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4 条件付きの極値問題 その4 問題演習
4.1 極値の候補点が判定出来ずに残った場合
例題4.1 (富山大H16) x2+y2= 1の条件のもとで、関数f(x, y) =x3+y3の極 値を(ラグランジュの乗数法を用いて)求めて下さい。
この問題は一見何の問題も無くLagrangeの乗数法と閉曲線(円周)上の連続関数の 性質で片が付くように思われますが、実際にやってみると極値の候補が思いのほか沢山 あり、最大値・最小値に相当する点は良くてもそれ以外の候補点について別の判断をし なければならず案外難しいですね。
【Lagrangeの乗数法による候補点リスト】
ここは今回の話のメインではないので省略します。普通に計算すれば特異点はなく、
6点の候補点が得られるでしょう:
(0,±1),(±1,0), µ
± 1
√2,± 1
√2
∂
(複号同順).
【円周上の連続関数の性質による選別】
g(x, y) =x2+y2−1とします。条件式g(x, y) = 0の表す曲線は円周です。連続関数
f(x, y)は円周上で最大値と最小値をもち、それらは同時に極値ですから、さっき求め
た極値の候補の中に最大値と最小値が入っている事になります。そこで各点での関数値 を計算すると
f(0,±1) =f(±1,0) =±1, f µ
± 1
√2,± 1
√2
∂
=± 1
√2
ですから、点(1,0),(0,1)で最大値かつ極大値1、点(−1,0),(0,−1)で最小値かつ極小 値−1をとる事が分かります。
【残りの候補点の吟味】
しかし残念ながらまだ候補点が2点残っており、これらが極値かどうかはまだ判定さ れていません。この場合も条件式の表す曲線が閉曲線でなかった場合と同様に、陰関数 定理を使って(ローカルに)1変数化して計算する方法でやってみましょう。
問題の2点≥
±√12,±√12¥
では、gy6= 0となっていますからこの2点の近くでyをxの 関数で表すことが出来、それをy=y(x)と書く事にします。この点の付近でg(x, y(x)) = 0が成り立つのでこのy(x)の微分は
x2+y(x)2−1 = 0
2x+ 2yy0= 0 すなわち、 y0=−x y
です。そこでローカルにφ(x) =f(x, y(x)) =x3+y(x)3 と置いて1変数化すれば φ0= 3x2+ 3y2y0= 3x2−3yx, φ00= 6x−3y0x−3y= 6x+ 3x2−y2
y であり、問題の2点では(x=yであることに注意すると分かり易いです)
µ 1
√2, 1
√2
∂
では φ00>0, µ
− 1
√2,− 1
√2
∂
では φ00<0 となっていますから、前者は極小値、後者は極大値です。
【結論】
以上から求める極値は以下の通り:
極大値:(1,0),(0,1)での1、≥
−√12,−√12¥
での− 1
√2
極小値:(−1,0),(0,−1)での−1、≥
√1 2,√1
2
¥での 1
√2
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Exercise
【条件付き極値 近年の編入試から】
基本演習 1 (佐賀大18) 次の条件g(x, y) = 0のもとで関数f(x, y)の極値を求め て下さい。
g(x, y) =x+y−1, f(x, y) =x2+y2
基本演習2 (筑波大25) 実変数x, y, zがx2+2y2+3z2= 6を満たすときf(x, y, z) = xyzの最大値と最小値を求め、その時のx, y, zの値を示して下さい。
基本演習 3 (電気通信大17) (1)xy−平面内の曲線f(x, y) =x3+ 3xy+ 4y4
−x−4 = 0上の点(2,−1)におけるこの曲線の接線の方程式を求めて下さい。
(2)点(x, y)が条件y2−x2−1 = 0を満たしながら動くときの関数f(x, y) = y3+ 2xの極値を求めて下さい。
基本演習 4 (山梨大22) f(x, y) =x2+xyとします。x2+y2= 4を満たす(x, y) でのf(x, y)の最大値と最小値を求めて下さい。
基本演習 5 (筑波大21) g(x, y) =x2+ 2y2−1 = 0, x, y ≥0の条件の下で関数 f(x, y) =xyの最大値と最小値を求めて下さい。
基本演習 6 (東京農工大26) x2+y2= 1のとき、関数f(x, y) =x3+12y2−2xの 最大値と最小値を求めて下さい。
基本演習 7 (新潟大25) 条件x2−4x+ 2y2−4y+ 3 = 0のもとで、関数g(x, y) = x+ 2yの最大値と最小値を求めて下さい。
基本演習8 (筑波大18) 関数f(x, y) =x0.6y0.4の値を、条件x+y= 4, x≥0, y≥0 のもとで最大化するxとy の値を求めて下さい。
発展演習9 (大阪大24) (1)実数を要素とする行列A=
√a b b c
!
