平 成29年 度 修 士 論 文
観 光 地 駐 車 場 の 事 前 予 約 お よ び
付 帯 サ ー ビ ス に 対 す る 価 値 の モ デ ル 推 計
〜 高 尾 山 地 区 に お け る駐 車 場 事 業 の レベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン トに 向 け て 〜
首 都 大 学 東 京 大 学 院 都 市 環 境 科 学 研 究 科 観 光 科 学 域
16842405竹 本 佳 文
指 導 教 員 清 水 哲 夫
要 旨
今 後 の 観 光 地 経 営 に 際 し,観 光 客 か ら得 ら れ る 収 益 を 原 資 と し て 地 域 の 生 活, 交 通,観 光 の 課 題 解 決 や 環 境 改 善 を 進 め る 仕 組 み を 導 入 す る こ と が 期 待 さ れ て い る.国 土 交 通 省 が 発 表 し た 今 後 の 観 光 渋 滞 対 策 の 方 向 性 で は,交 通 や 地 域 の 課 題 改 善 を 目 的 と し た 観 光 地 エ リ ア マ ネ ジ メ ン トの 必 要 性 が 言 及 さ れ て お り, そ の 具 体 策 と し て 観 光 地 の 駐 車 場 にICTを 活 用 し た 事 前 予 約 制 度 の 導 入 に よ る 既 存 駐 車 容 量 の 有 効 利 用 や,駐 車 料 金 の 柔 軟 な 設 定,イ ン セ ン テ ィ ブ の 付 与 に よ る 需 要 の コ ン ト ロ ー ル と い っ た 施 策 を 通 じ た 観 光 地 マ ネ ジ メ ン トが 提 唱
さ れ て い る.
高 尾 山 地 区 で は,ゴ ー ル デ ン ウ ィ ー ク や 紅 葉 シ ー ズ ン に な る と 鉄 道 ・道 路 と も に 混 雑 が 発 生 す る.地 区 内 に は 異 な る 運 営 主 体 に よ る 駐 車 場 が 広 範 に 分 布 し, そ れ ぞ れ 個 別 の 料 金 設 定 や 案 内 誘 導 方 法 を 適 用 し て い る た め,地 区 全 体 と し て 効 率 的 な 駐 車 場 運 営 が な さ れ て い る と は 言 い 難 い.こ の 問 題 を 解 決 す る た め に,
「事 前 予 約 制 」 と 「需 要 ・混 雑 に 応 じ て 変 動 す る 料 金 設 定 」 を 核 と し た 地 区 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム を 導 入 ・運 用 す る こ と が 効 果 的 で あ る.事 前 予 約 制 は,事 前 にWeb上 で 駐 車 場 を 予 約 で き,当 日 は 駐 車 場 の 空 き 状 況 を 心 配 す る こ と な く,確 実 に 駐 車 場 を 利 用 で き る 制 度 で あ る.こ れ に よ り,駐 車 場 待 ち や 地 区 内 の う ろ つ き 車 両 を 抑 制 し,料 金 設 定 を 通 じ て 駐 車 需 要 を コ ン ト ロ ー ル で き る.さ ら に,こ の シ ス テ ム で 得 た 収 益 の 一 部 を 地 域 の 課 題 解 決 の 財 源 と し て 用 い る こ と で,観 光 客,地 権 者,地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ ー の そ れ ぞ れ に メ リ ッ トが 発 生 す る 新 た な 観 光 地 エ リ ア マ ネ ジ メ ン トが 可 能 と な る.
そ の た め に は シ ス テ ム の 収 入 を 可 能 な 限 り増 や す 必 要 が あ る が,地 区 内 の 空 き ス ペ ー ス の 有 効 活 用 も 含 め 可 能 な 範 囲 で 駐 車 マ ス を 増 加 さ せ,そ の 上 で 管 理 ・運 営 者 に で き る だ け シ ス テ ム に 参 入 し て も ら う こ と が 重 要 で あ る.一 方 で 事 前 予 約 制 の 導 入 で 必 然 的 に 料 金 が 高 く な る た め,支 払 意 思 額 の 低 い 来 訪 者 へ の 配 慮 か ら 観 光 中 心 地 か ら の 距 離 に 応 じ た 柔 軟 な 料 金 設 定 や,付 帯 サ ー ビ ス の 導 入 を 検 討 す る 必 要 が あ る.こ れ に よ り,地 区 全 体 の 駐 車 可 能 台 数 は 増 加 し, 追 加 的 な 自 動 車 来 訪 需 要 に も 応 え っ っ,駐 車 場 収 益 を 増 加 さ せ て 渋 滞 を 発 生 さ せ な い よ う な コ ン ト ロ ー ル が 実 現 可 能 と な る.
本 研 究 で は 高 尾 山 地 区 を 事 例 と し て,観 光 地 の 駐 車 場 に 事 前 予 約 制 を 導 入 し
た 場 合 の 駐 車 場 収 入 と,事 前 予 約 制 度 お よ び 付 帯 サ ー ビ ス に 対 す る 価 値 の モ デ ル 推 計 を 行 う.具 体 的 に は,事 前 予 約 と 付 帯 サ ー ビ ス の 価 値 を 数 値 化 し,こ れ ら を 反 映 し た 料 金 設 定 が 地 区 全 体 で の 駐 車 場 事 業 収 入 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 通 じ て 試 算 す る.以 上 の 成 果 を 通 じ て,駐 車 場 事 業 の レ ベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン ト に 向 け た 戦 略 策 定 及 び そ の 基 本 的 判 断 材 料 を 提 供 す る こ
と が 狙 い で あ る.
以 上 の 目 的 を 達 成 す る た め に,次 の3つ の 分 析 を 実 施 し た.第 一 に,滞 在 人 ロ デ ー タ を 活 用 し た 高 尾 山 地 区 へ の 来 訪 需 要 推 計 を 行 っ た.そ の 結 果,9時 か ら11時 に か け て 到 着 が 集 中 す る こ と や,11月 休 日 の 来 訪 者 が 相 対 的 に 多 い こ と な ど,時 季 ・時 間 帯 別 の 詳 細 な 来 訪 需 要 を 把 握 す る こ と が で き た.ま た,混 雑 す る 紅 葉 ・年 始 ・新 緑 シ ー ズ ン 等 の 時 季 別 の 駐 車 需 要 台 数 を 推 定 す る 重 回 帰 モ デ ル を 構 築 し,例 え ば 紅 葉 の 休 日 に は1日1241台 の 需 要 が あ る こ と や,年 間 で は13万6789台 の 需 要 が あ る こ と な ど,シ ー ズ ン 別 と 年 間 で の 駐 車 需 要 を 算 出 す る こ と が で き た.
第 二 に,観 光 客 の 駐 車 場 事 前 予 約 シ ス テ ム の 利 用 意 向 や 付 加 価 値 に 対 す る 支 払 意 思 額 を 把 握 す る た め,紅 葉 シ ー ズ ン の 高 尾 山 来 訪 者 に ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し,得 ら れ た 回 答 を も と に 駐 車 場 選 択 ロ ジ ッ トモ デ ル を 構 築 し た.モ デ ル の 説 明 変 数 と し て,中 心 か ら の 徒 歩 時 間 や 待 ち 時 間,料 金 や 予 約 制,付 帯 サ ー ビ ス の 有 無 を 使 用 し モ デ ル 推 定 を 行 っ た 結 果,事 前 予 約 制 自 体 の 価 値 は 約376円 で,予 約 制 度 の 有 無 の 他 は 同 じ 条 件 の 駐 車 場 と の 二 肢 選 択 の 場 合 に お い て 約 24.4%選 択 率 が 向 上 す る と い っ た 様 に 各 変 数 の 価 値 を 数 値 化 す る こ と が で き た.
