平成 28 年度 事 業 報 告 書
社会福祉法人 平 成 会
1.はじめに
平成 28 年度は、改正社会福祉法の成立にともなう社会福祉法人改革への対応に始まり、
障害者差別解消法、成年後見制度利用促進法の施行、更に、障害者雇用促進法、児童福祉 法、障害者総合支援法が改正され対応が求められる等、慌ただしい 1 年となった。とりわ け社会福祉法人改革については、8 月に国及び広島県から示された具体的な内容とスケジュ ールに沿って評議員会・理事会に諮りながら対応した結果、平成 29 年 1 月 27 日付で定款 変更の認可を受け、新評議員選任に至るまで予定通り制度に沿った体制を整えることがで きた。事業運営上大きな影響を受けることになる改正障害者総合支援法は 5 月に成立した が、制度に反映される時期は 1 年後の平成 30 年度となる。今後、報酬改定と併せて具体的 な内容が示されることになるが、情報収集に努め的確に対応したい。
平成 28 年 7 月に神奈川県相模原市の障害者支援施設で起きた入所者殺傷事件は、未曾有 の大惨事として我々の記憶に止まり、現在も検証が行われている。この事件を受け、対策 の一環として防犯設備整備に国・県補助金が交付されることとなり、当初事業計画に予定 をしていなかった西の池学園出入口管理システム導入工事を急遽実施した。利用者の安全 確保に必要な設備で、数年前から整備を検討していたこともあり、有益な補助金事業とな った。今後、有効に活用していきたい。
その他法人運営については、宮領拠点整備をはじめ人材確保・育成等、事業計画に沿っ て概ね順調に進めることができた。現時点で、職員数 200 名、1 ヵ月当たり延利用者数は概 ね 400 名、年間収入額 10 億円という法人規模に膨らみ、経営状況も堅調である。とは言え、
障害福祉分野を含む国の福祉予算は、今後も抑制傾向が続くものと予測される。こうした 中で、情報通信技術の活用やIT化を進め更に効率化を図ること、そして、人材育成に力 を注ぎ組織力を高めることを今後の目標に掲げ、社会福祉法人としての使命を果たしてい きたい。なお、法人において重点的に取り組んだ内容は主に次のとおりである。
(1)社会福祉法人改革への対応
改正社会福祉法の施行にともなう法人組織の見直し等について、国及び広島県から示さ れた指針に基づき対応し、次のとおり必要な措置を講じた。
①平成 28 年 8 月 4 日(木)評議員会・理事会
・社会福祉法人制度改革について詳細を説明の上、役員・評議員の任期、定数等を決定。
②平成 28 年 10 月 21 日(金)評議員会・理事会
・社会福祉法人制度改革について変更点等詳細を説明。
③平成 28 年 12 月 15 日(木)評議員会・理事会
・改正社会福祉法に準拠した定款変更案について審議。
(広島県へ定款変更認可申請書を提出し、平成 29 年 1 月 27 日付で認可を得る。) ・評議員選任・解任委員会運営規則を制定。
・評議員選任・解任委員及び新役員・評議員候補者の提案。
④平成 29 年 2 月 7 日(火)評議員会・理事会
・評議員選任・解任委員会の設置並びに委員の選任。
・新評議員候補者の選定及び推薦。
⑤平成 29 年 3 月 8 日(水)評議員選任・解任委員会開催 ・新評議員を選任。
(2) 宮領拠点の整備
平成 26 年度に策定した高屋町宮領拠点整備計画に基づき事業を進めているが、JKAへ 申請していたグループホーム(ホーム第 1 宮領・相談支援センター併設)新築整備に対す る補助金の交付が決定し、平成 28 年度事業として新築整備を実施した。工事は計画通り平 成 29 年 2 月末に完成し、男性 4 名の入居が既に内定している。一方、生活介護事業所(宮 領デイセンター)の新築整備は、国・県補助金総額 2 億円という狭い枠での採択は厳しい 状況であり、法人自己資金を財源として整備することが理事会で承認された。既に実施設 計に着手し、平成 29 年度事業として実施する予定である。就労センターについても、広島 県と補助金について協議を続けているが、厳しい状況である。引き続き協議を継続し、企 業主導型保育事業の実施と併せ、できるだけ早い時期に具体的な計画と方針を示したい。
なお、生活介護事業所建設予定地の賃貸借については、土地所有者と条件面で合意に達し ており、新年度早々、公証役場において事業用定期借地権設定契約を交わす予定である。
①グループホーム(ホーム第 1 宮領・相談支援センター併設)新築工事
木造平家建(床面積 350.25 ㎡) 定員 5 名(その他ショートステイ等 2 名)
工期:平成 28 年 8 月 31 日着工 ~ 平成 29 年 2 月 28 日完成引き受け ②生活介護事業所(宮領デイセンター)新築工事
実施設計:平成 28 年 11 月 11 日 ~ 平成 29 年 4 月 30 日 ③就労センター
補助金について広島県と協議を継続 (3) 地域公益活動の取り組み
社会福祉法の改正により、地域貢献活動を実施することがすべての社会福祉法人の責務 として位置付けられることとなった。こうした中で、事業計画に基づき小谷小学校区市民 協働まちづくり協議会福祉・健康部会の定例会議に参加し、地域課題の収集と情報発信を 行う等地域との調整に取り組み、実施に向け具体的に検討を行った。
1.実施状況
①昨年度に引き続き、小谷小学校区敬老会行事の開催に当たって、企画、準備、会場提 供、参加者送迎、当日派遣職員等について小谷住民自治協議会福祉部会と協議を重ね、
協力実施した。
②小谷小学校区市民協働まちづくり協議会定例会議に出席し、地域課題の収集と情報発 信に努めた結果、以下の地域課題やニーズに対し、次年度に協働で取り組むこととな った。
・小谷文化のつどい福祉・健康部会ブースへの参加協力
・在宅で高齢者を介護している家族を対象とした介護講習会の実施
