• 検索結果がありません。

米国における広告規制について(二・完)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "米国における広告規制について(二・完)"

Copied!
28
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

米国における広告規制について(二・完)

著者 川和 功子

雑誌名 同志社法學

巻 69

号 4

ページ 1419‑1445

発行年 2017‑09‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000436

(2)

    同志社法学 六九巻四号一一九一四一九

 

         

1  はじめに2  コモンローに基づく請求   (一) 不法行為法上の請求    A  詐欺に基づく請求    B  過失不実表示に基づく請求   (二) 契約法上の請求

   A  広告と契約

  B 不実表示に基づく請求

  

C

  保証に基づく請求

   D  マグヌソン・モス保証法(MMWA)(以上、三九二号)3  不公正または欺瞞的な行為または慣行に関する連邦法、州法(以下、本号)

(3)

    同志社法学 六九巻四号一二〇一四二〇   (erctn Aioissmom CderaTal edF一(法会員委引取邦連) )  、個別的広告規制等4イド、自主規制ガ   (ics aUnfair Deceptive Aesctnd Practstetu Sta)二:(法州)    (一) 連邦商標法の規定   (-inAILTctg Adinen-LthruT二(法実真(付貸) ))

  (三) たばこ製品に関する広告   (主広るす関に張の四ていつに境環) 告   (五) アルコール飲料に関する広告

  (六) 子供向け広告

  て5えかにめとま   (話、) 電子メール電勧制規るす七に誘関

3   不 公 正 ま た は 欺 瞞 的 な 行 為 ま た は 慣 行 に 関 す る 連 邦 法 、 州 法

  不公正または欺瞞的な行為または慣行に関しては、連邦法と州法において同様の規定がみられる。

(一) 連邦取引委員会法(

Federal Trade Commission Act

)   FTCは、欺瞞的広告などについて、一般規定である連邦取引委員会法五条、政策声明(

po lic y s ta te m en t

)、取引規制規則(

tr ad e r eg ula tio n r ule

)およびガイド(

gu id e

)などを通じ、消費者を保護するために重要な役割を果たしてきた。

(4)

    同志社法学 六九巻四号一二一一四二一   連邦取引委員会法五条⒜は、通商における不公正な競争方法に加え、不公正または欺瞞的な行為または慣行を禁止する ₅₉

  FTCは、消費者を害する行為に対して、排除措置命令、同意判決を下し、民事罰を科し、差止命令を下し、不公正または欺瞞的な行為または慣行を予防する規則を作成し、さらに消費者に対する救済などを請求することができる ₆₀

  不公正慣行とは、消費者に対して、﹁消費者が自身では合理的に回避することができない、相当な損害を生じさせ、または生じさせるおそれのある慣行であって、かつ、消費者または競争にもたらす利益を上回る﹂ものであるとされる ₆₁

  一二条は、郵便またはその他の方法により、直接的または間接的に、消費者に対し、食品、医薬品、機器サービスまたは化粧品の購入を誘引する目的でなされる、または、誘引するおそれのある虚偽広告の領布について、連邦取引委員会法五条が定義する不公または欺瞞的な行為または慣行に該当し、違法であるとする ₆₂

。FTCはこのような広告の頒布の差止め、停止命令を請求することができる ₆₃

。虚偽広告とは、一五条⒜において、﹁著しく誤認を生じさせる広告である﹂と規定される。

  FTCは、広告が欺瞞的なものかどうかについて判断する際に、広告の全体的な印象について検討し、その際に、広告において伝えられている主張がどのようなものか、当該主張が詐欺的または誤認惹起的か、潜在的な消費者に対する広告が重大か、について調査してきたが、最近は、より消費者調査、経験的証拠に基づいた判断を行っている ₆₄

  FTCは、一九七〇年以降、広告実証原則(

ad ve rti sin g su bs ta nt ia tio n do ct rin e

)を採用している。これは、広告が掲載される前に広告者は、広告においてなされる重大な主張が、合理的な根拠を有することを要求するものである。この原則に違反する場合、広告はFTC法五条に違反する不公正および欺瞞的慣行にあたることとなる。どのような事柄

(5)

    同志社法学 六九巻四号一二二一四二二

が合理的な根拠を構成するかどうかについて決める際に、FTCは、主張の種類、製品、虚偽の主張の結果、真実に基づく主張の利益、その主張について実証を示すための費用、合理的だと信じるその分野における専門家の数など、当該主張についての利益および費用に関連するいくつかの要因について考慮する ₆₅

。専門家の証言などの外部証拠が、特定の製品についての主張および、広告主が有する証拠が十分であるかどうかについて、消費者が期待する実証のレベルを決定するために有用であるとされる。この原則は、広告主が広告掲載の前に合理的な根拠を有することを課す点において事前規制として重要である ₆₆

  要求される実証のレベルは、広告においてどのような主張がなされているかによって異なってくる。

Sterling Drug, Inc.

Sterling

v . FTC

において、FTCは

Sterling

が発売している様々な薬品についての広告が、FTC法の五条、一二条に違反していると主張した。

C op e

という製品については、神経の緊張、ストレス、疲労、および鬱を緩和し、その効果が確立されていると広告で表示しているが、合理的な根拠がないと主張した。

M id ol

という製品については神経の緊張、ストレス、疲労、および鬱を緩和し、その効果が確立されていると広告で表示しているが、合理的な根拠がないと主張した。

V an qu ish

については鎮痛剤として、他の製品よりも優れていると主張されているが、合理的な根拠がないとした。第九巡回区連邦控訴裁判所は、製品がよりすぐれて効果的であることが確立または証明されているとの表示を行う場合には、以下の条件が必要であるとしたFTCの判断を支持した。その条件とは、二つまたはそれ以上の適切で十分に管理された臨床調査において、関連する薬品の効果について評価できる、訓練と経験により資格を得た、独立した専門家によって比較効果についての評価が行われることである ₆₇

 

FTC v . QT , Inc.