第 三 に,構 築 し た 駐 車 場 選 択 モ デ ル を 用 い て,様 々 な パ タ ー ン を 想 定 し た 駐 車 場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 行 っ た.ま ず ひ と つ の 駐 車 場 に 着 目 し,駐 車 場 収 入 を 最 大 化 す る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 行 っ た.紅 葉 シ ー ズ ン の 休 日 に お い て 予 約 制 度 と付 帯 サ ー ビ ス を 提 供 す る 駐 車 場 の 料 金 を2,076円 と設 定 す る こ と で,1日 あ た り約30万 円 の 収 入 が 得 ら れ る こ と が わ か っ た.次 に 地 域 に お け る 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン トを 想 定 し た 地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 行 っ た.地 域 の 駐 車 場 が100%シ ス テ ム に 参 入 す る と13,119台 の 入 庫 待 ち 台 数 が 削 減 さ れ,全 体 の 駐 車 場 収 入 は 予 約 制 度 の み 実 施 の 場 合 で 約55%増
の 収 入 増 加 が 期 待 で き る と 試 算 さ れ た.最 後 に 実 際 に シ ス テ ム を 運 用 す る こ と を 想 定 し,仮 想 的 な 配 分 率 の も と 地 権 者 の 収 入 を 算 出 す る と,シ ス テ ム の 導 入 に よ っ て 年 間32〜767万 円 の 収 入 増 加 が 試 算 さ れ た.
最 後 に 以 上 の 分 析 の ま と め と,高 尾 山 地 区 に お け る 観 光 地 駐 車 場 事 業 の レ ベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン トに 向 け た 本 研 究 の 貢 献 を 考 察 し,今 後 の 展 望 や 課 題 に つ い て 整 理 し た.
目 次
要 旨 目 次
第1章 序 論
1.1観 光 地 の 交 通 問 題 に つ い て 1.2研 究 背 景 と 目 的
1.3論 文 構 成 と 研 究 手 法
‑⊥4ユ78788
1.4予 約 制 駐 車 場 に つ い て
1.4.1予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム の 普 及
1.4.2予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム が 効 果 を 発 揮 す る シ チ ュ エ ー シ ョ ン.̲̲..14 1.4.3観 光 と 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム14
第2章 予 約 制 駐 車 場 の 現 状 及 び 先 行 研 究 に つ い て16 2.1既 往 研 究 の 整 理 と 本 研 究 の 位 置 付 け16
2.2研 究 対 象 地 選 定18 2.3高 尾 地 区 の 概 要
‑⊥009U
‑⊥‑⊥‑⊥
2.4高 尾 地 区 の 交 通 状 況 2.5高 尾 山 地 区 の 駐 車 場 状 況
2.6た か お ・ ま ちPプ ロ ジ ェ ク ト に つ い て
第3章 滞在 人 ロデ ー タ を活 用 した観 光 地来 訪 需 要把 握
3.1モ バ イ ル 空 間 統 計 と は 3.2デ ー タ の 加 工 と 分 析 方 法 3.3入 込 観 光 客 数 の 推 定 3.4駐 車 需 要 の 推 定 3.5集 客 圏 の 分 析
3.6モ バ イ ル 空 間 統 計 を 活 用 し た 需 要 把 握 の 考 察 3.7重 回 帰 分 析 を 用 い た 駐 車 需 要 予 測
3.7.1シ ー ズ ン 別 の 需 要 予 測 3.7.2年 間 の 駐 車 需 要 算 出
第4章 ア ン ケ ー ト調 査 を 用 い た 駐 車 場 選 択 モ デ ル の 構 築
80270012345667881222333333333333
4.2ア ン ケ ー ト 調 査 概 要 4.2.1調 査 日 の 天 候 条 件 4.2.1調 査 日 の 状 況 4.3ア ン ケ ー ト 調 査 結 果
4.3.1サ ン プ ル 属 性 集 計 結 果 4.3.2時 間 に 関 す る 分 析 結 果
4.4多 項 ロ ジ ッ トモ デ ル を 用 い た 駐 車 場 選 択 モ デ ル の 構 築 と 価 値 算 出.
4.4.1付 帯 サ ー ビ ス の 選 定
4.4.2全 体 の 駐 車 場 選 択 モ デ ル 構 築 と 各 変 数 の 効 用 4.4.3変 数 の 価 値 に つ い て の 考 察
4.4.4駐 車 場 選 択 効 用 関 数 の モ デ リ ン グ
4.4.5平 休 別 の 駐 車 場 選 択 嗜 好 モ デ ル と 各 変 数 の 価 値 4.4.6各 種 属 性 別 の 駐 車 場 選 択 嗜 好 モ デ ル と 各 変 数 の 価 値 第5章 料 金 設 定 が 個 別 駐 車 場 事 業 収 入 に 与 え る 影 響 の 分 析
5.1一 つ の 駐 車 場 に 着 目 し た 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 5.2パ タ ー ン 別 駐 車 場 選 択 率 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析
5.3駐 車 需 要 別 満 車 と な る 駐 車 料 金 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 5.4理 論 上 の 駐 車 場 収 入
5.5駐 車 需 要 別 の 収 入 期 待 値
12244601234572456794444445555555666666
5.6設 定 駐 車 料 金 と 収 入 の 関 係 来 訪 台 数 別 の 駐 車 場 収 入 最 大 化 価 格̲̲...71 5.7平 休 ・天 候 ・行 楽 シ ー ズ ン 別 の 駐 車 場 収 入 最 大 化 料 金 分 析 結 果̲̲̲74
5.7.1時 季 別 の 常 設 駐 車 場Paの 収 入 と そ れ を 最 大 化 す る 駐 車 料 金̲̲.74 5.7.2回 転 率 を 考 慮 し た 時 季 別Paの 収 入 と 最 大 化 駐 車 料 金75
5.7.3シ ー ズ ン 別 駐 車 場 収 入 最 大 化 料 金 の 考 察76 5.8年 間 の 収 入76
第6章
場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析
駐 車 場 事 業 の レベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン ト を 想 定 し た 地 域 全 体 で の 駐 車
6.1地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 6.1.1基 本 と な る 設 定 料 金 で の 収 入
6.1.1常 設 駐 車 場Paに 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム を 導 入 し た 場 合 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン80
7●OUQU
787■78
6.2予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム の 参 入 率 と 駐 車 場 収 入 の 関 係 性82 6.2.1予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム 参 入 率 と 年 間 駐 車 場 収 入 の 関 係83 6.2.2予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム 参 入 率 と 入 庫 待 ち 台 数 の 関 係85
6.2.3最 初 に 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム に 参 入 し た 駐 車 場 の 収 入 の 推 移̲...86 6.2.4最 後 に 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム に 参 入 し た 駐 車 場 の 収 入 の 推 移̲...87 第7章 結 論 と 提 言88
7.1各 章 の ま と め と 結 論 7.2研 究 結 果 の 地 域 へ の 還 元
7.2.1予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム に よ る 地 権 者 の 収 入
7.2.2ま ち づ く り の 財 源
7.3研 究 を 踏 ま え た 今 後 の 課 題 点
7.3.1モ デ ル の 適 合 度 の 検 証 と 精 度 の 向 上 7.3.2一 般 性 の 確 保
7.3.3情 報 提 供 の 重 要 性
7.3.4プ ロ ジ ェ ク ト の マ ネ ジ メ ン ト
参 考 文 献
参 考 ウ ェ ブ サ イ ト 図 表 リ ス ト
付 録 ・巻 末 資 料
801233334578899999999999
101
第1章 序 論
1.1観 光 地 の 交 通 問 題 に つ い て
高 度 成 長 期 の モ ー タ リゼ ー シ ョ ン に よ る 爆 発 的 な 自 動 車 保 有 台 数 の 増 加 は, 観 光 地 へ の ア ク セ ス を 劇 的 に 変 化 さ せ た.近 年 の 交 通 ア ク セ ス の 向 上 と 観 光 需 要 の 増 加 に よ っ て,よ り広 範 囲 か ら 多 く の 観 光 客 が 様 々 な 交 通 手 段 で 観 光 地 へ 訪 れ る よ う に な っ た が,依 然 と し て 自 動 車 は 人 々 の 交 通 手 段 と し て 欠 か せ な い も の で あ り,観 光 目 的 で も 主 要 な 交 通 手 段 と し て 利 用 さ れ て い る.2010年 に 行 わ れ た 全 国 幹 線 旅 客 純 流 動 調 査1)に よ る と,観 光 ト リ ッ プ 移 動 距 離 が300km程 度 以 下 で あ れ ば 約9割 は 乗 用 車 を 用 い た 観 光 で あ る と い う 結 果 が 出 て い る.
