図書名 在外日本古美術品修復協力事業修理報告書 : 工芸 品I[平成10年度実施事業] : Project for
Conservation of Works of Japanese Art in Foreign Collections I
開始ページ 19
終了ページ 35
URL http://id.nii.ac.jp/1440/00005401/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
館紋蒔絵螺釧盆
fl成 10 年·/支{1多移i'li·.:i忍
;y
No.20~ 令
':j'/3
The numbers indical the pholos'numbc1.
,11111名 : 怜紋1/が絵螺釧盆 OTJ illか代 18-19c)
所)1泌 : ピーボテ‘ィ ・ エセックス1·t1l物創'[ アメ リ カ合衆1-r.1
,'11', 質枯辿 : 木製、漆唸、 1/、I{ 絵、螺釧 所)l淡番',}
: E ‑ 8 2 6 7 0
副げl 行 修 J~闊'·
~ 1 ,,
者)
J;[ 私~執判i:1
: 1 1 1 1
i序I
りl 1
: 1 1 1 I : ;~ :
明/.Ii味叩H I 1 1
/{明 /
11.
味聖L J1i] 螺鈿 (接着後)
Raden
1 1 / a k i c N ad e l l
Trayw i t h E a g l e P a l l c r n ( a r L c r f i x i n g )
8
:
‑ l
鷲紋蒔絵螺鈿 (,{; ((1'. (修理前)
M o f t , i e N oden Tr ay w i t h Eagle
Pattern( b d o r c r c s l o r c t l i o n )
4 l 1 i J
螺i j l l l
(接着前)R ad e n , Ma/d e R ad e n Tr ay v v i t h Eagle Patt e r n ( b e f o r e f i x i n g )
1' 修理概要
'-の盆は、 米Ii;.1セーラム Tliのピーボディ ・ エセックスl'!1T 物創'{に所蔵される。 ピーボティ ・ エ セ ックスt1.り物 fif,;は、 II本では E.S.モースのコレクシ ョンで知られ、失われた II本文化の一部 をイムえるものとして近年fr.
I
I を集めた。 この盆はピーポティ ・ エセックス1·1.り物創[のなかでも、 洵'•j濱料部で1呆·↑岱されてきたもので、制作年代がほしま確‘巫できる輸出漆悩としてi'i:1 F :
である。それは、 L801 年に長11!奇にオランダI,q 旗を掲げて人迷した米1叶の貿易船マーガレッ ト',;-によって
I
1 1 I , : 1 : 1
位のl>fru磁悩、 1文11!,か螺釧の漆悩、 琢具類とともに辿ばれたことが,記録に残さi している。,
̲
= ンダを辿じて艮l崎からヨーロッノぐに漆悩が大:化に輸出さi したこ とは、次第に明 らかにな ってしヽるが、ヽ1'111が、鎖Ir」状態にあった11本がペリ ー米航以削に米 I,;_Iの船のi):_ 文を受けて漆岱を 11・:欣し、そ i しが米川にイムえら i したという 'j,;.'必はこれまでも余リ 知らi していない。 この盆はセー
一 ,ヽiiiにとっても 11 本との父易の始ま リ を小す,記念碑的なイr在であった。
'-うした背屎から、この盆は 1支年、 収蔵),ドに保祁店さ i して きにのではなく、 1心扱間に飾ら i して しヽた。そのため、漆命)l如しの劣化、本地のN姐且が;名: しく ,忍めら i しに。 辿」:;にも数1 川にわた リ、修 Jlj!_ が施さ i してきた)1多屈亦があるが、その修Jり!.箇所•も蔽出してしヽる状態であった。
平成I0 年以在外II 本古文術修似協力 ·h-業の一)汰として、修 J 用が必視す z.
