九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
ゲル懸濁法を用いた環境中炭素14測定法に関する研 究
若林, 源一郎
九州大学工学エネルギー量子応用原子核
https://doi.org/10.11501/3145644
出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
ゲル懸濁法を用いた環境中 炭素 14 測定法に関する研究
博士論文
九州大学大学院工学研究科 応用原子核工学専攻
若林源一郎
平成 1 0 年 6
月目 次
第 1章 序 論 1
1.1 研 究 の 背 景 と 目 的 1.2 木論文の構成
第2章 炭素14の特性と環境中での挙動
2 . 1
炭素1 4
の特性5
り
2.
2
炭素1 4
の生成 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • ••6 2 . 2 . 1
天然による生成.• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• 62 . 2 . 2
大気中核実験による生成.• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • ••,
2.2.:3 原子力施設での生成
2.2.~1 標 識 化 合 物
2. 3: 環境中における炭素
1 4
の挙動 2.4 まとめs
円いυ
1lム ¥‑ ﹄ ︐
J
rt
t・︑
' h︐ ︐
A
11
第3章 従 来 の 炭 素 14濃度測定法
:
3 . 1
固体炭素G L V I
計 数 管 法 :3.2 気 体 比 例 計 数 管 法 :3. :3 加速器質量分析法
24
:
3
.4 液 体 シ ン チ レ ー シ ョ ン 法: 3
.4.1 液 体 シ ン チ レ ー シ ョ ン 法 の 特 徴 :3.4.2 液 体 シ ン チ レ ー タ の 発 光 機 構2,)
2.)
2:)
:
3.4.:3 クエンチング ー リ ム
:
3.4 .4 従来の炭素 1‑1測定試料調製法
3.:') まとめ :31
第
4
章 ゲル懸濁;去による炭素14
の 測 定4.1 過去に行われたゲ、ル懸濁法の研究とその問題点 4.1.1 過 去 に 行 わ れ た 研 究
4.1.2 従 来 の 方 法 の 問 題 点
38
)(.
・.t
.、、
・)(')
ハリ
ソ a'
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a
4.2 本研究で用いたゲ、ル懸濁法の特徴.• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • ., 40 4. 3: 試 料 調 製 法 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •• l‑l
4
.4 測 定 系 ..1:24.5 ク エ ン チ ン グ の 補 正
4.5..1 自 動 効 率 ト レ ー サ ー 法 の 原 理
︑ . ︑ . ︐
‑‑l
' ﹄
. : .1:3 4.,].2 ゲ、ル懸濁試料への自動効率トレーサー法の適用 」ろ
4.6 まとめ :.1:"5
第 5章 標 準 試 料 の 測 定
.5.1 測 定 試 料
5.1.1 炭 酸 カ ル シ ウ ム 標 準 試 料 の 生 成
ろ.1.2 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド 測 定 用 試 料 の 生 成 • .
5.2 測 定 結 果 と 議 論 •
55
~ ,.. :):)
55 りら 56
.5.2.1 パ イ ア ル 容 量 と 自 己 吸 収 フ ァ ク タ ー の 関 係
.5.2.2 炭 酸 カ ル シ ウ ム 試 料 の 重 量 と 自 己 吸 収 フ ァ ク タ ー .
5.2. 3: 炭 酸 カ ル シ ウ ム 粒 子 の 自 己 吸 収 フ ァ ク タ ー . ろ.2.4 経 時 安 定 性
.
5.2..5 試 料 調 製 の 再 現 性 ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
56 5i
うI
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.5.2.6 最 適 測 定 条 件 5.2.7 検 出 下 限 値
•
• •
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•
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.
5. 2:.8 ケ ミ ル ミ ネ ッ セ ン ス の 除 去
6
L5.:3 まとめ
vs
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11
第6章 環 境 試 料 へ の 適 用
6.1 測定試料
6.: 2 環境試料の試料調製 6.:3 環境試料の測定 6.4 測定結果と議論
6.4.1 自己吸収ファクターの決定
生成された炭酸カルシウム粒子の顕微鏡観察
環境試料の測定結果 • •
78
,
8炉 喝、、
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l
̲;U
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101 6.‑L2
6.4.:3
6.5 まとめ ‑ ・ ・ ・ ・ ・ー ・ ー 一 一今 ー ー ・ ・
第7章 結 論
l l l
第 1 章 序論
1 . 1 研究の背景と目的
炭素 14e4
C )
は代表的な宇宙線生成核種であり 7 自然界においては主に高層大気中で宇宙 線中性子と窒素原子被との 14N(凡p)14C反応により生成される.また環境中には人工起源のl‑t
C
としてヲ核爆発実験や原子力施設により生成 ・放出されたものが存在する環境中に導入された 14Cは、地球規模の炭素循環によって安定炭素とともに地球の各部へ 拡散する.循環する炭素の95%は海洋中に存在すると考えられており?大気中に存布する炭 素の主な化学形は二酸化炭素 (C02)で あ る 拡 散 し た 14Cの一部は大気中から光合成を通 じて生物体内に取り込まれ、食物連鎖により生物界に紘散する炭素は人体を合め生物の主 要な構成元素でありうまた 14Cの半減期が,s'i:30年と長いことから、1<ICは世界人口に対する 線量預託を評価する上で最大の寄与核種であると考えられている.