においては、イオン化されたブレスレットが鎮痛の効果があるものとしてテレビのインフォマーシャル(

in fo rm er cia l

)で宣伝された事例である。インフォマーシャルは、レポート番組またはトークショーのような外

(6)

    同志社法学 六九巻四号一二三一四二三 観を呈するテレビのコマーシャルであり、広告している製品の客観的な説明のような誤解を生じさせるおそれがあるため問題となる。裁判所はブレスレットがプラセボ効果を有することが一つの調査において証明されたことは十分な実証とならず、詐欺の認定は除外されないとした。 ₆₈

POM W onderful v . FTC

においては、ザクロを使用した栄養補助食品について、心臓病、前立腺がん、勃起不全等の疾患の治癒、予防、リスクの軽減が可能であると宣伝されていたケースにおいて有効性についての主張(

ef fic ac y cla im s

)と、特定されていない確立された主張(

no n- sp ec ific e st ab lis hm en t cla im s:

  製品の効果が医学的に証明されているといった、特定されていない効果が確立されているという主張)が十分に実証されるためには、無作為および管理されたヒト臨床試験が必要であるとの判断が下された ₆₉

  FTCは様々な分野における欺瞞的広告について規制する権限を有している。おとり商法(

ba it- an d- sw itc h sa le s

)についての規制はそのなかでも重要な分野の一つである。FTCのおとり商法についてのガイド(

G uid es A ga in st B ait A dv er tis in g

)は、おとり商法の範囲と定義について規定している ₇₀

。おとり商法とは、広告主が本当には販売することを意図または欲していない、商品またはサービスの申込みであり、消費者に対して、広告された商品ではなく、通常の場合、より高い価格または広告主に優位な条件で他の商品を購入させることを目的としている ₇₁

。申込みが誠実なものであるかどうかについて、(一)当該製品を当該申込みの条件に応じて、展示、表示、販売することを、拒否しているか、(二)広告された商品を誹謗中傷しているか、(三)欠陥商品または使用できない商品を展示しているか、(四)予測された需要と比較して、広告された商品の供給は不十分であるか、(五)広告された商品を販売することを妨げるために意図された、販売計画の採用または、販売者に対する報酬もしくは、罰金の方法などが考慮される ₇₂

Tashof v . FTC

においては、一四〇〇本の眼鏡のうち一〇本以下の眼鏡のみが広告通りの価格で販売された事例において、この行為は欺瞞的慣行であるとされた ₇₃

(7)

    同志社法学 六九巻四号一二四一四二四

 

FTC v . Pantron I Corp.

では、発毛剤の販売者が、インフォマーシャルにおいて、製品が育毛を促進する効果があり、その効果は科学的な研究に支えられていると表示していた事例において、効果がプラセボ効果のみに基づくものであり、医療コミュニティーにおいては、製品の調合は本来的に効果がないとの意見の一致をみており、販売者がその反証する証拠を提示していない場合、当該広告は一二条の虚偽広告にあたると判断された ₇₄

  また、減量製品についてのものなど、著名人の推薦広告について、一九八〇年に公布され、二〇〇九年に改正された推薦広告に関するガイド(

G uid es C on ce rn in g t he U se o f E nd or se m en t a nd T es tim on ia ls in A dv er tis in g

)は、推薦広告が欺瞞的であるかについて評価される際の一般原則と適用例について提示している ₇₅

。(一)広告が推薦者の現在の意見を反映し、(二)推薦者が広告の時点で、製品を信義誠実に基づき使用する者であること、かつ、(三)著名人が製品の販売に関して、消費者の合理的な期待を超えて、直接的な金銭的利益を有している場合の開示を要求している ₇₆

  FTCは、真実に基づく比較広告を、競争を促進するものとして支持している。比較広告は、真実であり、欺瞞的でなければ、消費者にとって重要な情報の源となり、合理的な購買決定を補助するとされる。比較広告は製品の改良と革新を促進し、市場における低価格を導くことができるとされる。FTCは比較広告の業界規制について、不公正取引慣行のおそれがあるとし、業界の誹謗中傷を禁止する自主規制については、誠実な批判は正当化されることが認識されるべきであると警告する。比較広告についての業界の自主規制は、その他の広告と比べて、高いレベルの実証を課すものであってはならないとする ₇₇

  もし、製造物が根拠なく誹謗中傷されたと感じる者は、不法行為法上の取引物誹毀(

tr ad e lib el

)もしくは侵害的虚偽表現、または連邦商標法(ランハム法)に基づく虚偽広告上の救済を求めることができる ₇₈

。誹謗中傷するような広告であっても、真実で欺瞞的でなければ、許容されることとなる ₇₉

。私的訴訟においても、真実であることは通常抗弁とな

(8)

    同志社法学 六九巻四号一二五一四二五 り、正確な比較営利情報は、辛辣なものであっても、高いレベルの保護を受けることとなる。 ₈₀

(二) 州法:(

Unfair Deceptive Acts and Practices Statutes

)   州の消費者法は、不公正および欺瞞的な行為および慣行規定(

U nf air a nd D ec ep tiv e A ct s a nd P ra ct ic es

 

