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博士(工学)張 麗華 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)張   麗華 学位論文題名

 Combustion Synthesis and Spark Plasma.

Sintering of Oxides for High‑Temperature          Thermoelectric Generators

(高温熱電発電用酸化物の燃焼合成と放電プラズマ焼結)

学位論文内容の要旨

  近 年 深 刻 さ が 増 す エ ネ ル ギ ー ・ 環境 問 題 を 解 決す る 方 法 と し て、 熱 か ら 直 接発 電 が 可 能 を熱 電 発 電(Thermoelectric GeneratorTEG)に 注 目 が 集 ま っ て い る 。特 に 高 温 工 業廃 熱 の 有 効 回収 法 と し て 、 高 寿 命 、 メ ン テ ナ ン ス フ リ ー 、 高信 頼 性 を ど の観 点 か ら 省 エネ ル ギ ー 機 器と し て 魅 力 的 で あ る 。 最 近 発見 さ れ た 酸 化 物熱 電 材 料(Thermoelectrics; TE)は耐 熱 、 耐 酸 化特 性 お よ び 低毒 性 の 観 点 か ら 高 温 用TEと し て 有 望 を 候 補 で あ ろ う 。 し か し を が ら 、 酸 化 物TEを 製 造 す る 通 常 の 固 相 反 応 法(SolidーState Reaction,SSR)は繰り 返し加 熱を必 要とし 、時 間およ びェネ ルギー 多消 費法 で あ る 。 ま た 高 温 用TEGは 単 体 で は 発 電 効 率 が 小 さ い こ と が 問 題と を っ て い る。 そ こ で 本 研究 で は 、 酸 化 物TEの 製 造 法 に 着 目 し 、 そ の 製 造 時 間 お よ び ェ ネ ル ギ ー 削 減 を 主 目的 と し 、 固 相自 己 伝 播型燃 焼合成 法(Solid Phase Self‑Propagating High Temperature Synthesis; SHS)や液相燃焼合成 法(Solution CombusdonSynmesis;SCS) と 放電 プ ラ ズ マ 焼結 法 (SparkPlasmaSintedng,SPS)の 組 合 せ を 提 案 し 検 討 し た 。 加 え て 上 記 方 法 で 合 成 し た 酸 化 物TEを 主 な 対 象 と して 工 業 廃 熟 回収 用 TEG実 用 化 の た め に 、 多 段 カ ス ケ ー ド 酸 化 物TEG構 造 を 提 案 し 、 そ の 発 電 効 率 の 最 適化 を 熟 力 学 的 に検討 した。

  本 論文は 以下の7章 から構 成さ れる。

  第1章 では本 研究の 背景お よび 目的を 述べた 。

  第2章 で は 今 ま で に 報 告 さ れ て い る 最 先 端 の 高 温 用 酸 化 物TE(Tiolll,NaxC0204,Alドー プ 型 zn0,Laド ー プ 型SrTi03) と 低 温用Bi2(Se,1・e)3と(Bi,Sb)2Te3を用い る多段 カスケ ードTEGを 設 計 し た 。 そ こ で は 各 温 度 域 に お け る 無 次 元 性 能 指 数ZT最 高 値 の デ ー タ を 採用 し た 。 報 告さ れ て い る 各 々 の 物 性 値 を 用 い て 最 大 発 電 効 率 を 計 算 し た 。 そ の 結 果 、 設 計 さ れ たTEGは1223Kで 13.4ワ 。 の 最 大 発 電 効 率 を 有 し 、 理 論 的 に カ ス ケ ー ド 型 酸 化 物TEGの 実 用 可 能 性 を明 示 し た 。   第3章 で はSHS法 を 典 型 的 を べ ロ プ ス カ イ ト 型 酸 化 物 で あ る レ ア ア ー ス ド ー プ の SrTi03(Sr卜エRエTi03,R〓Y,La,Sm,Gd,Dy,Oくx≦0.1;SRlD)合成に適用した。その結果いずれの 合 成 に も 成 功し 、 中 で もLaド ー プ のSrTi03(SIJ0) が 実 験 温 度 範囲 (298・870K) に お い て 最 大の 無 次 元 性 能 指 数ZTを 有 す る こ と を 明ら か に し た 。添 加 量 の 効 果 につ い て 精 査 した 結 果 、x=0.08 の 時800KでZT=0.22に 達 し 、 こ れ ま で 報 告 さ れ て いる 多 結 晶 体 とし て 最 大 値 を 得る こ と に 成 功 し た 。 加 え て 、 適 用 し たSHS‐SPS法 と 既 存 の 単 結 晶 製 造 法 (Roa血gZone法 ) お よ び多 結 晶 製 造

