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博士(工学) サントシュプラサドサー 学位論文題名

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Academic year: 2021

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博士(工学)   サントシュプラサドサー    学位論文題名

Fundamental Study of Plasma Electrolytic Oxidation of     Light IVIetals by Single Pulse Technique

( シ ン グ ル 電 圧 パ ル ス 法 に よ る 軽金 属 の プラ ズ マ 電解 酸 化 に関 す る 基礎 的 研 究 )

学位論文内容の要 旨

  

プ ラズ マ 電 解酸 化

(PEO)

は, 水 溶 液中 に お いて 高結晶性 の100pm 程度まで の厚さの セラミックコーティングを軽金属材料表面に施すことができる表面処理法として.近年注 目を集めている。表面に生じる放電現象により硬質の酸化物を金属表面に生成できるが、

基本的に常温の水溶液プロセスであるため,基板金属自身は高温環境下に曝されをいため.

アルミニウムやマグネシウム等の低融点の軽金属上にも容易にセラミックスコーティング が可能とをり,耐食性や耐摩耗性コーティングといて期待されている。様々を応用に適し た 形態や組 成のコー ティングを得るにはプロセスの理解と制御が欠かせをいが,PEO コー ティングプロセスは,アノード酸化,皮膜絶縁破壊っガス発生やプラズマ熱化学反応をどを 伴う複雑をプロセスであり,そのプロセスの理解はほとんど進んでいをいのが現状である。

そこで本研究では,PEO コーティングの初期過程に着目し,コーティングの形態や特性に 大きを影響を与える電解液成分や印加電圧波形の影響について基礎的知見を得ることを目 的とした。そのために,アノード酸化したアルミニウムにシングル電圧パルスを印加し、そ の時の電流応答と皮膜の破壊と修復挙動を解析した。また,局所的を皮膜破壊の解析を容 易にするために,直径200 ル

m

の微小電極を用いた。

  

本 論 文 は , 第

1

章 か ら 第

6

章 ま で で 構 成 さ れ て お り , 以 下 に そ の 概 要 を 記 す 。

  

第1 章では,軽金属材料のプラズマ電解酸化コーティングに関するこれまでの研究動向 を概説するとともに,PEO プロセスの理解の必要性を述ベ,本論文の目的および構成を記 した。

  

2

章で は,比較 的均一 で緻密を

PEO

コ ーティン グをア ルミニウ ム上に形 成すること が できるア ルカリ性 シリケート電解液の特徴を明らかにする目的で,

350V

でアノード酸 化 したアル ミニウム ヘシン グルパル ス電圧 を印加し て,その時の電流応答と皮膜の

SEM

観察およびEDS 分析を行った。また,比較として同様の実験をホウ酸アンモニウム水溶液 中においても行った。シリケート水溶液中では,パルス電圧によらず電流は指数関数的に 減少し,溝状の放電痕が主に生成した。パルス時間が2 ms と短い場合には円形の放電ポア も観察されたが,パルス時間を長くするとそのポアは修復されることがわかった。溝状放・

電痕部でも時間とともに微小放電が繰り返されることで皮膜の再生が進行することが明ら かとをった。一方,ホウ酸アンモニウム水溶液中においては,そのようを放電ポアの修復は

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(2)