③小谷小学校区で住民が主体となって定期的に開催されている「サロン」について、総 合活動センターの入浴設備等を活用した共同運営を提案し、次年度 6 月に開催される サロン世話役による交流会で具体的な活用方法を提案することになった。
2.今後の課題
①地域住民を対象とした手話教室の実施に向け講師等の調整を行ったが、講師の調整が 難航し実施に至らなかった。再度、講師の調整を行い定期開催に向け具体的な準備を 行う。
②「よろず相談窓口」の設置について、ホームページに相談窓口を開設するため、相談 支援センター職員と掲載内容等の検討を行ったが、時間的に間に合わず年度内に掲載 することが出来なかった。次年度早い時期にホームページ相談窓口を開設したい。
③東広島市AED提供協力施設公表制度の登録認定を受けたが、情報発信やAED講習 会の実施に向けた具体的な検討を行うことができなかった。次年度 9 月にAED講習 会を開催するよう準備を進めている。
④災害時指定避難場所の利用が困難な住民、障害者等の受け入れ体制について、内部で の検討に留まり、住民自治協議会に提案し具体的に話を進めていくことができなかっ た。次年度において具体的な受け入れ体制等をまとめ、住民自治協議会に提案し検討 していく。
(4) 人材確保と育成
社会福祉を専攻する学生数が減少し、福祉職を志す職員の確保が年々厳しくなっている が、職員確保は、安定した経営を継続するための最重要課題と捉えている。こうした中で、
今年度から新たにマイナビの登録活用を試みた。人材確保担当スタッフとして若い職員を 中心に編成し、目的と目標を明確に定め就職説明会等に取り組んだ。更に、10 月から法人 ホームページも分かりやすく充実した求人情報を提供できる内容に変更した。結果的に、
次年度募集に係る法人見学会への参加者が倍増する等、取り組みの成果が現れている。な お、本年度は育児休業から復帰した職員が 5 名、産休・育児休業を取得した職員が 2 名と いう状況で、休業・復帰の良い循環ができつつある。常勤職員の定着率も 90%を超え、現 時点では必要な職員数を確保できているが、更に優秀な人材の確保と定着のための職場環 境づくりに積極的に取り組みたい。
人材育成については「考えながら行動できる職員」の育成を目標に掲げ、継続して法人 内研修を実施している。今年度も初任・中堅職員 125 名を対象とした研修と指導職・管理 職 29 名を対象とした研修をそれぞれ実施した。また、次世代のリーダーを育てる環境づく りを目的に、若手職員を対象とした自主参加制による「リーダー養成研修・入門編」と題 した研修を4回シリーズで実施した。研修後のレポートでは、往々にして有りがちなリー ダーという役割への抵抗感が薄らぎ、自分にもできるという思いが読み取れる等、良い結 果に繋がっている。今後、継続して研修を実施する予定である。その他、人権研修、防犯 研修をはじめ、各委員会による小規模な自主勉強会を数多く実施した。こうした自主的な 取り組みも、法人全体のレベルアップに繋がっている。
①法人内人材育成研修会(初任・中堅職員対象)
参加者 125 名:2 グループ × 2 回 講師:ひと創研 代表 堀中嶽水 氏
テーマ:考えながら行動できる職員を目指して
~各事業所からの提言~(プレゼンテーション)
②法人内人材育成研修会(指導職・管理職対象)
参加者 29 名:1 グループ × 2 回 講師:ひと創研 代表 堀中嶽水 氏 テーマ:人と組織を動かす力
③法人内人材育成研修会(リーダー養成研修・入門編)
参加者 19 名:1 グループ × 4 回 講師:ひと創研 代表 堀中嶽水 氏 ④法人内人権研修会
参加者 115 名
講師:広島難病団体連絡協議会会長 後藤淳子 氏 テーマ:障害をもつ当事者から伝えたいこと ⑤防犯研修会(各事業所職員対象)
参加者 40 名
講師:広島綜合警備保障 警備部長 金本英明 氏 他 3 名 テーマ:さすまたによる不審者撃退法他
※平成 28 年度末(平成 29 年 4 月 1 日採用者を含む)現在における支援員等の国家資格 取得状況は次のとおりである。
■社会福祉士 21 名 ■精神保健福祉士 5 名
■介護福祉士 59 名 ■保育士 24 名 (5) 施設整備・環境整備等
本年度取得した基本財産並びに環境整備・改修工事等主なものは次のとおりである。
①土地取得費用
・高屋町小谷 2944 番 1 他 4 筆 902.21 ㎡(倉庫含む) 6,500 千円 ・高屋町小谷 2918 番 1,048.00 ㎡(駐車場用地) 3,700 千円
②総合活動センター隣接駐車場造成工事 10,500 千円
③総合活動センター隣接倉庫改修工事 9,300 千円
④グループホーム(ホーム第 1 宮領)新築工事 95,000 千円 (JKA補助金:32,732 千円)
⑤西の池学園出入口管理システム導入工事 18,230 千円 (国・県補助金:13,672 千円)
⑥法人ホームページ更新 1,000 千円
2.評議員会・理事会開催の状況
評議員会及び理事会を必要な都度開催し、各々慎重に審議を行った。
■平成28年5月25日(水) 評議員会・理事会 ①平成27年度事業報告(案)について
②平成27年度決算報告(案)について
監査報告
③定款の一部変更について(土地の基本財産編入)
④平成28年度競輪公益事業振興補助事業の実施について ・平成28年度障害者グループホームの建築について
・設計監理委託業者選定及び契約の締結について(報告)
⑤臨時職員就業規則の一部改正(案)について ⑥法人車両管理規程の制定(案)について
⑦通勤車両管理規程の制定(案)について ⑧報告事項
・理事長専決事項報告
・総合活動センター駐車場土地等不動産売買契約について
■平成28年8月4日(木) 評議員会・理事会 ①平成28年度第1回補正予算(案)について
②ホーム第1宮領新築工事入札参加業者選定について ③日名田倉庫改修工事入札参加業者選定について
