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第2章 必修教科等の研究 09英語 個性を生かしコミュニケーション能力を伸ばす英語科授業の創造

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Academic year: 2022

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9 英語

個性を生かしコミュニケーション能力を伸ばす英語科授業の創造

小林 恭子

1.研究主題によせて

(1)はじめに

平成20年3月に行われた中学校学習指導要領の改 訂に関する書物から,「生きる力の育成」「知識・技能の 習得と思考力・判断力・表現力などの育成のバランス」

「豊かな心と健やかな体の育成」について、いかなる授 業をもって育成することができるのかを考える。生徒を 目の前にして,自分は何から始めるべきなのか,初心に 戻り,生徒理解に努めたいと考えた。

まずは新1年生に,中学校卒業するときにまでに,何 ができるようになりたいか聞いてみた。「英語がしゃべれ るようになりたい。」「英語が書けるようになりたい。」「海 外に行くとき困らないように,英語がわかるようになりた い。」 それぞれの生徒が思い思いに夢や希望を語っ た。日々の授業の中で,生徒達が個性を生かし,教師 や友達とふれあうことで,様々な体験を積み,豊かな心 を育むことを大切に,授業を作っていきたい。

日々の授業において,生徒がいきいきと英語を学 び,英語を使うためには,コミュニケーション能力の育成 が欠かせない。人はコミュニケーションによって情報の やりとりをする。 そのとき,情報だけではなく,「相手を 尊重する」という気持ちも一緒に運んでいる。コミュニケ ーションを通して,自分自身をも深く知り,自分と仲間に 対する肯定的な気持ちを育て,友好的な人間関係を築 かせることも重視した。

(2)研究のねらいと仮説

英語科ではコミュニケーション能力の育成が求められ ている。英語の発音をくりかえし練習し,フレーズを覚 え,言語知識を詰め込むだけでだけではコミュニケーシ

ョンができるようにはならない。また,試験の点数ばかり が気になり,自分のことしか考えられないような教室環 境であるとするならば,心が通じ合うようにはならない。

このようなことを踏まえて,以下のような観点が必要と 考え,研究を進めた。

1)生徒同士がお互いに学びあい,励ましあいながら,

高い目標に向かって切磋琢磨しあうことができる英語学 習であること。

2)生徒が他者とのコミュニケーションを通じて,自分自 身をも深く知り,友好的な人間関係を築くことができる英 語学習であること。

上記2つの観点を持ち授業を進めれば,豊かな心を 育み,また英語の理解や運用能力を高めることができる だろう。

2.実践授業の事例

新しい学力観を踏まえるならば,生涯にわたり主体的 かつ協同的に学び続ける「自律的学習者」を育成するこ とが重要である。言葉は様々な場面において,自分で 判断して使うことが大切であり,自ら必要に応じて獲得し ていくものだからである。そのためには,単調な input

や drill活動ばかりではすぐに飽きてしまう。inputしたも

のをintake(真に使える英語の摂取)して,outputに生か

す必要がある。以下にスピーチ活動やスキット作りなど を通して自己表現力を高め,コミュニケーション能力を 伸ばす授業実践について示す。

(1)スピーチ活動

従来の教科書では,PROGRAM(通常課)同士が 互いにリンクしあうということはあまりなく,タスク活動が 本論の要旨

英語学習の目標として「コミュニケーション能力の育成」が掲げられている。コミュニケーションは互 いを尊重することで成立する。日々の授業の中では,生徒同士がより親しくなり,学級全体がより学習意 欲を向上させることができるコミュニケーションを重ねていくことが必要である。 個人とともに集団を 育てることによって,より多くの生徒の「学ぶ意識」「学びたいという意欲」を高めることができる。そ こで,input-intake-outputという自然な流れに従い,inputをいかに自分のものとしてintakeし,最良のoutput にし向けられるかが重要となる。その形態として,ペアやグループ活動を踏まえ,さらにクラス全体へと 展開することを目指した指導実践事例を示した。

キーワード input-intake-output 協同学習 positive interdependence(互恵的相互依存)

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用意されていても,言語材料の定着のための単発の 活動になりがちであった。

平成24年度版のSunshine English Courseでは各 学年のMy ProjectをProgramごとにリンクさせ,習熟し たことをつなげて,「自分ができるようになったこと」を 確認できるようになっている。その学期で学んだ言語 材料を振り返り,統合的に活用することを通してその 言語材料の定着をはかるとともに,生徒のコミュニケー ション能力をより高めようとするものになっている。