し か し,観 光 地 側 の 交 通 整 備 が 整 っ て い な い 場 合 や,自 動 車 以 外 の ア ク セ ス 手 段 が 限 ら れ て い る よ う な 場 合 は,観 光 地 周 辺 道 路 や 観 光 地 ヘ ア ク セ ス す る 幹 線 道 路 に お い て,し ば し ば 交 通 渋 滞 が 発 生 す る こ と が あ る.観 光 交 通 は 一 般 的 な 交 通 と は 異 な る 種 々 の 特 性 を 有 す る た め,そ の 特 性 を 十 分 に 配 慮 し た 対 策 が 必 要 と な る2).そ も そ も 渋 滞 は,道 路 の 交 通 可 能 容 量 に 対 し て,実 際 の 交 通 量 が 超 過 し て い る こ と か ら 生 じ る も の で あ る.そ の 原 因 は,季 節 や イ ベ ン ト開 催 の 有 無 な ど ピ ー ク が あ る も の,慢 性 的 な 道 路 の キ ャ パ シ テ ィ に よ る も の,駐 車 場 不 足 に よ る も の,公 共 交 通 の 整 備 不 足 に よ る も の な ど 様 々 で あ る.交 通 渋 滞 は,移 動 者 の 時 間 的 な 損 失 を 生 じ さ せ る の み な ら ず,そ の 地 域 の 魅 力 度 を 下 げ, 結 果 的 に 来 訪 者 の 減 少 を 招 く 恐 れ も あ る.平 成25年 の 関 東 運 輸 局 「交 通 ・観 光 に 対 す る 市 民 意 識 調 査 の 実 施 結 果 」3)に よ る と,観 光 地 を 訪 れ る た め の 条 件 第3位 に 「道 路 が 渋 滞 し て い な い こ と 」 が ラ ン ク イ ン し,交 通 渋 滞 は 観 光 に 大 き な 負 の 影 響 を 与 え る 問 題 で あ る こ と が 伺 え る.そ こ で,交 通 渋 滞 を 解 消 す る た め に は,そ の 地 域 に 合 っ た 解 決 方 法 が 必 要 と な る.一 般 的 に は,道 路 の 交 通 容 量 を 引 き 上 げ る ハ ー ド面 の 対 策,ま た は 自 動 車 の 交 通 量 を 抑 制 ・分 散 さ せ る
よ う な ソ フ ト面 の 対 策 が な さ れ る.
特 に 観 光 地 に お い て は,人 々 に と っ て の 目 的 地 で あ る こ と が 多 い た め,駐 車 場 に 起 因 す る 交 通 渋 滞 が 観 光 地 内 の 交 通 問 題 の 中 で 大 き な ウ ェ イ トを 占 め て い る.平 成28年 の 国 土 交 通 省 「観 光 地 に お け る 渋 滞 対 策 」 中 の 観 光 地 に お け る 交 通 の 現 状 と課 題 に よ る と,観 光 客 の 交 通 に 対 す る 不 満 の 内,第 一 位 の 渋 滞
(47.2%)に 続 い て 第 二 位 に 駐 車 場 不 足(44.0%)が 挙 げ ら れ て い る4).そ の 原 因 と し て,自 動 車 の 来 訪 台 数 に 対 し て 駐 車 場 の 容 量 が 少 な い こ と や,そ れ に よ る 駐 車 場 前 で の 入 庫 待 ち,空 い て い る 駐 車 場 を 探 し て 観 光 地 内 を 走 行 す る う ろ つ き 交 通 に よ る も の と い っ た,空 間 的 な 集 中 に よ る 要 因 や,特 定 の 曜 日,時 間 帯 に 来 訪 が そ の 観 光 地 の 駐 車 場 の 処 理 能 力 を 超 え て 集 中 す る と い っ た,時 間 的 な 集 中 に よ る 要 因 が あ る.こ と 観 光 地 に お い て は,レ ジ ャ ー と い っ た 観 光 需 要 は 季 節 や 曜 日 ご と の 変 動 が 大 き く,最 大 需 要 に 合 わ せ て 駐 車 場 や 交 通 イ ン フ ラ を 整 備 す る こ と は 維 持 運 営 管 理 の こ と を 鑑 み て も 現 実 的 で な い 上 に 非 効 率 で あ る.
平 成29年 の 国 土 交 通 省 都 市 局 「駐 車 施 策 の 最 近 の 動 向 」 に よ る と,今 後 の 駐 車 場 政 策 の 方 向 性 は 「量 」 的 整 備 の 時 代 か ら 「質 」 的 整 備 の 時 代 へ と 移 行 す べ き で あ り,高 度 利 用 を 含 め た 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン トが 必 要 に な っ て く る と 述 べ ら れ て い る5).こ れ よ り,今 後 の 観 光 地 に お い て は,適 正 規 模 の 駐 車 場 を 高 度 利 用 す る こ と で 需 要 の 変 動 に 対 応 し て い く よ う な マ ネ ジ メ ン ト が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る.
1.2研 究 背 景 と 目 的
一 般 的 に 観 光 地 に お い て,観 光 は 生 活 者 に 対 し て メ リ ッ ト ・デ メ リ ッ ト の 両 方 が あ る.具 体 的 に は,観 光 客 の 増 加 に よ っ て 地 域 に 雇 用 や 経 済 効 果 が 発 生 す る 一 方 で,混 雑 に よ る 騒 音 や 上 記 の 交 通 渋 滞,そ れ に よ る 環 境 の 悪 化 等 が 発 生 す る 懸 念 が あ る.運 輸 経 済 研 究 セ ン タ ー に よ る と,観 光 地 に お け る 交 通 混 雑 の 緩 和 対 策 は 来 訪 者 の 活 動 環 境 と 観 光 地 と し て の 魅 力 の 維 持 ・創 出 を 同 時 に 考 慮 す べ き で あ る6)と 述 べ て お り,ま た 本 橋 ら は 観 光 地 に お け る 駐 車 場 政 策 に つ い て,閑 散 期 か ら 混 雑 期 ま で 変 動 の 大 き な 需 要 に 対 抗 す る 「需 要 へ の 対 応 」,需 要 が 大 き く 変 化 す る 中 で 適 正 な 経 営 を 確 保 す る 「採 算 性 」,観 光 地 点 や 歩 行 空 間 で の 快 適 さ や 景 観 な ど の 質 の 向 上 を 図 り 観 光 地 と し て の 活 動 環 境 の 魅 力 を 高 め る 「来 訪 者 の 活 動 環 境 の 向 上 」 の 三 つ の 観 点 か ら 評 価 さ れ る べ き7)だ と 述 べ て い る が,こ れ ら を 実 現 す る た め に は 上 記 の よ う な 問 題 を 解 決 し っ っ 観 光 地 独 自 で 財 源 を 確 保 す る こ と が 必 要 で あ る.
