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第2章 必修教科等の研究 9 英語 対話をつないでいく力の育成を目指した英語授業の工夫 : 言語活動中心に多様な表現力やコミュニケーション能力を培う

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Academic year: 2021

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9 英語

1.研究主題によせて (1) はじめに 今回の学習指導要領には,中学校における「聞くこ と」,「話すこと」という音声面での指導については, 小学校段階での外国語活動を通じて,音声面を中心と したコミュニケーションに対する積極的な態度等の一 定の素地が育成されることを踏まえ,指導内容の改善 を図る。併せて,「読むこと」,「書くこと」の指導 の充実を図ることにより,「聞くこと」,「話すこと」, 「読むこと」及び「書くこと」の四つの領域をバラン スよく指導し,高等学校やその後の生涯にわたる外国 語学習の基礎を培うとある。 このように,言語活動がリストアップされてい るにも関らず,現状,「なぜ,日本人は英語を 9 年間 も勉強したのに,こんなに英語ができないのか」と いう指摘がなされている。この現実に向き合い,統 合的な指導,「読んで話す―読んで書く,聞いて書 く―聞いて話す」ことに取り組む必要性を感じ, 「対話をつないでいける力の育成」を日々の授業 の中で模索し,その方法を考えていきたい。 そのためには,生徒の学習意欲を高めることが肝 要である。ゴール(到達目標)を示すことと生徒 のメタ認知能力を高めることは不可欠であると考 える。*(1) (2) 研究のねらい 英語は,バランスよい四技能(前出,四つの領域 の技能)の習熟を狙うものであるが,「勉強」だと 思うと,おもしろくもなく楽しくもないから,どう 考えるとよいかを学年当初に考えた。 一つには,生徒に「英語は, 勉強するものではな く,英語は,使うものである」という認識を持たせ ることである。なぜならば,英語は言葉だからであ る。さらに,生徒の誰もが生涯にわたり,外国語学習 の基礎を活用し,英語を操り対話をつないでいけたら よいと考える。 ここに,ゴール(到達目標)が見え, 今後の課題も可視化される。 具体的には,英語学習の基礎から新しい課題へ 転移させるためには,『目標が何であるか,目標を 達成するために何をしたらようよいか』,『何を知 っているか,どのように対策・主張していくか』を 明らかにしていく。 次に課題に向かって,追求したい疑問が認識さ れ,活動の目標が形成され,その目標を達成するた めの方略・主張を選択する。このことを対象にし たアンケートが表1である。 生徒は「英語になった途端,上手く言葉にできず, 無口になってしまう」と悩む数はかなり多い。こ の時,生徒はその原因が「自分に英語力がないから …」と認識し,判断する。生徒が何を基準に考えた かがわかる。

対話をつないでいく力の育成を目指した英語授業の工夫

―言語活動中心に多様な表現力やコミュニケーション能力を培う― Teaching Methods For Student Communication During linguistic Activities

増田 とよ子 本論の要旨 「英語は勉強するものではなく,英語は使うものである」という認識を持つことからスタートした。英語が 使うものであるという認識は, 対話の実場面において対話をつないでいけることである。そこには, 相手の 伝えてくる内容を正しく聞き取ること, 話題の中心となるキーワードをとらえて, 適切に質問ができるよう にすることが必要となる。これは, 対話というものがリアルタイムで進んでいく時, 2 人でチャットの形態だ けでなく, 3 人でのトライアングル チャットの形態で交流することは意義深い。相手との対話の駆け引きの 際,英文の概要をとらえ文脈を正しく思考・判断することが,長く対話をつないでいくスキルになることを目 的に,この主題を設定した。 対話をつないでいく力の育成には,生徒がこれまでに習得してきた言語知識を自分自身の内面に問いかけ つつ,一言加えての自発表現の経験が体得でき,対話をつないでいく雑談力としてのコミュニケーション能力 の効果を検証した。英語の音読練習により発話に抵抗がなくなり自発表現が増えてきたことと,対話をつなげ るバリエーションの発展により英語で理解し,考えるようになってきた。 キーワード メタ認知, 音読と繰り返しの練習, 対話をつなげるバリエーション 10, 使える英語

