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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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CMOSイメージセンサのカラム並列型低ノイズ信号読 み出し回路に関する研究

著者 榊原 雅樹

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 28

ページ 107‑109

発行年 2007‑03‑22

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1179

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氏名 。 (本 籍 )    原   雅   樹 (愛 知県 )プ ζ昇―

学 位 の 種 類    博      (工  学

)

学 位 記 番 号    工博 甲第   281   号 学位授与の日付    平成 18年 3月 24日 難 授与の要件    学位 規程 第 5条 1項 該 当

研究科。 専攻の名称    電子 科学研 究科   ナ ノ ビジ ョンエ 学

学位論文題目   CMOSイ メー ジセ ンサの カラム並列型低 ノイズ信号読 み出 し回路 に関 す る研 究

論文審査委員

  畷 員

暑 浅 井 秀 樹   教 授 下 平 美 文 教 授 杉 浦 敏 文   教 授 │1人

論 文 内 容 の 要 旨

本論文は、 CMOSイ メージセンサの信号 を、十分なダイナミックレンジを確保 しなが ら低ノイズで 読み出すためのカラム並列型信号処理回路 に関する研究 を取 りまとめた ものである。

CMOSイ メージセンサは、 CCDイ メージセンサに比較 して機能回路の集積化が可能であること、低 電圧単一電源で動作、低消費電力などの特徴 をもつ。また、埋め込みフォ トダイオー ドの応用 によ

り画素デバイス も著 しく改善 されている。 これ とあわせて、機能集積が可能である特徴 を有効 に活 用することで、従来 にない新 しい機能を持 つたイメージセンサの実現が期待 されている。最 も期待 されている機能の一つに、信号 を低 ノイズで読み出す回路の実現がある。 CMOSイ メージセンサで は、信号の読み出 しに画素アンプとカラムアンプ、外部出力のバ ッフアを経由するため、信号読み 出 し回路 の影響 を低減することが低 ノイズのイメージセンサを実現する上で必要である。カラム並 列信号処理回路 として増幅機能 を持たせ ることでノイズ特性が大 きく改善 されることが知 られてい るが、単 に増幅機能 を持たせ るだけでは信号のダイナ ミックレンジが失われる。本論文では、低 ノ イズ特性 とダイナミックレンジを両立することが可能な 3つ の信号処理回路 を提案 し、ノイズ解析、

シミュレーション、また実際 にイメージセンサを試作することによつてその性能評価 を行 つた。

第一の方法は、画素部か らの信号 を比較器 を用いて適応的に増幅することで、ノイズ低減 を図 り なが ら、広いダイナ ミックレンジを確保するものである。画素か らの信号が大 きい場合 は信号の飽 和 を防 ぐために低いゲインで増幅 し、逆 に信号力Ⅵヽさい場合 はカラム以降のノイズに対 して耐性 を 持たせ るために高いゲインで増幅をする。 この方式 を用いることで、信号のダイナ ミックレンジを 確保 しつつ低照度時のランダムノイズを抑制することが可能 となった。 さらにノイズ解析の結果か

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ら、カラムで増幅することで増幅後に重畳するノイズを低減で きるのみでな く、カラム増幅器 自体が 発生するノイズ も低減できることを明らかにした。また、カラムの増幅器で高い増幅率が設定 される と、後段 に接続 される A/D変 換器の分解能が増幅率倍向上するために、量子化誤差の低減 も可能であ る。画素部 に埋め込みフォトダイオー ドを用い、カラム並列型適応増幅回路 を集積 した CMOSイ メー ジセンサを実際に試作 し、 263/Vrmsの 低 ノイズ特性 と71dBの 線形 ダイナミックレンジが得 られるこ とを示 した。

第二および第三の方法は、カラム並列型の低 ノイズ読み出 し回路 として A/D変 換機能を持たせるこ とにより、デジタル領域での広いダイナ ミックレンジと低 ノイズ特性の両立 を可能 とするものであ る。まず、第二の方法 としては△変調型 A/D変 換器 にデジタル積分処理を組み合わせることで、ラン ダムノイズの低減 とともに、デイザ リング効果により、量子化ノイズを効果的に低減するカラム並列

2重 積分型 A/D変 換器 を提案 した。状態遷移図を用いた量子化 ノイズ低減効果の解析モデルを構築 し、これによる理論的解析 と乱数を用いたノイズシミュレーションが一致することを示 した。また、

もっとも効果的に量子化 ノイズを低減できるランダムノイズレベル範囲を見出 した。その値は参照電 圧発生回路 とサ ンプリング容量で決 まる熱 ノイズが量子化 ノイズの低減効果 に有効 な範囲にあ り、

デイザ リング効果を発生 させるランダムノイズは回路 自体が発生する熱ノイズを使用することで、効 果的に量子化 ノイズを低減することが可能である。 これにより、原理的には 1024ス テ ップで約