2011年 の 社 団 法 人 日本 観 光 協 会 「地 域 観 光 協 会 等 の 実 態 と 課 題 に 関 す る 調 査
お り,そ こ か ら得 た 収 入 を 財 源 と し て 事 業 を 行 っ て い る8).一 方 で,同 資 料 に よ る と65%の 組 織 が 予 算 不 足,59%の 組 織 が 補 助 金 へ の 依 存 体 質 を 課 題 に あ げ て い る.こ の こ と よ り,観 光 地 だ か ら こ そ 可 能 な 収 益 を 得 て そ れ を 原 資 と し て 地 域 の 生 活,交 通,観 光 の 課 題 解 決 や 環 境 改 善 を 進 め る こ と が 今 後 の 観 光 地 経 営 の 際 に 重 要 な 視 点 と な る.
平 成28年 の 国 土 交 通 省 「観 光 地 に お け る 渋 滞 対 策 」 中 の 今 後 の 観 光 渋 滞 対 策 の 方 向 性 で は,交 通 や 地 域 の 課 題 改 善 を 目 的 と し た 観 光 地 エ リ ア マ ネ ジ メ ン ト の 必 要 性 に つ い て 言 及 さ れ て い る.ICTを 活 用 し た 事 前 予 約 制 度 の 導 入 に よ る 既 存 駐 車 容 量 の 有 効 利 用 や 駐 車 料 金 の 柔 軟 な 設 定,イ ン セ ン テ ィ ブ の 付 与 に よ る 需 要 の コ ン ト ロ ー ル と い っ た 施 策 に よ る 観 光 地 マ ネ ジ メ ン ト が 提 唱 さ れ て い る.こ れ ら の 対 策 を 組 み 合 わ せ,自 動 車 を ス ム ー ズ に 駐 車 場 へ 誘 導 す る こ と が 観 光 地 に お け る 交 通 渋 滞 解 消 の1つ の 鍵 と な る.事 前 予 約 制 度 に よ っ て 交 通 課 題 を 解 決 し っ っ,さ ら な る イ ン セ ン テ ィ ブ と し て 駐 車 場 に 付 加 価 値 を っ け, ま ち づ く り等 の 財 源 と し て 活 用 す る こ と で,駐 車 場 の 高 度 利 用 に よ る 観 光 地 マ ネ ジ メ ン トが 可 能 と な る と 考 え ら れ る.
そ の 発 想 の 元,首 都 大 学 東 京 と 八 王 子 市 な ど が 主 体 と な っ て 進 め て い る の が, た か お ・ま ちPプ ロ ジ ェ ク トで あ る.こ の プ ロ ジ ェ ク トの 趣 旨 と し て は,高 尾 山 地 区 内 お よ び 周 辺 地 区 の 駐 車 場 を 一 括 運 営 す る 事 前 予 約 シ ス テ ム の 導 入 に よ り 駐 車 場 の 収 益 増 を も た ら し,そ の 収 益 の 一 部 を ま ち づ く り資 金 や 交 通 問 題 の 解 決 費 用 に 充 当 す る こ と で 高 尾 山 地 区 の 快 適 性 を 高 め,地 区 住 民 と 観 光 客 両 者 に と っ て 魅 力 的 な ま ち を 形 成 す る た め の も の で あ る.こ の 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト の ポ イ ン ト は,「 事 前 予 約 制 」 と 「需 要 ・混 雑 に 応 じ て 変 動 す る 料 金 設 定 」 を 内 包 す る シ ス テ ム を 組 み 込 む こ と で あ る.事 前 予 約 制 と は,事 前 にWeb上 で 駐 車 場 を 予 約 で き る 制 度 の こ と で,当 日 は 駐 車 場 の 空 き 状 況 を 心 配 す る こ と な く, ス ム ー ズ に 駐 車 場 ヘ ア ク セ ス が 可 能 と な る.こ の 事 前 予 約 制 に よ っ て,駐 車 場 待 ち や 地 区 内 の う ろ つ き 車 両 を 抑 制 し,さ ら に 料 金 設 定 に よ っ て 駐 車 需 要 を コ ン ト ロ ー ル で き る と 考 え て い る.
し か し 懸 念 材 料 と し て,事 前 予 約 制 と い う価 値 が 付 加 す る こ と で,現 在 よ り も 駐 車 場 料 金 が 高 く な る こ と は 避 け ら れ な い.そ こ で 二 次 的 な 取 り組 み と し て, こ の 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム に 組 み 込 む エ リ ア を 広 げ,高 尾 山 口 駅 と の 近
さ に よ っ て 料 金 設 定 を 柔 軟 に 調 整 す る こ と や,付 帯 サ ー ビ ス を 提 供 す る こ と に よ る 付 加 価 値 向 上 を 考 え て い る.こ れ に よ り,駐 車 可 能 台 数 は 増 加 し,車 で 来 た い と い う需 要 に も 応 え つ つ,駐 車 場 収 益 を 向 上 さ せ て 渋 滞 を 発 生 さ せ な い よ う な コ ン ト ロ ー ル が 可 能 と な る.そ こ で 本 研 究 で は 高 尾 山 地 区 を 事 例 と し て, 観 光 地 の 駐 車 場 に 事 前 予 約 制 を 導 入 し た 場 合 の 駐 車 場 収 入 と,事 前 予 約 制 度 お よ び 付 帯 サ ー ビ ス に 対 す る 価 値 の モ デ ル 推 計 を 行 う.ま た,事 前 予 約 と 付 帯 サ ー ビ ス の 価 値 を 数 値 化 し ,駐 車 場 事 業 の レベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン トに 向 け た 地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 増 加 の 可 能 性 を 探 る.そ れ が 事 前 予 約 制 の 導 入 可 能 性 や 料 金 設 定 検 討 の 判 断 材 料 と な り,今 後 の シ ス テ ム 導 入 に 向 け て の 礎 と な る と 考 え る.な お,レ ベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン ト と は 列 車 ・航 空 機 の 指 定 席 や ホ テ ル の 部 屋 の よ う に,予 約 販 売 さ れ,当 日 を 過 ぎ れ ば 価 値 が 無 く な っ て し ま う性 格 の 商 品
(サ ー ビ ス)を も つ 業 種 に お い て,い つ,誰 に 対 し,ど の 販 売 チ ャ ネ ル を 使 い, い く ら で 売 れ ば 収 益 と 顧 客 の 購 買 機 会 が 最 大 化 す る か を 追 求 す る,経 営 管 理 手 法 の 一 種 で あ る9).
1.3論 文 構 成 と 研 究 手 法
本 研 究 で は 高 尾 山 地 区 を 事 例 と し て,観 光 地 の 駐 車 場 に 事 前 予 約 制 を 導 入 し た 場 合 の 駐 車 場 収 入 と,事 前 予 約 制 度 お よ び 付 帯 サ ー ビ ス に 対 す る 価 値 の モ デ ル 推 計 を 行 う.ま た,事 前 予 約 と 付 帯 サ ー ビ ス の 価 値 を 数 値 化 し,駐 車 場 事 業 の レ ベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン トに 向 け た 地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 増 加 の 可 能 性 を 探 る こ と を 研 究 目 的 と し て い る.