発表そのものは全体の活動の最終段階として行 い,その前段階として見本となる英文を聞いたり読ん

だりする input 活動,次に見本となる英文で扱われて

いる話題の種類や順序を分析し,さらに自分の述べ たい内容を生み出す作業を続け,その内容を表現す るための言語材料を既習事項から探し出す作業を行 うこととした。以上の作業を経て最終的に原稿に仕上 げ,最後の発表の段階に到達するというプロセスを経 た。

そこで前期のまとめとして,「自分について語ろう Speech “I”」,後期のまとめとして「人を紹介しよう“My favorite picture”」に取り組ませた。第1図,第2図,

第5図に示す。

① 学習体制作り

本校では,学習班として4人グループで活動してい る場面が多く用いられている。英語科でも,この学習 班を活用している。その学習班の中で,1 人の生徒は それぞれ3人のパートナーA,B,C を持っている。隣 の席の生徒をパートナーA,後ろ(または前)の席の生 徒はパートナーB,斜め前(または斜め後ろ)の生徒が パートナーC となる。ペア活動で会話をさせる場合,

相手の理解度により,相づちや,返答に違いがあり,

それぞれに面白みがでてくる。このようにパートナーを 変えていくことで,クラス内のサポート関係を広げるこ とができ,互いに学習意欲や能力を高め合うことがで きる。このようにして個人,ペア,グループ,さらにクラ ス全体が「誰とでも心を開いて語り合える仲間」へと育 つことを目指した。本来のコミュニケーションの目的で ある「互いにわかり合う」「情報を知らせる」「親しくなる」

ということを教室というコミュニティーの中で実践してい くこととした。

② スピーチ指導

スピーチ活動というと、生徒達にとっては英文を暗 記し発表するという緊張感がある。まずは緊張感を和 らげるため,自分にとって必要な写真を雑誌などから 切り抜き,画用紙1/4に貼らせて,こだわりのあるポ スターを準備させた(第1図)。

第1図 ポスター

第2図 原稿

③ 指導手順 第1次(全体指導)

ス ピ ー チ の 基 本 と し て 「 導 入 Introduction・ 本 文 Main body・結びClosing」の型がある。Introductionで は,はじめのあいさつと,中心になるトピックを,Main body では自分の好きなこと,話したいことなど具体的 なことがらを,Closingでは自分の気持ちや印象を書く ことを示した。

次に,まとまった内容の文を書くため,イメージマッ プで話題の広げ方を指導した。思いつくことをクモの 巣状の図にして書き出すことで,関連のあることがまと まった形で図式化できるため,イメージマップで出てき たたくさんの項目の中から「英語で表現できること」「言 いたいこと」を選ばせた(第3図)。

1st draft原稿作りでは,初めから英文を書かせた。

教科書から使える表現を選びだし,聞き手が理解でき る英語を使い,また,自分の言いたいことを簡単な表 現に言い換えることを考えさせた。どうしても聞き手が 理解できない語句や文を用いるときは,ポスターを効 果的に用いたり,ジェスチャーを使ったり工夫すること を考えさせた。聞き手を引きつけるための工夫として,

聞き手に問いかける<疑問文>,思いがけないことを 述べる<否定文>を使うことも指導した。

第2次(個人指導)

生徒達のこだわりの写真の切り抜きを見ながらポスタ ー作りを,また,イメージマップを用いながら英語で表 現できる機会を増やせるよう原稿作りを支援した(第2 図)。

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第3図 イメージマップ 第3次(ペア活動)

パートナーABCとペアを組んで,練習に取り組ませ た。スピーチの質と量を高めるため,聞き手は話して のスピーチに対して,アドバイスをさせた。聞き手とし てアドバイスすることで,良いスピーチとは何かを考え ることにもつながる機会とした。

第4次(全体指導)

昨年度中学2年生で行われたスピーチのビデオを 見せた。聞き手を意識したスピーチとはどんなものか について考え,追求する機会となり,「声の聞き取り やすさ」として,声の大きさ,明瞭さ,スピードを,「豊 かな表現力」としてジェスチャー,目線,表情を,「内 容の興味深さ」として,内容のまとまりや,文と文のつ ながりを意識させることができた。

第5次(グループ活動)

第4図のように,ペア活動終了後,グループにな って順にスピーチを行い,互いにアドバイスさせた。

内容とともに発表の仕方も工夫されていき,表現豊か になっていった。

第4図 グループの中で発表する生徒 第6次(クラス全体で発表)

本番の発表では全員が表現豊かに,大いに楽しそ うに発表した。評価シートを使い,①声の聞き取りやす さ,②豊かな表現力,③内容の興味深さについて自 己評価,相互評価を行った。