が異なる固有 値を有するための条件を求めて下さい。またそのとき、異なる固有値に対する固有 ベクトルが直交することを示して下さい。
(2)2次曲線7x2−4xy+ 7y2= 9の概形を描いて下さい。
(3)x2+y2= 1のとき、関数f(x, y) = 2x2+dxy+ 3y2の最大値と最小値を 求めて下さい。ただし、 dは実数の定数とします。
発展演習10 (名工大17) Nを正の数として、xyz空間の部分集合 TN ={(x, y, z) | x+y+z=N,0< x, y, z < N} を考え、正の数p, q, rを用いて関数fp,q,r(x, y, z) =≥p
x
¥x
· µq
y
∂y
·≥r z
¥z
をTN上 で定義します。
(1)fp,q,rの自然対数として定義される関数logfp,q,r(x, y, z)の極値をラグラ ンジュの未定乗数法を用いて求めて下さい。
(2)TN 上で定義された関数fp,q,rは、TN 上のある点(x, y, z)において最大値 をとる事が知られています。この事を用いてfp,q,rの最大値を求めて下さい。
基本演習11 (岩手大10) x-y平面上の半楕円
≥x 2
¥2
+y2= 1 (x≥0)· · ·(i)
とx, yの関数z(x, y) = 2 +xy+12(x2+y2)を考えます。ただし、半楕円上の点 (x, y)に対し、原点と点°x
2, y¢
を結ぶ線分がx-軸となす角θとします。次の問に答 えて下さい
(1)θを媒介変数とする半楕円(i)の媒介変数方程式を求めてください。θの とる範囲も明示するようにして下さい。
(2)条件(i)のもとでの関数z(x, y)の極値を求めるために、関数z(x, y)をθ のみの関数として表して下さい。
(3)前問で得られたθの関数f(θ)が極値をとるcosθ,sinθの値を求めて下さい。
(4)f(θ)の極値を求めて下さい
(5)f(0), f°
±π4¢ , f°
±π2¢
を求めて下さい。
(6)f(θ)のおよそのグラフを描いて下さい。
(7)媒介変数θを用いずに、条件(i)のもとでの関数z(x, y)の極値を、ラグ ランジュの乗数法で求めたいと思います。極値をとる(x, y)の値を求めるための条 件式を書いて下さい。
(8)極値をとる(x, y)の値を求めよ.
