の前浜及び其分解によりて結石を形成するに至 うたるものと思推せんと欲す。 絡りに臨み御指導二丁闘奄給は剛実る量器敏授及結論剣定の急な給は響たる讐稚學教竈の昏員に深謝す。 隅 難 訳書鴫§蜜“石腫窓爵羅鵠静亀。σQ牌㊤.齢醤論﹄。畠鑓” ご超義購藁野ぎ器渚。黙く轡、噌零撃鉱轟響冨。︾置戸。蟹団⑳嘔ゑ紺ξ。・。。國豊門騨μ講評跳鼠 わりテ⋮§畷∈臣“<ぎげ。羨≧。︸レ皆騰驚昭暮ぎ圃。σq貯断露掛謹”鼻。翫①賃鶏弓ξ臥隻。σQ凶⑦.同露囲馨降. 6辞餌竃塾曾”彊象幽噸 レ器げ幽く︷鋒茜ぎ猷睡霧6ぼ岩吋σ9凶①。同器O臨蕊O㊤ 濁。無馨聞藍咽穿毎ぜ聾肖譲駐融霧O齪羅謎慰語b診8瞬評 失ケ部三州牲膀胱慰室の幅鋼罵齢畷 鵠九