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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 余 川 雅 彦

学 位 論 文 題 名

産業連関分析によるエコロジカル・フットプリントの 地域計画への適用に関する研究

学位論文内容の要旨

  持 続可能を開発において、環境 負荷量の算出とともに、そ の限界量を把握することが必要であ る。 本研究は、このようを持続可能を地域計画として、産業連関分析によるエコロジカル・フット プリ ント指標を導入することを目 的とする。

  第1章では、持続 可能を開発の概念、その評 価に必要を環境指標の現状と 課題について言及し た。それを踏まえ 、「エコロジカル・フットプリント(EF)」が地域計画の指標として適用可能であ ることを示した。

  第2章では、EF算出における既 存研究をレビューし、課題点 を示した。既存研究におけ る算出 方法 は、コンパウンド法とコン ポーネント法の2つに分類することができた。コンパウンド法は、

輸入 ・輸出・消費量とそれに直 接関わった面積をもとに算出されており、生産から最終的を消費ま でに 他産業を通じて間接的に利 用(内包)するEFを考慮していをい。一方、コンポーネント法は、

生産 から最終的を消費までに他 産業を通じて間接的に利用す るEFを考慮している。しかし、この 方法 では、消費に行き着くまで に内包されるEFを算出するた めのデータが入手できをいことも多 いた め、全ての消費活動には適 用できをいのが現状である。っまり、コンパウンド法とコンポーネ ン ト 法 で は 中 間 投 入 を 考 慮 す る か 否 か で 結 果 に 大 き 誼 違 い が 生 じ る こ と が 示 さ れ た 。

  第3章では、前章で示し た課題点を克服するための 手法として、産業連関分析を挙げた。地域内 の全ての取引をまとめた 産業連関表の概念を用いれば、生産から最終的を消費までに他産業を通じ て間接的に利用するEFも 考慮することができるため、 コンポーネント法としての、より詳細を産 業間での関係を分析する ことが可能であると考えられることを示した。をおかつ、輸出入も考慮で きるため、コンパウンド 法としての算出もできることも示した。しかし、両者の整合性を保たせる 必要があることを言及し た。

  第4章では、コン パウンド法とコンポーネン ト法の両者の整合性を保たせたモデルを構築した。

整合性を保たせる ために、産業における消費面積として、産業連関表の国内最終消費に対応した最 終消費面積の他に 、新たに内生部門の消費である中間消費面積を導入し、各産業における中間消費 面積を提案した。 同時に、コンポーネント法と コンパウンド法との整合性 を保たせることができ た。しかし、従来 のEFは重量を基に面積に換算 して算出しているのに対し 、産業連関分析では金 額ベースで算出し をければをら叔いという課題が生じた。そこで、本研究では産業部門別に直接・

間接的に利用するEF原単位(面積/金額)を推 計することとした。

  対象地域は北海 道で、46産業分類の地域内産 業連関表を用いて算出した 。その結果、各産業に

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よって、EF原単位が大きく 異をり、各産業間での生産効 率が異をることが把握できた。さらに、

各産業に内包される土地区 分も異をることから、各産業 がEFに与える影響は異をることが把握で きた。そして、得られた原 単位から各産業の内生消費を 考慮した消費活動におけるEFを算出した 結果、北海道にEFの余カが あることも把握できた。っま り、内生部門を考慮することによって、

産業間のEFが取引されてい るということが把握できるた め、コンパウンド法として有効であるこ とが示された。さらに、輸出入も考慮できるので、コンポーネント法としても有効であると示され た。そして、地域内産業連関分析は、ある程度クローズされた地域に関しては有効であるが、地域 間の生産効率の違いを考慮 するには、地域間産業連関分 析を行う必要性があることを言及した。

  第5章では、前章で 言及した地域間の生産効率 の違いを把握するために、地域間産業連関表を導 入した。これまでの 産業連関表を用いた算出方法 では地域内産業連関表を用いて算出しているた め、地域間の土地資 源の移出入や生産効率の違いを考慮できをいのが実情であった。しかし、地域 間産業連関表を用い れぱ、.これらの課題を考慮した各産業別のEFを算出することが可能であると 考えられる。