起 こ ら ず , シ リ ケ ー ト 水 溶 液 が 放 電 部 で の 優 れ た 皮 膜 修 復 作 用 を も つ こ と を 明 ら か と し た 。   3章 で は ,PEOコ ー テ ィ ン グ で よ く 用 い ら れ る 交 流 法 に お け る カ ソ ー ド サ イ ク ル の 役 割 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し て シ ン グ ル カ ソ ー ド パ ル ス の 印 加 実 験 を 行 っ た 。50V の カ ソ ー ド パ ル ス をIs間 ア ノ ー ド 酸 化 し て い な ぃ ア ル ミ ニ ウ ム に 印 加 す る と , 表 面 に ナ ノ ポ ー ラ ス 水 和 酸 化 物 膜 が 形 成 し . カ ソ ー ド パ ル ス 印 加 時 で も ア ル ミ ニ ウ ム の 腐 食 が 進 行 す る こ と を 示 し た 。350Vで ア ノ ー ド 酸 化 し た ア ル ミ ニ ウ ム に 同 様 に カ ソ ー ド パ ル ス を 印 加 す る と , カ ソ ー ド パ ル ス に よ る 皮 膜 破 壊 に は , 数lo ms程 度 の 遅 れ が 生 じ , ア ノ ー ド 酸 化 皮 膜 の バ リ ヤ ー 性 が 確 認 で き た 。 一 方 。 ア ノ ー ド パ ル ス を 印 加 し て 絶 縁 破 壊 し た ア ル ミ ニ ウ ム に カ ソ ー ド パ ル ス を 印 加 す る と , カ ソ ー ド 皮 膜 破 壊 は 直 ち に 起 こ り , そ の 破 壊 サ イ ト は ア ノ ー ド 絶 縁 破 壊 サ イ ト と 同 一 で あ っ た 。 そ の カ ソ ー ド 破 壊 サ イ ト で は . や は ル ナ ノ ポ ー ラ ス 状 の 水 和 酸 化 膜 が 形 成 し て い た 。 そ の 後 さ ら に ア ノ ー ド パ ル ス を 印 加 す る と . カ ソ ー ド 破 壊 サ イ ト で は 絶 縁 破 壊 は 抑 制 さ れ , カ ソ ー ド 皮 膜 破 壊 は , 引 き 続 く ア ノ ー ド 絶 縁 破 壊 の サ イ ト を ラ ン ダ ム 化 す る 作 用 が あ る こ と を 明 ら か に し た 。

  4章 で は , シ リ ケ ー ト と も にPEO電 解 液 と し て 一 般 的 に 添 加 さ れ る り ン 酸 イ オ ン を ア ル カ リ 性 シ リ ケ ー ト 水 溶 液 に 添 加 し た 時 のPEOコ ー テ ィ ン グ 形 成 挙 動 に つ い て 検 討 し た 。 リ ン 酸 イ オ ン を 添 加 す る と , コ ー テ ィ ン グ の 厚 さ が 全 体 的 に 増 す と と も に , 局 部 的 に も 厚 くPEOコ ー テ ィ ン グ が し た 。 シ ン グ ル パ ル ス 実 験 か ら , リ ン 酸 イ オ ン を 添 加 す る と , ア ノ ー ド パ ル ス 電 圧 印 加 時 に 電 流 が 大 き く 上 昇 し , 放 電 が 激 し く 生 じ や す ぃ こ と が 明 ら か に な っ た 。 放 電 サ イ ト で の 皮 膜 の 修 復 が 進 ま ず , 放 電 が 集 中 し や す く な る こ と が , 局 部 的 を 皮 膜 成 長 の 一 因 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。

  5章 で は , マ グ ネ シ ウ ム 合 金 の 耐 食 性 を 改 善 す るPEOコ ー テ ィ ン グ の 形 成 に 及 ば す 電 解 液 へ の り ン 酸 イ オ ン の 添 加 効 果 に つ い て 検 討 し た 。 ス ピ ネ ル 酸 化 物 の 形 成 に よ っ て 保 護 性 を 付 与 す る 狙 い で ア ル ミ ン 酸 水 溶 液 に 異 を る 濃 度 の り ン 酸 イ オ ン を 添 加 し た 。 第4章 の 結 果 と 対 応 し て , リ ン 酸 イ オ ン の 添 加 量 を 増 や す と コ ー テ ィ ン グ は 厚 く を る が , 添 加 量 が 多 す ぎ る と ポ ア や ク ラ ッ ク が 多 く を り , 耐 食 性 は あ ま り 改 善 し を い 。0.05 mol dm3程 度 の り ン 酸 イ オ ン の 添 加 に よ ル コ ー テ ィ ン グ は 均 一 に 厚 く を り ,NaCl水 溶 液 中 に お け る 耐 食 性 も 最 も 改 善 し た 。