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課題 順位 探究・分析:どんな英語力 がないから…(現状把 握) 目標: 方 略 ・ 主 張 は ? 1 2 3 4 5 6 7 8 単語が出てこない。 熟語が出てこない。 発音がわからない。 文法がわからない。 発話のとき,緊張する。 発話のとき,自信がない。 英語が嫌い。つまらない。 役に立たない。 なんとなくやっている。 書き・覚える 英文にする。 大声で音読する。 毎日,必ず使う。 会話場面を踏む。 会話に慣れる。 英語に触れる。 面倒臭がらない。 必要性を考える。 表1 「自分にどんな英語力がないから・・・」 二つには,英語は言葉であることを受けて,日々 の授業において四技能を磨くことができるように なるために英語の時間をどうとらえるのか。生徒 は英語の時間を次のようにとらえている。 ①将来使えて,未来につなげる時間 ②楽しんで,その面白さを味わう時間 ③Speaking を積極的に行え,コミュニケーション する時間 ④語彙数を増やし,リスニングを鍛える時間 ⑤自分の考えを英語で言い,考える時間 ⑥英語に親しみ,互いを高め合う時間 ⑦他文化を尊重する時間 ⑧英語力・英語脳を鍛える時間 ⑨Mark 先生の“生”の英語を聞き,しゃべる時間 ⑩映画や MOVIE を見て学習する時間 であることを共通理解する。と同時に,生徒の実態 の「英語力がないから…」の表1を受けて,授業内 での位置づけを考えて取り組むことになる。 (3) 研究仮説 コミュニケーションに関わる交流の弱さと英語力を 課題にもつ生徒に対して,どう対応していくのか,試行 錯誤しながら目的意識を持って実践することとなる。 それに,言語材料を媒体にして,「聞いてみよう let’s listen」,「言ってみよう let’s speak」, 「使ってみよう let’s try」,最後には,「書いて みよう let’s write」の活用により問題解決場面 を工夫し創造していくことが大切である。つまり, 英語で発せられた聞いたこと・見たことの「摂取」 を,英語で関連性を比べたり・疑問を追及したり・ パターンを決めたりといった「コミュニケーション への情報生産」につなげる必要がある。この場面 において,自他との間で「情報生産」を共有しなが ら,相互に正当な主張を導いて表現していく過程 が対話を活性化させつなげていく。 対話をつなげるために,トライアングル チャッ トの場面を創出していく(図1)。1 年次既習や積 み上げでの「5W1H を活用しての Q & A や Yes-No の答え方が2人チャット」ができていることを復 習しながら,3人チャットに広げていくスタイル に挑戦する。そのために「対話をつなげるバリエ ーション 10」を活用し,自分の表現の幅を広げる。 「質問をする,確認する,あいづちを打つ,自分の 意見や感想を言う」といった活動が円滑なコミュ ニケーションにつながることを実場面で実感させ ることも大切である。 たとえば,既存・既習の認識様式の2人チャットを 新しい形態の3人のトライアングル チャットに転換 し発展的課題に取り組む。日常会話というものは,何時 でも1対1とは限らないということで,ある。そのチャ ットから生まれるコミュニケーションは,お互いの 発話から一歩踏み出す,一言加える,他 2 人の相手 の話を聞く,さらに踏み込んで相手を探りながら 英語を操るといった双方向での外発的な刺激や 興味に導かれるであろう。 人(話者 A) 人(話者 B) 人(話者 C) ① Practice makes perfect!

(日頃から 発話して簡単な表現に慣れ親しむ。) ②話された英文の概要を捉え,文脈を正しく理解する。 ③対話を3人のトライアングルの形でつなげる。 ④ Quick Response 3秒~5秒内での即答に向かう。 図1 トライアングル チャットのスタイル そこで,「英語力がないから」と認識し,判断して いる生徒たちに『言いたいことがよどみなく出る ために』どうしたらよいのか。 発音だけ練習していても,英語はしゃべれるように はならない。何かを言おうとするとき,言いたい文章が 英語で頭に浮かんでこなければしゃべれないのである。 言いたいことを一つひとつ日本語から英語に置き換え ていると,たどたどしく,リズムもイントネーションも 違ってくるので,通じない英語になってしまう。生徒が 英語科 2