第1章 で は,本 研 究 の 背 景 ・ 目 的 に つ い て 言 及 し,予 約 制 駐 車 場 の 現 況 と観 光 地 に お け る 予 約 制 駐 車 場 の 導 入 意 義 に つ い て 説 明 す る.
第2章 で は 既 往 研 究 を レ ビ ュ ー し た 上 で 本 研 究 の 位 置 づ け を 行 い,研 究 対 象 地 の 現 況 と 現 在 進 行 し て い る プ ロ ジ ェ ク ト に つ い て 述 べ る.
第3章 で は,滞 在 人 ロ デ ー タ を 活 用 し た 集 客 圏 の 把 握 及 び 需 要 推 定 を 行 う.
第4章 で は ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し,観 光 地 駐 車 場 事 前 予 約 制 度 と 付 帯 サ ー ビ ス の 価 値 を 推 計 す る.ま た,ア ン ケ ー トで 得 ら れ た 回 答 を も と に ロ ジ ッ トモ デ ル を 用 い て 駐 車 場 選 択 モ デ ル を 構 築 す る.観 光 客 の 方 が ど う い っ た 条 件 の 駐 車 場 を 選 択 し,中 心 か ら の 徒 歩 時 間 や 待 ち 時 間,料 金 や 予 約 制 度 及 び 付 帯 サ ー ビ ス の 有 無 な ど の 違 い に よ っ て ど の よ う に 選 択 割 合 が 変 化 す る か 分 析 し,そ れ ぞ れ の 項 目 の 価 値 を 数 値 化 し た.
第5章 で は シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の シ ス テ ム 特 性 を 把 握 す る た め に,駐 車 場 選 択 モ デ ル を 用 い て 駐 車 場 収 入 最 大 値 を 明 ら か に す る 感 度 分 析 を 行 う.駐 車 場 経 営 者 の 立 場 を 想 定 し,一 っ の 駐 車 場 に 着 目 し た 駐 車 場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 行 い,収 入 を 最 大 化 す る よ う な 駐 車 料 金 と そ の 収 入 を 算 出 す る.
第6章 で は 地 域 に お け る 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト を 念 頭 に 置 い た 地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 行 う.ま ず は そ の 駐 車 場 が 収 入 最 大 化 を 図 っ た こ と に よ っ て 地 域 全 体 の 駐 車 場 収 入 が ど の よ う に 変 化 す る の か 分 析
し,特 定 の 駐 車 場 に 予 約 制 度 や 付 帯 サ ー ビ ス を 導 入 し た 時 の 高 尾 山 地 区 全 体 の 駐 車 場 収 入 と,現 在 の 条 件 で の 収 入 予 測 と 比 較 し つ つ 分 析 を 行 う.次 に, 実 際 に 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム を 運 用 す る こ と を 想 定 し,予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム の 参 入 率 と 地 域 全 体 の 駐 車 場 収 入 の 関 係 や,シ ス テ ム 参 入 率 の 増 加 に 伴 う 入 庫 待 ち 台 数 の 減 少 に つ い て 明 ら か に す る.
第7章 で は ま と め と し て,観 光 地 駐 車 場 事 業 の レベ ニ ュ ー マ ネ ジ メ ン トに 向 け て 本 研 究 が ど の よ う に 寄 与 で き る か 考 察 し,今 後 の 課 題 を 述 べ る.
第1章=序 論
第2章:本 研究 の位置 づ けと研 究対 象地 につ いて 第3章:滞 在 人 ロデー タを活用 した集客 圏の把 握 と需 要推 定
畢
第4章:高 尾 山での駐車場 選択 嗜好アンケー ト調査
号 畢
第5章:料 金 設 定が個 別駐車 場事 業収 入に与える影響 の分 析
号 畢
第6章:駐 車場 事業 のレベニューマネジメントを想 定した 地域 全体 での 駐車場 収入 シミュレーション分析
■地 域 全 体 の 駐 車 場 収 入 最 大 化 ■
■シ ミュ レー シ ョン 分 析
■予 約制 駐車 場システム参 入率と1
■駐 車場 収入 の 関係
図1‑1研 究 フ ロ ー
1.4予 約 制 駐 車 場 に つ い て
1.4.1予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム の 普 及
交 通 の 観 点 か ら,予 約 制 駐 車 場 の 普 及 に 伴 い ス ム ー ズ な 駐 車 場 へ の ア ク セ ス が 可 能 と な る こ と で,交 通 渋 滞 発 生 の 抑 制 に っ な が る 可 能 性 が 期 待 さ れ て い る.
駐 車 場 と 一 言 に 言 っ て も,様 々 な タ イ プ の 駐 車 場 が 存 在 す る.立 地 を と っ て も 大 き く 路 上 か 路 外 か に 分 け ら れ,運 営 主 体 も 行 政 や 民 間 ま た は 個 人 に よ る 運 営 な ど が あ る.さ ら に 料 金 体 制 も,時 間 貸 し の コ イ ン パ ー キ ン グ,1日 定 額 駐 車 場,そ し て 月 や 年 単 位 の.月極 駐 車 場 な ど が あ る.
最 近 で は,新 た に 駐 車 場 を シ ェ ア す る サ ー ビ ス が 広 ま りつ つ あ る.空 い て い る 月 極 駐 車 場 や 個 人 所 有 の 駐 車 ス ペ ー ス,さ ら に は 空 き 地 を 活 用 し,利 用 者 が 利 用 し た い 時 に 事 前 に 予 約 す る こ と で,駐 車 場 と し て 利 用 出 来 る サ ー ビ ス で あ る.こ れ が い わ ゆ る 駐 車 場 の 予 約 シ ス テ ム サ ー ビ ス で あ る.
平 成27年 の 総 務 省 「社 会 課 題 解 決 の た め の 新 た なICTサ ー ビ ス ・技 術 へ の 人 々 の 意 識 に 関 す る 調 査 研 究 」 に よ る と,「 車 で 外 出 し た 際 に 空 い て い る 月 極 駐 車 場 や 個 人 所 有 の 駐 車 ス ペ ー ス に 一 時 的 に 駐 車 で き る サ ー ビ ス 」 に 対 し て の 利 用 意 向 が56.5%と,モ ノ や 家 事 な ど の こ れ ま で 存 在 す る シ ェ ア リ ン グ サ ー ビ ス の 利 用 意 向 と 比 べ て 高 い こ と が 分 か っ た10).こ の 駐 車 場 シ ェ ア リ ン グ サ ー ビ ス に よ り,今 ま で 利 用 さ れ て い な か っ た ス ペ ー ス を 駐 車 場 と し て 活 用 で き る よ う に な る.経 済 面 で は 新 た な ビ ジ ネ ス チ ャ ン ス と 捉 え られ,駐 車 場 ビ ジ ネ ス で の 増 収 が 期 待 さ れ て い る.実 際 に,コ イ ン パ ー キ ン グ で 業 界1位 のTimesを 経 営 す る パ ー ク24や 三 井 の リ パ ー ク を 運 営 す る 三 井 不 動 産 リ ア ル テ ィ な ど が,こ の 駐 車 場 シ ェ ア リ ン グ サ ー ビ ス を 開 始 し 始 め て い る.さ ら に,こ の よ う な 大 手 企 業 だ け で な く,akippaや 軒 先 パ ー キ ン グ な ど 会 社 を 立 ち 上 げ,こ の 駐 車 場 シ ェ ア リ ン グ サ ー ビ ス の み を 展 開 し て い る 企 業 も 多 く 存 在 す る.