St at ut es

(以下UDAP規定 ₈₁

))と呼ばれている。これらの規定は、不公正および欺瞞的行為および慣行を禁止しており、州の長官および私人による執行が可能となる。多くの州法はいくつかの統一法、モデル法を基本に、虚偽または誤認惹起広告、おとり広告、その他の詐欺的マーケティング方法を規制し、電話販売、貸付、スポーツジム会員など、特定の分野に適用される法律も制定している。統一法は統一州法委員全国会議(

N at io na l C on fe re nc e of C om m iss io ne rs o n U nif or m St at e L aw s

:NCCUSL)により作成され、その採択は個々の州に委ねられ、各州が個別に採択すれば、州の法として機能することとなる。州法の基礎とされる統一法には、(一)統一欺瞞的取引慣行法(

U nif or m D ec ep tiv e T ra de P ra ct ic es A ct

₈₂

、(二)統一不公正取引慣行および消費者保護法(

U nif or m T ra de P ra ct ic es a nd C on su m er P ro te ct io n

L aw

₈₃

、(三)統一消費者売買慣行法(

U nif or m C on su m er S ale s P ra ct ic es A ct

₈₄

がある。UDAP規定とFTC法に基づく訴えに対する広告主に共通する抗弁は、合衆国憲法第一修正に基づく表現の自由であるが、最高裁はこの保護は営利的言論に対しても、ある程度の制限はあるが、及ぶとしている ₈₅

。下級審は、虚偽または誤認惹起広告は合衆国憲法第一修正で保護されないため、FTCは、誤認惹起的な営利的言論について自由に規制できるとの判断を下している ₈₆

  統一欺瞞的取引慣行法は、NCCUSLによって一九六六年に公表され、一一の特定の欺瞞的慣行について規定し、﹁その他の混同または誤解を引き起こすおそれのある同様の行為﹂を禁止するものである。禁止される範囲が限定されるおそれがあることや、事業上の競争者の救済のために起草されたため、州の司法長官または州の行政機関に執行権限

(9)

    同志社法学 六九巻四号一二六一四二六

が与えられていないことといった欠陥があり、この統一法を採用した一三の州の大半において、より包括的な、消費者の救済について定める規定が置かれている ₈₇

  統一欺瞞的取引慣行法二条は、営業上自己の商品やサービスを他人からのものであると詐称し、出所などについて混同のおそれを引き起こし、物品やサービスに関連して、原産地について欺瞞的な表示または呼称を用いた場合などが規制の対象とされる旨規定する。三条は救済として、差止めを請求することができるとする。

  統一取引慣行および消費者保護法は一九六七年にFTCと州政府審議会が共同で起草し、一九七〇年に改正された。二〇の州で採用され、多くの州法はこの法を基礎にしており、三つの類型に分類される。第一の類型は、小FTC法(

“L itt le F T C A ct ”

)といわれ、FTCと同様に、不公正な競争方法または不公正または欺瞞的な行為または慣行を禁止する法であるが、州法においては、私人による執行や三倍賠償も認められている。

  第二の類型は、虚偽的、誤認惹起的、または欺瞞的慣行を禁止し、不公正慣行を禁止しないもので、州での採択はない。

  第三の類型は、禁止される一三の慣行がリスト化され、その他不公正または欺瞞的な慣行を禁止するもので、二六の管轄において採用されている。このほか、七つの州においては、消費者詐欺法(

co ns um er fr au d ac ts

)が制定されており、一般条項によって、欺瞞的または非良心的な行為または慣行および詐欺を禁止する ₈₈

  統一消費者売買慣行法は、一九七一年にNCCUSLとABAによって採用され、消費者取引のみに適用され、三つの州が採用している。禁止される慣行についてリスト化し、欺瞞的および非良心的な行為および慣行について定める。統一消費者売買慣行法は、供給者の欺瞞的および非良心的な売買慣行から消費者を保護することをその目的とする ₈₉

  個々の州法による欺瞞的慣行についての規定としては、たとえばニューヨーク州一般業務法三四九条 ₉₀

があげられる。

(10)

    同志社法学 六九巻四号一二七一四二七 三四九条は欺瞞的および誤認惹起的な業務慣行を規制する法律である。同法に基づき州の司法長官は、違法な行為を行った者に対して、行為の差止めを請求し、違法行為から得た財産の回復を請求することができる。被害者は、違法行為の差止めを請求でき、五〇ドルまたは実際の損害額を請求することができる。意図的な違反の場合、裁判所は、一千ドルを超えない範囲で賠償額を三倍までに増額することができる。年配者に対する違反行為がなされた場合、違反者が年配者に対する行為であることを知っていたかどうかや、年配者の権利を意図的に軽視する行為であったかなどを考慮し、民事罰としての罰金を一万ドルまで追加することができる ₉₁

。さらに、弁護士費用の回復も可能である。原告は重要な事項に関し、被告が欺瞞的または誤解を生じさせる行為をなし、その行為により原告が被害を蒙ったことを証明しなければならない ₉₂

4   個 別 的 広 告 規 制 、 ガ イ ド 、 自 主 規 制 等

  個別的広告規制ガイド、自主規制については、多くの分野において、連邦法、FTCのガイド、州法の規制、自主規制等があるが、本稿においては、いくつかの分野を取り上げ、FTCの規制、ガイド等を中心にふれる。