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英語を理解していく過程は,英語がわからない始めの ころは日本語で理解し,英語でアウトプットする勉強 である。次に,生徒の中に英語を理解する基礎的な語彙 ができ上がってきたら,英語を英語のまま理解する状 態に入るのである。*(2) 工夫点(1) 授業において,英語を速いスピードで処理すること は有効である。「音読」と「繰り返しの練習」は英語の 音声づけにすることを意味し,英語で理解することを 迫られたとき,英語で考えるようになる。特に,リエゾ ン(連音)とチャンク(意味の塊)がリスニングの鍵とな ることを確認する。 工夫点(2) 基礎的な語彙数の獲得のためには,教科書の単元で 扱うよく見かける単語や新出語句に焦点を当て,活用 の幅と深みを増す工夫をする。たとえば,句動詞・同義 語・対義語など,英和辞典を使って語彙数を増やしてい くことにつながる。 工夫点(3) モノにならない学校英語といわれないように・英語 にコンプレックスを持つ生徒が少しでも減るように, 普段の日常生活で使える英語を身につけさせていきた い。忘れてはならないことは,英語はあくまでもコミ ュニケーションのツールである。ノリが良くても, 中身のない会話はいただけないし,表面的な会話 で,相手に対して何も情報提供をしていない会話 もコミュニケーションの範疇外であることも忘 れてはならない。 2.授業実践 1 「対話をつないでいける英語学習」 (1) 単元 (第 2 学年)

Program 7 If You Wish to see a Change ( Sunshine English Course 2 )

(2) 単元設定の理由 この単元設定の際立つところは,環境破壊をはじめと するいろいろな問題を解決し「世の中の変化を見たいな ら,まず自分が変わらなければならない」というガンジ ーの言葉に共感し,行動を起こす必要性をセヴァンの生 き方に触れる。同時に生徒が自分の将来の生き方を考え ることをねらいとしている。また,<動名詞>(動詞+ 動詞の-ing 形).<look/become+形容詞>.<主語 +動詞+人+物>などの言語材料を学習する。My Project 5 で将来の夢を語る言語活動に結ぶ役割 も担っている。 2 年生では,本文の読み込みを行うとき,今回の学習指 導要領の改訂の趣旨に順じ,読んで終わりではなく読み 取った知識や使える実践会話の文に着目する取り組み を行う。自らの体験や考えや意見を単元の最後にまとめ, 次の単元と活動につなげていく。本文などのリーディン グでは,始めに 2 人組や 3 人組での Intake reading(相 互にチェックし合い日本語を英語に言いかえたり書き かえたりする)で練習後,3 分間のタイムレースに挑戦し ていく。「音読と繰り返しの練習」を基盤に,『対話を つなげる活動』では,3 人設定の会話形式「トライアング ル チャット」により,自他の主張が相互に情報発信され る。「習うより慣れよ」の継続が,次に発展していく。 11 月,生徒たちは韓国修学旅行において現地の美湖中 学校(姉妹校)との交流が控えていることもあり, コミ ュニケーションを成功させたいために,具体的手段を 考えながら自己アピールに勤しむ姿が見られる。対話を つなげるバリエーションを的確に思考し・判断すること は,異文化への多様性と慣用性にも配慮し,人との関係 を築き上げていくものであることを意識させたい。 (3) 単元の学習目標 (1) 対話をつなげる活動を通じて,互いの意見交流がなされる ように積極的に活動しようとしている。【関心・意欲・態度】 (2) 相手の情報に対して的確に自分の意見を主張することができ る。 【表現の能力】 (3) 存在文(there is /are…)や接続詞(when/if)などを 運用し,理解することができる。 【理解の能力】 (4) 自他の考えを深め,写真を見せながら観光名所や祭りを紹介 する。 【 言語や文化への知識・理解】 (4) 単元の評価規準 コミュニケー ションへの 関心・意欲・ 態度 外国語表現 の能力 外国語理解 の能力 言語や文 化につ いての 知識・理解 ①対話をつな げる活動を通 て互いの意見 交流がなされ るように,班内 で3人の話者 と1人のアド バイザーが積 極的に活動し ようとして いる。 ②相手の情 報に対して 意味が通じ るように,的 確に自分の 意見を主張 することが できる。 ③存在文 (there is /are)や 接続詞 (when/if) などを運 用し, 理 解するこ とができ る。 ④自他の考 えを深め, 写真を見せ ながら,観 光名所や祭 りを紹介す る。 (5) 学習計画(全8時間) 第1時 人や物の存在について言えるようにしよう。 第2時 対話をつなげよう。 (本時2/ 8) 第3時 いつ何をするのか説明できるようにしよう。 第4時 いつ何をするのか説明できるようにしよう。 第5時 条件の内容について言えるようにしよう。 第6時 対話をつなげよう。 第7時 マイクが『ガリバー旅行記』を読んでいる。 第8時 ガリバーの日本訪問のエピソードを知る。 4 人グループで,互いの紹介文を比べよう。 まとめよう。