環境中の
HC
濃度は大規模な大気中核実験の影響により 1960年代初頭に天然レベルの 約2倍に達したが,その後は徐々に減少し、現在ではほぼ核実験が実胞される前の 10o/tl増の レベルになっている[1 ] .
原子力の平和利用の進展に伴い?今後原子力施設から放出される 14Cの寄与が増大することが予想され714Cの継続的な環境モニタリングの実胞が求められ ている.環境中の 14C濃度を測定する方法としては液体シンチレーションカウンタを用いる方法 が現在では最も一般的になっている.その際、測定試料の調製法にはヲベンゼン合成法[2
. J
メタノール合成法
[ : 3 ]
1二酸化炭素吸収法[ 4 ]
などの方法があり、咋lでもベンゼン合成?とが広 く用いられている.ベンゼン合成法は試料中に含む炭素の割合が大きく、木来考古学訟料 の年代測定を目的として開発されたため測定精度が高い反面試料調製には特妹々反},~:ぷ 置や霞維な化学操作熟練した技術を必要としさらに試料調裂の所要時間も数If守 f~けから数 日が必要となるなど問題点がある またメタノール合成法はベンゼ、ン合成法に比べ試料調製が簡便であり、所要時間は数時間であるが、特殊な反応装置や複雑な化学操作が必要とさ れることに変わりはない二回変化炭素吸収法は、現在のところ最も簡便々試料調製法であろ が、試料中に安定に保持できる炭素の量が少ないという問題点がある
環境レベルの 14C濃度測定という点では?考古学試料の年代測定で要求されるほどの日 精度を必要とせずまた経常的な環境モニタリングを実施する際には7多数の試料を短時間
l
で処理することが求‑められる.したがってベンゼン合成法に代表される従来の方法は環境 中の 14(:モニタリングに対して必ずしも適しているとはいえないこれらを背景にう本研究では液体シンチレーション測定用の 14C試料調製法としてゲ、ル懸 濁法を適用し、環境中の 14Cを効率よく定量する方法を開発した.ベンゼ、ン合成法などの従 来 の 試 料 調 製 法 で は そ の 試 料 調 製 過 程 に お い て 試 料 炭 素 を 一 度 炭 酸 カ ル シ ウ ム と し て 回 収し、その後数段階の化学操作を経て測定試料を調製する.ゲ、ル懸濁法で、!士試料炭素から合 成した炭酸カルシウムをゲル化した有機液体シンチレータ中に直俊 均一に固定して測定試 料とする.こ の 方 法 で は 特 殊 な 反 応 装 置 や 複 維 な 化学操作を必要とせず?試料調製に必要 な時間も十数分となり大幅な簡便化が可能となる.
ゲ、ル懸濁法は、液体シンチレータに溶解しない無機塩や生物試料を測定サ‑る方法として 1950年代中頃に最初に提案され問、その後 14Cの測定法に適用するためいくつかの研究が 行われた.その方法は主に試料炭素を炭酸バリウムとして測定する方法であったが、試料中 に保持できる炭酸ノくリウムの量が非常に少なく 7 もっぱら比放射能の高い標識試料の測定 にその用途は限られ?環境試料のような低レベノレ試料の測定には適用されなかった また,
試料を炭酸カルシウムとして測定することが試みられた例もあるが問、親水性試料用の乳 化シンチレータを用いてゲ、ルを生成したため、測定試料は不安定であり?また測定効率や精 度に関する検討も十分に行われていない
1992 年に大崎らは液体シンチレータのゲル化斉lJとして、~-ラウロイ/レ-L- グノレグミン渋 α 刀ージブチルアミド (G-l) を用いて 7 低レベルの35S や 3'2p の無機化合物をゲル~民話j 法によっ
て試料調製し,液体シンチレーシヨン測定を行った
[ 7 ]
その結果非常に安定な測定試料が 得られ.これらの核種の測定が効率よく行えることを報告した本研究では.この河しいゲ ル化斉1Jを用いたゲノレ懸濁法を 1‑1('試料調製に適用し7経常的な段境中 1,'c' 放射能測定に~{:TH i
な簡易測定?去を開発した.)
本研究では.新しいゲ、ル懸濁法の基本的特性を調べ、 1.~C 環境モ二タリング、のための簡易
測定法の開発を行うとともに実際に米?樹木などの環境試料中の 1) c'濃度測定を行い.木 測定法の有用性を評価することを目的としている.
