Vo
1.1 2 .
(19 7 5 )
論
0 0 4 液 体 シ ン チ レ ー シ ョ ン カ ウ ン タ ー に よ る ウ ラ ン の 測 定
森 嶋 弥 重 , 古 賀 妙 子 , 河 合 虞 本 田 嘉 秀 ぺ 西 本 和 生 林
D e t e r m i n a t i o n 0 1 Uranium b y L i q u i d S c i n t i l l a t i o n C o u n t i n g
Hiroshige MORISHIMA
,Tael
王oKOGA
,H i r o s h i KA
Wiえ1
,Yoshihide HONDA
ヰandKazuo NISHIMOTO*
牢(Received Sep
t.2 9
,1 9 7 5 )
The determination o f uranium i n environmental samples by l i q u i d s c i n t i
l1a t i o n counting was s t u d i e d . The measurement o f uranium sample by Cerenkov e f f e c t i n t h e medium o f d i s t i
l1ed water was l e s s s e n s i t i v e than t h a t by l i q u i d s c i n t i l l a t i o n counting using toluene‑dioxane s c i n t i l l a t o r d i s s o l v i n g PPO ( 2
,5 Diphenyloxazole)
,Dimethyl POPOP ( 1
,4 ‑ b i s ( 2 ‑ ( 4 ‑ m e t h y l ‑
5‑phenyloxazolyl)] benzene) and Naphtalene.
Nea
r1y 100% o f counting e f f i c i e n c y f o r alpha a c t i v i t y o f uranium might be expected inthe absence o f quenching agents
,and minimum d e t e c t a b l e 1
imit was 0 . 4 3 μ g o f uranium.
The quenching e f f e c t due t o contamination o f F e + + + up t o about
1. 3mgi n samples a f t e r anion exchange s e p a r a t i o n o f uranium i n environmental samples could be c o r r e c t e d by e x t e r n a l s t a n d a r d i z a t i o n method.
1 は じ め に
ウラン, トリウムなど天然放射性核種の多くはα栓 子を放出する。体内ζl摂取された場合核種によって非 常に長く体内にとどまり,ごく限られた部位に大きな 線量を受ける危険がある。このような内部被ぱくを評 価するためには常に環境における乙れらα放射能レベ ルを監視することは重要である。
環境中の微量ウランの定量には,従来色々な方法が 報告されているが,液体シンチレーションカウンター の利用の初期よりα放射能の測定も行ないうる乙とが 報 告1‑6)されておりその特長として試料を液体シン チレータに混合させて行なうため,国体線源に固有の
α
線の自己吸収を避けることができ,100%
近い計数 効率が得られる。このため迅速かっ簡単な方法として 環境汚染のモニタリンクゃへの応用が期待できるものと*理工学部原子炉工学科 料理工学部原子炉工学科学生
思われる。我々は環境中のウランの移行と分布に関す る一連の研究を行なってきたが7‑9),液体シンチレー ションカウンターによる環境試料中のウランの測l定に ついて,基礎的検討を行なった。
2 .
材料および方法2 . 1
材 料 1)標準ウラン溶液硝酸ウラニノレ(関東化学製)を
0.2N
硝酸に溶解し て,1mgUjml溶液を作製して,乙れをそれぞれ補 釈して使用した。2)シンチレータ
Packard
社 製PPO( 2
,5 Diphenyloxazole)
,Dimethyl POPOP
(1,4 ‑ b i s (2‑(4‑methyl‑5‑
phenyloxazolyl) J benzene)
お よ び ナ フ タ リ ン お のおの4.5g
,0.09g
,4.5g
を蒸溜した関東化学製ト ルエン,ジオキサンおよびメチノレアルコーJレの各3 3 7
差の2倍と考え,プラスチックノfイアノレ)慌で100分測 定の場合,5.1,ugであった。測定Jf]パイアル瓶として ガラス製とプラスチック製の2碍について測定をりな ったが,チェレンコフ効果による場合プラスチック製 パイアル瓶を用いた時のガがJj‑数効率がIliJく,パック グラウンドも低かった。それぞれの ,i!'数効率は約2490 および約29%であった。測定の附の定量については計 数効率はほとんど変らないが,パックグラウンドにつ いては15mlより 10mlの万がXil二低かった。チェレ ンコフ光を液体シンチレーションカウンターで,if・放す る場
f T
には荷電粒子のエネノレギーおよび、光電子増i f ? ? ?
の感度などに依序するが現在の同時 ,:1・数式の液体シン チレーションカウンターでの測定の :ir数 :<b~-Z の大休の 目交は最大エネノレギー0.7MeVのβ線 で 約
O .