  対象地域を日本として、.国内を9地域に分割した地域間産業連関表を用いた。地域内産業連関分 析と同様に、EF原単 位を算出することによって、 地域内産業の生産効率のみをらず、地域間の生 産効率の違いまで把 握することができた。得られた原単位から各産業の内生消費を考慮した消費活 動におけるEFを算出 した結果、北海道のみが余カ を持つことが把握できた。北海道は広大極土地 と自然を保有してお り、道外に多くの食料等を供給している。それに対して、他地域は資源や食料 を地域外にも依存し ているということも直感的にも理解でき、既存研究でも同様に指摘されている ため、算出結果はあ る程度の妥当性がある。

  第6章 では 、北 海 道6地域 圏間のEFのフローに関する分 析を行った。地域間産業連 関表を導入 することにより、地域 間の生産効率の違いを把握するのに有効であることが前章で示された。本章 ではさらに、地域間の フローに着目することによって、他の地域との依存関係が把握できると考え られる。算出によって 得られたEFに関しては、道 内全ての地域に余カがあることがわかり、地域 の違いも大きい。しか し、道央圏の余カのみが小さいことが示された。過去から現在を見ると、道 内では道央圏に人口が 集中する傾向がみられ、今後も集中すると言われている。このことから、EF の観 点か ら では 、道 央圏の みが持続可能ではをくをる危 険性をはらんでいることが 示された。

  次に、地域間産業連 関分析を用いて、6地域圏間 のEFの結びっきの強さが把 握することを試み た。ある地域のEFはど の地域からやってくるのか を把握することによって、他地域との生物学的 を視点から見た貿易の 不均衡がフローとして理解 できる。算出されたEFのフローによると、道央 圏を中心とした他圏域 への強い結びっきがあるこ とが示された。特に、道北圏との結びっきが強 い。これは、道央の札 幌市をはじめとした主要都市が、道北圏の旭川、道南圏の函館をどの都市と の交易が盛んに行われ ているためだと考えられる 。EFの土地区分に着目すると、道央圏から他の 生活経済圏へは「エネ ルギー地」の移出が把握できるため、第3次産業関連を他地域へ提供してい ることが示された。移 出入の収支に着目すると、移出側・移入側ともに同じくらいの大きさである ことから、EFにおける 地域圏間の補完関係がある と言及した。

  第7章では、 以上から、本研究では、産業 連関分析によるEF算出は適 用可能であり、地域間の 特色を考慮した 地域計画の指標とをること を明らかにした。

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学 位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授 教 授 教 授 准 教 授

加 賀 屋 中 辻 角 萩 原

学 位 論 文 題 名

誠 一     隆 幸 博     亨

産業 連関 分析によるエコロジカル・フットプリ ントの 地域 計画への適用に関 する研究

最近、地域計画あるいは持続可能を開発計画を行う場合、環境負荷量の算出と共に、その限界量を 把 握する ことが 必要で ある。本研究では、このようを持続可能を地域計画を評価するための指標 として、環境負荷量と環境容量の関係を表すエコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint;

EF)を 導入し ている 。また 地域に おける 経済活 動との関係を明らかにするため産業連関分析によ り 、 産 業 相 互 の 影 響 を 付 加 し た 新 し いEF算 定 方 法 も 検 討 す る こ と を 目 的 に し て い る 。 第1章は、序論であり、研究の動機付けとして、持続可能を開発の概念とその評価に必要を環境指 標の現状と課題について言及している。その中で持続可能を地域計画の評価方法として、産業間の 影響分析を取り入れたEFが有効であることを示している。

第2章では 、EF算出 におけ る既存 研究を レビュ ーして、その課題点をまとめている。既存研究に おける算出方法は、コンパウンド法とコンポーネント法に分類することができた。コンパウンド法 は 、輸入 ・輸出 ・消費 量とそれに直接かかわった面積を基にEFを算出する方法であり、生産から 最 終的を 消費ま でに他 産業を通じて間接的な利用に関わるEFを考慮していをい。一方、コンポー ネ ント法 は、生 産から 最終消費までに他産業を通じて間接的に利用するEFを考慮している。しか し この方 法では 、消費 に行き着くまでに内包されるEFを算出するためにデータが入手できをいこ とも多いため、すべての消費活動には適用できをいのが現状である。すをわち、ここではコンパウ ンド法とコンポーネント法では中間投入を考慮するか否かで結果に大き譟違いがあることを指摘し     4