1 . 2 本論文の構成
木論文の第2章では714Cの基木的な特性や環境中における生成折、及びその準動について 概説する.特に原子力発電によって放出される 14(;について、その放出の形態と量及び炉型
による違いなどについて述べる
第3章では 14Cを定量するために従来行われてきた方法の特徴を整理しその問題点を 明らかにする.特に本研究で用いた液体シンチレーション法についてその測定原埋や一般 的な測定技術について詳しく述べる.また従来用いられてきた液体シンチレーション測定 用 l叱'試料調製法について詳細に述べ 環境モニタリングに適用する際の問題点を明らか にする.
第4章では本研究で開発したゲ、/レ懸濁法による試料調製法、測定系及びクエンチングの
怖正法などについて述べる.まず過去に行われた炭酸ノ〈リウムなどを使用したゲ/レ懸濁法 の研究について総括し環境モニタリングに適用する際の問題点を整理する.次に新たに開 発した炭酸カルシウムを使用したゲノレ懸濁法について述べ 試料調製j去を具体的に述べる 次に本研究で用いた測定系について述べる.最後にクエンチングの補正法として採用した
自動効率トレーサー法の原理やヲ試料の自己吸収の影響を補正するために本研究で‑特に導 入した自己吸収ファクターについて述べる
第ろ章ではゲ、ル懸濁法の基本的な特性を知るため標識された炭般カルシウム傑準試料 を用いた測定について述べ、試料による β線の自己吸収ヲ最適測定条件?試料調製の再現性 測定精度?試料の経時安定性およびケミルミネッセンスの除去について検討を行う
第 6章で、は、本方法の環境試料に対する有用性を確認するため.米および樹木年輪中の
1‑!C 濃度を実際に測定し?他の研究者によって報告されている測定怖と比較することによ!っ
木方法によって得られた測定値の検討を行う.
第7章では本研究で得られた結果を総指サ るとともに、今後の研r先の)j向性を/0ナ.
参考文献
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co~tnting
of low speci五cactivitips of J:)S a.nd 12p¥
J. Radioαηα .1!Vucl. Chεm. Lette'
,
、.5165(4), pp.20 ,3:199 2:第 2章 炭素 14 の特性と環境中での 挙動
2.1 炭素 14 の特性
現在地球上にはう 1.6×1024gの炭素が存在すると推定されているがうこのうち地球表層 の炭素循環によって大気?海洋、生物圏などを循環している炭素はLl.lx 10 1がgに過ぎない.
地球表層を循環する炭素のうち約 95% は海洋中に存在し,残りの ~Y7c1 が大気や生物閣に存花
する.大気中では,ほとんどが二酸化炭素 (C02)として存在しておりうメタン (CH.l) 、一 酸化炭素 (CO)など他の化学形のものは
1 %
以下である[ 1 ] .
天然に存在する炭素の同位体存在比は?安定同位体の12C,13Cがそれぞれ98.9 (/cl , l. 1 1 %で あ り 放 射 性 同 位 体 の14Cは0.1%以下である.表2.1に炭素同位体の性質をまとめたものを 示 す
[ 2 ] .
14Cの存在はヲ 1940年にRubenとhamenにより最初に報告された[:3.4]. RubenとI¥:anlenは13Cを濃縮した黒鉛に低エネノレギー(:3f"'V4:¥IeV)の重水素原子核を衝突させる ことにより 14(:を 生 成 し た ま た 1946年に Libbyらは.地上で採取したメタンの放射能測 定により天然の誘導放射性核種である l‑l('が自然界に存在することを初めて発見し
[ : " J ] .
そ の後さらにはC
が考古学試料の年代測定に利用できることを示した[ 6 ]
14Cは
3
崩壊により安定な14Nへと壊変する.その際放出される3
線の最大エネルギー は0.1:36{yleVであり,平均エネルギーは. o 0 !~ .5 :vl e v
である 14(:の半減期は過去に多くの測 定が行われてきたが?現在ではGodwinじよって得られた.j,
;W年が最も信頼できる値とし て用いられている[ i
,8 ] .
ただし考古学試料の年代値の算出にあたっては,年代測定の創始 者である Libbvが用いた半減期:3;368年を用いることが国際的に約束されている.:)
‑ L
2 . 2 炭素 14 の生成
2 . 2 . 1 天然による生成
自然界に存在する天然の炭素l‑‑l
e
‑lC)は,トリチウム(3H),ベソリウム{(I Bf')などとなら ぶ代表的な宇宙線起源の誘導放射性核種の lつで、あり、主に高層大気中で窒素原子核と宇宙線中性子との l‑lN(η,p)l‑lC反応により生成される また僅かではあるが、悦素、炭素との 核反応により生成するものもある.
