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博士(工学)朱 木蘭 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(工学)朱   木蘭 学位論文題名

Applications of Fuzzy Reasoning and Neural         Network to Runoff Forecasting

(ファジィ推論とニューラルネットワークの流出予測への応用)

学位論文内容の要旨

降雨時にダム、遊水池、水門などの洪水防御施設の的確な運用および水防活動の支援の ためには、リードタイムの長い流出予測が不可欠である。一方、流出予測のりードタイム が長くなるにともなぃ降雨量の予湖j必要になり、また、予測されるる降雨量も定量的な

・ 情 報 か ら 「 弱 、 中 、 強 」 な ど の 定 性 的 な 情 報 に な ら ざ る を 得 な し ヽ 。   本論文は、流量予測に際して入手できる各種の定量的あるいは従来の予測手法では用い られていない定性的な水文・晴報を有効に利用するために、ファジー理論やニューラルネヅ ト ワ ー ク な ど を 利 用 し た 流 出 予 澗 手 法 の 開 発 を 目 的 と し て い る 。 本論文は、8章からなっている。

  第1章は、序論で目的について述べている。

  第2章は、ファジィ推論の基礎理論を述べている。降雨〜流出系のような物理系に適する If thenの条件文の数式化とファジィ合成法をModus Ponens規範から論じている。これま でに発表されている

  第3章は、ファジィ推論を用いた流出予測手法にっいて述べている。先ず、流出系を記述 するシステム方程式について諭じている。特に、流出予測を低廉なバーソナルコンビュー 夕一でも計算可能(計算時間とメモリー)なように単純な流出系のシステム方程式を提案し ている。

  さらに、北海道内の雨竜川水系青山ダム流域(流域面積229km2)とNew York州のButter nut Creek(流城面積l55k012)に適用した結果について述ペ、面積がl00〜200kIH2の流域では 降雨量を予測しないで流出量を予測できる最大リードタイムが3時間程度であることを示し ている。

  4章 は 、 ニ ュ ー ラ ル ネ ヅ ト ワ ー ク の 特 徴 に つ い て 論 じ て し 、 る 。   第5章は、ニューラルネ卜ワークを流出予測に応用するときの問題点とその解決法につい 諭じている。先ず、ニューラルネトワークの教師信号ヘ依存性について貯留関数法を用い て検討している。一般に教師信号となる過去の洪水資料は限定されているので、流出予測 問題を考えるとき、ニューラルネットワークの教師信号への依存性は重要な問題となる。

この問題を克服するためにオンライン予測手法と既存の流出モデルを利用する手法を提案 している。

  次に、二ユーラルネットワークの学習について検討している。降雨量は流出量に比較し て逼かに高周波数成分を含んでおり、このような特性の異なる信号を教師信号とすると解 が収斂しない場合のあることを示し、不完全結合型のニューラルネットワークを用いるこ とにより、この問題を解決できることを述べている。さらに、第3章で用いたニっの流域を 対象にニューラルネヅトワークを用いた流出予測を行い、ファジィ推論による結果と比較 している。

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第6章 は、流 出予測 のりー ドタイム が長く なり降 雨量の 定性的な予iqa情報を用いる場合に つ い て フ ァ ジ ィ 〜 二 ユ ー ラ ル ネ ッ ト ワ ー ク を 用 い た 流 出 予 測 手 法 を 諭 じ て い る 。   降雨 量の定 性的な 予瀦情 報は、 気象庁の 予報用 語の定 義にしたがった。すなわち、弱い 雨(3mm/hr以下)、やや強い雨(10mm/hr以上で大雨注意報の基準に達しな`、雨)、強い雨(l 5〜30mm/hr以上)、激ししヽ雨(40〜50mm/hr以上)の4卿旨の予測降雨量を与えた。降雨量の予 測値 を用い ない場 合は、予 測の最 大リードタイムが3時間が限界であったが、上述の定性的 な降 雨の予 洳情報 を用いた だけで も予測 の最大 リード タイム を5〜6時間程度まで拡大でき ることを示している。

  第7章 は、気 象レー ダ降雨 を直接 用いた流出予測法を述べている。レーダ降雨ははレーダ の反 射強度 を意味 しており 、降雨 強度そ のもの ではな い。通 常は、レーダ反射強度は換算 式を 介して 降雨強 度に変換 される 。この 際、必 然的に 換算誤 差が生じる。本章では、直接 レ ー ダ 降 雨 と ニ ュ ウ ー ラ ル ネ ヅ ト ワ ー ク を 用 い る 予 測 シ ス テ ム を 開 発 し た 。   この システ ムの適 合性を 北海道 開発局の 道央レ ーダ降 雨情報を用いて定山溪ダム流域に 適 用 し、 地t: 観 測 降雨 を 用 い た場 合 と 同 程度 の予 瀾が可 能であ ること を示して いる。

  第8章は、本論文の結諭を要約している。

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学位論文審査の要旨

    

