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第2章 必修教科等の研究 09 英語科 実践的コミュニケーション能力の基礎を育てる英語教育の実践

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英語科

実践的コミュニケーション能力の基礎を育てる英語教育の実践

English Classes for developing students' practical communication ability

塩見 光二・小林 恭子 本論の要旨 本研究は,実践的コミュニケーション能力の基礎を養う手だてについて,実際の授業の分析を 通して検証するものである。教科書の活用を通して実践的コミュニケーション能力の基礎を養う 事例と,スキットを活用して実践的にコミュニケーションをとる事例について言及する。 教科書を活用した事例では,「聞く」「読む」「書く」「話す」の四領域の学習活動を通して基礎 基本の定着を目指す授業実践を行った。活動と活動が自然な流れでつながるように工夫し,実践 的なコミュニケーション能力の基礎が養えるように試みた。スキットによる事例では,場面設定 を明確にし,スキットを活用し,意図的にスキットとは異なる発問を取り入れながら,実践的に コミュニケーションを取る活動を仕組んだ。 その結果,主体的な学習の姿が随所に見られる,主体的な学習者の育成に成果が見られた。 キーワード 実践的コミュニケーション能力の基礎,場面設定 ◎英語を通じて,言語や文 化に対する理解を深める。 英語を理解し,英語で表現する能力を養い,英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育 てるとともに,言語や文化に対する関心を高め,国際理解を深めること ◎英語を通じて積極的に ◎聞くことや話すことなど コミュニケーションをと の実践的コミュニケーショ ろうとする態度の育成を ン能力の基礎を養う。 図る。

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1.研究主題によせて (1)はじめに 国際化の時代と言われ,日本と世界との関わりが ますます大きく,深くなってきている。国を越えて 人と人とがコミュニケーションを取り合う力が求め られている。「英語が使える日本人」の育成のため の行動計画が文部科学省から提示され,時代のニー ズに応えるべく動き始めている。 英語の学習をはじめた生徒たちは,特に英語を話 すことへの興味や関心が高く,英語でコミュニケー ションを取り合いたいという思いをもっている。そ こで教科書を活用しての基礎基本を定着させたり, 英語でのスキットを仕組みながら実践的なコミュニ ケーション能力の基礎を養っていく授業実践ができ ないかと考えた。 上記のような問題意識から実践的コミュニケーシ ョン能力の基礎を育てる英語教育の実践について研 究したい。英語の学習を始めたばかりの中学生が, 日本語と同じように自由に英語を使いこなせない が,これまで学習した表現を運用しながら自分の伝 えたいことを幅広く英語で表現することは可能であ る。その実践の積み重ねの中で,生徒の学びを記録 しながら,よりよい既習の方法をさぐる研究にして いきたい。 (2)研究のねらい 学習指導要領では,外国語の目標として「外国語 を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的 にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を 図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケ ーション能力の基礎を養う」と示されている。この 目標は,3つの柱,すなわち,「①外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深める。②外国語を通じ て積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度 の育成を図る。③聞くことや話すことなどの実践的 コミュニケーション能力の基礎を養う。」から成る。 学習指導要領のねらいは,外国語(英語)を理解し, 外国語(英語)で表現する能力を養い,外国語(英 語)で積極的にコミュニケーションを図ろうとする 態度を育てるとともに,言語や文化に対する関心を 高め,国際理解を深めることにある。 このねらいをよりよく達成するために,本校の学 習指導の目標をまとめると次のようになる。 ・基礎的・基本的な能力や技能を身につけ,それら を使って身近な事柄を表現できる力を養う。 ・学習を通して,日本文化や異文化を学び,言語や 文化に対する関心を深める。 ・コミュニケーション活動を積極的に行い,自ら英 語を使う態度を養う。 本稿では,まず,「実践的コミュニケーション能 力」に焦点をあてた実践について紹介したい。 「実践的コミュニケーション能力」とは,実際に 英語でコミュニケーションをとることができること と,自分の伝えたいことが伝えることができること と考えている。また,「実践的コミュニケーション 能力の基礎」とは,具体的な場面や状況を明確にし ながら,それぞれの場合の典型的な英語表現を身に つけていくことと考えている。 1つ目の事例「スキット・プラクティス~道案内 ~」では,昨年度の研究紀要で述べた,「Let's Go To Korea! ~修学旅行で役に立つスキットを作ろ う!~」,一昨年の平成17年度の研究紀要で述べ た「スキット・プラクティス」の取り組みを土台に, 基礎から発展へとつなげたものにした。 一昨年度の「スキット・プラクティス」では,1 年生で,県教育委員会が作成したスキット教材「ジ ェニファーの学校生活」から取り出したもの一つを 題材にスキットを覚えさせ,演じさせることに焦点 を置いて学習を進めた。最後に,英語の活用を意識 させて,即興的に ALT とスキットを演じることを 短時間行わせて,発展性を持たせた。 昨年度は教科書の中で扱われている「Do it talk」 や 「 ジ ェ ニ フ ァ ー の 学 校 生 活 」, 英 語 Ⅱ の 教 材 「PASSPORT」 などの既習のスキットの中から, 生徒が修学旅行で直面する場面や状況を想定して, 土台となる基本スキットを決めて,修学旅行に役立 つスキットに作り変えていく取り組みを行った。四 人一組のグループ10班が,それぞれ異なるスキッ トを基本スキットにするため,基本表現もそれぞれ 異なることになる。これまで学習したことを全員で ふり返りながら,基礎・基本の復習をし,具体的な 修学旅行の場面や状況を想定したスキットを作成 し,発表をするという,生徒の創造性を生かした発 展的な学習の機会を仕組んだ。 本年度は,2年間の実践を受けて,場面設定を明 確にして,その場面で使われる典型的表現を学ばせ, それを活用させながら,即興的に,臨機応変に英語 で応答させるなど,より実践的な活動場面を工夫し て取り組ませた。従って,ALT の問いに臨機応変 に答える学習を盛り込み,どれだけ英語で応答でき るかに焦点を当てた。この際,実践的コミュニケー ション能力を試す状況を設定した。 2つ目に,「四領域を意識した日々の実践事例」 について言及する。英語を教える以上,四領域を意 識しながら授業を展開することは当然である。50 分の授業の中で,どのように四領域を組み込んでい