1 4 C
の全地球上で、の生成量は年間約 1PBqであると推定されている[リ] . l ' : C
の生成不は千:宙線強度の変動とエネ/レギースベクトルに密接な関連があり、太陽活動とは逆十日開になっ'ど いることが知られている.宇宙空間から直俊地球に到達する宇宙線を一次宇宙線 (prilllar.'v
co~n1ic
ray)といい、その主な成分は銀河宇宙線 (galacticcosrnic ray)と呼ばれる高エ不ル ギー粒子である.銀河宇宙線の起源は定かでないが.太陽系外宇宙で、の超新星爆発によって 生まれて長い年月の後に太陽系内へ到達するものと考えられ?その 90%以上は陽子e
1‑1)である.これが地球の大気に入射すると大気中の物質と衝突して核反応を起こし、中性子、陽 子. 0粒 子?π 中 間 子 な ど を 次 々 と 発 生 す る こ の よ う に し て 二 次 的 に 発 生 し た 宇 宙 線 粒 子 を二次宇宙線(seconc1arycosrni c ray)という.これらの二次宇宙線は一つの一次宇宙線から シャワー状に生成するため この現象は空気シャワー(airshower)と呼ばれる(図
2 . 1 )
天然の 1‑1Cは二次宇宙線である中↑生子によって主に生成されるため、その生成は二次宇 宙線を生み出す一次宇宙線の強度に依存する.一次宇宙線の強度は一般に太陽活動が活発
になるほど弱くなり?それに伴って生成される l-l C も減少する.これは太陽活動が感ん l~時
期には太陽表面から絶えず吹き出しているプラズマ流、いわゆる太陽臥が応大することに
よって太陽磁場が強大になり、太陽系外からやってくる銀河宇宙線が地球に到達しにくノ なるからである.このことは,黒点数など過去の太陽活動の観測記録と樹木年輪中に記録さ れ た l‑l
C
濃度を比較することにより実際に確認されている[10 11] .またこのことを利用 し て 樹 木 年 輪 や 年 縞 堆 積 物 中 の l‑lC
濃度を測定することにより、過去数千年から数万年に及 ぶ宇宙線強度や太陽活動の変遷を探る試みが続けられている[l・ ] 2 :
様々な誘導放射性該種の中でも人間に対する線量という点で ll‑Cは特に重要な核問と考 えられており 自然起源の 1‑1(:の線量寄与を担握しておくことは人間活動で潔境中に放出
6
‑L
される lt‑
C
の線量を評価する上で重要なことである.2 . 2 . 2 大気中核実験による生成
1945年以降、主に米国と旧ソ連を中心として核兵器の開発が進展し?その性能試験のため の大気中骸爆発実験が合計:5:20回 (8回の水1fT爆発を含む)実施された.その結果人工の 14れ が大量に生成され?大気中に放出された.図2.2に過去に実施された大気中核実験t乃規伎の 年次変化を示す.最初の大気中波実験は,米国が 194:')年7月にニューメキシコ州の砂漠・で 実施したものである. その後 1949 年に旧ソ連、 195 :2年には英国が力[1 わり、特に 19:)~ 年から 1958年までは大規模に実験が行われた.19.59年から 1960年の一時的な実験停止期間を経 て、部分的核実験禁止条約が締結される直前の 1961年.196:2年には,主に米国と 1[1ソ速に より駆け込み的にさらに大規模な阪実験が実施された 196:3年S月に条約が締結された後 はほとんどの骸実験は地下で実胞されるよ〉になりう 1980年11月以降大気中では行われて いない.一連の大気中核実験によって環境中に放出された 14Cは約:2:20PBqであると推症
されている
[ 9 ] .
大気中核実験の影響による環境中の 14C濃度の増加が最初に報告されたのは 1957年の ことである [1:3].その後、多くの研究者によってこの増加傾向の調査が行われ、核爆発実験 の増加とともに環境中の 14C濃度が増大していることが確認された [14] 特に 19G1年から L962年にかけては大規模な核実験が数多く実施され lY6:3年には北半球中緯度地域の大気 中14C濃度が天然レベルの約2倍に達した[1.5、16]. 196:3年以降は年月の経過とともにほぼ 指数関数的な減少傾向を見せており 7現在ではほぼ核実験開始前の LOヲi台の
l " C
レベルに 戻っている [17].大気中核実験により多くの人工放射性核種が生成され環境中へ放出されたが1 ドでも 1・!(J
は人間への集団線量預託を評価する際最も重要な核種であると考えられている.国連科学 委員会の報告によると7核実験により生成された核径の世界人f.Jに対する実効線量預託の 約
1 0
0/0をl‑tC
が占め7最大の寄与核種となっている[ 9 ] (
表2.2).薗L
2 . 2 . 3 原子力施設での生成
原子力施設から放出される気体状の欣射性排出物としてはメ:)1心などの希ガス、 3H ‘ l-~('.
1291などがあるが、特に長寿命で容易に環境中を移動し広範に分布する以穏である I‑I
e ̲ :
I土 地球規模の集回線量を評価する上で重要な核種であると考えられている表2.3、表2.4に世 界の原子力発電所及び使用済燃料再処理工湯から放出された放射性核種の准定放出量を示 す[ 9 ]
国連科学委員会の報告によるとf
勺は原子力胞設から放出された核種からの1 0 0 0 0
年間の集団実効線量の99%
を占めると予測されている.表2.5に、地球規模に拡散した核種 からの1 0 0 0 0
年間の集団実効線量を示す[ 9 ] ‑
現在のところ, l2 0 1
以外の核種については環境 に対する影響は小さいとされ、特に回収処分は行われず脂設から版社:llされてし¥る原子力の 平和利用の進展に伴い?今後 l‑!Cの人間に対する被曝線量における寄与はさらに増大することが予想され?施設周辺での継続的な環境モニタリングが求められている.