  6章 で は 本 論 文 の 総 括 を 行 っ た 。

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学位論文審査の要旨 主査 副査

副査 副査

教授 教授 教授 准教授

幅崎 安住 長谷川 伏見

学 位 論 文 題 名

浩樹 和久 靖哉 公志

Fundamental Study of Plasma Electrolytic Oxidation of     Light h/Ietals by Single Pulse Technique

( シングル 電圧パル ス法による軽金属のプラズマ電解酸化に関する基礎的研究)

  プ ラ ズ マ 電 解 酸 化(PEO)は , 水 溶 液 中 に お い て 高 結 晶 性 の100pm程 度 まで の 厚さ のセ ラ ミッ クコ ー ティ ング を 軽金 属材 料 表面に施すこ とができる表面処 理法として,近年注 目を集めている。

表面 に 生じ る放 電 現象 によ り 硬質の酸化物 を金属表面に生成 できるが,基本的に 常温の水溶液プロ セス で ある ため , 基板 金属 自 身は高温環境 下に曝されをい。 よってアルミニウム やマグネシウム等 の低 融 点の 軽金 属 上に も容 易 にセ ラミ ッ クス コー テ ィン グが 可 能と なり ,耐食 性や耐摩耗性コー ティ ン グと ぃて 期 待さ れて い る。様々な応 用に適した形態や 組成のコーティング を得るにはプロセ スの 理 解と制御 が欠かせないが,PEOコーテ ィングプロセスは ,アノード酸化,皮 膜絶縁破壊,ガス 発生 や プラ ズマ 熱 化学 反応 な どを伴う複雑 をプロセスであり ,そのプロセスの理 解はほとんど進ん でいをぃのが 現状である。

そこ で 本研 究で は ,PEOコー ティ ン グの 初期 過 程に 着凵し, コーティングの形態 や特性に大きな影 響を 与 える 電解 液 成分 や印 加 電圧波形の影 響について基礎的 知見を得ることを目 的とした。そのた めに,アノー ド酸化したアルミニ ウムにシングル電 圧パルスを印加し ,その時の電流応答と皮膜の破 壊と 修 復挙 動を 解 析し た。 ま た, 局所 的 を皮 膜破 壊 の解 析を 容 易に する た めに ,直 径200pmの微 小電極を用い た。

  本 論 文 は , 第1章 か ら 第6章 ま で で 構 成 さ れ て お り , 以 下 に そ の 概 要 を 記 す 。   1章で は ,軽 金属 材 料の プラ ズ マ電 解酸 化 コー ティング に関するこれまでの 研究動向を概説す る と と も に ,PEOプ ロ セ ス の 理 解 の 必 要 性 を 述 ベ , 本 論 文 の 目 的 お よ び 構 成 を 記 し た 。   2章 で は , 比 較 的 均一 で 緻密 をPEOコー テ ィン グを ア ルミ ニウ ム 上に 形成 す るこ とが で きる アル カ リ性 シリ ケ ート 電解 液 の特 徴を 明 らか にす る 目的 で,350Vで アノ ード酸 化したアルミニウ ムヘ シ ング ルパ ル ス電 圧をE卩加 し て, その 時 の電 流応 答 と皮 膜のSEM観 察 およ びEDS分析 を 行っ た。 ま た, 比較 と して 同様 の 実験をホウ酸 アンモニウム水溶 液中においても行っ た。シリケート水 溶液中では, パルス電圧によらず 電流は指数関数的 に滅少し,溝状の 放電痕が主に生成した。パルス 時間 が2 msと短 い 場合 には 円 形の放電ポア も観察されたが, パルス時間を長くす るとそのポアは修 復さ れ るこ とが わ かっ た。 溝 状放電痕部で も時間とともに微 小放電が繰り返され ることで皮膜の再 生が進行する ことが明らかとをっ た。一方,ホウ酸 アンモニウム水溶 液中においてはっそのような放 電ポ ア の修 復は 起 こら ず, シ リケート水溶 液が放電部での優 れた皮膜修復作用を もつことを明らか とした。

