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正 極 側 の 条 件 ① 正 極 側 の 条 件 ② 正 極 側 の 条 件 ③

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Academic year: 2022

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(1)

O2

H2O

外部抵抗

セパレーター

負極(anode) 正極(cathode)

e-

H+

基質 (電子供与体)

微生物

e-

CO2 H+

1 微生物電池の原理

1 初期の試料配合と実験条件

刈草 腐葉土 EM菌 水

70g 140g 15g 140g

正 極 側 の 条 件 ① 正 極 側 の 条 件 ② 正 極 側 の 条 件 ③

開 放 湿 潤 (水 供 給 ) 密 閉 (ラ ッ プ ) 有機系廃棄物を用いたコンポスト型微生物電池の性能に及ぼす正極側の条件の影響

九州大学大学院 学○鐘ヶ江隆行 九州大学大学院 正 安福規之 正 大嶺 聖

1.研究背景

現在、循環型社会の構築のためには大量に発生する焼却灰、産業副産物および有機系廃棄物の有効利用技術 が求められている。本研究では、有機系廃棄物を用いて、微生物の堆肥化により電気を発生させる微生物電池を開 発する。微生物電池とは、微生物の有機物分解を利用して、有機物の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直 接変換する装置である。有機系廃棄物は微生物の酸化作用により分解されるため、使用後は土壌及び地盤材料と して活用が期待される。すなわち、発電効果を持つ廃棄物の新たな処理、活用法の提案を行い、微生物電池の開 発と性能の向上を目指す。

2.微生物電池の仕組み

微生物電池は、微生物が有機物を酸化分解する際に発生する電子を固 体電極が受け取り電子は外部抵抗を通過する際に仕事を行い、正極に移 動する。それぞれの電極における電気化学反応は下記の式のようになる。

電極での電位差に伴い電圧が生じるのである1)

O cH ce

cH cO

ce cH bCO O aH O H Cx y z

2 2

2 2

2 1 2

1 + + →

+ +

→ +

+

+

正極:

負極:

(

a , b , c

は任意定数)

3.コンポスト型微生物電池

微生物による有機物の嫌気分解を用いた微生物電池は、近 年研究が進んでいる。多くは廃水などを利用した水相における 装置で行われている。本研究では固相における有機物のコンポ スト化を用いた微生物電池の開発を行い性能の比較を行った。

性能を比較する際、発電の継続時間と負極の電極表面積当たり の最大発電力を用いた。

3.1.実験方法

図 2に実験装置を示す。これまでは試料(負極側)と活性炭の

間にセパレーターを使用してきた 2)。しかしセパレーター無しの方が高い電圧を示したので、今回はセパレーター無 しで行った。アクリル板で作製した容器(10×10×5cm)に表1の混合試料を電極の炭素繊維(負極)とともに密に詰め た。そして混合試料の上に,活性炭,正極の順で載せ,電極をつなぎ合わせた。このときに発生する電圧を 10 分間 隔にテスターで測定した。負荷としては,51Ωの抵抗を用いた。

3.2.実験条件

まず表1で示したように試料には、有機系廃棄物の代用として ミキサーした刈草、微生物の住処となる腐葉土、嫌気分解を行う 有用微生物群として EM 菌、そして含水比調整のために水を用 いた。この混合試料を用い、一つ目の条件として 28℃一定であ

る恒温器の中に図2 の実験装置をおき測定を行った(条件①)。二つ目の条件においても 28℃一定である恒温器を 用いた。しかし条件①と違いファンが付いているため風がおき、試料が乾燥しやすい状態である。そこで試料からろ 紙を垂らし、そのろ紙を水につけ常に水が供給できるようにして測定を行った(条件②)。ここまで微生物電池では正

測定器 抵抗51Τ

試料

正極 活性炭

負極 アクリル容器

重り

2 実験装置

土木学会西部支部研究発表会 (2010.3) III-004

-335-

(2)

-0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2

0 2 4 6 8 10

条件①(開放) 条件②(水供給)

経過時間(day)

電圧(V)