14(:は原子力焔設内の構造材、冷却材?減速材?燃料.不純物などの中に存在する炭素?面支 素、窒素などが中性子を吸収することによって生成される
[ 1 8
,1 9 ] .
表2 . 6
に軽水炉ぅ高速炉、高温ガス冷却炉における l‑!C生成の核反応ぅ反応断面積を示す[20].反応(1 )は高氾ガス炉 や 黒 鉛 減 速 炉 な ど 炭 素 使 用 量 の 多 い 原 子 炉 で 重 要 で あ る 反 応
( 2 )
,(3)は燃料、冷却材?構 造材中に不純物として窒素を含む炉ゥ反応 (4)、(.5)は酸化物燃料を使用する炉、冷却材とし て水を用いる炉で重要となる.これらの反応の中で最も大きく l‑ICの生成に寄与するのは 反応(2)でありヲ原子力施設でのl‑ICの生成は、主に反応にあずかる窒素の存在量に依存す る[21].表2.7に原子力発電所,使用済燃料再処理工場における炉型月IJのl‑!C欣出率を示す.軽水炉におけるl‑!Cの生成
l怪水炉で、の l‑!Cの 生 成 は 主 に 炉 心 情 造 材 、 酸 化 物 燃 料 、 冷 却 水 中 で 起 こ る 炉 心 情造材
中での生成はうステンレス鋼、ジルカロイ被覆材、燃料集合体結束材に用いられるニッケノレ 合金などの構造材中に不純物として含まれる窒素の放射化によって起こる また.酸化物燃 料中での生成は、 表
2 . 6
中の反応( 2 )
,( 5 )
によるものであり?燃料中に合まれる宝来.酸素が 生成源である冷却水中では、冷却水中の駿素、溶解している窒素及び笠素化合物が生成問 である.&..̲
原子炉から気体放出される l‑l
C
の化学形は炉型によって異なる.過去の分析例によると.加圧木型原子炉 (P'vVR)から放出される l‑lCの大部分がメタン (CH.1)、エタン(じ1L>)等の 炭化水素であるのに対して沸騰水型原子炉(B¥NR)から放出されるはぐの大部分は二酸化 炭素 (οO
2)である[:2
2 ] .
これは、 P'vVRではカバーガスとして水素を用いる為1‑ICが発生す るときに水素を多く含む雰囲気となり,1 4 C
が炭化水素になりやすいためであると考えられ ている.環境中への放出は、冷却材中で生成された l‑lCは原子力発電所で,燃料中で生成された
l‑lCは使用済燃料再処理工場で放出されると考えられている.情造材中で生成されたl‑lCは 金属材料中に捕捉され?環境中には放出されない
重水炉における 14Cの生成
CANDU
炉ではう1 4 C
の大部分は減速材である重水中のl i O
の放射化によって生成される と考えられている.また?環状炉心ガス (a.nnlllusgas)として窒素が使用されている場合は.その放射化によって
1 4 C
が生成される.生成された1 4 C
の環境への放出はそのほとんどが 原子力発電所でなされると考えられてし1る.黒鉛減速炉における l‑lCの生成
黒鉛減速炉においてはう減速材である黒鉛中の
1 3 C
と不純物として合主れる窒素の放射 化によって大部分の 14C
が 生 成 さ れ る 生 成 し たl‑lC
は黒鉛中に捕捉されるためぅ原子力発 電所での放出は少なく?そのほとんどが燃料再処理工場で放出される高速増殖炉における l‑lCの生成
高速増殖炉では、燃料成分中の酸素仁燃料,構造材中に不純物として含まれる室おわ政 射化によって生成される.構造材中で生成された l‑l
C
はそのまま金属材料中に摘促され環 境中に放出されることはない.燃料中で生成された l‑ICは燃料再処理の過程で環境中に放出される.したがって原子力発電所での放出はほとんど起こらない.
2 . 2 . 4 標識化合物
医学 ・生物学研究および商業用に使用される標識化合物としても 14( ,は生定される そ の生成量の正確な量については不明であるが、年間約O.O
s .
PBqであると推定されている川2 . 3 環境中における炭素 14 の挙動
近年、大気中の二酸化炭素の増加が重大な気候変動を起こす可能性が高いとされ、大気中 二酸化炭素濃度の変動が大いに注目を集めている.このような観点から将来における大気 中二酸化炭素濃度の増加予測が試みられているがうそのためには地球規模で の炭素循環の 解明が不可欠である.