7必, 1MeVのβ線で10必, 3.5MeVのβ線では90必とい われており11.12),上記の実験結果(まウランの娘核問プ ロトアクチニウムー234のβ線の最大エネノレギーを2.3 MeVとして考えると略一致していると思われる。チェレンコフ光による微量ウランの定量では検IL',感 度がお干劣るが長所としてはシンチレータを加える必 要がなく,測定はパイアル瓶のJ点量にのみ制限され,
化学作用による計数効率への影響もなく10),また試料 をその後の別の実験に再び伎町1'11'来るなどである。
ml, 394ml, 169ml の混 {~iÙ~~~tこ i#加3 して調製した。
奈良県常生村で採取した土壌試料を風乾細土として 弗恨‑fi百円安混波処聞の後,陰イオン交換分離i去により ウランを単離し,さらに試料中の欽をエーテル拍1'L'rに より除去して測定試料とした。
環境試料中のウランの分離7)
2
,2
放 射 能 測 定
測定月]パイアル瓶に試料溶液 lml, シンチレータ 20mlを加えよく振壷混合し,冷暗所に一夜放置し,
化学ノレミネッセンスなどによる擬似計数を除いた後,
パッカード社製Tri‑carb3380型液体シンチレーシ ョンカウンターで測定した。
放射性核程から放山される荷電粒子が光速以上で物 質中を通過する時,光すなわちチェレンコフ光を放出 する。これを利用して10)シンチレータのかわりに水を 伎用してウランの測定を行ないその結果をFig.lに 示した。これによるとウラン量"'‑'1000,ugまでは計数 本との聞に直線性が得られ,最小検山感度を液体シン チレーションカウンターのパックグラウンドの標準偏
考 察
チェレンコフ効果によるウランの測定
結 果 と
3 .
2,33 . 1
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α‑spectra of Uranium Sample
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Fig. 2
コ()() 1O()() l'ranIul11 i /1戸)
Calibration Curves for Uranium by Cerenkov Counting
‑ 1 6
ーFig. 1
約100必の計数効率が得られた。乙れによるとウラン 定量の換算係数は0:68μgU!cpm‑で,最小検出感度 はパックグラウンドの
2 1 1
とし, 100分測定でU0.43 μgであった。Vol. 12. (1975)
液体シンチレーションカウンターによる ウランの定量
3 . 2
液体シンチレータを検出器として200チ守ンネJレ波 高分析器で市販硝酸ウラニJレ溶液および、陰イオン交換 分離法により単離したウランについてα線スペクトノレ を測定した結果をFig.2に示した。スペクトJレの中 央のピークはウランのα線によるもので市販硝酸ウラ ニノレのスペクトJレの斜線部分は単離ウランのスペクト ノレには見られないことから238Uの娘核種の影響と思 われる. シンチレータ
20ml'
ζウラン溶液1ml
を混 合した試料についての検量線をFig.3'ζ示した。ウラン量
100pg
までは計数率との聞に直線性があり,クヱンチングの補正
澱境試料中のウランを液体シンチレーションカウン ターで測定する場合,試料調製に応じて不純物の影 響でクエンチングが生じる。これらのクエンチング効 果は一般に物理的なものであって,化学反応は含まな い14)0 また着色物質は光の透過を妨げる乙とからクエ
ンチングの一因となる。
環境試料よりウランの単離操作を行なっても,ごく わずかに混入する鉄イオンのため生じるクエンチング による計数効率の低下に対して,補正が色々行われて いる13)。たとえば標準物質添加法,外部線源法,チ ャンネノレ比法および稀釈法などがある.われわれは
226Ra による外部線源法により補正を行なった。
A . A .
Moghissi2)は弗化鉄が無色で水溶性である乙とから 弗酸を加えて測定を行なっている。 Fe+++イオンによ るクエンチングの影響をFig.
4 '
乙示した。計数効率はクエンチングのない場合すなわちFe+++の存在しな い場合のウランの計数率に対する割合で,クエンチン グ比は外部線源法により同じくクヱンチングのない場 合の計数率に対する割合で示した。試料は標準単離ウ ラン
100pg
H::塩化第二鉄をシンチレータに混入した3 . 3
150
, .
、
、
'
"
'"
"
V む 100
. . . . e
. .:
'
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噂d
=
;'0H "
Fミ
50 70 90 FI'unIum (ρ!:)
Calibration Curves for Isolated Uranium Sample
30 10
Fig.
3
¥
¥b fl
ノ
︒
︒
‑0・̲.0"・M・...・o
・....・H・.0...・H・‑.0"
.0'
Gain
10%
Window width : 50‑250 1.0
九円ωロ
EU
一己
む切
ロエ
ロコ
υ
︒にリ
ハU
0.5 0.4
0.3 0.2
O
Quenching ratio
Effect of Fe+++ quenching on counting efficiency Fig. 4
Table 1 A n a l y t i c a l Data o f Uranium i n S o i l
Sample s o i l
1 Liquid S c i n t i l l a t i o n
1a‑Counting
1Photometrie counting 1
,‑ . . . 1 determination : Muro
(バjgd;y s o i l )
l(ρgjgdry s o
川 ( 泌jgdry
叩i
1)1 4 5 . 4
士0 . 6 2 4 8 . 2 : : ! : 0 . 6 3 4
1.7
土0 . 5 4* 2 3
1.2
土1.2
* Uranyl n i t r a t e was a d d e d .