‑
t,キ リ、 I0ヶ )]あまリを経て、 平成 11 年3 J
l
1911 に•1'し 1・.した。 その修」り!_ 1キ. 和.と、 池;j 杏によ って得ら i した祈知兄 を以 ドに報古する。2' 形状
柘:1, l形の盆で、表側の中心にアメリカ合衆川の1 月哨であるハク トウワシの紋,、;·;:がii、1,;絵であ‘
わされ、その間リ に池具螺釧の仕枝か散らさi して I.,ヽる。 盆の緑のパぷには柘:11rnクの穴をIJH け、
料.:ちLと して I.,ヽる。 I'lJI多に変色した作ll 分が数力所兄ら i しるこ とから、給イ I:盆として 'j翡祭に岱を 附き、 使川 していたようである。
災側は、後祉)のコルク N~ のIll、IIが2 カ所付けられているが、)災ぷする際、盆を少しイ瑣けて;;,-;:
ゞ、表側にあらわさi した文1'姐を兄やすくするためにつけら i したものと打えられる。 3' 法)II
蔽·人• 長l07.
0
蔽人11w;79_2 似i6.3
屁板)'/み1
. 8
側椒):/み1.4
(cm) 4' 品質構造朕はスギの-=.枚の椒を核ぎ介わせ、柏1 リに形成し、緑を丸く削り だしてある。 これにヒノキ の博板を1111輪にして、緑に立ち」..がりをつける。 1付側からもう ー枚の ヒノキの孔り椒を光 し込 み、 側板は 2 枚あわせになっている。 竹あるいは木釘を外側1(1iから斜め下に打ち込んで肱板と
側椒を桜ぷしている。 現在、 二種類の金屈釘が)氏泊iに兄受け られるがこれは後補と考えられ
る。
舟令舟文Jiが糸会』粟含Ill宝t. 21
喰膜が地lj洛して本地、 卜地のぷ出してしヽる部分から、 の リやII蓼':りの、漆ではなしヽ材料で本地 に紙を貼 リ、 その I·.に漆で 卜地か付けられてしヽることが観寮される。 )i( 板の衣I (1iと緑の立ち 1 がリ 部分の喰股は視在、表而の劣化が辿んでしヽるが、喰膜の観寮と、 材料分析から、漆を喰 た後、錫粉を令1本に密にd、りき、透き漆を数J11J喰り込み、 H 卜げとしていたことが判明した。 災 血もやは り錫粉をまばらにd、\!いて透漆で喰 り込めた梨(地としている (分析帖米JI文?;. ] )。 衣
災の冷股ともに、 地d、'iの)I JI飾技法を手椒に見這1幻じした。
盆の中央には柘;I リの形に、1且色漆を涼り、 令と銀の平蘭絵で米1,,.1の紋,'/を表している。 紋,ヽ;
: ‑ . . o
緑と盆の緑の内側は、アワビの柑い具板を訓く 知,i
l l l l
キ 状に切って緊げた螺釧の線で1メ切らi してい る。 紋意の外側には化枝が紋,‘礼を中心にはほ刈称のイ立;;1;に 2711,'il敗らされ、この化枝もIii]じ ビの博具を川いた螺釧で、 具を貼り付けた後、 具の表1(1jに線刻を施 している。 災彩色は無い。5' 損傷状態
以前の修理II寺に盆令1本に、 1本 i益で帖り の出る樹脂がかけられ、 その ,~・に茶褐色の透明樹脂が 裕られ、漆劉l莫の劣化部分に以透している。 これらは) IJI水エタノールでi'I化 7 ・~。
底板木地の接合部 2 カ所に人きな亀裂、隙!I'dかある。 これは中央irn 材の本地が大き<沿った ことで引き起こされたものである。 この亀裂に沿って盆のよ、災ともに喰jj岱の細かい亀裂、 愕 き上がり、 晶I]治が兄られる。 衣血の桜合部の数力所に後補の紙が貼 らi してお リ 、 オリ ジナルの 塗膜と!叫焔に亀災、依I]落が兄られ)氏板と側椒との接合;·111に亀裂、 隙間が兄える。 裏而も木地の 接合部の亀裂に沿って後補の修Jlj!_箇所があり、 i'Iいィiや汁焔のものが允限され、 県い墜料と金色 粉で梨地の1如じがなされてしヽる。 この修郎材料については、 水に浴け、 材料分析によって炭酸 カルシウムと判明 した (分析糸心朱:fix~I;- 2)。 卜地の後補修則部分は表、]災I(1jとも に木地の接介 部の内ljれに沿って州似してい、o)0
災I1 (iの喰jj岱は後補の樹脂に)りJ:<投わ i してしヽるが、 1J1央部と !·. I汀'州の劣化状態が明らかに拠六 リ 、これは1呆笠':されていた状態、炭燒によるふ診吼限と 名:えられる。 中央部分の喰膜の1呆介状態t 艮奸であるが、
I