炭素循環の評価にはう自然界を海洋,大気、生物園などの炭素貯蔵庫に分類し各貯蔵庫問 の炭素の移動量や各貯蔵庫における炭素貯蔵量及び平均滞留時間を決定す‑る貯j版1[主モデル (reservoir model)またはコンパートメントモデル(compartll1f'ntD1oclel)と呼ばれるモデル が用いられる [2:3].図2.3に簡単な炭素貯蔵庫モデルの例を示す[24].このようなモデ、ルの 作成には?核実験により生成された大量の14Cが多大な貢献をした.すなわち炭素循環に導 入された核実験起源の I.JCをトレーサーとして各貯蔵庫における 14C濃度を定量すること により、炭素貯蔵庫聞の相互作用の評価が行われている [2孔26ぅ:2
i ] .
このような評価方法では、核実験が実脳される以前の天然
1 4 C
濃度の決定が重要である がう現在ではこの値の基準として 19.50年における 14(:濃度を国際的な天然l.JC
濃度基準として用いることが約束されており,その値は米国 NIST(~ation a.l Institlltf:' of St:ei.lldel.rds (¥Jld Technology)が配布している諺酸試料の 14 C濃度の 0.9.)倍.すなわち1:3.日dpln/g‑Cである
とされている.また、この値は考古学試料の年代測定においても基準として用いられてお り、放射性炭素年代は 19.50年までの経過年数を B.P.と表示して用いる.
環境中に存在する 14 Cは、宇宙線により高層大気中で生成されたものが大部分を占める 大気中で生成された 1.ICは、半減期が .)130年と長いため?安定炭素の移動に伴って各炭素 貯蔵庫に拡散していく.大気や生物園に比べ深層海水で、の滞留時間は長く、そのため大気中 で生成された 14Cは徐々に深層海水中へと移行し吸収されることとなる また lり」ろ年以 降は大気中核実験により大量の 14Cが大気中に放出され.196:3年には天然レベルの約 2倍
10
に達した.その後は大気中核実験の停止に伴なって指数関数的減少を示しているがうこれも
lてが炭素の巨大な貯蔵庫である深層海水中に次第に移行していったためであると考えら れている.図2.4に 北 半 球 中 緯 度 地 域 に お け る 1960年から 1980年にかけての大気中 11‑c'
濃度の推移を示す
[ 2 8 ]
1‑1ぐの生成j原が存在する一方で、Slless効果と呼ばれる L4C濃度の希釈効果が存在する F
れは産業革命以降,石炭・石油などの化石燃料を大量消費することにより 1.~C を含まない
仁leaclcarbonからなる CO2の放出が増加したため?その結果相対的に 1‑IC濃度の低下をも たらしているものである.このような 11‑
C
の希釈効果は.19.).)年に初めてSuessによって報 告され[ 2 9 ]
、以後SlleSS効果として広く知られている 大気中の l‑lC
濃度はSuess効果によ り年間:3%程度希釈されていると推定されている.また都市部と山間部ではしIC濃度にわず かな差が見られ、局地的なS U
E'SS効果として報告されている[:30]環境中 l‑lC濃度の変動要因としてはこの他に原子力胞設からの欣出があるがヲ現時点で は原子力施設からの放出により l‑l
C
レベルの増加が見られるのは施設周辺に限られており [:31ト局地的な影響に留まっている将来的には核実験起源の l‑lC
濃度の低下と原子力焔設の 増加によりう施設からの l勺放出の寄与が相対的に増大していくことが予想されるが1SllE'SS 効果の方が卓越した寄与をする可能性もあり、予想、が困難であるのが現状である.したがっ て環境への影響を考える場合、 1,1('の濃度が今後どのように変動していくか.モニタリングを継続することが重要であると考えられる.
2.4 まとめ
環境中の 14Cには天然起源のものと人工起源のものがある 天然起源のものは高応大気 中で主に宇宙線中性子と窒素原子核との核反応により生成される人工但似のレ})に(‑‑l.;"
気中怯爆発実験によって生成されたものと原子力施設から放出されたものがある以泣}
のl‑I
C
濃度は1960年代初頭に大気中核爆発実験の影響により天然レベルの約2倍にまで哨 大した.その後は徐々に減衰し、現在では天然レベルの約 10%増のレベルになってし、る炭 素が生物の主要な構成元素であり守 l‑lCの半減期が長いことから守長期的な人類に対す・る被 曝線量中の l‑lC
の寄与は最大であると予測されている.将来的には抜実験起源成分の低下11
直&...̲
に伴い原子力施設から放出された l‑4
C
の寄与が増大すると考えられヲ胞f没周辺での経常γ1/J な環境モニタリング、の実施が求められている12
. . . ̲
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表 2.1:炭素の同位体
n u c l i c l e n a t u r a l h a l f l i f e c l e c a y n l o c l e n l a X l f f i L l r n a b u n c l a 町ぞ(%) e n e r g y ( I v l e V)
lO C~
1 9 1 s e c / 3
キ1 . 9
l l C 2 0 . 4 l n i n ( 3
十0 . 9 8
12C~
98 . 89 s t a b l e
L3
C 1 . 1 1
月
t a b l e
l‑!C
1 . 2 X 10‑ 1 0 5730
y jj‑
0 . 1 5 6
15C~
2 . 5 s e c / 3 ‑ 9 . 8 2 、 q . 5 1
1 6 C 0 . 7 5 s e c , 3 一 、 n
戸ハU
BEEa
置&..̲̲
表2.:2:大気中被実験で放出された核種による世界人口に対す る 実 効 線 量 預 託
核 種 実効線量預託 総寄与
( p . 5 u ) 1 OO o / c
J 14 (~ を含む1 0 ( ! c
1‑lC
を含む 14 (~2580 , 0 1 9
1 :31 (~s
470 1 3
。。i})90S1'
110 3 . 0 8 . 1
95Zr
87 2 .