(一) 連邦商標法の規定

  連邦商標法(ランハム法)四三条⒜は、州際通商(

in te rs ta te c om m er ce

)に影響を与える、(一)広告主についての、または他の者の物品またはサービスについての、虚偽または誤認を惹起する説明または主張であって、(二)営利広告または宣伝における、(三)相当数の消費者を実際に欺き、または欺く傾向にある、(四)重要な詐欺であり、購買に影

(11)

    同志社法学 六九巻四号一二八一四二八

響を与える可能性がある、(五)当該詐欺が原告の販売や営業権に損害を与えまたは損害を与える可能性がある、行為を規制している ₉₃

。主に、欺瞞的な物品の原産地と説明について禁止するものである。ランハム法四三条⒜は、競争者に対する差止めと損害賠償を求める訴訟を提起することを可能にする。ランハム法は、商標の侵害訴訟のために議会により制定されたものであるが、一九八八年の改正において、原告の、競争者が競争者の製品についての虚偽の広告を行った場合と、競争者が原告の製品について虚偽の広告を行った場合に訴訟を提起することを可能にした。競争者が競争者の製品について虚偽の広告を行ったとの訴えがなされた裁判例として、

BASF Corp. v . Old W orld T rading Co.

において、原告は、被告の製造する不凍剤が業界の仕様に適合しているとの広告が虚偽のものであるとの訴えを行った。原告は裁判において、被告が業界の仕様に適合しているかどうかの試験を行っていなかったと主張することに成功し、裁判所は被告の広告はランハム法四三条⒜に違反して虚偽広告であるとした。裁判所は被告に対し、約四百五〇万ドルの損害賠償を命じた ₉₄

  原告が、競争者が原告の物品、サービス、または商業活動について虚偽もしくは誤認惹起的な説明または表示を行ったとの訴えがなされたケースとしては、以下の様な裁判例がある ₉₅

。このようなケースにおいては、コモンロー上、取引物誹毀(

tr ad e l ib el

)、侵害的虚偽表現(

in ju rio us fa lse ho od

)等の訴えを提起することができる。

 

P ola r C or p. v. C oc a- C ola C o.

₉₆

において原告と被告は炭酸ソーダを販売しており、被告は﹁きれいな北極を守ろう﹂(

K ee p t he A rc tic P ur e

)とラベルがついたゴミ箱に原告が製造するソーダ缶を投げ捨て、被告の製品であるソーダを飲むホッキョクグマを描いたテレビのコマーシャルを放映していた。原告は四三条⒜に基づき、コマーシャルは原告の商品の純粋さと品質について虚偽的に品位を落とすものであるとして訴え、裁判所は予備的差止命令(

pr eli m in ar y in ju nc tio n

)を認めた。

(12)

    同志社法学 六九巻四号一二九一四二九 (二) 貸付真実法(

Truth-in-Lending Act

TILA

))

  消費者与信および消費者に対する金融サービスに係る広告の多くが、連邦法による規制の対象となっている。貸付真実法は、消費者信用保護法(

C on su m er C re dit P ro te ct io n A ct

)の第一編として制定され、連邦準備制度理事会の規則Zにより施行された ₉₇

。その目的は、消費者に対して与信契約の開示を行うことによって、消費者が様々な与信契約を比較し、情報が提供された上で選定できるようにすることである。これらの開示は与信取引が完了される前に債権者によって、明確にかつ顕著にされなければならない。消費者に対する与信取引において、債権者は、実際に消費者が使うことのできる融資額を開示し、融資額について書面による明細書を取得する権利があることを消費者に開示しなければならない。融資費用については年率で表示し、融資額と融資費用を足した額を﹁支払の全額﹂として表示し、あわせて支払回数、支払額、支払期間についても開示しなければならない ₉₈

  違反の際には、消費者や、通貨監督庁長官をはじめとするいくつかの政府機関が貸付真実法違反に基づく訴訟を提起することができる旨の規定が置かれている ₉₉

。クレジット広告については、カタログおよび複数ページにわたる広告規制、頭金と分割払いについての広告規制などがある (00

(三) たばこ製品に関する広告

  合衆国憲法第一修正と広告の関係について、

V irginia State Boar d of Pharmacy v . V irginia Citizens Consumer

Council, Inc.

は、営利的言論に関し、営利広告における広告主の利益が純粋に経済的なものであっても、合衆国憲法第一修正および第一四修正の保護から排除されないとする。それは、個々の消費者および、社会一般にとって、営利情報の自由な流れは重要な利益であるからと理由づけられる。欺瞞的でない、真実に基づく営利的言論については、合衆

(13)

    同志社法学 六九巻四号一三〇一四三〇

国憲法第一修正によって保護され、州が、資格を有する薬剤師の専門性を維持する利益があるという理由で、薬剤師が処方薬の価格について広告するのを禁止することは、正当化されないとした (0(

。下級審においては、欺瞞的または誤認惹起的な広告については、合衆国憲法第一修正で保護されないとの判断が下されている (02

Central Hudson Gas &

Electric Corp. v . Public Service Commission of New Y ork

においては、真実に基づく営利的言論については、合衆国憲法第一修正によって保護されるものの、以下の要件がみたされれば規制が可能であるとする。(一)政府が規制に関して実質的な利益を有すること、(二)営利的言論の制限がその利益を直接的に促進すること、(三)規制が必要な限度を超えていないことである (0(

  一九六四年、FTCは、警告なしにたばこ製品について広告することは、不公正または欺瞞的であるとして、たばこ製品についての広告に健康被害警告が必要とされることとなる取引規制規則を作成したが、制定されることはなかった (0(