また,各自の原稿を第2図のように清書し,第1図 のポスターとともに,廊下に掲示し,全クラスのスピー チを読み,感想を述べる機会をもった。

(生徒のワークシートより抜粋)

・皆,前をしっかり向いていて「伝えたい」という思いが 伝わった。

・学級の友達の知らないこととかがたくさんあり,もっと

もっとみんなのことを知りたいと思う。自分のこともみん なに知って欲しい。

第5図 My favorite Picture

(2)オリジナルスキット作り

スキットは Dialog である。質問や応答の仕方を学 ぶだけでなく,会話文をどうつなげていけばいいのか といったコミュニケーションの「型」を学ぶことができる。

スキット作りには3つの方法が考えられる。

1)Dialog のいくつかの部分に下線を引き,そこを変え

るだけのもの。

2)Dialogの一方の文だけを書いておき,もう一方の相

手の文を考えさせるもの。

3)自由に書くもの。

今回は教科書本文の内容を踏まえて,登場人物 が,何かを頼むという設定で班ごとに自由に考えさせ た。

① オリジナルスキットの指導

言葉は生きているのだから,日常的に起こりうる場面 を取り上げ,生徒に「なるほど,こうすればいいのか」と いった気づきが生まれることが大切である。「場面の 中」でこそ意味が生まれることを認識させることが必要 である。

英語の教科書には Dialog 形式で書かれた本文が 多い。そこで,本文の意味を単に日本語にして理解さ せて終わるのではなく,その場面を想像させ,生徒に 演じさせることを経験させた。生徒は,台詞の意図,場 所,ジェスチャーなどを考えることができる。また,その 文の使用方法と場面について考えることもできるように なる。

Program9 「A New Year’s Visit」では,年始の挨拶 と正月にお雑煮を食べるという日本の文化を扱いなが ら,日本人を妻とするジムとその子供達を登場させるこ とによって,日本文化を客体化してとらえることができ るようになっている。また,対話による展開であることに よって,英語の現在進行形を用いた表現をよりリアル に経験できるようになっている。

想像をたくましくし,ジェスチャーすることに重点を

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おき,声の音量,速さ,会話の間など,グループで演 じ,発表することで,「自分なりに考える」「仲間から学 ぶ」姿がみられた。

② 指導手順

現在進行形の肯定文,疑問文の導入と練習,What で始まる現在進行形の疑問文の導入と練習をした後, 本文の内容についての学習をした。その時,ただ意味 を 理 解 す る だ け に と ど ま ら ず,登 場 人 物 (Mother, Father, Daughter, Son)のそれぞれの気持ちを考えさ せ,どう音読すればよいかを4人班で想像させた。

・Mother:電話が鳴っている状態であるため,かなり早

口になっている。また,各部屋にいる家族に向かって 言うので必然的に大きな声で家族に向かって呼びか けている。

・Son:おばあさんからの伝言を,お母さんにうれしそう に伝えている。

・Daughter:雑煮を思い出しながら,嬉しそうに話して

いる。

・Father:お母さんを急がせようとしている。

この場面は電話での会話であるため,生徒同士が 背を向けあい,顔の表情が見えない状態で,ペアにな って音読練習をおこなった。そして,登場人物の気持 ちを表現できるよう,ジェスチャーをつけながら,内容を 伝えるように音読,発表させた。

次に,4人班で以下の条件を満たしたオリジナルス キットを作ることを指示した。

【活動テーマ】電話での会話とする。登場人物は教科 書に出てくる登場人物とする。

【目標】4人グループで協力してスキットを考え,い きいきとした演技で表現することができる。

【評価】どのグループがリアルに演じられているか。

スキットを読むのではなく,見ないで言えるよう にさせた。また,セリフの意味を考え,感情をこめ て演じるようにさせた。評価項目はMemorization, Pronunciation, Performanceとした。スキットが完成し た班は教師のチェックを受け,スキットの暗唱および 発表練習をさせた。

【オリジナルスキットA】 Balu: Hello.

Judy: Hello! This is Judy. How are you?

Balu: I’m fine and happy.

Judy: Why?

Balu: I’m making Indian curry.

Judy: Oh!

Balu: Do you like Indian curry?

Judy: Yes, I like curry.

Balu: Can you come to my house?

Judy: No, I can’t.

Balu: Oh, no!

Judy: Just kidding.

Balu: Oh, Judy, Can you come to my house at one o’clock in the afternoon?

Judy: No, problem.

Balu: I’m looking forward seeing you.

Judy: Me too. See you later.