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くかについてはいろいろと議論もあることであろ う。本校では,日々の実践として,教科書のレッス ンを題材に,四領域の学習をスムーズに行わせ,基 礎・基本の定着を図る授業を展開してきている。も ちろん,中には「話す」ことだけに焦点を当てたり, 「書く」ことだけに焦点を当てたりする時間もある が,毎回,教科書を活用して四領域の学習を組み込 んでいる。本稿では,そのような実践の一例につい て紹介する。 (3)研究仮説 教科書を活用して,基礎・基本の定着を図るとと もに,スキットを活用して,生徒がスキットを作り かえたり,発表したりしていく機会を積み重ねれば, 「聞く」こと・「話す」ことを中心に,生徒の英語 力は向上していくであろう。また,そのようにして 養った英語力を試す体験的な機会を仕組むことで, 学習へのモチベーションが高まり,主体的な英語の 学習者の育成につながるであろう。 2.授業実践1(英語Ⅱ) 「スキットを活用した実践」 (1)主題(単元,題材) Skit Practice ~道案内の基礎から応用!~ (2)主題によせて(単元設定の理由,題材観) 国際化の時代と言われ,世界の国々の関わりがま すます大きく,深くなってきている。テロ,戦争, 鳥インフルエンザなど世界中が大きな影響を受け, その発生国だけでなく,世界がお互いに話し合った り,解決したりしていかなければならない状況にあ る。個人のレベルでも、海外旅行を筆頭に様々な形 で国を超えて人々の行き来が日常のように行われて いる。E メールをはじめ IT のレベルでも,あたり 前にコンピュータを通して世界の人々との情報のや りとりが瞬時にして可能な時代となってきている。 国を超えて人と人とがコミュニケーションを取り合 える力が求められている。 英語Ⅱの時間に,スキット等を活用して英会話 に焦点を当てて,特にコミュニケーションをとる練 習を行ってきている。ALT に直接話しかける活動 やスキットを覚えたり,作りかえたりして発表する 活動を中心に行っている。スキットの発表では,寸 劇風に発表させることで,英語を楽しく学習する雰 囲気を築くように心がけた。 英語の学習を始めた生徒たちは,英語が話せるよ うになりたいという願いをもっている。英語が苦手 であると感じている生徒でさえ,話せるようになり たいとか,会話は大切であると考えてる生徒が多い のが実態である。本校は,毎年7月に姉妹校韓国教 員大学校附設美湖中学校からの訪問,12月に修学 旅行で美湖中学校訪問があり,英語を話す貴重な体 験も約束されている。こうした経験をふまえて,3 年生では,基礎・基本を重視しながら,学んだ英語 で自ら発信できるように様々な工夫を凝らして授業 を展開している。 今回のスキット・プラクティスは「道案内」 が 中心である。「道案内」という状況で,典型的 な表 現を身につけさせるとともに,学んだ表現を活用し て,即興的に実践的な場面設定をつくる中で,少し でも英語でのコミュニケーションの楽しさや自信を つけさせたいと考えている。生徒の寸劇を盛り上げ, 楽しい学びの時間にしたいと考えている。 (3)学習目標 ① スキットの場面設定を念頭に置いて、意欲的に 学習に取り組むことができる。また、スキットの発 表を通してグループで協力しながら楽しく英語を学 ぶことができる。 【関心・意欲・態度】 ② 基本スキットの場面設定における典型的な英語 表現を理解し、スキットを通じて運用することがで きる。 【理解・表現】 ③ 基本スキットに基づいてALT とともにスキット を発表することができる。 【表現】 ④ スキットの学習から世界,その文化や言語に関 心をもつことができる。 【異文化理解】 (4)学習計画(全4時間) 第1次 基本スキットの学習 1時間 第2次 役割分担とグループ練習 1時間 第3次 スキットの発表練習と重要表現の確認 1時間 第4次 スキットの発表 1時間(本時) (5)本時の目標 ① グループで協力をして英語の学習ができる。 【関心・意欲・態度】 ② スキットの発表ができる。 【理解・表現】 ③ 基本スキットに基づいてALT とともに即興的に スキ ットが発表できる。 【表現】