。議会は、紙巻たばこラベルおよび広告法(

C ig ar et te L ab eli ng a nd A dv er tis in g A ct o f 19 65

)において、ラベルに警告を表示することを課した (0(

。FTCは、米国の主要な六つのたばこ会社については、広告における警告について、一九七二年の同意判決を通じ規制している (06

。FTCは様々なブランドのたばこ製品のタールとニコチンについて実験室でテストし、たばこ会社は広告において、タールとニコチンの比率についてFTCのレートを使用することになっている。 (07

その後、紙巻たばこラベルおよび広告法については、新たに、公衆衛生局長官から、喫煙が、肺がんや心臓疾患などを惹き起こすことについての警告など四種類の警告のうちのどれかについて義務付けるための改正が一九八五年に、翌年、無煙たばこ製品についても、健康についての警告を義務付ける改正が行われた (08

。ラジオおよびテレビにおける紙巻たばこおよび無煙たばこについての広告は連邦法において禁止されている (09

。一九九五年、司法省はフィリップ・モリス社に対する、同意判決に基づき、試合の放送中にテレビに映る可能性のあるスポーツ試合場におけるたばこ製品の広告を差

(14)

    同志社法学 六九巻四号一三一一四三一 し控えることを強制した ((0

(四) 環境についての主張に関する広告

  FTCは環境に利益をもたらすと主張する製品の広告についての詳細なガイドを一九九二年に公表し、二〇一二年にその適用範囲を広げるなどの改正を行った。FTCガイドは、環境に関る主張について、一般的なガイダンスと特定のガイダンスを含む内容となっている。許容されないケースの例と、欺瞞的でない環境に関する主張を行うために許容される方法について、セーフハーバーの範囲内である例も提示されている (((

  ガイドまたは解釈規則(

in te rp re tiv e ru le s

)は、FTCの政策についての一般的な声明であり、取引規制規則ではない ((2

。もし企業がガイドに違反している行為を行った場合、FTCは司法手続において個別に当該行為が欺瞞的または不公正な取引慣行であることを証明しなければならない (((

。取引規制規則の場合には、直接に民事罰の対象となる (((

。ガイドは、取引規制規則と比べてより早く公布できるという利点がある。

  再生可能な原料またはエネルギーなど、環境に利益のあると信じて製品を購入する消費者に対して、﹁グリーン﹂な製品が欺瞞的でないことを保証することは重要であると考えられている。FTCガイドは、(一)特定の主張が基準を満たしているかどうかの適格性および主張に関連する開示は、顕著で詐欺を防ぐものでなければならない、(二)環境に関する主張について、主張している結果または利益は、製品についてのものか、包装についてのものか、または両方についてのものか明確にされなければならない、(三)環境についての結果は、誇張されてはならない、とする (((

  たとえば、FTCは、リサイクルコンテンツが全体の二%から三%になった場合、包装に﹁リサイクルコンテンツが以前と比較して五〇%増量した﹂とのラベルが付されていると、その製品にかなりの再生材が使用されているとの誤っ

(15)

    同志社法学 六九巻四号一三二一四三二

た印象を与えるおそれがあるため欺瞞的であるとする。比較広告については、比較の根拠を明確にし、広告主は、比較の根拠について、実証できなければならないとする。広告主が、リサイクルコンテンツが二〇%増量していると主張した場合、何と比較して二〇%の増量がなされているのかについて、以前の製品に比べてなのか、競争者の製品に比べてなのかが明らかにされなければならないとする ((6

(五) アルコール飲料に関する広告

  合衆国憲法第一修正は、表現の自由を保護するため、真実に基づく、欺瞞的でない広告について州が規制することを制限している ((7

44 Liquormart, Inc. v . Rhode Island

において、最高裁判所は、アルコール飲料の実売価格の広告について州が全面的に禁止することは許容されないとした ((8

  アルコール・たばこ・火器及び爆発物取締局規則(

B ur ea u o f A lc oh ol, T ab ac co a nd F ire ar m s

A dv er tis in g R eg ula tio ns

)は、ワイン、蒸留酒、麦芽飲料に関する広告について個別の規定を置く。規則は、広告が虚偽または誤認惹起的声明、競争者の製品に対する中傷的な声明、猥褻な声明、治療上の効果についての真実でない、または誤認惹起的声明を含まないこと、サブリミナルまたは類似の手法は禁止されることなどについて定める ((9

。FTCは、アルコール産業のマーケティング慣行について調査結果を公表しているが、自主的な行動規範について推奨するにとどめている (20

  FTCは、アルコール産業に対し、ティーンエージャー向けの広告について特に自主規制を促してきた。連邦法において二一歳未満のアルコール飲料の購入、公での所持は規制されている。飲酒については、州によって様々な規制がある。飲酒可能年齢について規制する州と、規制しない州があり、規制する州の中には、二一歳未満の飲酒を規制する州もあれば、選挙権年齢に合わせて一八歳未満の飲酒が規制される州もある。また、私的な飲酒や監督する家族と一緒に

(16)

    同志社法学 六九巻四号一三三一四三三 特定の場所で飲酒する場合には規制を課さない州もある (2(

。アルコール飲料の広告主のほとんどは、ティーンエージャーをターゲットとした広告を制限することを意図した自主規制に従っている。この自主規制は合衆国蒸留酒会議(

D ist ille d

A dv er tis in g C ou nc il of th e U nit ed S ta te s: D IS C U S

)、ビール協会(

th e B ee r I ns tit ut e

)、およびワイン協会(

W in e In st itu te

)によるもので、二一歳未満の者に対する広告の割合は二八・四%を超えてはならない、広告の内容は二一歳未満の者を主として対象としてはならないといった規制を課すものである (22

