5 . 1 測定試料
本研究で開発したゲ、ル懸濁法の基本的な特性を知るため、標識された炭般カルシウム原 準試料を用いて実験を行った.
測定試料として用いられたのはう市販の 1‑t
C
標識試料:'‑Ia f I
1.IC0
3カミら合成した炭椴JJし/シウム標準試料
e
勺比放射能:4G8.2:dpmj g‑CaC'03)である.支たノくックグラウンド測定j十j の試料としては、大理石から調製した炭酸カルシウム試料を用いた.これは?大理石は~l~J;たされてから数千万年を経ており そこに含まれる 1叱 は全て崩壊してしまっていて.いわゆ るくleaclcarbOllになっているとみなせるからである
5 . 1 . 1 炭酸カルシウム標準試料の生成
炭酸カルシウム原準試料は以下のような手)11員で生成した
[ 1 ].
l. 1・lCで標識された炭酸水素ナトリウム水溶液から必要量を分取しう水で希釈する.
:
2. 1.1 Cを含まない炭酸水素ナトリウム(試薬特級)を正確に秤量して加え句 、│分に涜伴する.
:3.庖化アンモニウムを加えヲ pHを10.:)に調整した後.担{七カルシウム7ki術伎を加えてんし 隊カルシウムの沈殿を生成させる.
'1.生成した沈殿を .500
C
に力日泊して熟成させるf).沈殿をj慮見IJして回収し、洗浄した後 1100( 'で乾燥させる.
5 . 1 . 2 バックグラウンド測定用試料の生成
パックグランド測定用試料は、以下のような手順で試薬大理石より生成したい
l
l試薬大理石に6川
0 1 / 1
i釦殺を加えて表面を溶解させ 表而に吸着してし,¥る 11('を除去す‑る:)・3
:2.大理石を粉砕し1再び6rnol/l塩般を加え,二酸化炭素を発生させる
C
<1CO .
1+ 2H
C'1 ‑ → CaC I
2+ ‑ f bO + ( ' 0
2:
3発生した二酸化炭素を :3mol/lノ
k
酸化ナトリウム水溶液に吸収させ出集する.2N
孔OH + CO
2‑ → Na
2C O .
1十H
20
:L二回変化炭素を捕集した水酸化ナトリウム水溶液に塩化アンモニウム
(NH
4C l )
を加え、pHを10..5に調整する.pHが10..5より高し¥と?以下の過程で炭酸カルシウムを生成す る│祭尺水酸化カルシウム(仁川
OH
)2)が生成され、 10.5よりも低いと定量的に沈殿が生 成されない•• ' )
.塩化カノレシウム水溶液(20w/v%)を加え,炭酸カルシウムの沈殿を生成し1;')OOC̲: :~ミマ)Jíl 温する.
N
a.2C'0
3十CaCh ‑ → C
a.C0
1+ NaCl
6. 1 時間ほど.500Cに保って静置し 沈殿を熟成させる.
,
.沈殿をj慮別して回収し?蒸留水で、数回洗浄する 8.炭目安カルシウムを電気炉(1100C)で乾燥する.以上の操作で使用する水は、大気中の二酸化炭素の影響を除去するためあらかじめ :30 分程度窒素バプリングを行うか 煮沸して容存する二酸化炭素を
; s
い出してから陀Jl門『る図5.1に大理石分解及び、二酸化炭素生成捕集装置を示す
5 . 2 測定結果と議論
5.2.1 バイアル容量と自己吸収ファクターの関係
バイアル察量と自己吸収ブアクターの関係を調べるため、符
5 2
が1 f t !
よる :3H :
丸i :
,j)ノミイアfレ (i 177.1, 20 ml、100ml)を用いて測定を行った.その際?シンチレータ溶媒i'117120m!,100m/を 入れたそれぞれのパイアルに 炭酸カルシワム標準試料を最大限度支で同じ割合で力rJえにところ、その最大限度はそれぞれ2.1g、6.旬、:30.0gであった.測定によって得られたスベク トルを図5.2に,測定結果を表5.1に示す.
図5.2より .バイアルの容量が増すに従って
θ
線スペクトノレは低波向側に変位しており、クエンチングの影響が大きくなっているこ々が分かる.これはパイア/レの |λ]βq'(ïl)~1刊すほ
;')6
ど.パイアル内で発生した蛍光光子がバイアル外部に出てくるまでの問に吸収されて失わ れてし支う割合が大きくなるカミらであると考えられる
5 . 2 . 2 炭酸カルシウム試料の重 量 と自己吸収ファクター
次に パイアル中の炭酸カルシワム試料の量と自己吸収ファクターの関係を調べるため パイアル中の炭酸カノレシウムの量を変化させて測定を行った.バイアルは容量20mlのもの を用い、液体シンチレータを 20m!入れ,炭酸カルシワム試料はほから 6gまで変化させて 試料を調製した.