<‑16 .
<‑1106Ru
69 1 . 9 5 . 1
54rvln
57 1 . 5 4 . 2
144(¥ぞ
5 2 1 .
<‑13 . 8 5 1 1 . 4 3 . 8
3H
4 , 1 . 3 3 . 5
95Nb
4 1 1 . 1 3 . 0
12:5Sb
28 0 . 1 2 . 0
2~9Pl1
1 8 0 . 5 1 . 3
140Ba
1 6 O .
c.l241 Anl
1 5 O .
‑‑f1 . 1
10:3R U
1 3 0 . 3 0 . 9
:
240pU
1 2 0 . 3 0 . 9
5 5 F e 8 0 . 2 0 . 6
241pU
5 0 . 1 0 . : 4
。
9S1・3 0 . 0 9 0 . 2
91
y ‑ 3 0 . 08 0 . 2
141 (~e
0 . 0 4 0 . 1
238pU
0 . 0 2 0 . 0 3
合 計 3700 100 1 0 0
表 2.:3:世 界 の 原 子 力 発 電 所 か ら の 欣 射 性 核 種 推 定 欣 出 盈
核 種 放 出 量 (TBq)
希ガス
3 1 6 0 0 0 0
3H 6 5 8 0 0
14C~
1 1 4 0
4 ‑ ‑
1.7
粒子状物質 1 7 . 7
3H (液体) 7 1 7 0 0
その他(液体) 7 5 9
表 2.4:世界の燃料再処理工場からの放射性被種推定放出量
核 種 放 出 量 (TBq)
:3H
l t l C
前
. 5 1 ¥ : 1
・1 : 3 7 Cs 9 0 S r 1 0 6 R u
空気浮遊性排出物 液体排出物
5 8 9 0 2 4 3 1 3 1 8 0 0 0
0 . 4 1 3 . 7 4 . 7
4 9 1 0 0 5 4
3 . 9 3 0 6 0 0
5 8
‑‑10 1 5 9 0 0
表
2 . . 5 :
地 球 規 模 に 拡 散 し た 放 射 性 核 種 の 推 定 放 出 量 と1 0 0 0 0
年間の集団実効線電;核 種 放出量 (TBq) 集団実効線量(人 S v )
:3H1 9 3 0 0 0 1 8 0
14C
1 4 4 0 1 2 2 0 0 0
8 51
丸、1 3 1 8 0 0 0 2 6 0
1:2
9 1
‑‑1.3
18
表 2.6:種々の原子炉におけるl‑t
c
生成の反応断面,隙核 反 応 反 応 断 面 積
( n l b )
熱中性子
L¥VR L l ¥ t IFBR HTGR ( 1 ) 1 3 C ( η 刀)
14C~0 . 9 1 . 0 0 5
X1 0 ‑ 4 0 . 4 2 ( 2 ) 1 4 N ( η , p )
14C~1 . 8 x 1 0 : 3 1 . 4 8 x 1 0 :
31 2 . 6 1 . 0 2 x 1 0 : 1
( 3 ) 1 5 N ( η. ' d )
14C~。 。 1 . 0 。
( 4 )
l6O(
凡3 H e ) 1 4 C 。 。 5 x 1 0 ‑ ) : o
( 5 ) 1 7 0 ( η
ヲα )
14C~2 . 3 5
X1 0
21 . 8 3
X1 0
:20 . 1 2 1 . 1
X1 0 : !