  一九九九年、FTCはベックスビールの広告を巡り製造者に対する訴訟で製造者と和解した。問題となった広告は、若者が、ヨットに乗りながら、ライフジャケットを着けずにバウスプリット(帆船の船首から前方へ伸びている棒)でバランスをとり、またはヨットの端で座りながら、アルコール飲料を消費しているテレビ広告であった。FTCは、このような行為は安全でなく、船外に墜落することを防ぐために警戒する必要があると主張した。このような状況でアルコール飲料を消費することは、溺れることを防ぐ人間の能力を損なうおそれがあるため、テレビ広告は不公正であり、欺瞞的である可能性があるとされ、会社は広告を取りやめることに同意した (2(

(六) 子供向け広告

  一九三四年の

K ep pe l

判決において、キャンディーを余分に受取るか、より低価格でキャンディーを購入するか選択させるキャンディーの販売方法(

br ea k an d ta ke

)について、最高裁判所は、キャンディーを購入した子供は騙されていないとしたが、そのような慣行は自分を保護することができない子供を利用するのでFTC法五条の不公正な慣行にあたるとの判断を下した。裁判所は、ギャンブルは公序に反し、多くの州法によって非難されているとする (2(

。このように、子供、老人または脆弱な者に対して、その脆弱性を売主が自己に有利に利用する行為は、不公正であるとされる。

(17)

    同志社法学 六九巻四号一三四一四三四

  FTCは、一九六四年の﹁喫煙の危険に関連する、紙巻たばこの不公正または欺瞞的広告およびラベル﹂についての﹁取引規制規則の基本と目的に関する声明﹂においては、喫煙を始めようかと考えている若者に対して、紙巻たばこの広告がその脆弱性を利用しているように見えると強調している。FTCは、その声明においてティーンエージャーは、喫煙に関する健康の危険について客観的に評価することができないため、広告主にはたばこの広告で不当に魅惑しない様、保証する義務があるとする (2(

  FTCは一九七〇年代にキャンディーとシリアルのテレビ広告について、健康に対する危険の可能性を省略しているので欺瞞的であるとして、制限しようと試みたり、ある年齢以下の子供に対するテレビ広告は生来的に不公正であると主張している。実際幼い子供はテレビの広告によってもたらされるメッセージについて、分け隔てなく信頼し、それが偏った説得であることを理解することができないことが証明されているものの、テレビの広告から子供を保護する現実的な解決方法はないとの結論に至っている (26

  FTCはテレビ広告が幼い子供を食い物にしているとの主張を取り下げたものの、広告における危険な行為を行う子供の描写(

de pic t

)については争い、同意判決がいくつか存在している (27

。そのほか、日曜版の新聞が、剃刀のサンプルを頒布するといったマーケティングの方法に関しても争われ、剃刀の刃が付属しているという明確で顕著な開示などがない場合の頒布が禁止された (28

  子供の肥満に関連して、高カロリー食品についての広告も問題となっているものの、FTCが規制を行うことはなされていない (29

  FTCは食品および飲料産業のマーケティング支出ならびに子供およびティーンエージャー向けの活動についての調査を継続的に行っており、二〇一二年の調査(

A R ev ie w o f F oo d M ar ke tin g to C hil dr en a nd A do le sc en ts : F oll ow -U p

(18)

    同志社法学 六九巻四号一三五一四三五

R ep or t

)では、二〇〇六年と二〇〇九年のデータが比較されている ((0

。調査によると、二歳から一七歳に向けた食料品のマーケティングについては、テレビ広告は減っているものの、ニューメディアにおけるオンラインやモバイルのマーケティング等は増加している。食料品と子供向け映画(アイス・エイジ、ナイトミュージアム二など)や、テレビ番組のキャラクター(スポンジ・ボブなど)を関連させた商品の広告(

cr os s p ro m ot io n

)が増加している。これらは、テレビ広告や、包装に使用され、子供向けの食事、冷凍デザート、キャンディーなどについての販売を促進している。食料品の広告と包装は子供が食料品をせがむ鍵となっているとされる。また、シリアルに含まれる砂糖の量は二〇〇六年に比べて減少し、全粒穀物の量はわずかに増量されたが、依然として、材料のほとんどを精製された穀物が占めるシリアルが若者向けの市場で支配的であるとされる。二歳から一一歳に主に販売されるシリアルは砂糖の量が多く、全粒穀物の量が少なく、ティーンエージャーと消費者全体向けに販売されるシリアルと比べて、もっとも栄養価が少ないとされる。ライセンスされたキャラクターを使用して販売されるシリアルおよび映画やテレビ番組の関連商品として宣伝されるシリアルは、その他のシリアルに比べて、全粒穀物の量が半分以下である。

  一九九〇年議会は、テレビにおける子供の教育、情報プログラムを増やすことを意図し、子供テレビ法(

C hil dr en ’s Te le vis io n A ct

C T A

))を可決した。同法は、FCC(

F ed er al C om m un ic at io ns C om m iss io n

:連邦通信委員会)がテレビ放送局に対して、規制を課すことを指示し、同法に基づいてFCC規則、ガイドが置かれている (((

。FCC規則は放送局、ケーブルオペレーター、サテライトプロバイダーに対し、週末の子供向けテレビ番組内の広告を一時間あたり一〇・五分に制限し、平日には一二分に制限することなどについて規定する ((2