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  3章 では ,PEOコーテ ィング でよく 用い られる 交流法 におけ るカ ソード サイク ルの役 割を明 ら かに す る こ と を目 的 と し て シン グ ル カソ ードパ ルス の印加 実験を 行った 。50Vのカ ソード パルス をIs間 ア ノ ード 酸化し てい をいア ルミニ ウムに 印加す ると .表面 にナノ ポーラ ス水 和酸化 物膜が 形成 し , カ ソ ―ドパ ルス印 加時で もア ルミニ ウムの 腐食が 進行 するこ とを示 した。350Vでア ノー ド酸化 したア ルミニ ウム に同様 にカソ ードパ ルスを印加すると.カソード′Sルスによる皮膜破壊に は,数10 ms程 度の 遅れが 生じ, アノー ド酸化 皮膜のバリヤー性が確認できた。一方.アノードパル スを印 加して 絶縁破 壊し たアル ミニウ ムにカ ソード パル スを印 加すると,カソード皮膜破壊は直ち に起こ り,そ の破壊 サイ トはア ノード 絶縁破 壊サイ トと 同一で あった。そのカソード破壊サイトで は,や はルナ ノポー ラス 状の水 和酸化 膜が形 成して いた 。その 後さらにアノードパルスを印加する と,カ ソード 破壊サ イト では絶縁破壊は抑制され,カソード皮膜破壊は,引き続くア丿ード絶縁破壊 のサイ トをラ ンダム 化す る作用 がある ことを 明らか にし た。

  4章 では , シ リ ケ ー トと も にPEO電 解 液 と して 一 般 的 に添 加さ れるり ン酸イ オンを アルカ リ 性シ リ ケ ー ト 水溶 液 に 添 加 した 時 のPEOコーテ ィング 形成 挙動に ついて 検討し た。 リン酸 イオン を添加 すると ,コー ティ ングの 厚さが 全体的 に増す とと もに, 局部的 にも厚 くPEOコー ティングが した。 シング ルパル ス実 験から.リン酸イオンを添加すると,アノードパルス電圧印加時に電流が大 きく上 昇し, 放電が 激し く生じやすいことが明らかにをった。放電サイトでの皮膜の修復が進まず,

放 電 が 集 中 し や す く な る こ と が , 局 部 的 な 皮 膜 成 長 の 一 因 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。   5章 では , マ グ ネ シ ウム 合 金 の 耐 食性 を 改 善 す るPEOコー ティ ングの 形成に 及ばす 電解液 へ のりン 陵イオ ンの添 加効 果にっ いて検 討した 。スピ ネル 酸化物 の形成によって保護性を付りする狐 いでア ルミン 酸水溶 液に 異なる 濃度の りン酸 イオン を添 加した 。第4章の 結果と 対応し て、リン酸 イオン の添加 量を増 やす とコー ティン グは厚 くをる が, 添加量 が多すぎるとポアやクラックが多く なり, 耐食性 はあま り改 善しな い。0.05 moI dm一3程 度のり ン酸 イオンの添加によルコーティング は均一 に厚く なり,NaCI水溶 液中に おけ る耐食 性も最 も改善 した 。

  第6章では 本論文 の総括 を行 った。

  これを 要する に, 著者は,軽金属の新規を表面処理法として注目されているプラズマ電解酸化法の 初期過 程を, 微小電 極を 用いたパルス電圧法により解析するという新しい取り組みにより,電解液組 成およ びカソ ード電 圧パ ルスのコ―ティング形態制御への役害りに関する新たで実用上重要な多くの 知見を 得てお り,表 面工 学分野 への貢 献が大 である 。

よ っ て , 著 者 は ,北 海 道 大 学 博士 ( 工 学 ) の 学位 を 授 与 す る資 格 が あ る もの と し て 認 める 。

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