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(6)本時の学習の過程 ▼基本スキット ▼授業の様子 (7)授業のふり返り <生徒の感想より> ・はじめのスキットの学習は簡単だなと思ったが, ジャネット先生から違う場所を聞かれたので,説明 するのに必死だった。ちょっと違うだけで,とても 緊張したり,あせったりした。何とかジャネット先 生が「I understood.」 といってくれてとにかくホ ットした。 ・道案内は,文字で読んだり,絵を見ながら聞き取 ることは難しくは思わなかったが,ジャネット先生 に聞かれて説明するのは,とても大変なことだと思 った。やっているときは夢中でしどろもどろだった が,みんなが拍手をしてくれて,通じたんだなと安 心した。 ・違う道案内をする時に,冷静に返すことができま した。しっかりと聞き取ることは難しいことのよう に思います。ジャネット先生だからできたではなく, どんな外国の方に聞かれてもできるようにしていき たいです。 ・できるだけスムーズに言えるように焦らずゆっく りと言うことを心がけました。他の班のスキットに は違う表現もたぅさんあり,それをしっかりと聞い た。ジャネット先生との練習が,実際の生活の場面 で使える日が来たらいいなと思います。 ・とても緊張したけど,成功したので本当によかっ たです。道案内のやり方がわかりました。 ・最近の日本でも滋賀県でも外国人がとても多くな ってきているから,本当に聞かれることもあるかも 知れない。なので,実際に練習ができてよかった。 もし,本当に聞かれたときはしっかりと教えてあげ たい。 ・いきなり聞かれたから,緊張したけど,もしも英 語で道を聞かれても答えられる自信がついた。本番 の時のようにと思って取り組めた。 ・基本的なスキットでしたが,教科書程度のもので

