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降雨による有機性コロイドの土壌からの流出挙動 広島大学

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Academic year: 2022

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(1)VII-256. 降雨による有機性コロイドの土壌からの流出挙動 広島大学. 学生員. 下所. 諭. 広島大学. 学生員. 本下. 晶晴. 広島大学. 正会員. 小松. 登志子. 広島大学. 正会員. 福島. 武彦. 1. 目的. 表1. 近年,汚染物質がコロイド粒子に吸着して土壌内を. 実験. 移動するという新しい輸送経路が注目されている.特. 1 2 3. に農薬,PAHs,ダイオキシンなどは疎水性の汚染物質 は有機性のコロイド粒子に吸着し輸送されやすくなる 可能性がある.そこで,本研究では有機性コロイド粒. 降雨強度 (mm/hr) 10 10 10,30. 実験条件. macropore 無 有 無. 降雨継続時間 (hr) 6 6 6,2. 降雨回数 (回) 6 6 10. 3. 実験結果と考察. 子の降雨時の挙動に着目し,カラム実験により有機性. (1) 降雨回数の影響. コロイド粒子の流出挙動に影響を与える要因について. 本研究で用いた土壌試料はすべて撹乱試料であり,. 検討する.. 1 回目の降雨では有機性コロイド粒子の流出挙動が土. 2. 実験方法. 壌充填による撹乱の影響を大きく受けると思われる.. カラムには東広島市原地区で採取したローム土を孔 径2mm のふるいにかけたものを10kg 充填した.土壌カ. したがって有機性コロイド粒子の流出が安定した2回 目以降の降雨についてのみ検討を行う.. ラムに天然雨水に近い化学組成に調整した合成降雨. 図 2 に,2 回目以降の降雨における有機性コロイド. (0.85mM の NaCl と 0.15mM の CaCl2 の混合溶液)を供給. 粒子の累積流出量と,累積流出水量との関係を示す.. して,土層を浸透した流出水を 30 分おきに採取する. 降雨回数と共に流出量が減少し,4 回目以降の降雨で 採取した試料を① 1 μ m でのフィルターでろ過したも 流出が安定する傾向が見られた. の,② 6000rpm の遠心分離にかけた後の上澄み液を. 2回目降雨 5回目降雨. 取ったものに分画し,各溶液中のTOC(全有機炭素)を 有機性コロイド粒子 の累積流出量(mgC). 測定し①と②の差から有機性コロイド粒子の濃度を算 出した.図 1 に土壌カラムの概要を示す.なお,流出 に影響を与える要因として,降雨回数,降雨強度, macropore の有無,降雨継続時間などを考え,これら の要因による影響を明らかにするため3種類の実験を. 3回目降雨 6回目降雨. 4回目降雨. 3 2 1 0 0. 行った .. 20. 40. 60. 累積流出水量(mm). 図2. 降雨回数の影響. (2) macropore の影響 20cm. ガラスビーズ. 土壌 20cm. 土壌内の自然に形成された小孔,細孔は macropore と呼ばれる.この macropore が有機性コロイド粒子の ポンプ. 流出にどのような影響を与えるかについて,カラム内 に macropore を作成し,検討する.また,ここでは降. 流出水. 図1. ステンレスフィルター. 雨が安定する 4 回目以降について考察する.. 実験装置の概要図. 図 3 に macropore が存在する場合と,しない場合の 有機性コロイド粒子の累積流出量を示す.各降雨にお. キーワード:有機性コロイド,コロイドの流出,降雨回数,macropore ,降雨強度,長期的降雨 連絡先:〒 739-8527 東広島市鏡山 1 丁目 4-1. 広島大学工学部. -512-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) VII-256. いて,macropore のある方が有機性コロイド粒子の流. 30mm/hr で合計 8hr 供給して検討を行なった.. 出量が,少なかった.これは間隙水が macropore 内を. 図5に有機性コロイド粒子の累積流出量の変化を示. 