発展演習12 (東北大24) 実変数x, yの関数f(x, y) = x3−y2について以下の問 に答えて下さい。
(1)(x, y)が実平面全体をうごくとき、f(x, y)の臨界点(@f
@x= @f@y = 0となる 点)をすべて求めて下さい。
(3)点(x, y)が円x2+y2 = 1の上をうごくとき、関数f(x, y)の最大、最小 とそのときのx, yの値を求めて下さい。
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発展演習 13 (筑波大20) f(x, y, z) =x−1+y−1+z−1+ 1で与えられる関数 f(x, y, z)の極値とその座標(x, y, z)を求めて下さい。ただし、x >0, y >0, z >0 であり、 かつ、x+ 4y+ 9z= 6の付加条件があるものとします。
【条件付き極値 条件式の表す曲線に注意】
発展演習 14 (長岡技科大 H9) 条件x2+xy+y2 = 1のもとでx2+y2のとる範 囲を求めて下さい。
発展演習15 (鳥取大 H13) x2−xy+y2= 1のとき、関数z=x+yの最大値お よび最小値を求めて下さい。
発展演習16 (大阪大19) x, yが2x2−2xy+y2= 2を満たすときx+yの最大値、
最小値を求めて下さい。
【陰関数の微分】
基本演習17 (農工大21) xy2−x2y+ 2 = 0で定まる陰関数y=y(x)の極値を求 めて下さい。ただし、極小値か極大値か、そのときのxの値も書いて下さい。
基本演習 18 (鳥取大23) 陰関数x4−4xy+y4= 0において dy
dxを求めて下さい。
基本演習 19 (熊本大26) x2+xy+ 2y2= 1なる式から定まる陰関数y=y(x)に ついて、以下の問いに答えて下さい。
(1)導関数 dy
dxを求めて下さい。 (2)2次導関数d2y
dx2 を求めて下さい。
基本演習 20 (福井大25) aを定数とします。次のx3−3xy+y3=aにより定ま る陰関数y =y(x)にたいして、dy
dxと d2y
dx2 を求めて下さい。
基本演習 21 (名工大27) x2−4xy+ 2y3+ 6 = 0で定まる陰関数y=y(x)の極値 を求めて下さい。
基本演習 22 (三重大25) f(x, y) = 2x2−2xy+y2−4 = 0のときyをxの関数 と見なしてyの極値を求めて下さい。
基本演習 23 (電気通信大23) x3−3xy+y3= 0で与えられる陰関数y=y(x)の 極値を求めて下さい。
前回のExercise
基本演習 1 次の関数の組み合わせに対して条件G= 0のもとでのF の極値の候 補点を求めて下さい。
(1)G(x, y) =xy−1, F(x, y) =x2+y2
(2)G(x, y) =x2+y2−4, F(x, y) = 3x2+ 2√
3xy+y2
基本演習 2 Lagrangeの未定乗数法により、G(x, y) =x2+y2−4 = 0と云う条件 のもとでのF(x, y) = 3x2+ 2√
3xy+y2の極値を求めて下さい。
基本演習3 (京都工芸繊維大H13) 条件x2+y2−1 = 0の下で、関数f(x, y) = 3x−y が極値をとり得る点をすべて求め、その点で極大か極小かも判定して下さい。
基本演習4 (鳥取大 H18) xy平面上の点(x, y)がφ(x, y) =x2+y2−1 = 0で表 される曲線上を動くとき、関数Z =f(x, y) =x+ 2y+ 5が極値をとる点(x, y)と その極値を求めて下さい。
基本演習5 (東工大H8) x2+y2= 1のもとで、f(x, y) =x2+ 4√
2xy+ 3y2の最 大値、最小値、およびそれらを与えるx, yを求めて下さい。
発展演習6 (筑波大 H20) 制約x2+y2−1 = 0の下で目的関数h(x, y) =xy−x の極値を求めることを考えます。
(1)この制約を満たす点の軌跡、および目的関数の値を一定にする(x, y)の組 み合わせの軌跡を描いて下さい。
(2)目的関数h(x, y)の極値を与える点を求めて下さい。
基本演習7 (京大H7) x2+y2+z2= 1として、f(x, y, z) =x+y2+z3の最大 値と最小値を求めて下さい。
基本演習8 (京大H18) 3のデカルト座標をx, y, zとします。x2+y2+z2= 1 の拘束条件のもとで、関数f(x, y, z) = 3x2+ 2xy+ 2xz+ 4yzの最大値、最小値 とそれらを与える(x, y, z)を求めて下さい。
基本演習9 (信州大H18) 変数x, y, zが条件2x2+ 3y2+ 6z2= 1を満たしながら 動くときの関数f(x, y, z) = ex+y+zの最大値と最小値を求めて下さい。また、対応
するx, y, zの値も書いて下さい。
基本演習10 (東工大H13) 条件x2
a2+yb22+zc22 = 1のもとで、F(x, y, z) =lx+my+nz
(l, m, nは定数)の最大値、最小値を求めて下さい。