④社会福祉法人制度改革(理事・評議員)について ⑤報告事項
・法人監事監査報告
・理事長専決事項報告
・日本財団福祉車両助成申請について
■平成28年10月21日(金) 評議員会・理事会 ①宮領デイセンター施設整備について
②総合活動センター駐車場造成工事入札参加業者選定について ③社会福祉法人制度改革(理事・評議員・定款変更等)について ④報告事項
・理事長専決事項報告
・利用者への不適切対応に関する報告について ・日名田倉庫改修工事入札結果について
・ホーム第1宮領新築工事入札結果について
■平成28年12月15日(木) 評議員会・理事会 ①社会福祉法人平成会奨学金貸与規程の制定について ②社会福祉法改正にともなう定款の変更について ③評議員選任・解任委員会運営規則の制定について ・評議員選任・解任委員及び新役員・評議員の提案 ④平成28年度第3回補正予算(案)について
⑤育児・介護休業等に関する規則の一部改正について ⑥日産ノート自動車リース購入について
⑦報告事項
・理事長専決事項報告
・総合活動センター駐車場造成工事入札結果について ・宮領デイセンター新築工事設計業務委託入札結果について ・日本財団福祉車両助成金交付決定について
・広島県共同募金会助成交付決定について ・ホーム第1宮領新築工事進捗状況について
■平成29年2月7日(火) 評議員会・理事会
①評議員選任・解任委員会運営規則の一部改正について ②評議員選任・解任委員会の設置・委員の選任について ③新評議員候補者の選定・推薦について
④評議員選任・解任委員会の招集について
⑤西の池学園出入口管理システム導入工事について ⑥ホーム第1宮領新築工事変更契約について ⑦平成28年度第4回補正予算(案)について ⑧就業規則の一部改正(案)について ⑨給与規程の一部改正(案)について
⑩西の池学園GH運営規程の一部改正(案)について ⑪報告事項
・理事長専決事項報告 ・定款変更認可について
・総合活動センター駐車場造成工事変更契約について
■平成29年3月27日(月) 評議員会・理事会 ①平成28年度会計最終補正予算(案)について ②平成29年度事業計画(案)について
③平成29年度会計当初予算(案)について (監事監査(3月定期監査)報告)
④理事辞任にともなう欠員の補充について ⑤経理規程等の一部改正(案)について ⑥あおぞら工房管理者の任免について
⑦宮領デイセンター新築予定地に係る借地契約の締結について
⑧放課後等デイサービス事業所夕凪の送迎車両整備について
⑨積立金の法人本部移管等について
⑩報告事項
・理事長専決事項報告 ・新評議員の選任結果報告 ・職員人事について
・平成28年度社会福祉法人等指導監査結果について ・社会福祉充実残額の算定状況について
3.各事業の実施状況 (1) 西の池学園 1.高齢利用者の支援
年度当初、入所利用者 68 名中 43 名が 65 歳以上(全体の 63%)うち 75 歳以上が 17 名と いう状況の中で、利用者の感染症予防と事故防止に努めた。手洗い・うがい・消毒を励行 し、また職員自らが感染源とならないよう職員を含め健康管理を徹底した。インフルエン ザの施設内感染は 5 名発症したが、各棟閉鎖等の対応により感染を最小限に止めることが できた。また、介護リスクマネジメント委員会を中心にヒヤリハット報告の検証等を通じ て事故防止に努めたが、転倒骨折事故が 3 件、熱傷事故が 1 件発生した。ノロウィルスの 感染は無く、精神科入院が 2 件に止まったことは成果である。この 1 年に、高齢者施設へ 3 名、医療施設へ 2 名それぞれ移行し、計 5 名の退園があり、緊急性が高い理由で 2 名が新 規に入所となった。引き続き、無理のないよう入所定員を 60 名に減員することに取り組み たい。
2.発達障害(行動障害)がある人への支援
あゆみ寮で取り組んでいる強度行動障害への取り組みにおいて、日中活動を担当する職 員を 1 名追加配置することで、個別対応での散歩や課題等の活動を行うようにした。発達 障害支援委員会、当該利用者を担当する職員を中心に支援方法を検討し、スケジュール提 示等の視覚的支援や構造化による個別支援に取り組んだ。また、通所生活介護利用者 2 名 についても、法人内各事業所のノウハウを持ち寄り、協力体制を整えながら特性に配慮し た支援を行った。重度加算Ⅱ対象利用者については、生活介護以外の時間帯に職員を配置 し、手順書に基づく支援を行った。支援の充実を図るため、あゆみ寮敷地に活動場所の整 備を予定しているが、職員の専門性とりわけアセスメント力を高めることが今後の課題で あると捉えている。
3.年間稼働状況
①生活介護(定員:60 名) 60.2 名(1 日当り平均利用者数)
②施設入所支援(定員:70 名) 63.0 名( 〃 )
(2) あおぞら工房
発達障害により毎日の出勤が困難な利用者や体調不良で長期欠勤、入院した利用者がい る中、定員30名に対し平均稼働率は1日当り33.1名という状況であった。健康管理を含 めた丁寧な支援、保護者との連携がスムーズに取れていること等が評価され、信頼に繋が り利用者が確保できていると捉えている。一方では、障害者雇用への理解が定着したこと で、市内の就労支援施設の多くが定員に達していないという現状でもある。危機感を持ち ながら、丁寧な支援に心掛け信頼に繋げたい。就労支援実績もすべての科目で順調に売り 上げを伸ばすことができた。引き続き特別支援学校等への説明会にも積極的に参加し、利 用者の確保と更なる工賃アップに努めたい。
1.実施状況
①製パン販売(あおぞらぱん屋さん)
・売上目標4,200万円(あおぞらカフェを含む)に対し、4,297万円の売上実績となった。
・テレビ(Jステーション)出演やプレスネット等を活用した広報活動をすることで認 知度も上がり、新規顧客の獲得・固定客の確保に繋がった。
・県立広島高校等、新規販売先の開拓や地域行事に積極的に参加したことで増収増益に、