.キト·till 分の喰ll葵は訓かく断文が人 り 、後補の、',せ色喰料と、 樹)指が裕膜に没透している。
螺釧の数力所に皐I]洛箇所がある。 悩物を;;,'i':いた際についたと息われるI'l形のシミが命膜の数
カ所に少しられる。
手ずれ等の判111から緑の所々で喰jj如が剥がれ本地が兄えている。 側 1(1jに所)l泌番りを心似した ものと同じ白い喰料が付ィr"i している。 また側I (1iには喰jj岱の剥沿した部分、 ‘り初の木釘が抜けた 部分に、 補充された後Ill:の修J用の際、 使川された!且い冷料が数力所に兄られる。 この他、 金)瓜 釘の先端が側板の外に突き抜けている部分がある。 また1打ち「·rn分の喰jj災に糾腐If!した部分があ
り、木地に貼られた紙がi'I く 兄えてしヽる。 6' 修理方針
現状保イf修則を)店本に 1jキ うが、後補の修 J'I憎I~ 分に関しては検,i寸した I·.、除ムできるものは取 り除き、 ),';·J IJHとの』.'iJ 和をはかった 1如じを1jキ
7' 施工場所
束ぶ I,q 立文化財 fiJI究所 修似技術部 第ー修似ア トリエ 8' 工期
fl成 10 イI'· 5
J l 2 0 1 1 ' I : ,
/J父l1 イI'·3J l 1 9 1 1 9 ,
施工綱目(1) •j,;. I jij』.'ij 杏、 'lj'.真廿立彩と記鉢 (2) 修」.り!・イ/j:業台および核イ''j°- 1: 具の製イf
・ 修」州台の設~ii· 、発注。
・ 樹脂で)氏椒の)又りに合わせた)1多に受け台を内側、外側の 2 枚作る。 (3) 後補の透明樹脂と各種:j容剤の適1牛 'jふ馬灸
・ 透I JIj樹脂の材質を確認 溶剤を部分的に'jふ険し、喰膜をi'I化させずに除../...\
できる99.5% の工タノールを使川。 (4) 本地の接杓
• 本地がスキ材のため動'-- く 、札廿幼も本地のイlji条針によるところが大き い。 以燒の変化カ
)
t般人以後、木地がさ らに直))< こ と も 可態性としても:え られにに リ ーニングと作業 を 平:1 i
キ しながら、 墜)l災を修復する!iiiに本地を桜杵した。 徐々に)I : J
Jを/JiIえて外れた)i(板の 歪みを矯」i:. し、友漆を如渡し、 4度イ,'j'-。 4 炭イ•'id, 具をつけた状態で l, ,
Jl
ll'd漆を収乞媒させた。 肱椒のI又りを'1'ど仝に矯化する と本地の他の部分に負担がかかリ lJ「にな祖俗を招くおそれがあるため、 l氏板が側板と接祈'.1ij能な段階までの矯化としに。 底板は現在も中央部と端部で 8mm 利のI又りが見られるため、 1呆イ[や)J..!J: ぷの際、 )i( 板の形状にあった台の I·.tこ;;りき、重
:化の負担を分散させる l・・大が必災と名:え られる。 (5) クリーニング
・ 浮き 卜がつている飲)l葵、螺釧を)fィ(政紙と米枯)}で仮l 卜めする。
• 水で i/11!. りをifかに与えたスポンジで1玲< 拭って、 ほこ りや表1(1iのiりれをふき取る。 令1本に わたって何 1111かこの作業を繰り返 7 O
・}氏椒公の後祉lの登)l葵を浴剤で少しずつ除去していく 。 漆喰)l匹[の断文や、 古色を損なわない ように留邸する。
・ 側 1(1iに付昨したI'I い抱料を溶剤とへら状の追具で除 Lする。 (6) 漆による登)l災強化とクリーニング
. 希釈した漆を徐膜にかけて合浸し、 表T(ijの漆は残さずふき取る。 (7) 冷)l如の亀裂、浮き」こがりと螺釧の押さえと1妾イ"i"-
. 喰)j如の亀裂、 浮き上がり を支漆で/:1 ・・・約する。 l1i]IIふに剥浴した途膜を貼り戻す。 螺釧の浮き 土かりの押さえと剥落した断片の貼り戻しは、具の色の変化を防ぐため、漆は使)‑, jせず、
汝透性を高めた膠を用いる。 これらの作業は接軒剤を注人後、 余分な接着剤をよ<拭き取
岱令舟文「約糸会船各合II甘盗 23
り、
2 3 I I
!I'dしんばり枠を‘りてて),: イ`介し収狐始させた。 (8) 隙間の如渡.• 本地の隙間を刻苧漆で喰膜1(1iより 段 卜.げた1(1iまでJlj!_める。 (9) 後袖修」:111.箇所の除 Lとイ如じ
. )氏椒災1(1 iの後袖修 Jlj!_箇所をオ リ ジナルの命)l災を1蒻つけないよ うに貞水とエタノ ールで除 J..、.