。一九九二年電話情報開示および紛争解決法(

Te le ph on e D isc lo su re a nd D isp ut e R es olu tio n A ct o f 19 92

T D D R A

))においては、電話会社および長距離電話会社の一二歳未満の子供に対するペイパーコールサービス(

pa y- pe r-c all se rv ic es

)の広告は禁止される (((

(19)

    同志社法学 六九巻四号一三六一四三六

  子供オンラインプライバシー保護法(

C hil dr en ’s O nli ne P riv ac y P ro te ct io n A ct

C O P PA

))は、一三歳未満の子供についての個人情報を収集、利用、開示する一三歳未満向けの商業ウエブサイトまたはオンラインサービスのオペレータ等に対し、個人情報を収集する前に両親に通知し、その同意を得ることなどを課すものである (((

(七) 電子メール、電話勧誘に関する規制

A

 

CAN-SPAM Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Market ing Act of 2003

法() (((

 

C A N -S PA M

法はスパムメールについて規制する法である。商用電子メールを送るすべての送信者に適用され ((6

、商用電子メールの送信者は、虚偽または誤認惹起的なヘッダー情報、欺瞞的な件名を使用してはならず、商用電子メールについて広告であると明記し、将来その様なメールを受取ることについてオプト・アウトする方法を受領者に提供しなければならない。違反には罰金が課される ((7

。でたらめなアドレスを大量に作成してメールを送信し、エラーが帰ってこなかった実在するアドレスを収集する行為(

ha rv es tin g

)、よく使われるパスワードを辞書的に登録し利用する行為(辞書攻撃)、コンピュータをハイジャックして、商用電子メールを送る行為、電子メールアカウントまたはドメイン名を複数登録して身分証明書を偽造する行為といった加重違反についてはさらに厳しい罰が科される。性的な情報を含むメールに関してはその旨件名に明確に表示されなければならない ((8

  FTCが主な管轄機関である他 ((9

、米国通貨監査局(

O ffi ce o f t he C om pt ro lle r o f t he C ur re nc y

O C C

))、連邦準備制度理事会(

F ed er al R es er ve B oa rd

F R B

))、米国連邦預金保険公社(

F ed er al D ep os it In su ra nc e C or po ra tio n

F D IC

))など多くの機関が執行権限を有する ((0

。上述の政府系機関、FTC、州の司法長官に加えインターネットサービスプロバイダーも訴訟を提起することができる (((

C A N -S PA M

法違反は不公正または欺瞞的な慣行として連邦取引委員会法の違

(20)

    同志社法学 六九巻四号一三七一四三七 反となる ((2

。違反の際には、民事罰、排除措置命令、差止命令、エクイティー上の救済を課すことが可能である (((

。刑事罰としては、五年以内の拘禁も可能である。 (((

B

  電話勧誘拒否登録 (((

  テレマーケティングならびに消費者詐欺および濫用防止法(

Te le m ar ke tin g an d C on su m er F ra ud a nd A bu se P re ve nt io n A ct : T C FA P

法) ((6

は、欺瞞的なテレマーケティングの行為または慣行を禁じ、合理的な消費者が威圧的またはプライバシーの侵害だと考えるテレマーケターの不招請電話を禁止するために制定された ((7

。同法は、FTCが、欺瞞的テレマーケティングの行為または慣行およびその他の濫用的なテレマーケティング行為または慣行を禁止する規則を規定しなければならないとする ((8

。TCFAP法の違反があった場合、FTC、州の司法長官、または私人が訴訟を提起することができる ((9

  電話勧誘拒否登録は、TCFAP法により、FTCが濫用的または欺瞞的な慣行を防ぎ、正当なテレマーケティング成長を促進するために、FTCによって採用された取引規制規則であるテレマーケティング販売規則の改正により設置された ((0

。電話勧誘拒否登録施行法(

D o- N ot -C all Im ple m en ta tio n A ct

)は、FTCが電話勧誘拒否登録(

D o- N ot -C all R eg ist ry

)の施行および強制のための手数料を徴収する権限を有するとする (((

。電話勧誘拒否手数料延長法(

D o- N ot -C all

F ee E xt en sio n A ct o f 20 07

)は、テレマーケターが登録にアクセスするための年間手数料については、除外団体を除き、二〇〇九年においては一エリアコードあたり五四ドルまたは、すべてのエリアコードについて一四八五〇ドルのどちらか低い額であると規定する。ただし、最初の五つのエリアコードのアクセスについて手数料は課されないとする(その後の手数料は、消費者物価指数のレートの変化に応じて変更される) ((2

。消費者は、FTCの電話番号

1 - 88 8 - 38 2 - 12 22

T T Y

(21)

    同志社法学 六九巻四号一三八一四三八

1 - 86 6 - 29 0 - 42 36

)またはオンラインで

w w w .d on ot ca ll.g ov

にアクセスし、電話番号の登録をすることができ、売主、テレマーケターは、登録された電話番号に電話してはならない (((

  電話勧誘拒否リストの違反に対するサンクションについては、FTC、連邦通信委員会(

F ed er al C om m un ic at io ns C om m iss io n

F C C

))、および州の司法長官が執行することができる。登録リストについてのFTC規則の違反はTCFAP法により、FTC法の不公正または欺瞞的慣行にあたるとされるため (((