更には地域の高い評価にも繋がった。
・東広島市役所あおぞらカフェは就労体験の場として位置付けているが、年間の体験は 1件のみであった。自立支援協議会等を通じ周知のための広報、特別支援学校への案 内等を積極的に行いたい。
②ウエス加工販売
・ウエスのサイズや色、大きさ等取引先の要望に個別に対応した結果、注文の増加に繋 がり、売上目標600万円に対し681万円の販売実績となった。
・自閉症の利用者がウエス事業に加わったが、スケジュール表等を活用し専門的な支援 に取り組んだ結果、スムーズに作業に参加できるようになった。
・ウエスの需要増加にともない、一定の生産量を確保することが必要となっている。利 用者の数に頼る生産方法には限界が見えており、生産力向上のため管理、工程の見直 しが課題で、この課題解決に早急に取り組みたい。
③下請け作業
・広島精研工業㈱の協力を得ながら下請け作業を増やした結果、利用者の意欲も上向き、
目標額140万円に対し156万円を達成することができた。
・障害特性に合わせた治具の製作、構造化等に積極的に取り組み、支援区分の高い利用 者も作業に携われるようになったことで作業能力も向上し、生産量も増えた。相対的 に利用者の支援区分が高くなる傾向が顕著で、作業工程の分散や治具の活用等一層の 工夫が必要となっている。
④施設外就労
・広島精研工業㈱で施設外就労を実施したが、双方にメリットが生まれる視点で協議を 重ねた結果、会社の理解と信頼関係を築くことができた。施設外就労に対する利用者 ニーズは非常に高く、仕事に対する意欲も旺盛で、結果的に目標金額 260 万円に対し 333万円の実績となった。
⑤就労支援
・今年度は 1 名の利用者が一般就労することができた。関係機関や企業との連携、定期 的な職場訪問を続けた結果定着しつつある。一方、2 名の利用者が離職した。体力面、
人間関係等の理由によるが、本人との面談や職場訪問の機会を増やし、地道に活動す ることが必要で、今後の課題として改善に取り組みたい。
⑥工賃実績
・利用者4名増となったが、相対的に就労支援収入も増えた結果、前年度平均工賃月額2 万円に対し、500円のアップとなった。利用者の生きがいや役立ち感に繋がるよう、さ
らに工賃アップに取り組みたい。
2.就労支援事業実績 (単位:円)
作 業 科 目 売 上 目 標 事 業 実 績 差 異 パン製造販売事業 42,000,000 42,973,721 973,721 ウエス加工販売事業 6,000,000 6,864,547 864,547 下請け作業 1,400,000 1,578,083 178,083 施設外就労事業 2,600,000 3,335,989 735,989 自主製品販売事業 15,000 15,000 0 合 計 52,015,000 54,767,340 2,752,340 3.年間稼働状況
①就労移行支援(定員: 6 名) 5.4 名(1 日当り平均利用者数)
②就労継続支援 B 型(定員:24 名) 27.7 名( 〃 ) 定員合計:30 名 33.1 名( 〃 )
(3) デイセンターこだま
デイセンターこだまは11年目を迎え、定員を超える利用者が定着し安定した運営となっ ている。反面、利用者は年齢を重ね体力低下や病気の発症など、今までのニーズと変わり、
個別対応が必要な場面が増えている。同様に家族の環境も変わってきており、病気や介護 等で短期入所等他のサービスとの併用、調整の機会が格段に増えている。今年度は 3 名が 短期入所を長期間利用することとなり、加えて 2 名が西の池学園に入所となった。親の高 齢化、体調不良等によって家庭で支え生活することが難しくなるケースが増加しているこ とが伺える。こうしたケースでは、通常に比べ他事業所との緊密な連携が必要で、今後も 増加すると思われる。個別支援計画を介した一体的なケース把握ができるよう、法人内の 連携意識を高めていきたい。また、職員の専門性の向上を目標として事業計画に掲げ、研 修や支援の現場を通じてスキルアップするよう取り組んだ。後のフォローや意識付け、支 援の根拠の説明等繰り返し実践した結果、利用者に対する意識も良い方向に変わりつつあ り、効果が表れている。
1.実施状況
①利用者支援
・個別支援計画を基に支援の個別化を図り、より細かな関わりが持てる体制を整えた。
・利用者の良かった点を見落とさずケースに記録し、普段の関わりでは気付かない良い 面を参考にすることで、支援や活動の改善に繋げた。
・ワークルームの利用者プログラムを、絵カード等を用いたスケジュールとして提示し ているが、急な変更が柔軟に受け入れられるように工夫した結果、できる活動の幅が 広がっている。充実した活動プログラムに繋がり、安心して過ごすことができている。
・保護者との連絡方法として、連絡帳だけでなく電話や送迎時に直接伝えるといった機 会を設けたことで、安心感と信頼関係を築くことができている。
②運営等
・外部研修、法人内研修への参加を促し、可能な限り多くの職員が研修会へ参加できる よう配慮した。研修等で得た知識は職員に伝え、アセスメントや個別支援計画作成等 の業務に活かせるよう配慮している。デイセンターこだま独自でも、発達障害の特性 について研修を実施し、結果的に支援の向上に結びついている。
・医療機関との連携とアドバイスにより、利用者の介助方法を見直すことで良い結果に 繋がるケースが複数あった。
・3 名の短期入所の長期間利用、2 名の入所施設への移行、1 名の新規利用者の受け入れ がある中で、準備、連携を密に行い、スムーズな利用、移行に繋げることができた。
2.課題
・利用者が年齢を重ねるにつれて、てんかん発作の重度化等の体調不良による欠席が増 えている。また、短期入所を長期間利用された方が、感染症の時期に予防対策の関係 でこだまに通所できなくなり、欠席が長期となったケースがある。このことから利用 率が下がり、収入減となった。
