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指導教官山下一夫

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Academic year: 2021

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(1)

不登校問題に対する適応指導教室の支援の在り方 一通室経験者への面協周査を通して‑

学校教育専攻 教育臨床コース 阿 利 孝 子

問題と目的

近年、不登校問題は学校現場だけでなく、社 会の問題としても大きく取り上げられている。

不登校の増加に対しては、こころの教育の推進、

教員研修、「スクールカウンセラー」や「こころ の教室相談員」の配置をはじめとするさまざま な施策が講じられてきた。これらの取り組みの 中で、適応指導教室についてはこれまで明確な 設置基準がなかったように思われる。もちろん、

不登校児童生徒の状況も、家庭や判交など地域 によって異なっているため、これといって明ら かな対応を示すことが図難であろう。しかし、

筆者は適応指導教室の指導員で、あったとき、学 校ぺ子きたし1気持ちと行けなし1気持ちのはざま で揺れる子ども達を見てきた。彼らは不登校と いう形で学校に背を向けることになったかもし れない。しかし、あるとき、一歩前進して適応 指導教室ハ持み出すことができた。その後多く の者が笑顔を取り戻し、社会へ巣立っていったD

学校には行けないのに、適応指導教室へは毎日 来ることができるのはいったい何故なのかとい つも思っていた。不登校の子ども達は増えてい る。学校教育の在り方も考えなければならない であろうが、事交と家庭の中間的場所としての 適応指導教室の存在意義は大きいと思われる。

本研究においては、通室経験者への聞き取り調 査を行ったO 彼らの視点をとおして、適応指導 教室の支援の在り方と;意義について考察したい。

指 導 教 官 山 下 一 夫

方法

適応指導教室に通室し、中学校卒業後1'"'‑'3 年経過した人達に調査的面接を行ったO対象は、

筆者が指導員当時に直接関わった人達で、当時 のことを尋ねても、あまり侵襲的にならないで あろうと思われるお名(男子3名、女子12名) である。全員が中学校卒業後1'"'‑'3年経ってい る。面接調査に関しては、表面の意識的側面よ り、個人の深いところに焦点をあて、被面接者 の内面的なデータの収集を目的としたD そのた め、「面接の手引きJとしづ質問紙を用意し、そ れにそって面接を進めるという方法をとったD

X年3月'"'‑'8月に、 1'"'‑'2時間程度の面接を実 施した。面接場所もいくつか用意し、選んでも らった。質問内容は、①不登校当時の状況、② 中学校卒業から現在までの状況、③将来につい て、⑪直応指導教室の活動評価キコ影響等である。

結果と考察 (1 )不登校時の状況

不登校の初発の時期は幼稚園時から中学

3

年 生時までと対象者によって異なるが、最も多い のは小学6年生時である。また、全く判交へ行 かない(不登校)になったのは中学

3

年生時が 最も多い。学校がおもしろくないと感じつつも 登校をし、ついに中学

3

年で、不登校になった者 が多い。不登校の直接のきっかけは「判交生活 での影響」が一番多く、なかでも、いじめや友 人関係をめぐる問題が多い。学業不振のために

‑ 84‑

(2)

学校がおもしろくなくなったという者もおり、

学力不足から不登校に陥った者もいる。このこ とから、学力補充は学校だけの問題でなく、今 後更に考えなければならないことだろう。不登 校のタイプとしては「複合型Jが多く、「無気力 型

J

I手符子型」は少なかったO また、全員が、少 なくても

1

ヶ月間、多くは

2

年間くらいのひき こもりを経験している。不登校時の気持ちとし て、「不安J、「孤独」、「寂しさ」等を感じてしも 者が多い。通室へのきっかけは担任や親の勧め が多かったO ある者は、「家にいるときは何もせ ず、ぼおっとしていた、幸せで、なかったjとい う。「ひきこもる子は自分で外へ出られるような 子でなし1から誰かが出してあげないとj と語る 者もいた。ひきこもりから一歩外へ踏み出すと き、周囲が温かく見守ることも大事であるが、

背中を押すことも重要であろう。見守ること、

待つことに加えて、見極めることが大切であり、

早期発見・即時対応が望ましし吃考える。一人 ひとりの幸せを願い、社会においても自立でき

ることを目指しつつ、子どもの状況に合った対 応をする必要がある。

(2)中学校卒業後から現在までの状況 中学オ交卒業直後は

1 5

名全員が高校へ進学し

た。しかし、その後、 1~3 ヵ月後に中退した

者が3名いた。しかし、 2名は再度高校へ入学 した。高校へ通いながらアノレバイトをしている 者も数名おり、現在の状況に満足している者は およそ

9

割で、あったO 将来について夢や希望を 持っていると答えた者は

1 5

名中

1 4

名だ、ったO

(3)適応指導教室の活動の影響

全員が教室の活動は楽しかったと答えた。特 に、日常的の「トランプやウノ」などの遊び、

「遠足やキャンプ、文化祭」などの集団活動が 良かったと答えている。ほとんどの項目が良か

った点としているが、改善点もある。「学校ぺ子 かなかったことで勉強が遅れたJ、「時聞が自由 なのは良いけれど、いつかは社会へ出て行くの だから、きちんと決めたほうがいし10 自由と甘 えは違う」と答えた者もいた。

4 全体考察

(1 )適応指導教室の支援の在り方

適応指導教室の目的は「判交復帰」、「自立を めざす」とし、った一義的な言葉にとらわれるも のでない。教室で十分依存でき、満足感を味わ うことができたら、そこから自立し、成長して いくと考えられる。自主性や主体性を尊重した 柔軟な取り組みが大事である。

(2)適応指導教室の意義

人間は、何か困難が生じたときに、信頼がで き、援助してくれる人がいるとの確信があると きに最も幸福であり、かっ能力を十分に発揮で、

きるとし1われる。安心基盤として、相生そのも のに意義がある。更に、不登校からの回復過程 において心理的面接も必要だろう。子ども達に 関わっている指導員へのサポートも大切であり、

スーノぐーノ〈イザーとして臨床心理士など心の専 門家を配置することが望まれる。

今後の課題

今回、面接ができたのは、多くは社会へ適応 しているといえる者達である。会えなかった者 達のその後については、手がかりのある者もい るが、不明の者もいる。まだ不登校から脱して いないのではないだろうかと思うこともある。

今後、不登校児童生徒を出さないことへの努力 はもちろんだが、子ども達が社会へ一歩踏み出 すことができるよう、本研究が何かの形で役立 つことを願っている。今後複雑化してくる子ど も達への有効な対応や、支援・援助の在り方を 研究していきたい。

Fhd 

o o  

参照

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