、FTCは、一回の違反ごとに四万ドルまでの罰金を科すことができる (((

。違反者は電話勧誘拒否リストの違反行為について全国的な差し止めを受ける可能性がある ((6

5   ま と め に か え て

  本稿においては、米国における虚偽広告、誤認惹起広告、詐欺的広告、欺瞞的広告および不公正な広告に関する規制、裁判例を中心に、その概要について取り上げた。広告規制の種類については、コモンローに基づく請求、不公正もしくは欺瞞的な行為または慣行に関する連邦法、州法、個別広告規制については、連邦取引委員会法の規制、ガイド、自主規制等を中心に、マグヌソン・モス保証法、連邦商標法、貸付真実法、たばこ製品に関する広告、アルコール飲料に関する広告、環境についての主張に関する広告、子供向け広告について取り上げた。広告に関し、コモンロー、連邦法、州法、ガイド、自主規制などさまざまな手段で規制等がなされており、その全容を紹介することは困難である。さまざまな種類の製品に関する広告が存在し、広告の手法も、製品の種類、対象となる顧客層などに応じて異なっている。また、誤認惹起広告、虚偽広告、欺瞞的広告などから保護されるべき者、保護されるべき規範もさまざまである。広告規

(22)

    同志社法学 六九巻四号一三九一四三九 制は、それらの特色を踏まえた上で策定されることが必要となる。たとえば、脆弱な消費者に対する保護が問題となる場面における規制と、競争者の製品についての虚偽広告が問題となる場面、環境に関する企業側の行為態様が問題となる場面における規制のありかたについては、規定の策定に別個の考慮要素が関連してくる。FTCは、法、訴訟、規則、ガイドなどを通じて、不公正または欺瞞的な行為または慣行を禁じ、消費者を保護するため重要な役割を果たしてきた。FTCの広告実証原則の採用、おとり商法、著名人の推薦広告、インフォマーシャル、環境についての主張に関する広告のガイド、子供向け広告に関する取り組みなどは、非常に興味深い。金融サービスに関する広告の開示規定、たばこ製品の広告に関する警告規制など、広告に関する規制が比較的容易な分野もあれば、合衆国憲法第一修正などとの関連から、規制を行うことが難しい分野も存在する。今回十分に検討することができなかった、コモンロー上の請求についての裁判例、FTC法に関連する裁判例、広告実証原則やさまざまな分野においてのFTCの規則、ガイド、個別規制、同意判決等についても今後検討していきたい。とりわけ、子供向けの広告規制については、日本においても内閣府消費者委員会が、二○一七年二月に﹁子供向け広告の在り方について考えるシンポジウム﹂を開催するなど重要な分野であることから今後の進展が注目されるところである ((7

。どのような規制が、どのような類型の消費者に必要で適切な情報を伝達し、消費者に自主的に製品・サービスを選択させることを可能にするのかという点を考慮しつつ、製品・サービスの種類、保護の対象の差異を踏まえた広告規制のありかたについてさらに検討を重ねていきたい。

︹付記︺本研究は、

JS P S

科研費

26 38 01 55

の助成による研究成果の一部である。

5915 U.S.C. §45a;﹄() 

(23)

    同志社法学 六九巻四号一四〇一四四〇

60§§45, 53, 57, and57b. Id. ) 

61Id. 45n.) 

62Id. § 52.) 

63§ 53.Id. ) 

64KNN & ALDERMA, ra note 2, §8.1.EGIDRft, Inc. v. F.T.C., 970 F.2d 3111992; Psupra) 

9189.C. Cir. 1986, 47D U. .S1086.1987cert. denied, mo.,Cal iced Monpsayho; T1720, 17d Mte410aff F, d 2. F179’d,st84.T19983, 864. .Cisi vlaadpolicy-statement-regarding-vertising-substantiation. 6503’nttp, h8319ding Advertising SubstantiationFTC Policy Statement Regar, m/om Cdera. TedFs://www8319/ft/c-enmteta-slicub/povc.g.ftts) 

66P, .57t a8tenoSHRA M &NEGIDRsupra ) 

67741.8419ir. Cth958, 4611d 2. F11) 

68512.0820ir. Cth7885d 3. F) 

69777.1520ir. . C.CD4, 847d 3. F49) 

7016 C.F.R. §238.) 

71.Id) 

72Id.§238.3.) 

73437.7019ir.. C.CD770d 2. F) 

7433th.9419ir. C9 F8810d 3.) 

esncerningtcotimials.pdf.on -ctices/guidesrnonceing-usr_no/fetegisrel_radeentsenumoc/des/filulte-nddog-esidgu151009/525rt-pafr--c16sinrsrtiveadls-iaonimst-tede-atsenemfa 7509RIDES CONCEN, GINGTHE USEOFUNNE16 C.F.R. §255; FD’. TRADE COMM EDwiteERTISING20s//sOovc.g.ftw/ws:/ttp, hVD AINRSEMENTSAND TESTIMONIALS) 

76Id., .61t , a8e ot nsupraSH; PA M &NEGIDRR)  .14ctduror Ptear; C15.. §In.R.F C16; 7919932s, c.,, 26319ir. Cth5352d .60 F332,278. .C.T F47, 328 modified, 77egL,NAM47RED Ano &NE, GIDR P. R, §te Ced F44, ’nm2omdera. Ted; F28:11. Comparative Advertising Policy Statement,,See generally supra ) 

参照

関連したドキュメント

用局面が限定されている︒

EC における電気通信規制の法と政策(‑!‑...

これは有効競争にとってマイナスである︒推奨販売に努力すること等を約

[r]

[r]

それゆえ︑規則制定手続を継続するためには︑委員会は︑今

[r]

金属プレス加工 電子機器組立て 溶接 工場板金 電気機器組立て 工業包装 めっき プリント配線版製造.