・ ナ椒を試作し、検,沖の後、漆で)'i‑;J
I J
1:1との拙l利のとれた1幻じを 1i
キ う 。 (I
0)
J ; .
側の登)l如の1幻じ・ 表側の釦l莫紺l洛部分に漆を飲り込み、 地の粉をd、りいてオ リ ジナルの冷)j~~ より •段 ドげた位 附まで下地を作り、 漆で1 川める。 柿浪で)NJ I川との色を介わせる。
. 錫粉による地蒔の想巫1如じ手板を制作し、校料と (
11) 修理作業終 (時の記鉢、 'II 真撮彩、 'rlx 佑:
, 1 : :
作成。修理後の別保存資料
・ 除去した後袖修似材料
・ 盆裏のコ)レク様のJWII (後袖)
2 1 l 1 1 i l
. 劉l葵糾落片(位 j;りの確認できない もの)
・ 手板狩料 3 、,,',,: 盆表地 iiわき、盆災地 ii、hき、 盆災1(1j喰)l岱似}じ 1·.程
分析結朱報化 (1)
束り (11,.1 、'(文ィヒ!!オィin:究 IiJ1キ ~、in!j:{. j"IIJJ 1' 試料
笠紋1/、'ii絵螺釧盆の修似に際して、盆の}氏板災I(1j部分(試料/\.) と盆のよ部分(試料 B) か‘
それぞれ試料を採取した。 試料 Aは令1本が'..'.';色で、政I: 、'仄状にーカ所の金)
, ·.r~ ,
様の部分が兄らi し る。 試料 B は緑の部分が筋状に剥げており、そi し以外の部分は!,せ色で、所々斑状に令屈様の部 分が兄られるが、 A程は残りがよ くない。2' 分析方法
令),1!1~姐物質の成分を i1茅巫するために、 X 綜分析顕微鮫で)じ索のマッピング分析を1jキ った。 ッピングをh っ たのは、竹にイf 在の 11rfi尼,性が,-::;しヽと r想 された錫 (Sn) 、令 (Au)、鉄 (Fe) 、 fl素 (Si) の各)じ索の試料•に於ける分イIi 状況である。 分析条件は朽ilt (1997) に),しつ‘
しヽて1jキ った。
3' 結果
いすれの試料でも、 !!、!色に兄えていた地の部分からは鉄が tに検出された。 これに対して政l
)
,',,: 状の令屈様部分からは、以E,i,',,:の分布と一致する形に錫の分イ0が検出された。 なお、 Bの成料 で、冷)j災が糾げたような外兄を小す部分からはJ,~ 索も検出された。 なお、令のイ{在は令< 観祭
れなかった。
4' 考察
以 !·.の紺改から、 斑.',',,:状の文様部分は じとして錫でできていると も:えられる。 そして、令な
どの、 その他の物質による装飾は想巫しにく い。 なお、令I(1 jに観咲されに鉄や喰)l災が糾げた部 分と 兄 らi しる部分で観荻さ i した」:t索につしヽては、喰装の段階で)llしヽら i しにであろう ,•• 壌様物質 に起1人l していると打えられる。 牛『に喰股が剥げてみら九る部分でそ())検出が訊'i;JI;: であること力 ら、辿},:;のイI:
!