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法(SSR法 ) を 製造 時 間 、 エネ ル ギー投 入量お よびC02排 出量の3つの観 点から 定量的 に評価 し た 結 果 、製 造 時 間3.3%、 投入 工 ネ ル ギー35.1%およ びC02排出量55.6%に削減 し、環 境工ネ ル ギ ーの両 面にお いて優れ ている ことが 明らか とをっ た。従 って、SHSとSPSの組合せは高温用ペ ロブスカイト型酸化物TE合成に有効を方法であると結論した。

  第4章ではTEの熱伝 導率低 下を主 目的に 、Alドー プ型ZnO(Znl̲xAlエ0,x=0.005,0.01,0.02;

Zn触0) をSHSとSCSで 合 成 しSPSで 焼 結 し た 。Zn魁0は 高 いPawerFactorを 有 す る 一 方 、 室 温 下 で熱伝 導率が22‐27Wm―lK―1と高 いため に結果と してZT値が小さ いこと が知ら れてい る 。 そ のため 本章で はSHS或い はSCSによ る合成 後、高 工ネル ギーポ ールミ ル(PlanetaryBall Mimng;PBM)利 用と組 み合せることによりその結晶子径を小さくし、熱伝導率の低減を試みた。

そ の 結 果 、SHSお よ びSCSい ずれ の 方 法 でもZn心Oの 合成 は 可 能 であ り 、 特 にPBM使 用 のSCS 製 品 のZT値 は 未 使用 のZT値に 比 ベ大き を値を 示した 。この 時全て の製品 の熱伝導 率は室 温下 813‐19.7Wm一lKlで、予測通り報告値よりかをり小さを値とすることに成功した。この事実は燃 焼 合 成 法はTEG用Znm0の 熱 伝導 率 低 下 に有 効 で あ るこ と を示 唆した 。現時 点でこ の方法 で得 ら れているZTの最高値0.05(863K)はそれほど高い値ではをいため、今後、現有装置の制約上困 難 を 高 温 域 で の 測 定 や 焼 結 条 件 最 適 化 に よ りZT値 の さ ら を る 改 善 が 期 待 で き る 。   第5章で は、尿 素とク エン酸 を燃料 とするSCSとSPSによ り典型 的を層 状Co酸化 物NaxC0204, Ca3C0409,お よ びBiド ー プ 型Ca3C0409の製 造を試 みた。 得られ たNaxC0204は 高い異方 性を示 し 、x〓1.6の 時 最 大ZT値 が 得ら れ た 。 得ら れ たCa3C0409およびBiド―プ 型Ca3C0409のTE特 性 は異を る方向 から測定 された。その結果、測定方向によりTE物性値の値が異顔ることから製品 の 層 状 構造 の 影 響 は無 視 で き をい ものの 、ZTの最 大値0.11は850Kにお いてSCS製のBiド ープ 型Ca3C0409に よ り 得 られ た 。 従っ て、提 案するSCS−SPSは高 い異方 性を有 しZT値に 大きく 影 響を及ばす層状Co酸化物の合成に有効であると結論づけた。

  第6章では 、上記3〜5章に おいて 実施し た実験 データ を用いて 、2章で 設計した多段カスケー ドTEGの発 電効率 を検討 した。 結果と して、2段目と してTi0111.SLlDから 構成さ れる2段 カス ケード型TEGは852Kで発電効率8.8ワ。、Biドープ型Ca3C0409.SL110(2段目)とTiol.l‐ZnA10(3 段 目 ) から 構 成 さ れる3段カ ス ケー ド型TEGは1223Kで発 電効率12.2%の 最大値 を示した 。加 え て、鉄 鋼廃熱 回収のた めのTEGシステ ムをプロ セスシステム図で表現し、システムのエクセル ギ ー損失 を熱力 学コンパ スで解析した。その結果、提案する方法で合成したTEから構成される多 段 カスケ ード型TEGはエネ ルギー および ェクセル ギー回収に適していることが明らかとをった。