3 条件①と②の電圧の経時変化

-0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2

0 2 4 6 8 10

条件②(水供給) 条件③(ラップ)

電圧(V)

経過時間(day)

4 条件②と③の電圧の経時変化

0 50 100 150 200 250 300 350

0 2 4 6 8 10 12

条件①(開放) 条件②(水供給) 条件③(ラップ)

電圧(mV)

電流(mV)

5 電流‐電圧直線

2 負極の電極表面積当たりの最大発電力

(測定開始20時間後)

条 件 ① ( 開 放 ) ② (水 供 給 ) ③ (ラ ッ プ )

mW/m2 34.69 11.23 56.88

極に酸素が必要であるため、図2の実験装置のまま測定を行った。しかしこの状態では試料の表面が空気に触れて、

試料の表面から次第に酸化されるため、嫌気状態から好気状態になると考えられる。したがって、三つ目の条件とし て、試料内を嫌気状態に保つため実験装置をラップで覆い、28℃一定である恒温器内に実験装置を置き測定を行 った。ただし、電極からのびた導線をラップに穴を開けて測定器に繋いでいるため、完全に密閉した状態ではない (条件③)。

3.3.実験結果・考察 3.3.1.発電の継続時間

図 3 に条件①と②の電圧の経時変 化を比較したグラフを示す。両条件と もピークの電圧の大きさはほぼ等しい。

しかし条件②の方が長時間発電して いることがわかる。これは条件②で測 定途中に加水してることで、微生物が 働きやすい含水率を保てていたこと

が要因であったと考えられる。コンポスト型微生物電池において含水率の保持 が重要ということがわかる。

次に、図4に条件②と③の電圧の経時変化を比較したグラフを示す。条件③ の方が電圧のピーク値は大きく、発電の継続時間も長いことが見て取れる。ま だ条件③は測定を続けている段階であり、継続時間はどのくらい続くかわから ないが予備実験で行ったほぼ同じ条件では、約3週間はプラスの値を取り続け た。よってその程度の継続時間が期待できる。ここで条件③は測定中に加水す ることなく、初期の試料だけを用いラップによって水分の蒸発を防いでいる。そ れにより発電の持続性が伸びたと考えられる。またラップで覆われることによっ て試料内が完全に嫌気状態に近くなったため、嫌気性微生物のみが活発に働 く状態になり電圧のピーク値も高くなったのではないかと考えられる。

3.3.2.負極の電極表面積当たりの最大発電力

測定開始 20 時間後に全条件の抵抗の大きさを変え電圧を 測定した。それにより求まった電流‐電圧直線を図 5 に示す。

図5のグラフの傾きは内部抵抗、切片は起電力を示している。

また電流‐電圧直線より測定時の最大発電力が求められ1)、負

極の表面積が0.01m2であるので負極の電極表面積当たりの最大発電力が求まる。それを表 2に示す。この値が微 生物電池を評価する最も一般的なパラメータである。表2より条件③が最も大きな値を取っていることがわかる。3.3.1 でも述べた通り条件③では微生物が働きやすい含水率を保ち、試料内が嫌気状態に保たれたことで微生物の有機 分解がスムーズに行われていたと考えられる。ただし条件②の値が条件①よりも小さい原因として、図3より分かるよう に電圧が変動しており、低い電圧のときに測定したためであると考えられる。

4.まとめ

本実験では、コンポスト型微生物電池における試料の乾燥速度と試料内の状態の違いによる条件での影響を検討 した。コンポスト型微生物電池では適度な含水率を維持し、試料内をほぼ嫌気状態に保つことで電池としての性能 が向上することが明らかとなった。今後さらなる電力の向上のため様々な条件で検討していく予定である。

参考文献)1) 監修:池田篤治 バイオ電気化学の実際-バイオセンサ・バイオ電池の実用展開- シーエムシー出版p303‐314「微生物燃料電池 の最新の進歩」2007 年 2)鐘ヶ江隆行 大嶺聖 安福規之:「有機系廃棄物の分解に伴うコンポスト型微生物電池の開発」

土木学会西部支部研究発表会 (2010.3) III-004

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参照