・利用中の怪我が 2 件あった。どちらも転倒によるもので、通院により対処した。事故 報告書を提出の上、原因を究明し支援の改善に取り組んだ。
・他事業所との調整や行事の計画等、事務的業務に時間を費やさざるを得ないことが多 く、時間内に業務が終わらないことが多かった。業務を整理し、業務分掌を再構築し たが、十分な解決に至っていない。次年度に向けて職員配置を見直す等し、業務改善 に取り組みたい。
3.年間稼働状況
・生活介護(定員:20 名) 23.7 名(1 日当り平均利用者数)
(4) 多機能型事業所あさひ
平成 25 年 4 月に契約利用者数 39 名(就労移行 5 名 就労継続B型 19 名 生活介護 15 名)でスタートし丸 4 年が経過した今年度は、契約利用者数 57 名(就労移行 5 名 就労継 続B型 25 名 生活介護 27 名)となった。また、平成 27 年 8 月に開所したあさひグループ ホーム「あさぎり」(定員 4 名)も当初 3 名でスタートしたが、現在は 4 名となっている。
地域の町内会にも属し、地域住民の理解を得ながら円滑に運営できている。引き続き、利 用者に選ばれる事業所として評価が得られるよう、基盤と風土を作っていきたい。
1.実施状況 ①運営等
・竹原市法人会・地域就労ワーキング・地域生活ワーキング等に積極的に参加し、市内の他事業 所と関係を築きながら情報収集に努めた。利用者の情報共有の場としても有効であっ た。
・事業所の設備を活用し、地域住民主催による月 2 回のヨガ教室、子ども絵画教室を開 催した。また、あさひグループホーム近くで週 1 回あおぞらぱん屋さんの商品販売も 定着しており、地域の理解も浸透しつつある。
・多機能型事業所でありながら、生活介護担当職員と就労支援担当職員の協力体制が不 十分であった。担当変更のローテーションを定期的に行う等工夫し、お互いが業務の 内容を理解し協力し合えるよう体制を整えていきたい。
②生活介護
・生活介護利用者のうち 10 名は、西の池学園から昼夜分離による生活改善を目的に通っ ている。情報共有のための連携を図ることで、発達障害のある利用者を含め落ち着い て生活ができており、4 年間積み重ねた成果が見えつつある。
・強度行動障害のある利用者が増える中で、特定の職員がケースを抱え込まないよう、
チームによる支援に心掛けた。職員の疲弊感は解消しつつあるが、困難ケースへの対 応については課題も多い。引き続き専門性を磨いていきたい。
・看護師を中心に、法人のマニュアルに沿った感染症予防の対策を徹底した結果、イン フルエンザ、ノロウイルス等による集団感染は発生しなかった。
・感染予防のため、県の警報発令後より学園利用者の活動場所及び送迎車を完全に通所 利用者と分けたことにより、あさひでの感染者はゼロであった。
③就労支援
・施設外就労の中心となっているカナフレックスの受注が夏期に減る傾向があるため、
新規の除草作業先を開拓し売上増を図った。
・下請け作業については、貝通しの新しい作業の受注と、新規作業として宛名シール貼 りを請負った結果、売上増に繋がった。利用者も作業に集中して取り組めるようにな っている。
・新たな施設外就労先として地元みかん農家と契約を結び、みかんの集荷作業を行った。
また、規格外の商品を仕入れ販売する事で収入に結びつけることができた。
・ハローワーク、就業・生活支援センターとの連携により 1 名が一般就労することがで きた。支援を継続しながら順調に現在に至っている。
・施設外就労の他には企業からの下請けや内職等が主な作業内容という状況で、自主製 品の開発ができなかった。新年度には、自主製品として地元産馬鈴薯を材料にしたせ んべいの試作を予定している。
④工賃実績
・年度平均工賃月額 17,507 円に対し、今年度はほぼ同額の 17,508 円となった。自主製 品の開発等に取り組み、工賃アップを図りたい。
⑤グループホーム(あさぎり)
・平成 27 年 8 月にスタートし、開設当初は 3 名だったが、28 年 4 月から 4 名となり現在 に至っている。個々のニーズに沿った支援を徹底し、安全で充実した生活を送ること ができている。利用者同士の会話も増え、明るい表情が見られるようになった。また、
周辺の住民からも声を掛けてもらうようになり、良い関係が築けている。
・調理、洗濯、皿洗い、片付け等家事が少しずつではあるができるようになっている。
エンパワメントの視点を持ちながら関わり、自立を目指したい。
・月 1 回定期的にミーティングを行い、統一した利用者支援を行うよう徹底した。
2.就労支援事業実績 (単位:円)
作 業 科 目 売 上 目 標 事 業 実 積 差 異 施設外就労 8,000,000 8,194,644 194,644 下請け作業 1,400,000 2,277,157 877,157 給食・自主製品販売 6,300,000 6,785,535 485,535 合 計 15,700,000 17,257,336 1,557,336 3.年間稼働状況
①生活介護(定員:20 名) 21.1 名(1 日当り平均利用者数)
②就労移行支援(定員: 6 名) 5.5 名( 〃 ) ③就労継続支援 B 型(定員:24 名) 21.4 名( 〃 ) 定員合計:50 名 48.0 名( 〃 )
④グループホーム(定員:4 名) 3.4 名( 〃 )
(5) 西の池学園グループホーム
年齢の二極化がみられ入居者の半数が 60 歳を越える状況となっており、直接介助の必要 性が生じたことから生活支援員を朝・夕に配置する勤務体制にした。これにより介護業務 のみならず、入所者の相談や生活全般に係る支援も業務時間内で対応できるようになった。
現場(各グループホーム)への直行直帰であるため職員間の情報共有が課題であったが、