  第7章では、本論文の研究成果を総括した。

  以 上、 本 研 究 はSHSお よ びSCSの燃 焼 合 成 とSPSを 結 び 付け、 はじめて 酸化物TEの製造 を試 み ており 、結果 としてそ れら合成法と燃焼法の組み合せはTE製造に極めて有効であり、従来法に 比 ベ時間 、エネ ルギー節 約、お よびC02排出削減 に優れた方法であることを明らかにした。加え て 、得ら れたTEを 多段カ スケード型構造にすることにより高い発電特性を得ることができること を 理論解 析的、 実験的に 明らかにした。以上の内容は材料工学的に酸化物TEの製造において新た を知見を提供し、熱電発電技術の実用化に貢献することが期待できる。

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学位論文審査の要旨 主 査    教授    秋山友 宏 副 査    教授    丹田    聡 副 査    教授    松浦清 隆 副査   准教授   三浦誠司

学 位 論 文 題 名

 Combustion Synthesis and Spark Plasma Sintering of Oxides for High‑Temperature         Thermoelectric Generators

(高温熱電発電用酸化物の燃焼合成と放電プラズマ焼結)

  近年深 刻さが 増すエネ ルギー・環境問題を解決する方法として、熱から直接発電が可能を熱電 発電(Thermoelectric Generator,TEG)に注目が集まっている。特に高温工業廃熱の有効回収法とし て、高寿命、メンテナンスフリー、充電不要をどの観点から省エネルギー機器として魅力的である。

最近発見された酸化物熱電材料(Thermoelectrics; TE)は耐熱、耐酸化特性および低毒性の観点か ら高温用TEとし て有望を 候補で あろう 。しか しをが ら、酸 化物TEを 製造する通常の固相反応法 (Solid‑State Reaction,SSR)は繰り返し加熱を必要とし、時間およびェネルギー多消費法である。ま た高温用TEGは単 体では 発電効率 が小さ いこと が問題とをっている。そこで本研究では、酸化物 TEの製造 法に着 目し、そ の製造時間およびェネルギー削減を主目的とし、固相自己伝播型燃焼合 成法(Solid‑Phase Self‑Propagating High‑Temperature Synthesis; SHS)や液相燃焼合成法(Solution Combustion Synthesis; SCS)と放電プラズマ焼結法(SparkPlasmaSintedng,SPS)の組合せを提案 し検討し た。加 えて上 記方法 で合成 したTEを 主を対象として工業廃熱回収用TEG実用化ために、

多 段 カ ス ケ ー ド 酸 化物TEG構 造 を提 案 し 、 その 発 電 効 率の 最 適 化 を熱 力 学 的 に検 討 し た 。   本論文は以下の7章から構成される。

  第1章では本研究の背景および目的を述べた。

  第2章で は今ま でに報 告されている最先端の高温用酸化物TE(Tiol.1,NaxC0204,A1ドープ型 Zn0,Laドープ型SrTi03)と低温用Bi2(Se,Te)3とくBi,Sb)2Te3を用いる多段カスケードTEGを設 計した。 そこで は各温 度域におけるZT最高値のデータを採用した。報告されている各々の物性値 を用いて 最大発 電効率 を計算 した。 その結 果、設 計されたTEGは1223Kで13.4ゲ。の最大発電効 率を有し、理論的にカスケード型酸化物TEGの実用可能性を明示した。

  第3章ではSHS法を典型的をべロプスカイト型レアアースドープのSrTi03(Sr卜エRxTi03,R=Y, La,Sm,Gd,I也0くx≦0.1;SIミT0)合成に適用した。その結果いずれの合成にも成功し、中でも Laドープ のSrTi03(Sr・o)が実験温度範囲(298〜870K)において最大の無次元性能指数ZTを有     ―75―

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す るこ とを 明ら かに し た。添加量の 効果について精査した結果 、x=0.08の時800KでZT=O.22に 達し、これまで 報告されている多結晶体と して最大値を得ることに成功 した。加えて、適用した SHS‑SPS法と既存の単結晶製造法(Floating Zone法)および多結 晶製造法(SSR法)を製造時間 、 エ ネル ギ一 投入 量お よ びC02排出量 の3つの観点から定量的に評 価した結果、製造時間3.3%、 投 入 工ネ ルギ ー35.1%およ びC02排 出量55.6%に 削減 し、環境エネ ルギ―の両面において優れて い る こと が明 らか とを っ た。 従っ て、SHSとSPSの 組合 せは 高 温用 ベロ プス カイト型酸化物TE合 成に有効を方法 であると結論した。