1.4.2予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム が 効 果 を 発 揮 す る シ チ ュ エ ー シ ョ ン
そ も そ も 絶 対 的 に 駐 車 容 量 が 足 り て い な い 場 合,駐 車 場 を 増 設 す る と い っ た イ ン フ ラ 整 備 を す る こ と が 最 も 効 果 的 な 解 決 方 法 で あ る.駐 車 場 必 要 台 数 の 推 計 式 は 国 土 交 通 省 の 報 告 書11)よ り,以 下 の よ う に 定 義 さ れ る.こ の 式 に よ っ て 導 出 さ れ る 数 値 に 現 在 の 地 域 の 駐 車 容 量 が 圧 倒 的 に 満 た な い 場 合 は 早 急 に 整 備 を 行 う べ き で あ る.一 方 で 導 出 さ れ た 台 数 と 現 在 の 駐 車 容 量 が 拮 抗 し て い る 場 合,ピ ー ク 時 に 一 時 的 に 予 約 制 駐 車 場 を 導 入 す る と い っ た マ ネ ジ メ ン ト を 行 う こ と に よ っ て 現 在 の 駐 車 容 量 で も 運 用 が で き る 可 能 性 が あ る.
先 述 し た 通 り,観 光 需 要 は 季 節 や 曜 日 ご と の 変 動 が 大 き い の で,予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム を 活 用 し た 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン トが 特 に 有 効 で あ る と 考 え ら れ る.
ま た,地 形 等 の 制 約 や,景 観 や 環 境 へ の 配 慮 と い っ た 理 由 に よ り新 た な 駐 車 場 の 増 設 が 困 難 な 場 合 に も,既 存 の 駐 車 容 量 を 高 度 利 用 す る 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム は 効 力 を 発 揮 す る と 考 え ら れ る.
必 要 台 数 の 推 計 式Y=A×BXCx(1/D)×(1/E)
(Y:駐 車 場 必 要 台 数,A:年 間 利 用 者 数,B:ピ ー ク 日 集 中 率,C:自 動 車 分 担 率, D:1台 当 た り 同 乗 者 数,E:駐 車 場 回 転 数)
1.4.3観 光 と 予 約 制 駐 車 場 シ ス テ ム
観 光 地 域 側 の 観 点 か ら,予 約 制 駐 車 場 は 交 通 需 要 の 分 散 に 大 き な 効 果 を 発 揮 す る.レ ジ ャ ー と い っ た 観 光 需 要 は 季 節 や 曜 日 ご と の 変 動 が 大 き く,最 大 需 要 に 合 わ せ て 駐 車 場 や 交 通 イ ン フ ラ を 整 備 す る こ と は 維 持 運 営 管 理 の こ と を 鑑 み て も 現 実 的 で な い 上 に 非 効 率 で あ る た め,既 存 駐 車 容 量 に 近 い ま た は 超 え る 需 要 が 見 込 ま れ る 日 に 予 約 制 度 を 実 施 す る こ と で,混 雑 を 軽 減 す る こ と が で き る.
一 方 で
,観 光 客 の 観 点 か ら は 予 約 制 の 駐 車 場 の 選 択 肢 が あ る こ と に よ り,特 に 混 雑 期 に お い て 駐 車 場 の 空 き を 気 に し て 自 宅 を 早 く 手 発 す る こ と や,満 車 の た め 駐 車 場 待 ち を 経 験 す る こ と な く ス ム ー ズ に 観 光 地 ま で 自 動 車 で 到 着 す る
て 旅 程 が 組 み や す く な る 等 の メ リ ッ トが あ る.ま た,事 前 に 駐 車 場 の 位 置 が 分 か る こ と に よ り,駐 車 場 を 探 す 手 間 や ロ ス を な く す こ と が で き る と い う利 点 も あ る.
岐 阜 県 の 白 川 郷 や 大 分 県 の 湯 布 院 は,観 光 地 区 に お け る 駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト の 先 進 事 例 と し て 知 ら れ る 観 光 地 で あ る.白 川 郷 で は,2000年 代 初 頭 に 集 落 中 心 部 へ の 車 両 乗 入 れ 規 制 と と も に 駐 車 場 予 約 シ ス テ ム を 導 入 す る 社 会 実 験 を 行 っ た.ま た,由 布 市 湯 布 院 地 区 に お い て も パ ー ク ア ン ド ラ イ ド と組 み 合 わ せ た パ ッ ケ ー ジ 施 策 の 中 で 駐 車 場 予 約 シ ス テ ム の 社 会 実 験 を 実 施 し て い る が,両 者 と も に 現 時 点 で は 本 格 実 施 に 至 っ て い な い.
ま た,花 火 大 会 な ど の イ ベ ン トで 一 時 的 に 予 約 制 駐 車 場 を 導 入 す る 事 例 は 幾 つ か 存 在 す る.2017年 の 土 浦 全 国 花 火 競 技 大 会 や 全 国 花 火 競 技 大 会 「大 曲 の 花 火 」 で は 駐 車 場 の 予 約 を 実 施 し て お り,土 浦』で は 距 離 に 応 じ て4320円 〜8640 円,大 曲 も2000円 〜4000円 と い っ た 価 格 帯 で サ ー ビ ス を 提 供 し て い る.し か
し な が ら,特 に 大 曲 の 花 火 は 予 約 方 法 が 電 話 の み で あ り,シ ス テ ム と 言 え る も の で は な い.
第2章 予 約 制 駐 車 場 の現 状 及 び 先 行 研 究 に つ い て
2.1既 往 研 究 の 整 理 と 本 研 究 の 位 置 付 け
こ こ で は,駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト を 行 う こ と に よ っ て,最 適 な 駐 車 場 利 用 や 交 通 問 題 解 決 を 目 的 と し た 既 往 研 究 を 概 観 す る.駐 車 場 マ ネ ジ メ ン ト を 用 い た 既 往 研 究 は 数 多 く 存 在 す る が,主 に ど の よ う な 駐 車 場 選 択 要 因 を 考 慮 し,マ ネ ジ メ ン ト を 行 う の か と い う 点 に お い て 異 な っ て い る.
例 え ば 塚 口 ・鄭(1988)は,「 駐 車 場 か ら 目 的 地 ま で の 距 離 」 に 着 目 し,ア ン ケ ー トに よ る 実 態 調 査 か ら 複 数 の 駐 車 場 が あ っ た 場 合 の 単 位 時 間 当 た り の 料 金 差 と,駐 車 場 か ら 目 的 地 ま で の 距 離 差 と の 対 応 関 係 を 分 析 す る こ と で,目 的 地 ま で の 距 離 に 応 じ た 価 格 設 定 を 提 案 し た12).ま た,室 町 ら(1993)は,「 待 ち 時 間 」 に 着 目 し,ア ン ケ ー ト調 査 か ら 精 度 の 高 い 待 ち 時 間 情 報 を 提 供 す る こ と で,効 率 性 と 機 会 性 の 高 い ド ラ イ バ ー の 駐 車 場 選 択 行 動 が 実 現 さ れ る こ と を 示 し,待 ち 時 間 情 報 提 供 の 導 入 を 提 案 し た13).さ ら に,本 橋 ・永 井(1995)は 主 に 「来 訪 の 目 的(ア ク テ ィ ビ テ ィ)」 に 着 目 し,ア ン ケ ー ト調 査 よ り 来 訪 の 目 的 に よ っ て 駐 車 場 に 求 め る 条 件 の 優 先 順 位 が 異 な る こ と を 明 ら か に し,目 的 に 応 じ た 駐 車 場 配 分 を 提 案 し た14).橋 本(2013)や 金 森 ら(2013)は,駐 車 場 に オ ー ク シ ョ ン の 概 念 を 取 り 入 れ,収 益 最 大 化 を 目 的 と し た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 分 析 を 実 施 し た15)16).