学 位 論 文 題 名

Applications of Fuzzy ReasonlngandNeura1     NetWOrktORunoffFOreCaSting

( ファ ジィ 推論 とニ ュー ラル ネットワークの流出予測への応用)

  

近年、アメダス観測網、各種のテレメー夕、気象レーダあるレヽはフリックスに代表 さ れる 水文 情報 網の 拡充 にともなぃ、市町村の端末装置からオンラインに近いかたち で降雨量や流量情報の入手が可能になってきている。これにともな。ヽ、降雨時におけ る 流域 内の 水文 量の 現況 の把握から、さらには、これらの水文情報を利用したりード タ イム の長 い流 出予 測手 法がの開発が要請されている。一方、流出予測のりードタイ ム が長 くな るに とも なぃ 降雨量の予測が必要になり、また、予測される降雨量も定量 的 な 情 報 か ら 「 弱 、 中 、 強 」 な ど の 定 性 的 な 情 報 に な ら ざ る を 得 な い 。

  

本論 文は 、流 量予 測に 際して入手できる各種の定量的、さらに従来の予測手法では 利 用す るこ との でき なぃ 定性的な水文情報をも有効に利用するために、ファジ一理論 や ニュ ―ラ ルネ ット ワー クな どを 利用 した 流出 予測 手法 の開発 を目 的と して いる 。 本論文は、8 章からなっている。

  

第1 章は、序論で目的について述べている。

  

第2 章 は、 ファ ジィ 推論 の基 礎理 論を 述べ てい る。 特に、降雨〜流出系に適するフ ァ ジ ー 関 係 の 定 式 化 と フ ァ ジ ィ 合 成 法 を

Modus Ponens

規 範 か ら 論 じ て い る 。

  

第3 章 は、 ファ ジィ 推論 を用 いた 流出 予測 手法 を諭 じている。先ず、流出系を記述 す るシ ステ ム方 程式 につ いて検討を加え、特に、流出予測を低廉なパーソナルコンピ ユ ー タ ー で も 計 算 可 能 な 単 純 な 流 出 系 の シ ス テ ム 方 程 式 を 提 案 し て い る 。

  

さ ら に 、 北 海 道 内 の 雨 竜 川 水系 青山 ダム 流域 (流 域面 積229km2 )と

NewYork

州 の

Butternut Creek

(流域面積l55km2 )に適用した結果について述ベ、面積がl00 〜200krr12 程度の流域では予測降雨情報の無い場合、流出量を予測できる最大リードタイムが3 時 間程度であることを示している。

  

第4 章 は、 流出 系に 適す るニ ュ― ラル ネッ トワ ーク の構成について論じている。特 に 、流 出系 が強 い低 域フ ィルターであることを考慮して、不完全結合型のニューラル ネットワークを提案している。

  

第5 章 は、 二ユ ーラ ルネ ット ワー クを 流出 予測 に応 用するときの問題点とその解決

博 興

睦 忠

田 倉

藤 板

授 授

教 教

査 査

主 副

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法に ついて論 じている。 先ず、二 ユーラル ネットワ ークの教 師信号ヘ 依存性について 貯留 関数法を 用いて検討 している 。この問 題を克服 するため にオンラ イン予測手法と 既存 の流出モ デルを利用 する手法 を提案し ている。さらに、第3 章で用いたニっの流域 を対 象にニュ ーラルネッ 卜ワーク を用いた 流出予測 を行い、 ファジィ 推論による結果 と比較している。

  

第6 章は 、 定性 的 な降 雨量の予 測情報が得 られる場 合につい てファジ ィ〜二ユ ーラ ルネ ットワー クを用いた 流出予測 手法を論 じている 。気象庁 の降雨予 測用語は、弱い 雨(3mm /hr 以下)、やや強い雨(10mm/hr 以上で大雨注意報の基準に達しない雨)、強い 雨(15 〜30mm/hr 以上)、激しい雨(40 〜50mm/hr 以上)の4 段階になっている。これらの定 性的 な降雨量 の予測情報 を与えた だけでも 、実用的には予測の最大リードタイムを5 〜

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時間程度まで拡大できることを示レている。

  

第7 章は 、 気象 レ ーダ 情報を直 接用いた流 出予測法 を述べて いる。レ ーダ反射 強度 が換 算式を介 して降雨強 度に変換 され際の 換算誤差 を除去す るために 、直接レ―ダ情 報と ニューラ ルネットワ ークを用 いる予測 システム を開発し ている。 このシステムの 適合 性を北海 道開発局の 道央レー ダ降雨情 報を用い て定山渓 ダム流域 に適用し、地上 観 測 降 雨 を 用 い た 場 合 と 同 程 度 の 予 測 が 可 能 で あ る こ と を 明 ら か に し て い る 。

  

第8 章は、本論文の結論を要約している。

  

これ を要する に、著者は 、流出予 測法とし てファジ ー推論法 やニュー ラルネットワ ーク 法を応用 する手法を 提案し、 多くの新 知見を得 たもので 水文学に 対して貢献する ところ大である。

  

よっ て著者は 、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

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