5bit、

分解能が向上できることを示 した。この結果は、 10bit分 解能をもつ A/D変 換 を用いた場合 に量子化 ノイズ低減効果により 15bitオ ロ当のダイナミッド クレンジを実現できるこ

1と

を示す。第三の方法は、ノ イズ低減 とデジタル領域でのダイナミックレシジの両立のため、アナログ領域で積分処理を適応的に 行いながら高分解能のA/D変 換を行 うものである。この方式で行 う適応積分処理は、カラム 1.5b量 巡 回型A/D変換器に使用する 2倍 増幅アンプと比較器を用いることでわずかな制御回路をカラムに追加 するのみで実現することができ、もともと低消費電力特性 と小面積の特徴を持つ巡回型A/D変換器の 特徴を最大限に発揮することが可能である。シミュレーションの結果、ランダムノイズは積分回数が 増すにつれて入力換算で低減されることがわか り、積分が 1回 の場合は約 130「 Vmsの ランダムノイ ズが発生するが、 16回 積分が行われた場合は入力換算で約 30/Vmsま で熱雑音を低減できる見通 し を得た ̀実 際にデバイスの試作 を行い測定を行った結果、画素信号の 16回 の適応積分 と 12bit分 解能 のA/D変 換 を行った出力は、ランダムノイズが入力換算で約 66μ VrlnSと なり、約 82dBの 広いダイナ

ミックレンジが得 られることがわかった。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

最近 CMOSイ メージセンサの性能改善が著 しく、低ノイズ性能に関 しては、特 に高精細動画用途に おいて CCDを 越える性能が実現 されつつある。特 に、 CMOSイ メージセンサの特徴であるカラムでの 信号増幅を利用 し、極めて低ノイズでの信号読みだ しが行 えることが河合 らのノイズ解析 により明 ら かにされている。 しか しなが ら、これまでの読み出 し方式では、増幅に伴 う信号のダイナミックレン ジ不足が課題 とされている。本論文は、 CMOSイ メージセンサの機能性 に着 目し、信号 に重畳するノ イズを低減 しなが ら、十分なダイナミックレンジを確保することがで きるカラム並列信号読み出 し回 路に関 しヽシミュレーションによる解析 と試作による性能実証 に基づ く研究を取 りまとめたものであ

り、全 6章 か らなる。

第 1章 は序論であ り、本論文の背景 と目的を述べている。第 2章 では、 CMoSイ メージセンサに おける低ノイズ信号読みだ しに関する基礎的考察 として、そのノイズ要因等 に関 して取 りまとめてい る。第 3章 では、イメージセンサのカラムにおいて、利得 を入力信号の振幅 に応 じて画素毎 に適応 的に設定することがで きる適応ゲインカラム増幅方式 を提案 し、試作 によりその優れた低雑音性能

と、71dBの 広いダイナ ミックレンジが両立で きることを示 している。第 4章 では、 ‐

低 ノイズ 0広 ダ イナ ミックレンジ特性 に加えて、高分解能 A/D変 換 によるティジタル信号読み出 しを可能 とする 2 重積分型カラハ並rlJA/D変 換器を提案 しく状態港移図を用いて量子化ノイズの低減効果を解析 して いる。 ttA/D変 換器は、入力信号に対する粗い A/D変 換を行 うインクリメンタル A/D変 換モー ド

と、ノイズ低減により高分解能化を実現するための信号追従平均化モー ドを有する。イメージセンサ 自体が発生するランダムノイズを利用 したデイザリング効果により、ランダムノイズの標準偏差が 0.4LSBか ら o.5LSBの とき 1024回 の積分で 5bitの 改善効果が得 られることを、状態遷移図による解析 とランダムノイズを用いたシミュレーションにより確認 している。第 5章 では、効果的にランダム ノイズを低減 し、デイジタル領域での十分なダイナミックレンジを持たせる適応積分型カラム並列 A /D変 換方式を提案 している。積分機能を巡回型 A/D変 換器自体に持たせることで t面 積 と消費電 力の増加なく所望の機能を得ている。基本回路の試作の結果により、 16回 の適応積分を用いて、入力 換算で約 661tVmsの 低雑音性能と、約 82dBの 極めて広いダイナミックレンジをもったイメージセンサ が実現できる可能性を示 している。第 6章 は結論であ り、得 られた成果をまとめている。

以上のように本論文は、イメージセンサの低ノイズ特性 と広いダイナミックレンジと両立すること

ができる信号読み出し回路の有用性を明らかにしたものであ り、映像機器の分野に寄与するところが

大 きい。よって、本論文は、博士 (工 学 )の 学位を授与するに十分な内容を有するも Iの と認める。

参照

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