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(6)本時の目標 (7)本時の学習過程 学習内容と学習活動 指導上の留意点,★思・判・表を伸ばす方策,◆評価 導 入 1. 挨拶を交わす。 ・対話をつなげる方法と進め方を確認する。 ・英語の雰囲気作りを行う。感性を磨き「Quick Response」を促す。 展 開 2. 「会話の発展のさせ方のコツ」について考えて ,発表する。 ・対話(文)をつなげる方法を探る。 ・自分の考えを発表し合う。 .「対話をつなげるバリエーション10」の活用 を行う。 ① 相手に伝える気持ちを ② 単文でなく複文で ③ 動詞や人称の変化を ④ 時制の変更を 等々。 4. 発表と確認事項を受けて,個々に対話を完成さ せる。 5. 既習事項のThere is / areの 文を活用して, 生徒相互に対話文を作成する。 ・それぞれの情報を共有したり, 吟味したりする 。 ・可能な班は,挑戦する。 6 本時のまとめをする。 ・対話文をつなぐためには, 必要な要素と条件があることに着目させる。 ・いつ・何時・誰であろうが, 会話の機会と幅が拡がることを提示する。 ◆[関心・意欲・態度]規準①:観察 ★単独の思考・判断にてイメージを膨らませたり,発表者の意見に対して,積極的 に活動したりしているか。 ★ノートには,相手の話を聞き“自分の考え(感情や疑問など)”と“他者の考え ”を比較し,まとめは自分の言葉で行うよう示唆する。 ・「対話をつなげるバリエーション 10」では,『会話の発展のさせ方の コツ』として注視させ,活用を促す。 ◆[表現]規準②:handout ・概要をとらえ,文脈を正しく判断できているか観察する。 ・各班において, 活動が円滑でない所の支援を行う。 ・アドバイザーからの視点・観点を提示する。それぞれに努力した班や 個人には賞賛の声かけを行う。 ・相手に関心を持ち, 相手の意見に「傾聴」することと「違いを尊重」 することを確認させる。 ま と め 7. 次時予告を聞く。 ・Whenを使って,「トライアングル・チャット」で自分の考えを表現できるように 準備しておくよう伝える。 ○ 資料・教具・準備など 電子黒板: リモコン 作業 : 2色刷の生徒プリント, Reuseシート「リスニングクイズ」 (8) 参観者の感想から 授業後の協議会では,以下のようなことが意見とし て挙がった。(小グループの中での事後研より) ・「対話をつなげるバリエーション 10」(図1)。を 丁寧にインプットしていくやり方は活用できるし, 日常の会話にもつなげられる教材であるとわかった。 ・対話をつなげる場面と自分の意見を主張する場面を じっくり見られたらもっと参考になった。 ・細かい発音チェックを生徒同士でできるようになる ことは無理であるが,日常茶飯事でてくる語句の発音 には, 気をつける姿は好ましい。会話後に「マダ(-) 〔mˈʌðɚ〕は短く,「ファーダ」〔fάːðɚ〕は長く 発音するのが正しいという教え合いが見られた。 ・Question: 評価規準① : 対話をつなげる活動を通じて,互いの意見交流がなされるように積極的に活動しようとしている。 評価規準② : 相手の情報に対して意味が通じるように,的確に自分の意見を主張することができる。 本時の目標:「トライアングル チャット」で,対話をつなげることに挑戦しよう。 英語科 4