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なく,辞書を使ったり,自主学習の成果を出し切っ てよりよくすることができました。とてもおもしろ かったです。 ・グループ学習と言うこともあり,練習した成果が しっかりと出せました。苦手な英語ですが,がんば ることができました。 ・スキットをいかに上手く発表できるかを考えてや りました。回りの人のスキットを聞いて「ああ,こ ういう言い方もあるのか」とすごく勉強になりまし た。 ▼授業後の生徒アンケート結果 生徒の感想から,一人ひとりが主体的に学習に向 かう授業であったといえる。また,生徒の授業後の アンケート結果も良好である。 授業研究会では,高校のオーラル・コミュニケー ションの授業の参考にもなったとの感想をいただい た。また,英語に満ちあふれた授業であったなど, 高い評価をいただいた。 (8)まとめ 今回の授業では,予定されたスキットを発表する ことや,ALT に予定されたスキットとは異なる目 的地をたずねられ,即興で説明すること,さらに, スキットの役割を超えて,突然,指名されて即興で 説明すること,と段階をふまえて,英語を活用する 状況を深めていった。生徒にとっては,道案内の典 型的な表現を覚えていても,聞かれたことに対し, 即応答しなければならないことが大きな緊張感であ ったと思う。しかし,あくまでも道案内であり,そ の他の発展はないことで,落ち着いて英語で応答す る練習ができたのではないかと考える。授業後の自 己評価カードでは,ほとんどの生徒が,「緊張した, 失敗しないようにゆっくりと話した」,と書いてい た。やはり英語で話し切れたという体験が自信につ ながり,実際に機会があれば実社会の中でやってみ 5で き た 4 3 2 1で き な かっ た 0 5 10 15 20 25 30 35 1 課題を明確にして授業 に取り組めましたか。 2 授業に集中して取り組 めましたか。 3 他の人の意見を参考に して考えを深めることがで きましたか。 4 充実感や達成感を持つ ことができましたか。 5 英語についてよく理解し ましたか。 たいと,次につながる成果が得られたことは授業者 としては大変に嬉しいところである。スキットを活 用した指導を3年間続けることが発展し,生徒の意 欲に現れてきていることにとてもやりがいを感じ る。 3.授業実践2(英語)Ⅰ 「四領域を意識した日々の実践事例」 (1)主題(単元,題材)

Lesson 5 Place to Go, Things to Do Section ( NEW CROWN ENGLISH SERIES 3 ) (2)主題によせて(単元設定の理由 このレッスンでは,行ってみたい場所や地域の紹 介を通して,スピーチなどのプレゼンを学ぶことが 題材となっている。スピーチを通して,聞くことや 話すことなどの実践的なコミュニケーション能力の 基礎を養う取り組みをするには大変よい題材であ る。 生徒は、2年生の時に修学旅行で韓国を訪問し, 姉妹校との交流に参加したり,姉妹校の本校訪問で 交流したりと,グローバル言語,英語の必要性を肌 で感じている。その一方で,なかなか思うように話 せなかったり,英語を思うように使いこなせないな ど課題も感じている。 このレッスンでは文法的には分詞の形容詞的用法 などの接触節を学習する。複雑な文型であるが,幅 広い表現ができるようになる機会でもある。文型練 習を十分にさせて,基礎基本の定着を図り,簡単な スピーチ活動をとり入れながら,英語を発信する場 面を仕組みたい。その中で,生徒の聞く話すなどの 力を伸ばしたいと考えている。 (3)学習目標 ・各セクションの本文概要を理解し,言語や文化に 対する理解を深める。 ・行ってみたい場所や地域の紹介を通して,コミュ ニケーションを図ろうとする態度の育成する。 ・本文の内容を聞き取ったり,クラスメイトの行っ てみたい場所や地域の紹介を聞き取ったり,自ら発 表することを通して,聞くことや話すことなどの実 践的なコミュニケーション能力の基礎を養う。 ・分詞の形容詞的用法などの接触節について理解 し,身近な事柄を表現できるようにする。 (4)学習計画 ・Section 1 ・・・1時間<本時> ・Section 2 ・・・1時間

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・Section 3 ・・・1時間 ・Lesson 全体のまとめと復習 ・・・1時間 (全4時間) (5)本時の目標 ・Section 1 本文の概要を理解する。 ・現在分詞の形容詞的用法を理解し,身近なことを 表現できるようにする。 ・自分の行ってみたいところを簡単に表現し,発信 できる。 ・クラスメートの発信を積極的に聞き取ることがで きる。 (6)学習過程 ▼写真 授業の様子 (7)授業のふり返り 日々の授業の中では,「読む」「聞く」「話す」「書 く」の四領域を意識した授業に取り組んでいる。本 時では,導入の段階で「話す」活動を仕組んだ。既 習の事項を活用して,「行ってみたい場所,そこで したいこと」を英語で発表するようにした。ただ, いきなりの質問では,どこなど言えないことの予想 できたので,答えにくい場合には,カードを引かせ て,そこに書いてあるメモを参考して答えさせるよ うに配慮した。 <カード例> ・Korea ・キムチ作り 2年生のでの学習内容で答えられることから,10 名程度の発表をさせた。聞いている生徒に対しては, ・Where does A want to go?