.キげが施されてしヽる部分では、こうした ,.• 壌様·物質 (ド地か) を) llしヽたあと v~ 、 おそ らくはイi機物(おそらく漆) で11: UY てしヽることによるのであろう。引川文胤
朽i
I !
・イ,('IJIj( 1 9 9 7 )
X 線分析如微鋭による文イじ財試料の分析、保イ{-科''/:36 、 919 4
分析帖呆:'『I砂;'(2)
束り (I1,.1 ,'(文ィヒ JIオィiW究)り,· I I 1‑J I Iリ'し(- . ~:'ji p・イI;キI IJ l
1' 試料の採取
1 ‑ 1
盆の災の盛リ Iげに使)llさi してしヽた如屈材料(試料a)盆災I 川のひびわれに、試料a でモテリ ングした I·.に、'..I.し色喰料で補彩がなさ i してしヽた。 試料., i'I色l11il i本で名アンモニア水浴液に浴解する。 エタノール喰イいこよ り,;式料表血に粘りが感じられ る。 成料aは薄<冷られているため、 補彩/'ill分を除ムできたもののみ分析試料とした。
1 ‑ 2
衣1(1jイI:I
キ.
げ喰料(試料 b)II、1戸絵盆の災州 (1jに冷られていた褐色の透IIJj冷料。 99.5%エタノールに溶解するが、水や 70%
和度の工タノ ールには小浴であった。 99.5%エタノールによ りよ而から拭い とったもののう
ち、 !,'iii本のままはがれた部分を分析試料とした。
2' 分析方法および結果
2 ‑ 1
分析)j法試料 a 、 b について赤外綜吸収スペク トル分析 (株式会社島津製作所製
S HI MADZU F T
-1R8500) をKBr錠剤法により行った。 場製作)祈製 XGT-2000) を川いて 50k
2 ‑ 2
ク}析糸/;呆2 2 ‑ 1
試料 aについて怜紋廿が絵螺釧盆 25
た、 試料aに関しては}じ索分析をX 綜分析翡i微餃(樹堀 I 111/\の条件で1jキ った。
赤外線吸収スペク トル分析の結呆 C=O 結合と息われる吸収が 1500cm 1 付近に人きくあら i れた。 また、 1000-1200cm-' 付近に辿統的な吸収も検出された。 )じ索分析の鮎米、カルシウ ムのみか顕許に検出され、硫筑などその他の冗素はほとんど検出されなかった。
2 ‑ 2 ‑ 2
試料b について赤外線吸収スペクトル法により、 3400cm' 付近にアルコール ·ltO-IIによる吸収、 1710 CITI-1付近に C=O伸縮振動による吸収、 1640cm 1 付近に C=Cーによる吸収がそれぞれ検出
された。これはセラ ッ クの吸収スペク トル注] とJI噌『に近し 。
3' 考察
元素分析により試料aは炭酸カルシウム Li本のものとす(似しされる。 現在のiiil阪モデリング材 料にもジェ ッソなど炭酸カルシウム じ休のものがあり、炭酸カルシウムを利川することは、欧 米の一般的修 f11!_ }j 法と、息われる。 試料 a は工タノ ールによ り粘り を感 じる部分もあり、 }JIIえ て、赤外線吸収スペク トル分析からも、吸収のIii]巫はできないが、イi機物と息われる吸収が
1 0 0 0
1200cm' 付近に観察されてい るこ と からも炭酸カルシウムに接ィn剤などの布機物を混ぜて川いていると推巫される。
試料 bの外外線吸収スペク ト J レはセラ ッ クのスペク ト J レと酪似してお リ、水のイパ[によって 1'I l蜀するti:質もiJj:せ名えると,;式料 bはセラックである推巫される。 セラックは修岬材料として の11J 逆性があることから、 欧米の修判!.では多く 使わ i しており、このi'1111に関 して も屈様の観、1.'.i:か
ら表1(1柑食料として川いられたのだと息われ
注 l .H本喰料検杏協会 : 「i食料川樹脂の)i";外吸収スペクトル集」、 88
( 1 9 8 7 )
<附〉
鷲の紋章について
盆の中央に描かれた性の紋心't°:は柘:1 リ形で、アワピの博具螺釧の線で緑収られ、 ,'.せ色漆命の I。 に金、 銀の平蒋絵と付枯'iによ って表視されている。 性がくわえたリ ポンに,りかれた文 tの部分 は黒色漆で描かれている。 現在、 性の見'.i卜の雲と'ょ:に圃まれた背後の部分は、銀か錆びて文様 が不明瞭になってしヽる。 しかし‘り初は'よの部分には糸1111., ヽ筋状の線が枯'jか i し、背以には札'(に·jqj·
に線が細く入れられ、見'.i
I
キ.