【オリジナルスキットB】

Narrator: This is Ms. Wood. This is Mr. Tanaka.

This is Ms. Wood’s father.

Mr. Tanaka loves Ms. Wood.

Ms. Wood’s father:Oh, the phone is ringing. Hello?

Mr. Tanaka:Hello! This is Tanaka. Is Ms. Wood in?

Ms. Wood’s father: Oh, yes. Hold on please.

Ms. Wood! The phone is for you.

It’s Mr. Tanaka.

Ms. Wood: O.K. Hello?

Mr. Tanaka: Hello! How are you?

Ms. Wood: I’m fine. Thank you. And you?

Mr. Tanaka: I’m fine too. Thank you.

What are you doing?

Ms. Wood: I’m making origami.

Mr. Tanaka: Oh, good. I’m making a present for you. I love you.

Ms. Wood: I’m sorry. I don’t love you.

Mr. Tanaka: Oh, no!

Ms. Wood: Just kidding. I love you too.

Mr. Tanaka: Oh, Ms. Wood.

Let’s go to the zoo tomorrow.

Ms. Wood: It’s nice. I’m looking forward seeing you. See you tomorrow.

Mr. Tanaka: See you tomorrow!

本番のThe original skit showでは生徒達が英語で 司会,進行,オープニングエンディング,タイムキーパ ーをつとめた。また各班の発表を聞き,評価シートに 記入した(第6図)。

第6図 評価シート

(生徒のワークシートより抜粋)

・男(田中先生)の役だったけど,頑張ってなりきること ができたと思う。また,班でスキットを作る時も,積極的

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に自分の意見を言うことができ,みんなの意見を取り 入れたオリジナルスキットになったと思う。筆箱を受話 器に見立てて演じた。発音に気を付けていたが,もう 少し身ぶり手ぶりを交えて,発表できるようにこれから 頑張りたいと思う。

・しっかり話を考えることができてよかったです。ただ単 に読むのではなく,しっかり演技をして実際にそのよう な状態にあるような気持ちで発表できました。スキット の内容は,もっと面白い話にしてもよかったと思いまし た。今後は英語らしい発音にすることを普段の授業で も心がけたいです。

・オリジナルスキットを考えるのは難しかった。ただ知っ ている文を書けばいいだけではなく「オチ」を作ること を考えたので,工夫しなければならなかった。でも,班 の人と協力しながら,知らない文章も作ってスキットが 完成した時はすごい達成感だった。終わってみると意 外に楽しかったなあと思いました。発表の時もメモを見 ないで言えてよかった。みんな発音がよかったと書い てくれていた。自分としてもリアルさや発音はできてい たと思う。でも今回は少し短い話だったので,次回は 長編作も作ってみたら楽しいだろうなあと思った。今後 は劇などをして,よりリアルな会話文を作り,より英語ら しい発音でやっていきたい。

(3)Talking Time活動

日々の授業において,生徒がいきいきと英語を学 び,英語を使うためには,コミュニケーション能力の育 成が欠かせない。コミュニケーションを通して相手のこ とを知り,自分と仲間に対する肯定的な気持ちを育て, 友好的な人間関係を築かせることを最も重視した。

「話すこと」の指導においては,スモールステップ を踏んだ指導を行い,そして,それを繰り返すこと が重要であると考える。「話す」活動は,相手がい てこその活動である。生徒にとっては基本的な英 語表現を身につけ,それらを使って自分なりに表 現することで「話すこと」への自信にもつながる。

① 指導手順

毎回の授業の中で,1分間ペアで会話を続けさ せるため,身近で話したいと思えるトピックを選 んだ。冬休み明けであったことから,冬休みに何 をしたのかを考えさせた。しかし,生徒達の中に は,言いたいことがたくさんあっても英語で言え ないことが多いために,すぐにあきらめてしまう ことがある。また,仲の良いペアであれば話をつ なげることができるが,そうではないペアの場合,

沈黙で終わってしまうことがある。そのため,ト ピックは「冬休み」であるが,テーマは毎回1つ

ずつ増やしていくことにした。

動詞の過去形を学習後「winter vacation」を話題 にしたチャットを1分間以上ペアで続かせること ができるという目標を設定した。その後,第7図 の会話文の下線部を創作させ,受け答えが一問一 答ではなく,深まりのあるものになるよう指導を 積み上げていった。

Did you enjoy your winter vacation?

Yes, I did. / No, I didn’t.

What did you do?

I ate New Year’s dishes.

What is your favorite New Year’s dish?

I like ozoni.

Where did you visit?

I visited my grandparent’s house.

What did you do there?

