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西村 優美 指導教員 尾形 哲也 教授

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Academic year: 2021

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ロボットミドルウェア学習の為のビジュアルプログラミングツールの開発

Development of Visual Programming Tool for Learning Robotics Middleware

1W110386-3

西村 優美 指導教員 尾形 哲也 教授

Nishimura Yumi Prof. Ogata Tetsuya

概要: 本研究は,ロボットシステム開発を効率化させるロボットミドルウェアの普及を目指し,ロボットミド ルウェアの初学者向けの

Web

ベースのビジュアルプログラミングツールを開発したものである.本研究では,まず プログラミング教育,及び,ロボット制御を目的とした既存のビジュアルプログラミングツールを比較検討した.

その結果,ロボットシステム開発で将来的に不可欠となる,より自由度の高いテキストプログラミングに繋げる 学習ツールとして,(1)利用するロボットミドルウェア特有の性質を理解できること,(2)変数と命令の組み合わせ で動作を指定すること,

(3)

ビジュアルプログラミングで用いるオブジェクトとソースコードの対応関係を確認す ることの3点の要求仕様を抽出し,この考えに基づいて,システム設計及び実装を行った.

キーワード:ロボットミドルウェア,ビジュアルプログラミング,プログラミング学習,

Keywords: Robotics Middleware, Visual Programming, Learning Programming,

1.序論

近年,ロボットの導入が幅広い分野で期待され ている.それと共にロボットを制御する技術者 が必要とされるが,ロボット技術は異なる分野の 知識の複合であり,技能習得には時間を要する.

そこで,ロボットに必要な各技術要素を部品化し 組み合わせることで,システム構築を可能とする ロボットミドルウェアの普及が期待されている.

現在のロボットミドルウェア普及の課題とし て,本研究では以下の2点に着目した.

1.

開発環境を構築する手間

2.

プログラミング経験の不足

本研究は,ロボットミドルウェアの有用性を 初学者に体感させることを第一に考え,開発初心 者のハードルを下げ,かつ従来の,より自由度の 高い環境でのロボットシステムの開発に繋げる 学習ツールの開発を目指した.

2.提案手法

2.1.Webベースのビジュアルプログラミング

本研究では,前述した課題1,2それぞれに対 して,以下の2点の手法からアプローチをとった.

1. Webベース

2.

ビジュアルプログラミング

Webベースのツールとすることで,開発者は ChromeなどのWebブラウザ上でサーバーにアク

セスするだけでツールを利用することができる.

また,プログラミング初心者の挫折の原因とし

て,記号のタイプミス等に起因する構文エラーが 以前から指摘されているが[1],ビジュアルプロ グラミングはそういった細かなエラーを防ぎ,

ロボットミドルウェアの利用方法の理解に集中 することを可能にすると考えられる.

2.2.ビジュアルブログラミングツールの比較

本研究では,ビジュアルプログラミングをロボ ットミドルウェア学習に応用するために,既存の 手法に対して比較検討を行った.

既存のビジュアルプログラミングツールには プログラミング教育[2]やロボット制御を目的と したものがあり,それぞれを比較検討することで 次の3点を実現することが重要だと考えた.

1.

ロボットミドルウェアの特徴の理解

2.

「機能志向」的なプログラミング

3.

ソースコードとの対応関係の表示 まず,本ツールでは,ロボットを操るロボット ミドルウェアの普及が目的となるため,ロボット に対応しており,ロボットミドルウェアの利用法 を理解できるツールである必要がある.

次に,多くのビジュアルプログラミングツール

は,対象となるオブジェクトの動作を直接指定す

る「動作志向」的なものであり,手軽さという面

では評価が高い.しかし,本ツールでは,従来の

テキストプログラミングに繋げるという目的が

あり,そのためには,変数と命令の組み合わせで

ある「機能志向」的であるものが望ましいと考え

た.Scratch には,多くの動作志向的ブロックの

(2)

2

他にいくつかの機能志向的なブロックがあるが プログラミング経験のない初心者がそれらを利 用することは少なく,一見それらを理解して利用 しているように見える子供も,インタビューでは その仕組みを説明することができなかった[3].

最後に,対応するソースコードの確認が容易な ことで,特殊なロボット制御のプログラミングで あっても,スムーズに従来環境に移行できること が期待される.

以上の各ビジュアルプログラミングツールの 考察について表1にまとめる.開発したツールの 特色は,実ロボットに対応し,Webベース,かつ 機能志向のソースコード開発技術習得に繋がる 点にある.

表1 プログラミングツールの比較

ツール ロボット 対応

Web ベース

ビジュアルプログラミング 動作

志向

機能 志向

ソース コード

Scratch × ×

Alice × ×

SoraMame

Block ×

ROS from

Scratch × ×

robot_

blockly

本ツール

3.実装手法

本研究では,産業技術総合研究所が開発した ロボットミドルウェアであるRTミドルウェア[4]

に 対 応 し た ツ ー ル を 開 発 し た .

RTは ,“Robot Technology”を意味する.RTミドルウェアでは,

技術要素がRTC(RTコンポーネント)という単位 に分割される.全てのRTCに,他RTCとデータの 送受信を行うためのデータポートが備わり,統一 的な管理を可能にするための共通の状態遷移が 決められている.

本ツールの実装には,

Html5, CSS, JavaScript

を 用いた.具体的には

JavaScript

の代替となること を目的として開発された

Dart,Web

における

UI

を機能ごとに部品化する

Web Components

技術を 用いた

Web

開発用ライブラリであり,Material

Design

と呼ばれるデザインの概念を実現する

UI

を提供する

Polymer

を組み合わせ,開発を行った.

また,ブラウザとサーバーの通信には

XML-RPC

を利用した.

ツールの中央上部にはロボットミドルウェア 特有の

RTC

の性質や状態遷移が理解できる図を 用意し,ロボットミドルウェアの理解を促した.

また,変数と命令のブロックを用意し,それらを 用いて作成したプログラムに対応する

Python

の コードを並列に表示した.これによりビジュアル プログラミングからテキストプログラミングへ の容易な移行の実現が期待される.

図1に開発したシステムの画面を示す.

図1 本ツール画面

4.結論

ロボット機能部品の作成,及び,従来プログラ ミング言語

Python

との対応を確認できるツール を開発し,動作を確認した.

今後の展望としては,

C++やJava

といった他の 従来言語への対応など技術的な改良に加え,実際 に多くの方に利用して頂いた上で,ツール自体の 評価方法を検討することを考えている.

参考文献:

[1] 兼宗進,

教育用プログラミング言語と授業利用:

1. 教育用プログラミング言語の動向, 情報処理,

Vol.48, No.6, pp.589-593, 2007.

[2] Utting, I. et al., Alice, Greenfoot, and Scratch - A Discussion, ACM Transactions on Computing Education, Vol.10, No.4, Article 17, November 2010.

[3] Brennan, K. et al., New frameworks for studying and assessing the development of computational thinking, Annual Meeting of the American Educational Research Association, April 2012.

[4] Ando, N. et al., RT-Middleware: Distributed Component Middleware for RT (Robot Technology), IEEE/RSJ International Conference on Robots and Intelligent Systems, pp.3555–3560, August 2005.

ソースコード表示

機能志向的なプログラム作成

RTC情報

参照

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