にひとっ、I.'.'·色漆で枯'j かれた足の他にも、銀の1/:炉絵で足が枯'i かれてし たことが、 ク リ ーニングの作業途中で確認できた。 肉眼でそ九を認めるのは1水Iり圃であり足の総 数は確定することは出米ないが、令体の配 ;;ti':バランスからいってl311i'illiり後である。mblem
この紋1;団はアメ リカ合衆l刈の国璽として、大悴会試によ って1782 年に認、11fされたものであ る。 現在、 1 ドル札の裂側に同じ紋章をみることができる。 1776 年 7 月 4 11 に独立宣言が発せ られて以米、国旗よりはむしろ、国璽を設定することが優先的に大陸会議の主要メンバーの中 では考えられていたよう である。 それはイギリ スの紋臨への親近感や、政府の文書に効力を持 たせるために国璽を使用するという文化を彼らが持っていたためである。 国旗のデザインは、
艦船旗の識別、 国への帰属を確認する必要から次第に形つくられたが、ス トライプと星の組み
笠紋蒔絵螺釧盆 27
合わせの況在の兄条旗の災索が旗の1j1に祉ィi"i·.しても、 その朴'{成や、人きさは様々で、 1 叶旗と し て受け人れられるようになるには、 1812年戦伯までIIふ間をかな り '災した。 また、 1861年に始 る,H 北戦侑·11『:1iりまで、 11,:ら軍ではこの笠のIEl f:J終を刺紬'jした1『い旗を合衆Ir:.f 軍旗として褐げていた のである。 したかってこの盆の制作がII本に発注された'11111か、射条旗より も性の紋が:がアメ リ カ合衆IElのシンボルと してとらえられていたと考えることができる。
盆の紋 1,礼:の中で、 :i.密の見'.i
I
キ.
に散らばる星は本米、 ダビデの星のJI多に13伽1;;.-,: か札るのが正武マ‘‘あり、これは‘り初より、視介のが条旗で扱われている よ うな州の数には相‘りしないものであ る。 ダビデの足の中心に附かれる位甜の兄を、盆の紋咲ではlllf;_一黒色漆ですi'r'iいている。 注文の 原図が、すでにス ト ライプの中に糾が適当に散らされたものだったのか、あるいはII本の職人 が意匠化したのものなのか。 こうした星の配附の追いの即山は、今の段階では明らかでない。 1784年に中国との直接貿易が確立されると、輸人する陶磁岱にアメ リ カ人は1」,_,旗を掲げる帆船 や、豫など愛国的なモチーフを好んで注文 したが、旗のデザイ ンや配色に訓心の注総が払わ1,' ていたわけではないよ うである。 この盆の性の頒が)鳴の様に兄えることも、 文ぶ〖が間延びし いることも、小さな掠図を受け取ったII本の職人の解釈が汁ザを越えて別の力.J11]に版間 した糾米 と捉えている。
参考文献
. M.