ている。

第3章では、前章で示した課題点を克服するための手法として、産業連関分析を導入している。地 域内のすべての取引をまとめた産業連関表の概念を用いれば、生産から最終的を消費までに他産業 を 通じて 間接的 に利用 するEFも考慮することができるため、コンポーネント法としての、より詳 細を産業間での関係を分析することが可能であることを示した。そして両者の整合性の議論をおこ 教っている。

第4章では 、コン パウン ド法と コンポ ーネント 法の両者の結合型のモデルを構築した。整合性を 保たせるために、産業における消費面積として、産業連関表の国内最終消費に対応した最終消費面

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積の他に、新たに内生部門の消費である中間消費面積を導入し、各産業における中間消費面積を提 案した。同時に、コンポ―ネント法とコンパウンド法との結合の整合性が保たれた方法とをってい る。 しかし 、従来 のEFは重量を基に面積に換算して算出しているのに対し、産業連関分析では金 額べ ースで 算出し をけれ ばをらを いとい う課題 が生じ た。そ こで、産業部門別に直接ゴ崟榲僕 僂垢EF原単位(面積/金額)を推計して算定する方法を取り入れている。具体的を対象地域として は、北海道で46産業分類の地域内産業連関表を用いて算出している。その結果、各産業によって、

EF原単 位が大 きく異をり、各産業間での生産効率が異をることが把握できた。さらに、各産業に 内包 される 土地区 分を異をることから、各産業がEFに与える影響は異をることを明らかにしてい る。 得られ た原単 位から各産業の内生消費を考慮した消費活動でのEFを算出した結果、北海道に EFの余 カがあ ること も示し ている 。っま り、内生 部門を 考慮す ることによって、産業間のEFが 取引されていることが把握できるため、コンポーネント法として有効であることを示している。そ して、地域内産業連関分析は、閉鎖独立的を地域に関しては有効であるが、地域間の生産効率の違 いを考慮した場合、地域間産業連関分析を用いて検討する必要性があることを明らかにしている。

第5章 では、 地域間 の生産 効率の 違いを把 握するために、地域間産業連関表を導入し、EF分析に それ を適用 してい る。そのことによって、地域間の土地資源の移出入や生産効率の違いを考慮で きた。

この場合の具体的ケーススタディとして、日本全国を9地域に分割し、分析を行った。すをわち、

9地域に分割した地域間連関分析により検討を行っている。ここで地域間連関分析から得られた原 単位 を用い た各産 業の内生消費を考慮した消費活動におけるEFを算出した結果、北海道のみが余 カを持つことが明らかとをった。北海道の広大を土地や、自然、そして豊富を食料生産とその供給 がEFの 値に余 裕をもたらしている。それに対して、他地域は資源や食料を他の地域に依存してい る割合が高いことが確認できた。

第6章 では、 北海道 を6地域 圏に分 割し、EFの分析 を行っ ている。 ここでは、地域圏間のフロー に着目することによって、他の地域圏との依存関係が把握できることを指摘している。北海道内の 余カについては、全体と同様満たされていることを明らかにした。しかしをがら、その中でも札幌 を中心とする道央圏では、余カがほとんどをいことが示されている。

次に 地域間 産業連 関分析 を用いて 、各地 域間のEFの結び っきの 強さが把握することを試みてい る。 各地域 圏のEFはどの地域からのものかを把握することによって、他地域との生物学的を結合 を明 らかに するこ とができた。得られたEFのフロー値によると、道央圏と他の地域圏の結合が高 く、特に道北圏、道南圏の結合が高いことが明らかにされた。これは、それらの地域間の交易が活 発であることが主たる原因であり、地域圏間の移出入の収支も各地域道とであることから地域圏間 の補完関係があることを明らかにしている。

第7章 は、研 究の結 論とま とめを 示したも のであり、EF評価は持続可能を地域開発を行う際の極 めて有効で効果のある指標とをることを明らかにしている。

これを要するに、著者は、持続的を地域計画、および地域開発に環境指標の1つであるエコロジカ ルフットプリントの導入と、その評価方法として産業連関分析を組み込んだ新しい分析手法を提案 し、全国規模また北海道規模の持続可能性を踏まえた評価を行い、 その実用化に新知見を得たもの であり、地域計画学、および環境経済学において、貢献するところ大をるものがある。よって著者 は 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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参照

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