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博士(工学)アベデイアミル 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)アベデイアミル 学位論文題名

Solidification Characteristics of Ni and Ni‑base Binary Alloys      ( ニ ッ ケ ル お よ び ニ ッ ケ ル 基 二 元 合 金 の 凝 固 特 性 )

学位論文内容の要旨

  Ni基耐熱合金は高温強度あるいは耐腐食性の特性からシ゛エッIエンシ゛ンあるいはがスターヒ゛ンの 部 材 と し て 使 わ れ て い る 。 こ れ ら に お け る 入 口 ガ ス 温 度 は1945年 の1070Kか ら 近 年 は 1870K位 ま で 上 昇 し 、 よ り 高 温 の 耐 熱 材 料 が 求 め ら れ て い る 。 一 方 、 結 晶 組 織 と し て は 、 使 用 目 的 に 応 じ た 組 織 の 設 計 、 例 え ば 単 結 晶 化 あ る い は 超 微 細 化 な ど が 必 要 と さ れ て い る 。 こ れ ま で のNi基 合 金 の 凝 固 に 関 す る 検 討 は 、 そ の 合 金 が 多 元 合 金 で あ る こ と か ら 、 多 元 系 に 関 す る 実 験 が ほ と ん ど で あ り 、Niそ の も の に 関 す る 研 究 は 少 な い 。 今 後 新 た な 観 点 か らNi基 合 金 の 開 発 を 進 め る た め の 基 礎 と レ て 、Niそ の も の の 凝 固 特 性 を 把 握 す る こ と も 重 要 で あ る 。 本 研 究 は 、Niの 核 生 成 に 及 ぼ す る っ ぼ 材 質 お よび 酸 化 物の 影 響 と、Ni 基 合 金 に 多 く 用 い ら れ るCo、Al、Nbな ど の 二 元 合 金 に よ る 核 生 成 と デ ン ド ラ イ ト 成 長 について検討レた。

  第1章 で は 、Niの 使 用 の 進 展 、 現 在 の 用 途 、Ni合 金 の 鋳 造 方 法 、 組 織 、 お よ び 本 研 究 の 目的につ いて述 べている 。

  第2章 で は 、ア ル ミ ナる っ ぼ を用 い て 、Niお よ びNi−Co二 元 合金 の 大 気およ びアル ]゛ン雰 囲 気 で 溶 解 凝 固 さ せ た と き の 過 冷 挙 動 に つ い て 検 討 し て い る 。 そ の 結 果 、Niお よ びNi― Co合 金の過冷 度は酸 素濃度の 増加で 減少した。酸素濃度が高くなるとスヒ°ネルタイ7゜のNiAlz04 お よびCoA120. が生成す ること をX線 マイクロアナライサ゛ーおよびX線回折で同定レた。このニつ の ス ヒ ゜ネ ル の 原子 構 造 は、Niの原 子 構 造 と二 次元的な 非整合 度が低く 、そのた め異質 核生成 し や す い こ と が 示 さ れ る 。 こ れ ら は る っ ぼ とNi溶 湯 と 溶 湯 中 に 溶 解 し て い る 高 い 酸 素 量 で 生 成 す る こ と を 、 熱 力 学 的 に 証 明 し た 。 さ ら に る っ ぼ の 影 響 を 考 慮 し て 、 過 冷 凝 固 し た と き の 過 冷 度 と 固 相 率 と 凝 固 時 間 と の 関 係 を 、 冷 却 速 度 、 る っ ぼ 及 び 溶 湯 の 熱 物 性 値 の 因 子 で 構 成 さ れ る 非 断 熱 系 の 式 を 求 め た 。 こ の 式 の 妥 当 性 を 検 討 す る た め に 、 固 相 率 を1と し て 、 過 冷 度 と 凝 固 時 間 と の 関 係 を 求 め 、 実 験 と 比 較 し た 結 果 、 良 い 一 致 を 示 し た 。 凝 固 組 織 の 微 細 化 は 、 過 冷 度 の 増 加 と 酸 素 濃 度 の 増 加 に よ っ て 図 ら れ る が 、 本 実 験 で は 高 い 過 冷 度 が 得 ら れ ず 、 酸 素 濃 度 の 増 加 に よ っ て 凝 固 組 織 が 微 細 化 し た 。   第3章で は、ア ルiナ るっばと シリカるっぼを用いて、アル]゛ン雰囲気でのNi溶湯に酸化物を添

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加 レ た 場合 の 過 冷度 と 凝 固組 織 へ の 影響 を 調 査し て い る。 シI丿カ る っ ぼを 用 いると 、過冷度 は192Kにも達 したが、アル:ナるっぼでは平均55K程度の過冷度であった。アル:ナハ°ウタ゛ーの 添 加は、過 冷度を より低下 させた 。アルミ ナとニ ッケルと の原子構 造の二 次元的非 整合度 は大き く な っ て お り 、 実 験 結 果 の 過 冷 度 減 少 を 説 明 で き な い こ と か ら 、 修 正 二 次 元 整 合 度 を 考 えアルミナによる異質核生成挙動を説明した。一方、アルミナハ゜ウタ゛ーの添加では結晶組織は必ず レ も 微 細化 せ ず 、む レ ろNi0お よ びCo,0。 ハ ゜ ウタ ゛ − の添 加 の 方が 微 細 化し た。 これは低 酸 素 溶 湯 では こ れ らの ハ ゜ ウタ ゛ − が 溶解 し 、Ni溶 湯中の 酸素濃 度を高め たためで あるこ とを明 らかにした。