日誌や連絡メモを活用して伝達を確実に行ったことで職員間の情報共有が徹底できるよう になった。その他、年間を通して大きな事故やアクシデントはなかった。
1.実施状況
・生活支援員の勤務に早出と遅出を設けて利用者対応したことで心身の異常に早い段階 で気付き、病院受診等の対応ができた。
・保護者不在の利用者1名の成年後見人申し立て手続きを開始した。
・利用者が帰省中に家庭で虐待の疑いがあった事案に関して、市役所へ情報提供すると ともに関係機関と連携を図り対応策を検討し、利用者の安全を確保した。
2.課題
・高齢入居者の安全確保のためグループホーム間移動を検討し体験も実施したが、他の 入居者との関係で実現には至らなかった。次年度おいて再度関係を調整した上で不安 を払拭し、グループホーム移動を実現したい。
・身辺整理や金銭管理等、苦手な部分に関して職員が支援しながら利用者と一緒に行っ たが、利用者自身が自発的に生活スキルを身につけようとする意識付けには結びつか なかった。引き続き自立のための課題として捕らえ、工夫を凝らし支援に当たりたい。
3.年間稼働状況
①共同生活援助(定員:30 名) 29.13 名(1 日当り平均利用者数)
(6) ホームヘルプサービスこだま
ヘルパーの慢性的な不足によりサービス調整が度々あったにも関わらず、チームで協力 して利用者の不利益にならないようサービス提供に努めた。しかし、平成会のサービスを ほぼ毎日利用されている利用者に、一部他のヘルパー事業所利用を勧める状況になったこ とも事実である。慣れ親しんだヘルパーから外部のヘルパーへ代わったことへの影響はあ ったのではないかと思われる。また、ヘルパーの高齢化も進んでおり、今後、人材の確保 は大きな課題である。人材育成研修の発表においてこうした課題を取り上げ、日常の業務 に直結した改善提案していきたい。
1.実施状況
・法人のサービスを複数利用している利用者のニーズに対し、併用して利用するための 調整と協力が各事業所間でスムーズにできた。必要に応じて事業所や関係機関との連 携を図り、利用者の特性や基本情報を基に一貫した支援となるよう心掛けた。
・家族からの相談には、思いを訊きながらヘルパーのできる事を伝え、具体的なサービ スの提供を行なった。家族に対しレスパイトの役割も果たした。
・全てのヘルパーに研修会(行動援護・障害者差別解消法・人権擁護等)への参加を促 し、ミーティングで改めて振り返りを行ないながら研修内容を深めた。
・人材育成研修に参加したヘルパー事業所の 2 グループがアセスメントの重要性につい て提起し、改善提案を行なった。研修後 2 グループの案を融合し、使いやすい形式に 変更した上で現場に生かした結果、支援の質向上に繋がった。
・毎日の昼会で利用者の最新の状況を確認しながら、より良い支援のための情報交換を 行なった結果、チームによる支援と虐待防止に繋がった。
・常に改善を意識し、リスクマネジメントや業務の効率化に取り組んだ。
・他の事業所を兼務するヘルパーが集中して円滑に業務に従事できるよう、時間設定等 について事業所間で連携を図りながら、サービスの質の低下を防いだ。
2.課題
・稼働時間は、1,200 時間/月の数値目標に対し大幅に減少し 990 時間/月となった。ヘル パーの退職が重なった結果、やむを得ず他のヘルパー事業所へ移行したケースが数件 あったことや、利用者の入院等でサービス提供が中断したケースがあったことが理由 である。感染症の影響はほとんどなかった。
・個別・グループ外出では、利用者の金銭的な負担を軽減しながら採算性を考慮した外 出を提供した結果、利用時間の減少は防げた。
・高齢者や地域住民の居宅介護のニーズは、職員が充足していない理由で断るケースが 数件あった。職員の充足で解決すると思われるが、一度他事業所へ移行したケースは、
取り戻すことはできないと考えられる。
・利用者の特性や想いを知り、意志決定支援につなげる取組として宿泊体験の機会をも つよう計画していたが、通常の利用を優先したため実施できなかった。スキルの強化 と職員の補充が必要と思われる。
・潜在的なヘルパー利用希望は多くあり、今後、ヘルパーの増員は必要不可欠である。
ヘルパー不足への対策を引き続き講じていきたい。
(7) 放課後等デイサービス事業所 夕凪
年間を通じ定員の 10 名を下回る月が2回あったが、年間平均では概ね 10 名の利用児童 数を確保することができた。職員の育成は従来の定期学習会に加え、実践型の研修を企画 しステップアップを図ることに取り組んだ結果、ある程度の成果が表れている。この 1 年 で、東広島市内に放課後等児童デイサービス事業所が一挙に増加したが、安定した収入を 確保することができた理由として、幼少期から長年に亘って定期利用している児童が多か ったことが挙げられる。18 歳に達し卒業を迎え、世代交代の時期でもあった今期から次期 にかけて、新たな定期利用者の確保が大きな課題となっている。また、低学年児童を増や していく中で、発達障害支援と共に教育という観点からの支援の必要性を認識しており、
そのための専門性が求められると感じている。今後の課題として捉え、対応していきたい。
1.実施状況
・トレーニングセミナー・発達障害支援スキルアップ研修に参加した職員が学んだこと を職場に還元した。職員全員で学習することで支援力のレベルアップに繋がった。
・専門書を購入し積極的に活用した結果、支援の幅の広がりが実感できた。
・地元の小学校、中学校と積極的に関わりをもった結果、利用児童の増加に繋がった。
・緊急の受入れ要請があった時は、速やかに対応することを徹底した。関係機関との連 携、調整を経験する場にもなり、全体で支えていくことの重要性を学ぶ機会となった。
2.課題
・月平均利用児童数が 10 名下回る月があった。感染症の罹患による利用の中断や家庭の 都合によるキャンセルが主な理由である。キャンセルも考慮して、定期利用者を約 12