  第4章ではTEの熱伝導率低下を主目的に、Alドープ型ZnO(ZnトェAlエ0,x=0.005,0.01,0.02;

ZnAl0)をSHSとSCSで 合 成 しSPSで 焼 結 し た 。Alド ー プ 型Zn0は 高 いPower Factorを 有 する 一 方、 室温 下で 熱伝 導 率22‑27Wm―1K―1と高いために結果とし てZT値が小さいことが知られ て いる。そ のため本章ではSHS或いはSCSによる合成後、高工ネルギ ーポールミル(Planetary Ball Milling; PBM)利用と組み合せること により、その粒子径を小さ くし熟伝導率低下を試みた。 そ の 結 果 、SHSお よ びSCSい ず れ の 方 法 で もZnAl0の 合 成 は 可 能 で あ り 、 特 にPBM使 用 のSCS 製 品のZT値 は未 使用 のZT値 に比 ベ大 き を値 を示 した 。こ の 時全 ての 製品 の熱伝導率は室温 下 8.3‑19.7 Wm―1K―1で、予測通り報告値よりかをり小さを値とすることに成功した。この事実は燃 焼 合成 法はTEG用ZnAl0の熱 伝導 率低 下 に有 効で ある こと を 示唆 した 。現 時点でこの方法で 得 ら れて いるZTの 最高 値0.05(863K)は それほど高い値ではをいた め、今後、現有装置の制約上 困 難 を 高 温 域 で の 測 定 や 焼 結 条 件 最 適 化 に よ りZT値 の さ ら 教 る 改 善 が 期 待 で き る 。   第5章 で は、 尿素 とク エン酸を燃 料とするSCSとSPSにより典型 的を層状Co酸化物NaエC0204, Ca3C0409, およ びBiド ープ 型Ca3C0409の製 造を 試み た。 得 られ たNaxC0204は高い異方性を 示 し 、x=1.6の 時 最 大ZT値 が 得 ら れ た 。 得 ら れ たCa3C040gお よ びBiドー プ型Ca3C0409のTE特 性は異をる方向 から測定された。その結果 、測定方向によりTE物性値の 値が異なることから製品 の 層 状 構造 の 影響 は無 視で きを い もの の、ZTの 最 大値O.llは850Kに お いてSCS製のBiド ープ 型Ca3C0409に より 得ら れた 。従 っ て、 提案 するSCS‑SPSは高 い 異方 性を 有しZT値に 大き く影 響を及ばす層状Co酸化物の合成に有効であ ると結論づけた。

  第6章 で は、 上記3〜5章に お いて 示し た実 験デ ー タを 用い て、2章 で設 計した多段カスケ ー ドTEGの 発電効率を検討した。結果と して、2段目としてTiOl.l̲SL'I、oから構成される2段カ ス ケード型rEGは852Kで発電効率8.8ワD、Biドープ型Ca3C0409‐SL110(2段目)とTiol.l.ZnA10(3 段 目) から 構成 され る3段カスケー ド型TEGは1223Kで発電効率12.2ゲ。の最大値を示した。 加 えて、鉄 鋼廃熱回収のためのTEGシス テムをプロセスシステム図 で表現し、システムのエクセ ル ギー損失を熟力 学コンパスで解析した。そ の結果、提案する方法で合成 したTEから構成される多 段カスケ ード型TEGはエネルギーおよ びエクセルギー回収に適し ていることが明らかとをった 。   第7章では、 本論文の研究成果を総括した 。

  以 上 、本 研 究はSHSおよ びSCSの 燃焼 合成 とSPSを 結び 付け 、 はじ めて 酸化 物TEの 製造 を試 みており、結果 としてTE製造には極めて有 効であり、従来法に比ベ時間 、エネルギ一節約、およ びC02排 出 削減 に優 れた 方法 で ある こと を明 らか にした。加え て、得られたTEを多段カスケ ー ド型構造にする ことにより高い発電特性を得ることができる。これらの結果は材料工学的に酸化物 TEの製造におい て新たを知見を提供し熱電 発電技術の実用化に貢献する ことが期待でき、材料工 学およびェネル ギー工学に対して貢献するところ大である。よって著者は北海道大学博士(工学)

の学位を授与さ れる資格があるものと認め る。

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参照