I visited the shrine.

第7図 会話文

教師と練習した後,1分間ペアで話を続ける活 動をした。毎回の授業ごとに「おせち」「年賀状」

「初詣」「お年玉」「お雑煮」といったテーマを 増やし,言いたい表現を実際に使わせていった。

またパートナーを替えていくことで,同じテーマ でも相手からの反応が異なり,影響を受けること で,より多くの質問や答えが言いたいという意欲 をもち,会話を楽しみ,話をつなげることができ た。1分間の会話のあと、どれだけ話すことができ たかを知るために,毎時間レポート書かせた。1 時間目、2時間目、7時間目の生徒のレポートを 示す。

第8図Talking Time活動をしている生徒 1時間目

2時間目

(6)

7時間目 A: Hello!

B: Hello!

A: Did you have a good time yesterday?

B: Yes, I did.

A: What did you do?

B: I ate sukiyaki last night. It’s delicious.

How about you?

A: I ate tounyu nabe last night. It’s healthy.

B: Oh, you ate tounyu nabe.

A: What else did you do?

B: I ate a cake.

A: Oh, me too. My grandmother bought cakes for us.

B: Wow! She is a good grandmother.

A: By the way, did you study yesterday?

B: No, I didn’t. How about you?

A: Yes, I did.

B: What subject did you study?

A: I studied English last night. I listened to CD.

B: Oh, good.

・自分の感想

How about you? がうまく使えたのでとてもうれ

しいし,自然な流れで会話ができた。

・パートナーからのコメント

常に笑顔で良かったと思う。話もおもしろかった

のでとても楽しかった。とても大きい声で聞き取り やすかったです。

3.成果と課題

スピーチ活動では,生徒は他者とのコミュニケー ションを通じて,自分自身をも深く知り,自分と仲 間に対する肯定的な気持ちが芽生える機会となっ た。また,授業に活気が生まれ,スピーチする側,

聞く側,双方向のコミュニケーションに発展させる ことができた。書いて,読んで,話して,聞いて,

4技能のすべてが含まれている活動であり,自分が 伝えたいことを表現するという生徒にとっては挑戦 的な活動であった。1年間に2回のスピーチ活動に 取り組んだが,課題としては2つあげられる。1つ

目はoutputされた文章には,現在進行形,過去形,

can,疑問詞などを含んだ多様な文を書くことができ るようになってはいるが,内容の深まり,広がりに おいては不十分であった。内容を深め,また広げて いく方法について,今後も検討していく必要がある。

2つ目には,人前での発表の仕方である。人前で話 すチャンスを増やしていくことで度胸をつけさせ,

自分が伝えたいことを表現する経験をつむ必要があ

る。

オリジナルスキット作りでは,生徒同士の関わりのなか で,内容を工夫するようになり,友達の作ったスキットか ら学ぼうとするようになった。英文を作る際にはこだわり をもち,新しく習った現在進行形を用い,また,今までに 教科書にでてきた表現を巧みに使い,登場人物になり きってリアルな演技にまで工夫する姿が見られた。生徒 はみな,表情豊かにスキットを発表し,他のグループの 発表をみて,評価したり感想を書いたりすることができる ようになった。

生徒は互いに耳を傾け,内容に興味を持ち,自分 の感想を交えながら,話したり書いたりしている。

生徒からは,ペアとやり取りに対する喜びが伝わっ てくる感想が多かった。英語を言語として使うとき,

「自分の言葉で伝えることができた」「聞いて理解 できた」「質問をすることができた」ことが,楽し さや喜びにつながったと考えられる。さらに,授業 で新しく習った単語や英文など,コミュニケーショ ン活動の中で,すぐに取り入れて使っていこうとい う意欲を見せている。ペア,グループの存在がコミ ュニケーションへの意欲を高め,また共に取り組も うとする姿が見られることは大きな効果だと言え る。ペア活動やグループ活動などを通して,互いに 支え合い,互いの存在を生かす工夫を今後も続けて いきたい。

【参考文献】

■ 江利川春雄著「協同学習を取り入れた英語学習の すすめ」:大修館書店2012年

■ 「 自 ら 学 ぶ 子 供 達 を 育 て る た め に 」TEACHING ENGLISH NOW VOL.8 SPRING 2007:三省堂

■「協同学習のすすめ」TEACHING ENGLISH NOW VOL.8 SPRING 2011:三省堂

■「段階的スピーキング活動42」:三省堂

■ 林 秀樹「4技能の定着と豊かな発想を定着させ るための授業」『滋賀大学附属中学校研究紀要第 54集』2011年

参照

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