・What does A want to do?

等の質問を行い,活発に英語で活動できるように仕 組んだ。

次に,教科書の本文の内容を「聞く」活動につな げた。Section 1では,主人公の Ken が行ってみたい ところについて発表するという内容であるから, How about Ken? からつなげて,オーラルで導入を 行った。いくつか聞き取りポイントを提示して答え させ,おおよその内容をとらえられるように配慮し た。オーラルで使用する英語については,できる限 り既習の語句を使い,新出語句については,ゲッシ ングできるように配慮した。授業中はおおむね,生 徒はとまどうことなく聞き取れていたようである。 教科書の音読はもちろんであるが,「読む」活動 としては,「聞く」活動とつなげ,聞き取りポイン トの答えの部分が本文中のどの英文から確かめられ

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るかを課題にして,正確に教科書の読み取りができ るように配慮した。聞くことでの確認と,読むこと での確認を関連づけることで,活動を変えながら教 科書の本文の内容理解が深まるように仕組んだ。 新出文型の導入は「読む」活動からつなげた。現 在分詞をふくむ英文を,聞き取りポイントの答えの 部分にふくめていることから,その英文に焦点を当 てて働きを説明し,そこから文型練習を経て,ワー クシートを使って,「書く」活動を行った。 50分の授業の中で,活動をたくさん盛り込むこ とは,なかなか難しいことであるが,活動から活動 が上手くつながる展開を工夫すれば,十分に可能な ことであると考えた。また,活動の中で,上手くで きた喜びを生徒と共に受け止め,次につながる評価 を的確にしていければ,更に生徒のモチベーション も上がると考えた。 本校生徒の学習課題は,四領域の中では「書く」 ことである。特に,5文以上のまとまった内容を正 確に書くとなると,なかなかうまくいかない現状も 見られる。基本文型は正確に書くことができても, いわゆる反復練習の成果であり,生徒の自由は発想 から出てきたものではない。多少長くとも,自信を 持って正確に書ける指導が,3年間を見通して,他 三領域も充実させながら仕組んでいけるように今 後,研究を深めていきたいと考える。 「書く」学習としては,授業での取り組みの他に も,姉妹校の生徒と2年生での修学旅行に関わって 事前・事後に各自のパートナーと e-mail の交換を 英語で実施している。全員が継続的に長いメール交 換をできているとは言えないが,英語科として支援 をしながら,少しでも長く続けられるようにして, 英語学習の楽しみの一つとなればと考えている。 新学習指導要領を見通して,英語は週4の時間と なることから,その準備も含めてが次の課題である と考える。英語を学習したことが,英語を活用して いく楽しさになるような指導を展開し,豊かな表現 力が培えるようにしてきたいと考えている。 授業研究会では,四領域を学習する流れについて は,大意に評価を得たものの,発展的な学習が提示 できていない点が指摘された。また,評価の仕方に ついても,比較的前向きな評価をすることが多かっ たので,辛口な部分も必要であると指摘を受けた。 ただ,基礎・基本を確かめる学習としては一つのモ デルとなるとの意見もいただいた。特に,最初の導 入で「行ってみたい場所,そこでしたいこと」等を 発表させる学習の中で,最低限のことだけでなく, 自分なりの思いや考えを整理して伝えられる生徒が 複数いたことから,生徒がお互いの英語を聞くこと で学び合ったり,刺激を与え合ったりする時間が大 切であると指摘をいただいた。先生の英語で刺激を 受けることもあるが,生徒同士の学びの中では大き く刺激を受けるであろうと言うことであった。また, 聞いている生徒に対して,英語で質問をすることも 緊張感を持たせ,人の話をしっかりと聞いて,答え る学習として的確なものであったといえる。 4. 2年選択英語の実践 (1)学習テーマ 「海外からの観光客に英語でインタビュー」 「京都国際交流会館」の役割について知る。 (2)学習場所 「京都市国際交流会館」 「清水寺」 (3)選択学習英語のねらい ○日本の国際化、日本の役割について学ぶ。 ○異なる文化背景をもつ留学生に話を聞き、共に生 きていくために自分ができることを考える。 ○2年生では修学旅行で韓国に行くため、韓国につ いて調べ学習を進めると共にアジアの地域について も学ぶ。 (4)学習指導計画[10時間] 1時間 ガイダンス 2時間 事前学習 6時間 当日学習 1時間 事後学習 「集中選択」では、集中選択当日の活動を充実し たものにするため、事前学習の時間や、事後学習の 時間を設定している。 事前学習は2時間を設けて、当日の活動のための 準備や予備知識の習得の時間としている。事後学習 では1時間設けて、まとめとしてインタビューレポ ートと自己評価を行う。1日活動できる利点を生か して、郊外での学習を試みた。 (5)学習活動で工夫を試みた点 事前学習の1時間目は、異なる文化背景をもつ留 学生に、あらかじめ生徒たちから生活面での違いや 留学生の国の文化など、質問を考える時間をとった。 また、2時間目は、異なる文化背景をもつ観光客 に来日の目的、日本の印象などインタビューする内 容を考えた。また、インタビューを始める前と後の 挨拶も練習した。 インタビューの例 ①どこから来られましたか。