ものであり, Fe+++イオン量が多くなるほど外部線源 によるクエンチンクー比が小さくなり,この曲線では約 1.3mgのFe+++イオンに相当する補正が可能であ る。ゲイン 10~話,ウインドー巾 100"'300 では,クエ ンチング比0 . 4
以下で計数効率が急激に低下するた め,クエンチングの大きい試料についてはゲイン1 0
労,ウインドー巾5 0 ' " " ‑ ' 2 5 0
で測定する乙とにより8 0
労 以上の計数効率で環境試料中のウランの測定が司能と なる。 Fig.3 にゲイン 10~話, ウインドー巾5 0 ' " " ‑ ' 2 5 0
による検量線を示した。3 . 4
環境試料中のウランの定量環境試料としては室生村で採取した土壌であるが,
サンプル4は標準硝酸ウラニノレを添加したもである。
乙れら環境試料中のウランを液体シンチレーションカ ウンターで測定を行ない,その分析結果を
Table1
に示した。サンプノレ3. 4については陰イオン交換分離法によ りウランを単離し,三等分して次の三方法lとより測定 した。
1 )電着後α放射能測定
2)
アルセナゾE
錯体による政光度測定的 3)液体シンチレーションカウンターによる測定 三方法による結果は実験誤差の範間内でほぼ一致し ているものと思われる。液体シンチレーションカウン ターによる測定では1 0 0
必近い計数効率が得られ,自動測定により大量の試料を処理出来る。ウランの表 面汚染モニタリングにおける応用としてスミア法によ り採取した炉紙を液体シンチレータ中にそのまま混入 する乙とでウランの迅速測定がl司能と思われる。
4 .
ま とめ
パッカード社製
T r i
‑carb3 3 8 0
液体シンチレーシ ョンカウンターを用いて環境試料中の微量ウランの定 量に関する基礎的検討を行ない次の結果を得た。3 4 . 6
土0 . 9 3 6 . 4 2 3 0 . 7
十2 . 3 2 1
8.4
1)チェレンコフ効果を利用してウラン溶液をプラ スチック製ノイイアル瓶を用いて定量した場合,計数効 率は約
299
話で,最小検出感度は約5.1μg
であった。2)トノレエンージオキサン系シンチレータを使用し た場合, ウランのα放射能測定による計数効率は約
1 0 0
~ちで,ウラン定量の換算係数としては 0.68μgUjcpm.
最小検出感度は0.43μg
であった。3)
環境試料中のウランの定量の際,約1.3μg
迄 のFe+++イオンに相当するクエンチングは外部線源法 により補正が可能である。電着α放射能測定法および 吸光度測定法によるウラン定量の結果と本法による定 量結果はほぼ一致しており,室生村で採取した土壌試 料中のウランは液体シンチレーションカウンター法に より4
1.7 ' " " ‑ '
48. 21!gUjgdry s o i l
であった。参 考 文 献
1) J . D . Eakins
,A .
E. La l l y ; AERE‑R‑6640
,( 1 9 7 0 )
2) A. A . Moghissi; The Current S t a t u s o f
Liquid S c i n t i l l a t i o n Counting
,Edited by E . D . Bransome
,J
r.,M. D .
,Grune
&S t r a t t o n
,I n c .
,86p ( 1 9 7 0 )
3) R . F . Kenough
,G . T . Powers; A n a l y t i c a l Chem.
,4 2 ( 3 )
,4 1 9
(19 7 0 )
4) S . S t o i c o v i c i
, 1.Uray; Nuclear Instruments and Method
,5 1
,25
(19 6 7 )
5) Mary Lou C u r t i s ; P r o c . I n t e r n . Con
f.Org. S c i n t i l l a t o r s L
iquid S c i n t . Counting U n i v . C a l i f o r n i a
,899p ( 1 9 7 1 )
6) R . Vaninbroukx; i b i d .
,913p ( 1 9 7 1 )
7)河合広,本田嘉秀,森11烏弥重,古賀妙子,木村雄一郎,姥谷照明,村上安弘,西脇安;原子力研究 所年報.
6 . 1 5
(19 6 7 )
8)森嶋弥重,桂山幸典,鶴田隆雄,古賀妙子,河合 広,本田嘉秀,林正樹;保健物理,
8 (3)
,1 5 3
(1