~13 名の利用に調整するよう検討したい。併せて、小学生を中心に新規の利用者を増 やすよう関係機関に働きかけたい。
・他事業所の見学を計画していたが、実施できなかった。また、保護者会を開催するこ とができなかった。現場対応に追われたこともあるが、次年度において実施できるよ う、計画的に準備を進めたい。
3.年間稼働状況
・放課後等児童デイサービス(定員:10 名) 9.6 名(1 日当り平均利用者数)
(8) ショートステイ・日中一時支援
今年度は、感染症の発症時期において入所利用者への感染防止に配慮しながら、ショー トステイ利用希望者のニーズに応えることができるように、職員の配置や受け入れる場所 を変更した上で実施した。また、セーフティネットとしての役割を果たすため、緊急の申 し込みや、レスパイトとしての利用を積極的に受け入れた。可能な限り事前準備を心掛け、
利用者それぞれに合った環境を提供し、利用者が落ち着いて過ごせるように取り組んだ。
1.実施状況
・長期利用のニーズに対しても、保護者や各関係機関と連携を図りながら受け入れを行 った。
・各事業所と利用者の近況の様子や支援情報を共有しながら利用者への個別対応を行っ た。
・本来の役割を意識し、緊急時の受入れを積極的に行った。
・感染症警報発令時に、入所利用者への感染リスク軽減に配慮しつつ、利用時の過ごし 方について調整を行った結果、感染は発症しなかった。
2.課題
・利用者が安心して過ごせるよう、必要なスタッフを配置することや職員の負担軽減を 目的にアルバイトの募集を行った。大きな戦力になっているが、アルバイトスタッフ が大学の卒業を迎え辞めていくケースが多いため、継続的にアルバイト学生を確保す る必要がある。近隣の大学へ情報提供する等連携を図り対応していきたい。
・日中一時支援中に、アルバイト職員による利用者への不適切対応が 1 件発生した。他 の利用者への他害を防ぎ、安全を確保するためにとった一連の行動であったが、内部 に止めず東広島市へ状況を報告した。市の聞き取り調査を受けた上で報告書等を提出 し終結した。支援のあり方等について、アルバイトスタッフを含め全職員への教育の 必要性を改めて認識する機会にもなった。こうした事案が起きないよう、職員教育の 徹底と職場風土作りに努めたい。
3.年間稼働状況
①ショートステイ(定員: 6 名) 3.6 名(1 日当り平均利用者数)
②日中一時支援 (定員:26 名) 897 名(年間延べ利用者数)
(9) 相談支援センターこだま
年間約 250 件のサービス利用計画相談を担当職員 5 名で対応した。新規相談は 4 件、終 了は 3 件あった。現在、東広島市内の児童に係る相談については受け入れ可能な相談支援 事業所に限界があり、セルフプランも増えている状況であるが、当センターにおいては放 課後等児童デイサービス事業所夕凪を利用している児童を中心に、可能な範囲で受け入れ た。質の向上を目標としてきたが、月によって相談件数にばらつきがあり、多い月には必 要な時間を十分割り当てられないこともあった。5 名の相談員で、年間を通してバランスよ く計画的に運営することが求められる。次年度に対応したい。
1.実施状況
・GHからの地域定着支援を 1 件受託し、地域生活への移行を実現した。
・サービス利用計画と個別支援計画が連動し、より効果的な計画作成と充実した支援に 繋げるための改善案を作成し、平成 29 年度当初から実施できるよう体制を整えた。
・計画相談の対象にならない方の基本相談においても、当事者の希望や相談に合わせて 丁寧に対応した。
2.課題
・当事者の状況や家庭の事情等によりサービス利用が適当と思われるケースにおいて、
事業所の都合でサービスが組み立てられなかったケースが数件あった。当事者、家族 にはその旨の説明をした上で、理解を得ながら継続して調整をしている。市や自立支 援協議会にも地域課題として報告し、改善策を検討している。
・目標としていた相談手法の質の向上について、自助努力と研修参加に止まり、相談支 援事業所として一体的に取り組み、具体的な成果を上げるまでには至らなかった。次 年度以降継続して質の向上に取り組んでいきたい。
(10) 介護タクシー
平成 28 年度は、年間売上目標を対前年度比 105%の 530 万円として、新規顧客の獲得と 西の池学園利用者の希望に沿った外出の機会を提供して行くことに重点を置き取り組んだ。
結果的に目標金額に届かなかったが、新規顧客の獲得等一定の成果を上げることができた。
車両 2 台で運用しているが、利用希望時間帯が重なることも多いという課題もある。引き 続き工夫を凝らし稼働率を高めていきたい。
1.実施状況
・広報誌「にしのいけ」への記事掲載や高屋東・河内地区へのチラシ新聞折り込み等、
新規顧客の獲得に向けて取り組んだ。
・西の池学園入所利用者の利用は、延べ 757 人から 841 人と増加した。
・タクシーにドライブレコーダーを設置し、乗務員の安全運転への意識を喚起をした。
2.課題
・1 月と 2 月の利用が一般・学園利用者共に少なく対前年 75%の利用率となり、売り上 げの落込みがあった。感染症発症リスクのある時期ということもあるが、今後、11 月 を目処に新聞チラシを活用したPR活動に努める等利用が減る時期の対策を講じてい きたい。
3.年間売上目標
目標 530 万円 実績 5,122,880 円 対前年比 101.5%
【内訳】
・一般顧客の売上 3,230,303 円 対前年比 97.9%
・西の池学園利用者売上 1,892,850 円 対前年比 108.3%
4.参考資料(職員の研修会参加状況)
(1) 外部研修会への参加状況
研 修 名 人数 第 48 回中国地区知的障害関係施設長会議(研修会) 2 H28 年度全国知的障害関係施設長等会議(研修会) 2 第 2 回中国地区障害者支援施設部会代表者会議(研修会) 1