ま た,特 に 観 光 地 を 対 象 と し た 駐 車 場 予 約 シ ス テ ム に 関 す る 研 究 は 以 下 の も の が あ る.山 本 ら(2004)で は,大 分 県 湯 布 院 に お い て 観 光 中 心 地 区 の 駐 車 場 を ほ ぼ 全 て 予 約 制 に し,予 約 し て い な い 車 を 侵 入 さ せ な い よ う な 状 況 下 で 実 験 を 行 っ た.そ れ だ け で な く,パ ー ク ア ン ド ラ イ ドの 実 施 や 郊 外 の 無 料 駐 車 場 設 置 な ど を 組 み 合 わ せ て,観 光 客 の 駐 車 場 利 用 の 選 択 肢 を 増 や し た17).こ の 選 択 肢 の 増 加 に よ り,渋 滞 や 駐 車 待 ち を 経 験 し た 人 の 割 合 が 少 な く な り,中 心 部 で の 予 約 制 駐 車 場 の 需 要 も 高 か っ た と い う 調 査 結 果 を 示 し て い る.久 保 田 ら (2002)は,世 界 遺 産 地 区 の 白 川 郷 に お い て 一 部 駐 車 場 に 予 約 制 度 を 導 入 し,駐 車 場 予 約 シ ス テ ム が ピ ー ク 時 に お け る 観 光 交 通 コ ン ト ロ ー ル に 有 効 に 働 く 可 能 性 を 示 し た18).ま た,古 城 ら(2008)に つ い て も 同 様 に 白 川 郷 に お い て,観
限 で は な く 予 約 シ ス テ ム の 導 入 に よ り交 通 量 を 抑 制 し つ つ も,観 光 客 の 満 足 度 を 高 め る こ と が で き る か 社 会 実 験 を 行 う こ と で 調 査 し た19).様 々 な 要 因 を 説 明 変 数,満 足 度 を 目 的 変 数 と し て,二 項 ロ ジ ッ トモ デ ル を 構 築 し,ど の 要 因 が 満 足 度 と 正 の 相 関 が あ る か を 分 析 し た.清 水(2017)は,観 光 地 に お い て 予 約 シ ス テ ム を 導 入 す る た め に 必 要 な 観 光 客 の 予 約 制 度 に 対 す る 利 用 意 向 と 支 払 意 思 を 分 析 し,確 実 に 駐 車 で き る と い う よ う な 予 約 制 の 駐 車 場 サ ー ビ ス 導 入 が, 人 々 の 駐 車 場 利 用 に 与 え る 影 響 に つ い て 明 ら か に し た20).
予 約 制 駐 車 場 の 研 究 に つ い て は 上 記 の よ う な 蓄 積 が あ る.駐 車 場 予 約 シ ス テ ム 導 入 後 の 観 光 客 や 交 通 に 与 え る 影 響 を 調 査 し た 研 究 は 上 記 の よ う に 数 多 く 存 在 す る も の の,予 約 シ ス テ ム 導 入 に よ る 地 域 全 体 で の 駐 車 場 収 入 の 変 化 や, 予 約 シ ス テ ム 自 体 の 価 値 及 び 予 約 制 駐 車 場 が よ り効 果 的 に 利 用 さ れ る た め の 付 帯 サ ー ビ ス の 価 値 も 含 め て 検 討 さ れ た 研 究 は 現 時 点 で は 存 在 せ ず,こ の 点 に お い て 研 究 の 新 規 性 が あ る と 言 え る.
2.2研 究 対 象 地 選 定
研 究 対 象 地 の 条 件 と し て,観 光 地 と し て 人 気 が あ り,自 動 車 で の ア ク セ ス も 多 い 場 所 で あ る こ と.そ し て,交 通 渋 滞 が 発 生 し て い る 原 因 と し て,道 路 の 問 題 だ け で な く 駐 車 場 問 題 が 存 在 す る こ と.さ ら に は,需 要 の 繁 閑 が 顕 著 に 見 ら れ,ピ ー ク シ ー ズ ン に は 慢 性 的 に 駐 車 場 不 足 が 発 生 し て い る 地 域 で あ る こ と.
こ の3つ の 条 件 を 満 た す 地 域 と し て 高 尾 地 区 を 選 定 し た.
2.3高 尾 地 区 の 概 要
図2‑1は 高 尾 地 区 の 範 囲 を 示 し て お り,高 尾 町,南 浅 川 町,裏 高 尾 町,西 浅 川 町,東 浅 川 町,廿 里 町,初 沢 町,狭 間 町 の 計8つ の 町 か ら な る 地 区 で あ る こ と が 分 か る.地 区 内 に は,ミ シ ュ ラ ン 三 ツ 星 に 認 定 さ れ 今 や 観 光 地 と し て 名 高 い 高 尾 山 が あ り,世 界 か ら 年 間200万 人 も の 観 光 客 が 訪 れ る こ と で,ピ ー ク シ ー ズ ン に は 観 光 客 で 非 常 に 活 気 に あ ふ れ て い る .
一 方 で,こ の 地 区 内 の 住 民 に 目 を 向 け る と,図2‑2に 示 す よ う に 地 方 の 宿 命 と も 言 うべ き 高 齢 化 が 進 ん で お り,平 成22年 時 点 で 高 齢 化 率22.8%と4人 に 1人 が 高 齢 者 と い う 割 合 で あ る.同 時 に,地 区 全 体 と し て 人 口 減 少 も 進 ん で お
り,典 型 的 な 少 子 高 齢 化 の 地 区 で あ る と 言 え る.
そ の 他,図2‑3,2‑4か ら 分 か る よ う に,生 活 に 必 要 な 商 業 施 設 や 医 療 施 設 は 高 尾 駅 周 辺 に 集 積 し て お り,高 尾 駅 付 近 以 外 の 住 民 は 何 ら か の 足 が 必 要 と な る.
特 に 高 齢 者 に と っ て は,doortodoorな 交 通 手 段 が 必 要 で あ り,日 常 的 に 利 用 で き る コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 運 行 な ど が 望 ま れ て い る.
「闘圏㌧.