グインダー (1997) 、 tiI
11 I光弘ほか訳、兄条旗 1777-1924、名古)牡人:·予出版今以前に行われた修理について
過去に数1111にわた り、修 J用が1iわれていた箇所が兄受けられた。 )i(板と、 側椒のはずれを佑 めるために後補の鉄釘が2種別:[、 )氏板から打ち付けられているのを確認した。 ‘り初の)氏板と側 板の接杓には本釦(あるいは竹釦)が使川され、 側板外側から創めに打ち込まれていた。 また
塗)j葵の愕き土がり部分を処;;,-,:するのに、愕き I·.がりの間辺を長)j形に切断し、衣側では紙を則i
たり、災側では炭酸カルシウムの如渡材でJlj!_めて!!,!;い唸利を冷 り、)心Jin!に似せた硲)l災をイI1 うとした)j法が採られているのが確認された。
錫の梨地粉の使用とその効果について
蒔絵粉に錫を1史川するのは、古米より類倒は確認できるが、それはほとんどが銀色、あるい は白の色彩を蒔絵の中に求めてのことである。 本作i'11i1において、錫粉の」..に透漆を数'"'塗 り、
金色に見せた金の代川梨地粉と しての使用法が確認され、これは輸出漆悩に川い られた技法の ひとつの側面を示すものと考えられる。
On t h e R e s t o r a t i o n o f t h e "Maki e Rad e n Tray w i t h Eagle P a t t e r n "
i n t h e Co l l ec t i o n o f t h e P e abody Es sex Mu s e um
Yo s h i a k i Taguchi and Hikaru Gorn i
" I V / a i d e r a d e n t r a y with e a g l e p a t t e r n " wa s L a k e n l o t h e c i t y o f Sa l e m o n t h n ex h i b i t e d a l t h e P ea b o dy
p ape r w e r l u ed o n t o t h e j o i n t f t h e l r ay
wiし h n〇jiuru s h i . For d eco r a t i o n ,
nash、£Jiu s i n g L i n p ow d e r was a pp l i e d ove r t h e e n t i r e s u r f a and a n eag l e p a t t e r n wa s d e p i c t e d o n t h e c c n l e r o f l l
bran c h p a l t e r n s c u t o u t from t h i n s h e I I p i w i t b md e n t e c hniqu
' o n d i t i o n o f t h e t r a y b e f o r e r e s t o r a l i o n
T h e r e w e r e two crack s o n t h e j o i n t s o f t h e b oa r d s t h a L f o rm t h e b a s e o f t h e t r ay which h a d b e e n ca u s e d by e x c e s s i ve dr y i n g . I n a d d i L i o n , d i s t o r t i o n o f t h e b a s e h a d
i d e a nd t h e ba s e t o b e c o m e d i s j o i n t e d . Mor eo v e r , t i n powd e r
、prinkled
o n t h e s u r f a c e h a d co r r o d e d , ca u s i n g t h e s u r f a c e t o b e com e r o u g h .
R e s t o r a t i o n i n t h e Un it ed~tat
I n o r d e r t o impr ove t h e co n d i t i o n o f t h e t r a y , r e s t o r a t i o n h a d b ee n mad e i n t h n i t e l c S t a t e s . T o s t o p t h e d i s j o i n t i n g o f t h e s i d e from t h e b a s e , l o n g n a i l s had b e e n n a i l e d a t a s l ant from t h e ba s e t o t h e s i d e . A p a r t o f o n e n a i l was found ex po s e d on t h e s u r f a c e a nd h ad b eco m e r u s t e d . To f i l l t h e crack s on t h e j o i n t s o f t h e ba s e , s t r i p s o f p a p e r h ad b e e n g l u e d and varn i s h h ad b e e n coat e d o n t h e e n t i r e t r a y f o r pr o t e c t i o n .
R e s t o r a t i o n p o l i c y and m e thod
R e s t o r a t i o n was mad e by u s i n g an im a l g l u e and uru s h i . For s t r u c t u r a l r e s t o r a ュ
t i o n , l i k e t h a t o f cracks o n t h e base and t h e d i s j o i n t e d p a r t s b e tween t h e ba s e and
t h e s i d e , m u g i ‑ u r u s h i an d k o k u s o were u s e d . Animal g l u e was u s e d f o r s u r f a c e
r e s t o r a t i o n , s uch as r e f i x i n g o f rad e n s h e l l s and r e s t o r a t i o n o f cracks on t h e c o a t i n g
f i l m .