結果を示したのが表5.2及 び図5.3である 図 5.3より自己吸収ファクターの値はほぼ
7 0 (
i(,となっているが、これは炭酸カルシウム粒子からd
線が放出される際に少えよく ともがj:30%は既に自己吸収により失われてしまっているものと考えられる.また が摘をカルシウム 試料の亘量が増すに従って徐々に減少する傾向が見られるが, これは炭酸カルシウム粒子内 での自己吸収のほかに?一度炭酸カルシウム粒子から欣出されたグ線のエネ/レギ』ーやそれ によって生じた蛍光が他の炭酸カルシウム粒子によって再び吸収されてしまう割合が大き
くたるからであると考えられる.図5.4ぅ図5.5は測定によって得られた/1線のスペクトル を示したものである.この図からも.炭酸カルシウム試料の重量が土台すに従って白己吸収お よびクエンチングの影響によりスベクトルがわずかに低波高倶]1に変位する様子が見られる
5 . 2 . 3 炭酸カルシウム粒子の自己吸収ファクター
自己吸収ファクターは?個々の炭酸カルシウム粉末粒子内で発生したd線が炭猷カルシ ウム中を通過す る 際 に エ ネ ル ギ ー を 損 失 し 吸 収 さ れ る 割 合 を 表 す も の で あ る 従って
n c !
l吸収ブアクターは炭酸カルシウム粒子の粒径に依存するものと考えられる.主だ i~iltf/ J人
シウムの密度は従来ゲ、ル懸濁J?J!J定に用いられてきた炭酸ノ〈リワムに比べ小さく、 1]己吸収 の影響はより/J、さいと考えられる.そこでこれらのことを確認するため、
T
soulfellliclisの力 法[:3]により数値計算を行った.炭酸カルシウム粒子の形状を半径
R
の球であると仮定する(図5.6) またJ
線の減哀に 関しては近似的に指数関数的減衰を仮定する 図 5.6よりう球部上におけるJ
線の[j11.¥を,) (
φ s
とすると、φ s
は次のような式によって表される.。 S~~
' j
R( r r
~π 7.2d川 n1fd()5
二五五百んん
4iT S2 exp( ‑pS) (三1) ここで、S
二 試 料 粒 子 の 放 射 能 (βpartides/ sec.)である.またsはS = (1・2十
R
2‑27、Rcos
fJ)1/2 (:).2 )である.減 衰 係 数μはう β線 最 大 エ ネ ル ギ ‑Em(IvIeV)の関数として核種によらず次のよ うな式で表されることが経験的に知られている
[ 4 ] .
μ
わ
772/人:g)= 1.7E 二
1.1I ( .':).:j )減衰のない場合にはう(1 )式より
J
線日UX00は,ゆo= 3:
S / 8
πn
2 (3.;) 自己吸収ファクター (SAF)はSAF=の
/ 9 0 x
100( : ) . : s
と表せるから (.5.1)(5..2)(ろ4)式より、半径Rの粒子の自己吸収フアクターは、
100
r
Rr
π?、'2(!T sin OdfJSAF二 一 一 I I
R んん
S2 e:xpl‑μ5)
(.5.G )
と表される.式(5.6)を炭酸カルシワム?炭駿ノくリウムについて半径
o ' " " ‑ '
100μIi1まで数 値計算を行い,結果を示したのが図5.7である その結果、明らかに炭険カルシウムのほ〉が自己吸収の影響が少なくうゲ、ル懸濁?去に用いる試料の化学形として佐れていることがう〉
かった.