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巫口ー
町会範囲 浅川連合町会範囲 主要遵路 自動車高速道路 鉄遵
NO 0 1.000 '2
,000m
〜
南12き456ア69協
名 稼 新 地町会 原 宿内 会 原 町内会 三田町会 八王子 サニー八イツ自治会 高 尾バ ークハ イツA棟 自治会 高尾バ ークハイッB棟 自治会 初沢町 第一町 内会 高尾町 下宿 町会 高尾日陣 宿町 会
南買⑫13傾15応17㎏刃20
名轍 高尾町上宿町会 廿里町金 三和団地自治会 初沢釘第二町内会 茜浅川町会 駒木野町会 荒井町会 摺揃町会 小仏町会 落合町会
No.名 聯
飾 高尾五丁目町会
雀 南浅川町会
図 高尾地区及び町会範囲
図2‑1" 高 尾 地 区 の 範 囲
(人) 700、OOO
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昭和40年 昭和45年 昭和50年
糊 八 王子 市(人 口) 一■一八 王子 市(高 齢 化 率)
昭和55年
̲̲̲̲̲̲̲̲53鯉6 503,3631 466,347
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昭和60年 平成2年
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平成7年 平成12年
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■顧 高 尾 地 区(人 ロ)
■■一高 尾 地 区(高 齢化 率) F5.0%
、759:
・LO.0%
平 成 2 2 年
図 八王子市及び高尾地区の人ロ、高齢化率の推移
【出典:国 勢調 査 】
図2‑2' 八 王 子 市 及 び 高 尾 地 区 の 人 口 と高 齢 化 率 推 移
図2‑3"生 活 物 販 施 設 の 立 地 状 況
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◎ … ﹂ヂL ーノ
図2‑4医 療 関 連 施 設 の 立 地 状 況 央八 王 子 市 報 告 書 よ り抜 粋
2.4高 尾 地 区 の 交 通 状 況
図2‑5は 高 尾 地 区 の 交 通 状 況 を 示 し て い る.主 要 な 道 路 と し て 国 道20号(甲 州 街 道)が 通 っ て お り,今 な お 人 々 の 重 要 な 移 動 経 路 の 役 割 を 担 っ て い る こ と が 伺 え る.
公 共 交 通 機 関 と し て は,京 王 電 鉄 が 新 宿 か ら 高 尾 山 口 駅 間 を 運 行 し て お り, 高 尾 山 を 訪 れ る 観 光 客 の ほ と ん ど が こ の 高 尾 山 口 駅 を 利 用 し て い る.JR東 日 本 も 中 央 線 が 東 京 一高 尾 駅 問 を 結 び,電 車 で の 都 心 か ら の ア ク セ ス は 充 実 し て い る.電 車 以 外 に は 路 線 バ ス も 存 在 し,京 王 バ ス が 高 尾 駅 一小 仏 間 を 頻 繁 に 結 ん で い る 他,神 奈 川 中 央 交 通 が 八 王 子 一高 尾 山 口 駅 間 な ど を 結 ん で い る が 本 数 は 少 な い 状 況 で あ る.こ の こ と か ら,地 域 住 民 に と っ て は 国 道20号 沿 い や 駅 周 辺 を 除 き,多 く の 地 域 で 自 動 車 が な け れ ば 不 便 で あ る こ と が 分 か る.
近 年,圏 央 道 に 高 尾 山ICが で き,観 光 客 に と っ て は 高 速 道 路 で の ア ク セ ス が 飛 躍 的 に 向 上 す る こ と と な っ た.し か し,高 速 道 路 を 降 り て 高 尾 山 口 駅 周 辺 に ア ク セ ス す る た め に は,依 然 と し て 国 道20号 を 通 ら ざ る を 得 な い.図2‑6が 示 す よ う に 観 光 の ピ ー ク シ ー ズ ン に お い て は 何 回 も 渋 滞 が 発 生 し,地 区 住 民 に
と っ て の 生 活 道 路 が 機 能 せ ず,住 民 の 生 活 利 便 性 を 一 層 損 な わ せ て い る 現 状 が あ る.
す で に,八 王 子 観 光 協 会 が ホ ー ム ペ ー ジ な ど で,公 共 交 通 機 関 の 利 用 を 呼 び
は 公 共 交 通 機 関 で 訪 れ て い る と の デ ー タ も あ る が,未 だ 渋 滞 は な く な っ て お ら ず,観 光 客 並 び に 地 域 住 民 の 不 満 は 高 ま っ て い る.
高 尾 山 地 区 で は,ゴ ー ル デ ン ウ ィ ー ク や 紅 葉 シ ー ズ ン に な る と,鉄 道 ・道 路 と も に 混 雑 が 発 生 す る.道 路 混 雑 に 着 目 す る と,そ の 主 な 原 因 は 三 点 あ る と 考 え ら れ る.ま ず 一 点 目 の 理 由 と し て,高 尾 山 口 駅 付 近 へ の ア ク セ ス 道 路 が 限 ら れ て い る と い う こ と で あ る.高 尾 山 口 駅 へ は 国 道20号 を 通 ら ざ る を 得 な く,
さ ら に 近 年 高 尾 山 の 西 側 に 首 都 圏 中 央 連 絡 自 動 車 道(圏 央 道)高 尾 山 イ ン タ ー チ ェ ン ジ が 開 通 し,利 便 性 が 高 ま っ た こ と か ら 混 雑 が 激 化 し て い る.高 尾 山 口 駅 付 近 は,現 在 の 高 尾 山 登 山 の 起 点 で あ り,駐 車 場 も 多 数 集 ま っ て い る た め 車 が 集 中 し や す い 状 況 に あ る.二 点 目 は,駐 車 場 の 容 量 が 不 足 し て い る と い う,空 間 的 な 理 由 で あ る.ピ ー ク 時 に は 駐 車 場 容 量 が 十 分 で は な く,駐 車 場 待 ち の 車 両 で 国 道20号 が 渋 滞,ま た は 駐 車 場 を 探 し て 地 区 内 道 路 を う ろ つ く 車 両 が 発 生 し て い る.高 尾 山 の 大 規 模 な 駐 車 場 は 基 本 的 に そ の 場 で 空 き を 待 っ こ と が で き な い た め,特 に 後 者 の 要 因 に よ り渋 滞 が 激 化 し て い る こ と が 考 え ら れ る.三 点 目 は,登 山 と い う特 性 上,午 前 中 に 到 着 需 要 が 集 中 す る と い う時 間 的 な 理 由 で あ る.こ れ ら の た め,高 尾 地 区 住 民 の 移 動 利 便 性 や 安 全 性 が 脅 か さ れ て い る の で あ る.
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図2‑5高 尾 地 区 の 道 路 と 鉄 道 網
(openstreetmapよ り)
(回 数) 600
500
400
300
200
100
0
一●口③ 国 道20号 八 王 子市 高 尾 山 入 ロ 付近(上 り)
‑0一 ⑨ 国道20号 八 王 子市 高 尾 山 入 ロ 付近(下 り) 一 一炉 ② ■道20号 八 王 子市 高 尾 山C付 近(上 り)
■← ⑧ 国道20号 八 王 子市 高 尾 山1C付 近(下 り) 一●一① 国道20号 八 王 子市 高 尾 駅 前 付 近(上 り)
̲一 ●一 ⑦ 国道20号 八 王 子 市高 尾 駅 前 付 近(下 り)
527
440
302 295
棚 パ56
263
■
16166 134
7979
141
63・M'r
5
114 2
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6
91 58
1月02月1・ 月 δ 6月00 9月 11月
図2‑6高 尾 地 区 内 の 月 別 渋 滞 発 生 回 数 交 通 手 段 分 担 率
1%̲
・」R・私鉄 ・自家用車 ■貸切バス 徒歩 ■路線バス ■無回答
図2‑7交 通 手 段 分 担 率
(高 尾 地 区 交 通 実 態 調 査 報 告 書 よ り 作 成)
2.5高 尾 山 地 区 の 駐 車 場 状 況
高 尾 山 地 区 内 に は,市 や 京 王 電 鉄 が 運 営 す る 大 規 模 駐 車 場 だ け で は な く,地 区 住 民 が 独 自 に 運 営 す る 小 規 模 駐 車 場 が 広 範 囲 に 分 布 し て い る.こ の よ う な 駐 車 場 は,地 区 全 体 と し て の 駐 車 場 料 金 設 定 や 誘 導 案 内 の 不 適 切 性 な ど に 影 響 を 及 ぼ し て お り,効 果 的 な 駐 車 場 運 営 が な さ れ て い る と は 言 い 難 い 状 況 で あ る.