  第4章 で は 、一 方 向 凝固 レ たNi基 二 元 合金 の テ ゛ント ゛ライ1主軸 間隔を平 衡状態 図因子か ら 評 価 す る こ と を 試 み て い る 。 こ こ で 平 衡 状 態 図 因 子 と は 凝 固 温 度 区 間 ( △T)と 平 衡 分 配 係 数(ko)で あ る。 ま た 初期 溶 質 濃度 に よ るテ ゛ ンI゛ラ イI主軸 間 隔 への 影 響 も調 査 し た。

実 験 はNi‑AIお よ びNi―Nb二 元 合 金 を 用 い た 。 こ れ ら の 元 素 は そ れ ぞ れ 平 衡 分 配 係 数 が 初 期 溶 質濃 度 と とも に 増 加す る 関 係 と減 少 す る関 係 に ある 。 テ ゛ン ド ラ イI主 軸間隔 はHuntお よ びKurz&Fisherの 理 論 式 に よ る と 、 温 度 勾 配 の1/2乗 お よ び 凝 固 速 度 の1/4乗 に 逆 比 例 す る が 、 平 衡 状 態 図 因 子 で はHuntが ( △T.ko)I′4、Kurz&Fisherは ( △T/ko))1 と 一 致 しな い 。 テ゛ ン ド ライI主 軸 間隔 を 平 衡分 配 係 数、 凝 固 温度 区 間 で整 理 すると 、凝固温 度 区 間 で 両 系 は 直 線 関 係 で 整 理 で き る が 、 平 衡 分 配 係 数 で はNi‑Nb系 が 増 加 、Ni‑AI系 が 減 少 の 関 係 を 示 す 。 ま たHuntとKurz&Fisherの 平 衡 状 態 図 因 子 で 整 理 す る と 、Huntの 方 が ば ら っ き の 少 な い 関 係 が 得 ら れ る 。 さ ら に 初 期 溶 質 濃 度 で も 両 系 は 直 線 的 な 関 係 が 得られた。

  第5章は、本論文の研究成果を総括している。

  以 上 を 纏 め る とNiの 核 生 成 挙 動 に 及 ぼ す 酸 化 物 お よ び る っ ぼ 材 質 の 影 響 を 明 確 に し て 、 修 正 二 次元 整 合 度の 新 レ い考 え を 導入 す る こと に よ っ てア ル ミ ナに よ る 異質 核 生 成挙 動 を 説 明 し た 。 ま た 凝 固 組 織 の 微 細 化 は 酸 素 濃 度 に よ る 影 響 の 大 き い こ と を 明ら か に レた 。 さ ら にNi基 二 元合 金 の テ゛ ン ド ラ イI主 軸 間隔 に 及 ぼす 平 衡 状態 図 因 子の 影 響を 明確に レた。

要 す る に本 研 究 では 、Niの 凝 固 組 織設 計 に 必要 な 異 質核 生 成 挙動 お よ びテ ゛ ンド ライI成長挙 動に関する基礎的データを求めた。

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学位論文審査の要旨

主査 副査 副査 副査 副査

教授 教授 教授 教授 助教授

工 藤 昌 行 石 井 邦 宜 大 貫 惣 明 毛 利 哲 夫 伊 藤 洋 一

     学位論文題名

Solidification Characteristics of Ni and Ni‑base Binary Alloys

(ニ ッケ ル およ びニ ゜ッ ケル 基二 元合 金の 凝固 特性 )

  近 年 、 ニ ッ ケ ル 基 耐 熱 合 金 は 高 温 強 度 あ る い は 耐 腐 食 性 の 特 性 か ら ジ ェ ッ ト エ ン ジ ン 部 材 と レ て 使 わ れ て お り 、 ガ ス タ ー ビ ン 部 材 と レ て も 使 わ れ る こ と が 多 く な っ て い る 。 ま た よ り 高 温 強 度 を 高 め る 方 向 で の 組 成 開 発 も 行 わ れ て い る 。 一 方 、 使 用 目 的 に 応 じ た 組 織 の 設 計 、 例 え ば 単 結 晶 化 あ る い は 超 微 細 化 な ど が 必 要 と さ れ て い る 。 こ れ ま で の ニ ッ ケ ル 基 合 金 の 凝 固 に 関 す る 報 告 は 、 多 元 系 に 関 す る も の が ほ と ん ど で あ り 、 ニ ッ ケ ル そ の も の に 関 す る 研 究 は 少 な い 。 し た が っ て 今 後 二 ッ ケ ル 基 合 金 の 開 発 を 進 め る た め の 基 礎 と し て 、 ニ ッ ケ ル そ の も の の 凝 固 特 性 を 把 握 す る こ と が 重 要 で あ る 。 本 研 究 は 、 ニ ッ ケ ル お よ び ニ ッ ケ ル ― コ バ ル ト 合 金 の 核 生 成 に 及 ぼ す 酸 素 の 影 響 、 ニ ッ ケ ル の 核 生 成 に お よ ぼ す る っ ぼ 材 質 お よ び 酸 化 物 の 影 響 と 、 ニ ッ ケ ル ー ア ル ミ ニ ウ ム お よ び ニ ッ ケ ル ー ニ オ ブ 二 元 合 金 に お け る デ ン ド ラ イ ト 成 長 に つ い て 検 討 し て い る 。