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本時の授業において,思考・判断し表現していく場面 はどこにあったのか? ・Answer: 既習表現を想起して,「この表現がよいか」・「他の語句 では,言い換えられないか」・「この語はここで,あの表 現は 2 文目に持ってくる」などの思考操作を行う。こ の理由・場面・制約や条件だから,これを主張するとよ いと判断し表現するに至った。 会話時,“ Face To Face”を大事にしているが,「 相手を知りたい,発言に耳を傾ける,もう一つ内容に 踏み込む」ことなどに対し,勇気と自覚をすることは コミュニケーションをとる上で双方向の話者 にとって「判断」そのものと考える。 考察として,「受動的学習」にならないように, 日々の活動が有意味学習になるように言語活動 を仕組んでいくことが重要である。意見や情報を 述べる時にも,新情報を発信しインタラクティブ に(双方向)にすることが不可欠である。また,授 業の終盤にゴール(到達目標)の確認を怠らない。 handout ID( ) Name( )

「対話をつなげるバリエーション 10」 1【あいづち・つなぎ言葉を使う】

Me too. Really? How about you? Well… 2【2 文以上で答える】

説明 :より具体的な中身,理由 because, 場所,時, 目的,方法の情報を足す 感想:It’s(was), I was 意見 :I think, I don’t think~・I agree~ 例: For example 3【質問する】 疑問文・疑問詞(5W1H)で,時・場所・理由・方法・ 値段などの情報をさらに詳しく尋ねる。 4【主語を変える】 自分から友達・家族等の第 3 者に話題を広げる。 5【動詞を変える】

What food do you like? が話題なら,動詞を cook に換えたり,can eat で助動詞を付け加えたりする。 6【時制を変える】

過去(yesterday),未来(tomorrow)等を話題にする。 7【確かめる】

You~?相手が言ったことをオウム返しでつなげる。 8【聞き返す】 Do you? Are you?

9【逆の話題に変える】(否定文) 「好きな食べ物」 が話題なら,『好きでない食べ物』に発展させる。 10【少し話題を変える】 By the way~. 図1 「対話をつなげるバリエーション 10 」 ( 本校全学年で使用しているバージョン ) 「英語を英語のまま理解する状態に入る取り組み」 工夫点(1) 「音読」と「繰り返しの練習 」は英語の音声づけに することを意味し,英語で理解することを迫られたと き,英語で考えるようになる。たとえば,JTE や ALT の先生の質問に即答しなければならない,友達とのチ ャットをつなげたい,韓国の姉妹校のパートナーとも つながりたい,テストの時間は限られているという状 況はしばしばあろう。こういう状況の中で速さが要求 され,日本語経由の時間をできるだけなくすように強 制されていく場面が見られた。 生徒の感想: ・文を覚えるときは,声を出して速く音読することで, 英語の音として記憶に残る。 (Girl; H.T.) ・リスニングはこの頃,韓国の美湖中の人や ALT の先生 など自分よりも英語が上手な人と出会って英語が耳に 入ってき易くなった。 ・ 音読を繰り返すことで,テスト前にもすんなりと覚 えられた。テストのリスニングは 1 年の時より 2 年の 方がしゃべるスピードとかテンポが速くて最初とても びっくりしたけど,今は少しずつ慣れたおかげで聞き 取れるようになった。 (Girl; Y.T.) ・2 年では音読することが多くなったので,スラスラと スムーズに読めるようになったと思います。英語は語 句の強弱をつけるので,例えば,[mother ならば「o」が 短く],[But I もリエゾンしてバライ]など,そういう部 分にも意識してがんばりました。リスニングは,リエゾ ンとチャンクに気をつけて聞いて,聞き取れるように なってよかったです。 (Boy; K.I.) 工夫点(2) 基礎的な語彙数の獲得 のためには,「単語の組み合 わせ」を覚えてこそ,実践に役立つというものである。 単語をたくさん覚えたところで,英語が話せるよう になるわけではない。一体何が足りないのだろうか。 それらの単語を含む「組み合わせ」にも意識を向け, それを覚えて使うことが有効だ。*(3) 生徒の感想: ・英語にもことわざがあったり,同じ動詞である,見る や聞くや取るでも何種類も熟語があったり,その使い 方も理解することができた。 (Boy; 2A-ア.) ・幅広い会話をするには,表現力が不可欠だと思うの で,語彙数を増やし,より充実した会話ができるように なりたい。 (Boy; K.S.) ナチュラルな日常表現 を身につけよう! 英語科 5