性紋消絵螺釧盆 29
J . Cur i n
Exfo l i a t i o n o f t h e cracked p r eve n t e d by g l u i n g s ma l l
a l i n g [ i l m a nd t h e rad e 1 1 t h a t h ad b m e p ee l e d w f Jap a n e s e pap e r
2 . C lea n,n ~
T h e s u r f a c e o f t h e t r ay was c l ea n e d by u s i n g a c o t t o n c l o t h s a t u r a t ed wi t h 9 9 . 5%
t h ano l ( a l coho l ) . Adhes i on o f crack
M~
嬰四shiwas d i s s o l ved wi t h a s o l ve n t a nd put i n t o crac k s a nd d i s j o i n t e d part r•
f o r a d h e s i o n . C l amps wer e u s e d t o apply p r e s s u r e t o e n s u r e adhes i on 4 . R emova l o f
mug臼心sh、iExcessive mugi ‑ u r u s h i wh i c h had seeped o u l a l p a r l s w h e r e clamp s were u s e d f o r a dh e s i o n b y p r e s s u r e was removed w i t h a s o l venl eve r y d ay .
5 . F i l l i n g o f kokus o
t h a t h a d b ee n ad h e r e d w i t h mug i ‑ u r u s h i were f i l l e d w i t h
麟uso,
which i s mad e by mi x i n g h e mp f i b e r and wood powd e r
to 加r,gi-urushi.6 . R e ‑ f i x i n g o f t h e coat i n g f i l m and rad e n
Anim a l g l u e was u s e d t o r e f i x t h e coat i n g f i l m and t h e rad e ,
肌 thath a d exfo l i a t e d . n i mal g l u e was l owered b e f o r e u s e b y t r e a t i n g i t i n an u l t r a s o n i c
7 . R f l h
a t i n g f l i m were r eco n s l r u c l e d by coat i n g them with raw uru s h i a nd s p r i n k l i n g j i n o l w, a me t h od know as ma ! ,
•j i i n wh i c h t h e numb er o f tim r , c , j i noko i s s p r i n k l e d i s ad j u s t e d b y ca l c u l a t i n g t h e t h i c kne s s o f t h e c o a t i n g f i lm t o b r d and i n w h i c h t h e f i n i s h e d s u r f a t c d w i t h p e r s imm o n t a n n i n t match i t s co l or w i L h t h e s urround i n g a r e a .
R e s t o r a t i o n was mad e b y f o l l ow i n g t h e above p r o c e d u r e . T h i s was t h e f i r s t case o f
nducting a f u l l ‑ s c a l e r e s t o r a l i o n o f a n ex p o r t e d uru s h i ware. U n l i k e t r a d i t i o n a l
r e p a i r , a nim a l g l u e was u s e d t o ad h e r e t h e coat i n g f i l m . R e s t o r a t i o n u s i n g uru s h i
and a nim a l g l u e i s a n ew me t hod o f r e s l o r i n g uru s h i ware a nd much i s expected o f
t h i s me t h o d .
、:)~-: ~
—— ー・— ●疇·-·■ . .. —
', . .
~
. . . : . ‑
ヽ,
ヽ`ヽ 11i
. . . . . .
, . . 尋-: 、
' ' I •’
. .
• C.... 、、,t,.~\ ,k‑
し鼻・・
•、
: 1 , ̲ ' • • . . ・
慶..-—.... . .
-~. ...
- '.'な ~!'緯~
•! 彎/、 、‘ヽ、... ぶ,..、' .. ,.
、. . ..,キ 會9 、! . .曹・・ . ... , , ,
伶 'Sf-',:·.'
. . ‑ .
::= .. ·-~
貴” ら
J
Ma / i i
0ra
OT QtキCJ
, .
キr.
・·_.,.'.
笠~-·り函:•一,>1><·:. : ふな過'r'.,
, : ,
疇算. . .
1·、9 、:·屯.;ヽ・. .
~••
爪彎
19 同(背 1(1i)
Maki e R aden Tray w i t h Eag l e P a t t e r n , ba c k s i c l
〇rauo20 虫累鉗11疹珪U 前
R aden ( b e f o r e r e s t o r a t i o n ) A f i l m
23( a f
同修理後t e r r e s t o r a t i o n )
2 4
塗膜修理前(背血)A f i l m ( b e f o r e r e s t o r a t i o n ) , ba ck s i d
2 6
塗膜修理前(背1(1i)A f i l m ( b e f o r e r e s t o r a t i o n ) , back s i c l
豫紋蒔絵螺釧盆 31