優先して流れ,macropore が存在しない場合に比べて. す.流出水量がある水量(累積流出水量 50mm)を越. 間隙水と土壌との接触が,少なくなることも原因の 1. えると有機性コロイド粒子の流出量がそれ以前よりも. つであると考えられる.. 多くなっている.降雨量がある水量に達すると,コロ macropore有(4回目降雨). イドの生成過程において拡散が支配的でなくなり, 間. macropore無(5回目降雨). macropore有(5回目降雨). 隙水中でコロイド粒子が安定して分散し, それが流出. macropore無(6回目降雨). macropore有(6回目降雨). するためコロイド粒子の流出量が増加し始めたものと 考えられる.. 4 3. 降雨強度10mm/hr. 2. 有機性コロイドの 累積流出量(mgC). 有機性コロイドの 累積流出量 (mgC). macropore無(4回目降雨). 1 0 0. 20. 40. 累積流出水量(mm). 図3. 60. macropore の影響. 降雨強度30mm/hr. 6 4 2 0 0. 50. 100. 150. 200. 累積流出水量(mm). (3) 降雨強度の影響 図5. 降雨強度が 10mm/hr と 30mm/hr の 2 種類の降雨強度. 有機性コロイドの累積流出量の経時的変化. でそれぞれ 6hr,2hr で供給水を供給し,有機性コロ. (5) 降雨量が与える影響. イド粒子の流出挙動の違いについて検討した.また,. 土壌内の有機性コロイド粒子が約 1 年分の降雨(降. 1 ~ 3 回目の降雨は初期に土壌充填の影響が現れるの. 水量 1500mm)を供給し,それによってどの程度流出す. で降雨は 10mm/hr で雨水を供給し,4 回目以降にそれ. るかについて検討した. 降水量 1500mm 降雨の有機性コロイド粒子の総流出. ぞれ降雨強度 10,30mm/hr の降雨を供給した. 図 4 に降雨強度が 10,30mm/hr の場合の有機性コロ. 量は 0.74(g)であった.カラム内の土壌には有機物. イド粒子の累積流出量を示す.図 4 より,降雨強度. が 261(g)含まれており,有機性コロイド粒子の流. 30mm/hr の方が流出量の曲線の示す傾きがやや低く,. 出は土壌内の有機物量に対して約0.23%であることが. 総流出量も少ない. コロイド粒子の流出は土壌母材か. 分かる.また,全コロイド粒子の総流出量は 3.14(g). ら間隙水への拡散に支配されるとするといわれてい. のうち,有機性コロイド粒子の占める割合は約 24%で. る.降雨強度 30mm/hr の場合は充分に流速が速く,コ. あった.. ロイド粒子が拡散する前に浸透水が土壌から流出する. 4. 結論. ため流出量が少ないと考えられる.. 土壌からの有機性コロイド粒子の流出は降雨回数が. 30mm/hr(4回目降雨). 増す毎に減少し,4 回目以降の降雨では流出濃度はほ. 10mm/hr(5回目降雨). 30mm/hr(5回目降雨). ぼ一定で(約 1mgC/L)安定した.macropore が存在す. 10mm/hr(6回目降雨). 30mm/hr(6回目降雨). る場合は存在しない場合に比べて, 有機性コロイド粒. 有機性コロイドの 累積流出量(mgC). 10mm/hr(4回目降雨). 3. 子の流出量は少なく,降雨強度が強い(30mm/hr)方. 2. が流出量が少ない.降雨継続時間が長くなり,累積流 出水量がある水量(累積流出水量:50mm)を超えると,. 1. 有機性コロイド粒子の流出量は急激に上昇した.約 1. 0 0. 20. 図4. 40. 年間の降水量(1500mm)に相当する降雨を供給した場. 60. 累積流出水量(mm). 合,土壌内の全有機炭素の 0.23% が有機性コロイド粒. 降雨強度の影響. 子として流出した.また,全コロイド流出量のうち有. (4)長期的降雨の影響 降雨継続時間が与える影響について総降雨量360mm. 機性コロイド粒子の割合は約 24%であった.. の降雨を断続的に降雨強度 1 0 m m / h r で合計 2 4 h r ,. -513-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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