  第1章 は 、 緒 言 で あ り 、 本 研 究 の 目 的 に つ い て 述 べ て い る 。

  第2章 で は 、 ア ル ミ ナ る っ ぼ を 用 い て 、 ニ ッ ケ ル お よ び ニ ッ ケ ル ー コ バ ル ト 二 元 合 金 の 大 気 お よ び ア ル ゴ ン 雰 囲 気 で 溶 解 凝 固 さ せ た と き の 核 生 成 挙 動 に つ い て 検 討 し て い る 。 そ の 結 果 、 ニ ッ ケ ル お よ び ニ ッ ケ ル ― コ バ ル ト 合 金 の 過 冷 度 は 酸 素 濃 度 の 増 加 で 減 少 し た 。 酸 素 濃 度 が 高 く な る と ス ピ ネ ル 構 造 の ニ ッ ケ ル ア ル ミ ネ ー ト(NiAl204)お よ び コ バ ル ト ア ル ミ ネ ー ト(CoAI204)が 生 成 す る こ と をX線 マ イ ク ロ ア ナ ラ イ ザ ー お よ びX線 回 折 で 同 定 し た 。 こ の ニ つ の ス ピ ネ ル の 原 子 構 造 は 、 ニ ッ ケ ル の 原 子 構 造 と 二 次 元 的 な 非 整 合 度 が 低 く 、 そ の た め 異 質 核 生 成 し や す い こ と が 示 さ れ る 。 さ ら に る っ ぼ の 影 響 を 考 慮 レ て 、 非 断 熱 系 で 凝 固 し た と き の 過 冷 度 お よ び 固 相 率 と 凝 固 時 間 と の 関 係 を 、 冷 却 速 度 、

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るっぼ及び溶湯の熱物性値の因子で表す式を求めた。この式に固相率を1 として過冷度 と凝固時間との関係を求めると、実験と良い一致を示レた。凝固組織は、酸素濃度の増 加によって微細化した。

   第 3 章では、アルミナるっぼと溶融シリカるっぼを用いて、アルゴン雰囲気でのニッ ケル溶湯に酸化物を添加した場合の過冷度と凝固組織への影響を調査レている。シリカ るっぼを用いると、過冷度はアルミナるっぼよりも高くなった。アルミナ粉末の添加は、

過冷度をより低下させた。アルミナとニッケルとの結晶学的整合度は、これまでの二次 元的整合度では大きくなり、実験結果の過冷度減少を説明できないことから、新たに修 正二次元整合度を考え、アルミナによる異質核生成挙動を説明レた。結晶組織はアルミ ナ粉末では必ずしも微細化せず、むしろニッケル酸化物(Ni0) およびコバルト酸化物 (C0304) 粉末の添加の方が微細化した。これは低酸素溶湯中でこれらの粉末が分解し、ニ ッ ケ ル 溶 湯 中 の 酸 素 濃 度 を 高 め た た め で あ る こ と を 明 ら か に レ た 。    第 4 章では、一方向凝固レたニッケルーアルミニウムおよびニッケル―ニオブ二元合 金のデンドライ卜主軸間隔が、これまで温度勾配および凝固速度などの操業因子で評価 されているのに対レて、より基本的な因子である平衡分配係数(ko) 、凝固区間(△T) で評価することを試みた。また初期溶質濃度によっても評価した。その結果、両合金の デンドライト主軸間隔は、凝固区間の増加あるいは初期溶質濃度の増加に伴って増加し、

凝固区間あるいは初期溶質濃度でニつの合金のデンドライ卜主軸間隔を統一的に評価で きた。

   第5 章は、本論文の研究成果を総括している。

   本論文は、ニッケル基耐熱合金の基本組成であるニッケルおよびよく使われる溶質元 素コバルト、アルミニウム、二オブを用い、核生成挙動に及ぼす酸素、酸化物およびる っぼ材質の影響を明確にして、異質核生成に新たな二次元整合度の考えを提示レた。ま た凝固組織の微細化は酸素濃度による影響の大きいことを明らかにレた。さらにニッケ ル基二元合金のデンドライト主軸間隔に及ぼす平衡状態図因子の影響を明確にし、組織 設計にーつの指針を与えた。

   これを要するに、著者は、ニッケルおよびニッケル基合金の凝固組織設計に必要な異 質核生成およびデンドライト形態に関する基礎的検討を行い、金属材料工学に貢献する ところ大なるものがある。

   よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照