H28 年度部会協議会および支援スタッフ委員会代表者会議(研修会) 1 第 2 回合同施設長会議(研修)日中活動支援部会 1
H28 年度介護サービス事業者集団指導研修 1
H28 年度指定障害福祉サービス事業者等集団指導研修 2 H28 年度社会福祉法人制度改革対応セミナー(前期) 3 H28 年度社会福祉法人制度改革対応セミナー(後期) 2 社会福祉法人決算研修~法改正に対応した適切な決算処理 1 東広島市男女共同参画のまちづくり講演会 講師:佐々木常夫 1 東広島市雇用対策協議会セミナー「グーグルと考える攻めの新卒採用戦略」 2 H28 年度福祉施設の防災・災害時に役立つ地域との関係づくり研修 1
福祉有償運送運転者講習会 3
2016 年社会福祉士実習指導者講習会 1
成年後見制度活用講座 1
食品衛生責任者実務講習会 1
H28 年度広島県障害者相談支援従事者初任者研修事前研修会 5
H28 年度精神保健福祉関係職員初任者研修会 2
H28 年度広島県相談支援従事者初任者研修(2 日間) 3 H28 年度広島県相談支援従事者初任者研修(5 日間) 2
H28 年度広島県サービス管理責任者研修 5
H28 年度広島県児童発達支援管理責任者研修 1
H28 年度広島県サービス管理責任者等フォローアップ研修 2 H28 年度広島県サービス管理責任者研修共通講義 2
H28 年度広島県相談支援従事者現任研修 3
サービス管理責任者スキルアップ研修会 1
H28 年度広島県強度行動障害支援者養成研修(基礎研修) 13 H28 年度広島県強度行動障害支援者養成研修(実践研修) 6 H28 年度居宅介護従業者養成研修(行動援護従業者養成研修課程) 6
H28 年度障害支援区分認定調査員研修 1
上田法治療認定講習会 3
安全運転管理者等講習 2
人権教育・人権啓発指導者研修会の実施について 2
H28 年度福祉施設の防災・災害時に役立つ地域との関係づくり研修 1
第 5 回元気をはぐくむ、新任職員基礎講座 3
H28 年度社会福祉施設新入職員研修 7
H28 年度中堅職員の役割を理解するメンバーシップ研修 1 H28 年度管理職・中間管理職のための人材マネジメント研修 1 第 27 回中国・四国地区社会福祉法人経営者セミナー 1 第 58 回中国・四国地区知的障害関係職員研究協議会 3 H28 年度中国地区知的障害者支援施設部会研修会鳥取大会 3 第 54 回全国知的障害福祉関係職員研究大会北海道大会 2
第 14 回全国児童発達支援施設運営協議会 2
就労支援基礎セミナー~認知面の障害特性を理解して就労支援に活かす~ 1
就労支援スキルアップ研修 1
H28 年度業務課題の解決と実践研修 3
H28 年度メンター養成研修 1
H28 年度リスクに対応できる組織体制づくりを考える研修 1 H28 年度リスクの発見・気づき力研修(初任者編) 1
H28 年度わかりやすく伝える力を養う研修 1
解決思考アプローチの事例検討会 2
障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行プロジェクト研修会 3
第 1 回ヘルパースキルアップ研修 10
第 4 回東広島地区訪問介護事業連絡協議会研修会 2
介護サービス従事者スキルアップ研修 1
実感の理解を深めるための研修会 1
H28 年度発達障害支援スキルアップ研修 1
療育支援スキルアップ研修 1
特性に応じた支援のための実践セミナー 1
「自閉症を正しく理解するということ」~自閉症の支援でもっとも大切なこと~ 3
H28 年度広島県発達障害支援セミナー 1
行動援護について知ってみよう~発達障害の理解と支援~ 14 第 14 回障害のある人の地域生活支援セミナー 1 福祉協会 業務課題の解決と実践研修(チームリーダーコース) 3 福祉協会 第 14 回広島県支援施設セミナー 3
福祉協会 やくだてよう 職場での人権研修 1
福祉協会 H28 年度第 1 回リーダー育成研修 2
福祉協会 保健衛生・給食担当職員等研修会 4
福祉協会 生産活動・就労支援部会 1
福祉協会 第 2 回相談支援部会研修会・意見交換会 1
福祉協会 地域支援部会会議・研修会 1
結核・ノロウイルス感染症研修会 1
H28 年度介護基礎技術向上フォローアップ研修 2
平成 28 年度介護基礎技術向上研修 2
職場の課題発見・解決のための方法と手順を学ぶ研修 1
自殺対策関係者研修会 1
新任職員権利擁護研修会 2
障害者差別解消法がめざすもの 講師:横藤田誠氏 2
H28 年度権利擁護研修会 1
H28 年度広島県障害者虐待防止・権利擁護研修 2 H28 年度第 2 回権利擁護セミナー あいサポートフォーラム東広島 3
合計 82 件 192
(2) 法人内研修会の参加状況
研 修 名 人数 第 1 回リーダー養成講座 講師:堀中嶽水氏 19 第 2 回リーダー養成講座 講師:堀中嶽水氏 19 第 3 回リーダー養成講座 講師:堀中嶽水氏 19 第 4 回リーダー養成講座 講師:堀中嶽水氏 19 人材育成研修 新人・中堅編 前期 講師:堀中嶽水氏 125 人材育成研修 新人・中堅編 後期 講師:堀中嶽水氏 125 人材育成研修 管理者編 前期 講師:堀中嶽水氏 29 人材育成研修 管理者編 後期 講師:堀中嶽水氏 29 人事考課研修 講師:白井一美 ㈱CHB 9 人事考課評価者研修 講師:白井一美 ㈱CHB 63 人権研修 講師:後藤淳子氏 115 防犯研修会 講師:広島綜合警備保障 40
安全運転講習(職員研修) 51
小計 13 件 662
(3) 外部研修での発表状況
研 修 名
第 58 回中国・四国地区知的障害関係職員研究協議会(香川大会)
開催日:平成 28 年 7 月 14 日~平成 28 年 7 月 15 日 事例発表者:西の池学園生活支援員 坂本愛
演題:「西の池学園における高齢者支援」
~今を!楽しく笑顔で暮らすために~