炉型
表 27:核燃料サイクルにおける推定14('放 出 率
c i j G ¥ V ( e ) y
燃 料 再 処 理 工 場 原子力発電所
1 0
合 計
L
九;YR FR G I v 1 R H
も;YR
2 0 1 0 300
3D 1 0 3 0 0 6 5 0 6 5 0
︒
J・11AA
20 卜
14CQ2子 粒
AJ宮 市
Y
/ 精 一
¥
lvO
パ
庖 水 '
宙 ' 宇 子
r
・ 次 性 一
km 中
30
t
14
N( n , p )
14C
、
成層圏
1 0
対流圏
地表
図 2.1: 宇宙線による空気シャワーと l~C の生成
2 0
何 己 一 戸 一 ハ ﹀
ω υ c c
﹂比
X コ
ぽの のコ
︿
ω コ
図口車口臼
Cコ
c o
Cコ
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寸
o
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luale八~nbalNl) s l s a l uodeaM J e a l
:JnN
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O F Cコ
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︒ ド ∞
F的ωOF ﹂向︒
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ぬ 持
Q諜
川学
問符
Q話
‑ w m M
m 特
Lu Mm vh
けに︑兵拘団内
wm 図N.N一刑判明川u一
成 層 圏
対流圏
陸上生物園
混合層 腐植土
深 海
図 2.3:炭素循環の貯蔵庫モデルの例 つつ
︒ ∞
o v
∞
hhoF終報
Q M
判謎
主眼
出岳
民︑
νh
e
乞 川
一 ち ∞
1 C C 2
一マ.N図 ( . 0
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Nド∞F
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1.0
わ4
Cコ
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2:3
第 3 章 従来の炭素 1 . 4 濃度測定法
3.1 固体炭素 G M 計数管法
1950年代の放射性炭素年代測定の禁明期には、円筒形のスクリーンウオールガイガ一計 数管 (screen‑wallGeiger counter)と 呼 ば れ る も の が 測 定 に 用 い ら れ た 川 こ れ はC0.1計数 管の円筒の内壁に試料炭素から調製したアモルフアス炭素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム たどの固体試料を塗布して,13線を計数する方法であるが.計数効率の低さ(約:j(i(,)、パッ クグラウンドや試料の自己吸収による誤差などの問題により、現在では用いられてし¥ない
3 . 2 気体比例計数管法
固体炭素 GiVI計数管法に代わって低レベル14C放射能測定に普及したのが気体比例計数 管法 (internalgas‑proportional counti ng)である.この方法では, /3線の自己吸収をなくす ため試料炭素から二酸化炭素(C02)、アセチレン (C2H2)問、メタン(C'H..j)
[ : 3 ]
、エタン (C'2Hn) などの充填ガスを合成して測定する.この方法は検出器や電子部品の進歩とともにパック グラウンドの低減などの改善が為され,考古学試料の年代測定や地球科学的な~境測定などに広く用いられてきた.この方法の長所としては.加速球質量分析法並みの向精度が得ら れることが挙げられる.また欠点としては?気体試料を測定するためその合成や精製の化学 操作が非常に煩雑であることが挙げられる
3.3 加速器質量分析法
前節までに述べてきた測定法は全て 14C から放出される ,13線を計測することにより試料
1."‑
' 1
の l..JC
濃度を求めるという間接的な測定法である.一方加速器質量分析法は1試料中のI‑I(。の数を直接計測するという直筏的な測定法である.この方法で は試料炭素ーをイオン化
し、粒子加速器により数
Y I e V
のエネノレギーを付与した後.粒子の質量・エネルギ一分析が 行われ、 1‑1ぐと 13Cの比を電流強度により測定するH ] .
加速器質量分析法の長所としては、測定に必要な炭素の量が数lUgですむこと 測定時間 が数時間と短いこと7パックグラウンド言十数が非常に少ないため高精度な測定が可能であ ることなどが挙げられる短所としては,大型で非常に高価な胞設が必要であり ?また装置 が複雑なため保守に大変な手間がかかることが挙げられる.
現在では世界各地に施設が建設され?非常に高精度な測定を必要とする地球科学的な環 境試料測定や考古学試料の年代測定などに多く用いられている
3.4 液体シンチレーション法
3 . 4 . 1 液体シンチレーション法の特徴
1 9 7 0
年代から普及しはじめた液体シンチレーションカウンタ( l i q u i d s c i n t i l l a t i o n c o u n t e r )
による l‑‑lCの測定法は?現在では考古学試料の年代測定や環境試料の測定などに忌も広く 用いられている方法である.液体シンチレーション測定では、測定試料を有機液体シンチレータ(蛍光体)と混合して パイアルと呼ばれる測定容器に入れ7試料から放出された放射線が蛍光体を励起して生じ た微小発光を光電子増倍管で電気信号に変換し放射線を計測する(図3.1).
液体シンチレーション法の長所は、試料を液体シンチレータ中に直後混和させて測定を 行うためぅ試料が液体シンチレータに微視的に包囲されていて自己吸収がなく、
~1
ii計測が 可能であることや下多量の炭素を測定試料中に導入することが可能なため.統計的に点結J I
な測定が可能なことなどが挙げられる.現在最も一般的に用いられている測定法l士、試料炭 素からベンゼン
( C
6H
6)を合成して測定する方法で、ベンゼン合成装置なども市販されており、考古学試料の年代測定や環境試料の測定などに広く用いられている
3 . 4 . 2 液体シンチレータの発光機構
液体シンチレータの主成分は 有機溶媒および溶質(蛍光体)である
[ 5 .G ]
有機溶媒は液 体シンチレータの最も多量を占める成分であり、現在ではトルエン(c了t J I s
Cfh)やキシレン2ろ