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工夫点(3) 英語が使えない学校英語と言われないよう に,内容・ 中身がある会話をして初めて,コミュニケーションを していることになる。「内容がない」とは,表面的な会 話で,相手に対して何も情報提供をしていない会話の ことである。スラスラ言うだけに固執してしまったり, オーラル・コミュニケーションを重視したりに陥らな いことも注視したい。言語活動の基本である「読む・ 書く・話す・聞く」の四技能のスキルが低下しないよ うに気をつけて対話しなければならない。 生徒の感想: ・日本では会話が続かないと気まずい。それは海外に 行っても同じだと思うので,頑張って話を続けること を学び,ちゃんとかみあった会話ができるようになり たい。 (Boy; K.S.) 3.まとめ (1)成果 「英語は, 勉強するものではなく,英語は,使う ものである」という認識を持つことからスタート した。その認識の中には,英語力への自信の弱さと 英語への異物感のようなものを感じている生徒も 少なくない。予め,生徒の実態把握(表1) により 授業で克服すべき内容は見えてきたので,具体的 に弱点の一つひとつをジグソーパズルのように埋 めていく要領で取り組んだ。 2 人から 3 人のトライアングル チャットは,始め のうちはやり難そうだったが,後半は目的意識も 芽生え「案ずるより生むが易い」の境地に入って いったのは,「音読」と「繰り返しの練習」(図 2-1) さらには,「対話をつなげるバリエーション」の相 乗効果であったと考えられる。トライアングル チ ャットは,双方向(多勢)での負荷をかけることに より雑談力のアップに適していると実感できた。 「実用的に使える英語」の手応えを実感できる場面や 経験は,生徒たちに自信をつけさせた成果はあった。 生徒の感想: ・1 年生のときは 2 人チャットで,黙っていても相手の 方から話しかけてきてくれたのであまり困らなかった けど,2 年のトライアングル チャットでは黙っていた ら他の 2 人だけでどんどん会話が進んでしまうのでつ いていくのに必至だった。でも,そのおかげで自分から 発信する力が少しついてきたと思うので,これからも 続けていってもらいたい。 (Girl; R.T.) ・先生の「ちょっと一言英会話」や「ちょっとしたポ イント(?)」みたいなものが,会話をつなげるときなど に役立った。これは,Mark 先生と話すときにも使えた し,韓国の美湖中でのパートナーと話すときにも使う ことができた(図 2-1)。 (Girl; M.U.) ・韓国修学旅行前の 2 人チャットやトライアングル チ ャットが役に立ちました。Mark 先生とのトライアング ル チャットは外国の人と話すので,とても緊張しまし た。話していると日本ではあまりない視点を学ぶこと ができて楽しかったです。また,評価もよかったので, 自信がつきました。どんどん ALT の先生と話す機会が あったらいいなあと思います。 (Girl; 2A-ア) ・2 年生では,handout の英作文をたくさんやったので, 実際に英語を自分のものにできたと思う。英語は暗記 するものではなく,様々な人々とコミュニケーション をとる手段だということを本当に知ることができた。 英語に深く触れることができ,さらに好きになること ができた。修学旅行を通して,他国に興味を持つことが できた。 (Boy; 2A-イ) 図 2-1 (左) 図 2-1 (右) 韓国 「音読とその繰り返し練習」 姉妹校での 1 日交流体験 (2)今後への展望 英語に引き込まれ英語力をつけていく生徒もいるが, 時間帯が延びると対話をつなぐことに苦慮する姿もあ る。原因は, 基礎的な語彙ができ上がらず,英語を英語 のまま理解する状態に到達できていないのである。ま た,話題をつないでいくための情報・知識不足によるも のである。日頃から,もっと自国のことを知ったり,多 様な本を読んだりすることが大切だろう。 英語のコミュニケーションでは,「あいづち」 “Uh-huh,”を連発されると不快になる人もいる ことを知り,まだ真髄に迫れていない点である。 ■参考文献 *(1) 三宮真智子『メタ認知 学習力を支える高次認知 機能』, 北大路書房, 2009, pp8-14 / pp131-149 *(2) 川合典子『続 英語発音 日本人でもここまでで きます 発音能力を育てる川合メソッド』, 瀬谷 出版,2012, pp102-109 *(3) ジェームス・M・バーダマン『「日本人の英語勉 強法」なぜ日本人はこんなにも英語ができないの か?』,中経出版,2013, pp58-64 英語科 6

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