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What country are you from? ②今回の日本訪問の目的は何ですか。

What's the purpose of your present visit to Japan?

③どれくらい滞在しておられますか。 How long have you been in Japan?

④日本のどんな場所に興味を持っていますか。 What kind of places would you like to visit in Japan?

⑤日本のスポーツ(日本文化、日本食、日本の生活) に興味がありますか。

What interests you about sports in Japan? (Japanese culture,Japanese food, life) ⑥一番好きな~は何ですか。

What is your favorite~? ⑦日本の印象はどうですか。

What is your first impression of Japan?

⑧~についてどう思いますか。 What do you think of (about )~? ⑨~は好きですか。

How do you like~? (6)授業の様子から 直接外国の人と交流することで、英語を使う必然 性が生まれ、生徒たちは学びの意欲を高めながら、 学習に取り組むことができた。場面や状況に応じた 英文を探し、相手と意思疎通を図る手段としての生 きた英語が使われていた。 また、日本について聞かれる経験をすることで、 日本について説明できる知識や技能を身につけるこ との必要性を感じたようである。 ▼写真 校外での学習時の様子 5.英語科の授業 (1)英語Ⅰ・英語Ⅱについて 本校では,英語の授業を英語Ⅰと英語Ⅱに分けて 実施している。週3時間の英語の授業の内,2時間 を英語Ⅰ,1時間を英語Ⅱとしている。英語Ⅰでは, 教科書を活用した授業を行い,英語Ⅱでは,ALT との T・T の授業を行っている。1年生の英語Ⅱの 教材は基礎英語を使用し,2,3年生はPASSPORT を使用している。英語Ⅰは英語の基礎・基本の定着 を図るために,四領域の学習が効果的にできるよう に実施している。英語Ⅱでは,スキットを活用した 授業を展開し,「聞く」・「話す」などの実践的コミ ュニケーション能力の基礎を養えるように実施をし ている。 (2)選択授業について 本校では,2年生と3年生で選択英語を実施してい る。2年生では,集中選択,3年生では集中選択,選 択S,卒業研究を実施している。 2年集中選択では,実践例が示すように,校外で の学習を取り入れた学習を行った。3年生の集中選 択では,Reading の集中学習を子なった。また,選 択 S では,日本人向けに作成された教材「カリフ ォルニア留学物語」を読破した。卒業研究では,選 択し足した生徒の興味や関心に基づいて,発展的な 学習に取り組んだ。顕著な事例としては,「ハリー ポッター」の原書講読など,各に応じた取り組みを 行った。 6.まとめ 本校では県下の英語科の先生方や指導主事の先 生,滋賀大学の先生方と連携をとりながら,教育活 動を進めている。本年度も公立中学校の先生方や高 等学校の先生方,指導主事の先生,滋賀大の先生と のと懇談の場を持ち,研究を深めてきた。今後とも 授業研究会や教科の明日を語る会等を持ち,取り組 みを深め,共有し,広げていけるようにしていきた い。 英語は外国語であり,自ら触れようとしなければ 大きな成長はのぞめない。英語を教えるという立場 にあって,最も心がけていることは「主体的な英語 の学習者の育成」である。英語をもっと勉強したい という思いを育てるために英語を使う楽しさを生徒 が感じるような実践を心がけている。なかなか思う ようにはいかないが,試行錯誤を繰り返しながら様 々実践に取り組み,活動場面を海外で試す機会を約 束するまでになった。コミュニケーションの喜びを 感じながら,学習意欲を高め,一層主体的に学習し ていける生徒を育成していきたい。

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