5 . 2 . 4 経時安定性
ゲ、ル懸濁法により調製した試料の経時安定性を調べるための測定を行った?J!IJ
1 f
(こ用いた試料は2:0117.1パイアルに炭般カルシウム標準試料を:3g封入したものである 外られた結 :)8
果 を 図5.8に示す.ゲ、ル懸渡濁
1
1.法去によつて調;製E
製2
された試料を測定定.して?得与られた;訂1 . 1
倣汝乎不qは士、 i試詰汰式;ご1
判r
判F司!3
淵1司
1
吟生製1
山!直直釘f
後灸から 2年以上にわたつて統計誤差のi範t
範E
囲内で一致し1非常に安定であることがノヌさ れた.このことは7測定試料として炭酸カノレシウムという非常に安定な化学形を用いている ことに起因する大きな長所でありうべンゼ、ン合成?法去などの従来の方方‑1.法去は試料白身'乃符符d
完旨色引i引件'i'' により長期にわたる j潰測R
興則lリ定の継続や(保呆存には適していない.5 . 2 . 5 試料調製の再現性
ゲル懸濁法により試料調製を行う際司ゲ、ル生成過程で、ゲ、ノレ中に混入するわずかな気泡や ゲ、ル中での炭酸カルシウム粒子の分布の偏りなどが測定試料の再現性に影響を与える可能 性 が あ る そ こ で 試 料 調 製 過 程 の 再 現 性 を 確 認 す る た め 4つの測定試料を調製しそれぞれ について2回 ず つ の 測 定 を 行 っ た 測 定 試 料 に は 炭 酸 カ ル シ ウ ム 標 準 試 料 を jgずう用いた 測 定 結 果 を 示 し た の が図5.9で あ る 誤 差 棒 は 統 計 誤 差 (1σ)を 示 し て い る 測 定 値 の 平 均 値からのばらつきの程度から算出した標準偏差は相対値で0.74%で あ り 総 計 数 か ら 算 出 し た 統 計 誤 差 の 相 対 値 はO.il/rJであった.本方法により得られた測定値は誤差の範間内で̲.
致し,ゲル惣濁法による試料調製には十分な再現性があることが分かった.
また、測定試料の iつを再加熱して一度ゲノレを溶解し.再び試料調製過程を繰り返して;}!ii̲
定試料を作成し、測定を行った.その結果もともに図5.9中 に 示 し て あ る 得 ら れ た 測 定 値 は誤差の範囲内で一致し,本研究で用いられた試料調製手jI慣により炭酸カルシウム試料が バ イ ア ル 中 に 再 現 性 よ く 均 一 に 保 持 さ れ て い る こ と が 分 か っ た.
5 . 2 . 6 最適測定条件
本方法を用いた測定における最適測定条件を検討するため、 flgllJ仔oftllP.l' i t U)
r h f ; : ! i
を,‑〆) た Figureof 11lE'ri t( FO l¥tI)とは, 測定系における統計精度の良さを去す性能指数であり、 JiX 体 シ ン チ レ ー シ ョ ン 測 定 に お い て は 一 般 に 次 の よ う な 式 に よ り 表 さ れ る わl
FO
1¥1 =E ! .
1.[2/ B:jg
この式においてEは測定試料の測定効率 ((XJ)、Mは試料の重量 (g).11はパックグラウン ドの計数率(cpm)で あ る 与 え ら れ た 測 定 時 間 内 で の 相 対 誤 差 が
J
改小となるとき 自311、 J[i' tnfTi L は最大となる.本研究で得られた測定結果より計算した figurf'of meri tを表 5.3に 示す¥表 5.3より?測定に容量100m!のバイアルを用いた場合司クエンチングの影響が大きくな るため相対的に測定効率が下がる.しかし,多量の試料を測定に供することが できるた め 結果的に figureof meri tは大きな値となっている.したがって、測定試料を多量に朋し,¥るこ
とができる場合はヲ 100mlパイアルを用いて測定することが望ましいことが分かる.
:
20 m!パイアルを用いて測定を行った場合、パイアル中の炭酸カルシウムの量が増すにし たがって計数効率は低下するがヲやはり匂ur行、ofnleri tは増加している.これはパイアル 中の炭酸カルシウムの量が変化しても7計数効率 (E)やノ〈ツクグラウンド計数率(B)が大き く変化しないためであり 7 このことからも figure0 f lneri tが主に試料最良( [ ¥l)に依存しス いることが分かる 2:0 mlバイアルは.液体シンチレーション計測において五去らす;1わ:01こ刑 いられるパイアルで、あるが、この場合でもできるだけ多量の試料を測定に供することによっ て統計精度の向上させることが可能であると考えられる
容量:imlのバイアルを用いた場合は,計数効率は20mlパイアルを用いた場合と比べわず かに改善されている.しかし、少量の試料しか測定に供することができないことやノくックグ ラウンド計数率が高いことなどから〉結果的にfigureof meritは 減 少 し て い る バ ッ ク グ ラ ウンド計数率が他のパイアルを用いた場合に比べ非常に大きいことの原因としては、グロ ストーク成分の増加が考えられる.クロストークとは、 2個の光電子上旬倍管が 1800方向に対 向して設置されている場合に、 l個の光電子増倍管の中で発生した光が他の光電子i曽倍管に も感ずる現象で.これにより両光電子増倍管より同時出力が生じてバックグラウンドの原 因となる