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近接施工に伴う軟弱地盤上の鉄道盛土の自動変位計測

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Academic year: 2022

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(1)III‑730. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 近接施工に伴う軟弱地盤上の鉄道盛土の自動変位計測 中央開発㈱ (財)鉄道総合技術研究所 滋賀県. 正会員 ○小泉 智之 正会員 小島 謙一 間壁 誠. 正会員 西原 聡 正会員 舘山 勝 藤田 喜世隆. 1.はじめに 施工現場(彦根) 計測室 琵琶湖東北部浄化センターでは,鉄道盛土に近接した箇所(離 横方向地中変位観測 層別沈下観測 地下水位観測 地表面変位観測 隔距離は 22m 程度)に,48.0m×33.1m の領域に深さ約 21.8m の下 水処理施設(第2ポンプ棟)構築のための大規模掘削工事が予定 されている.当現場は腐植土層(wn=300〜600%)が 10m 程度堆積し ネットワーク型式 自動追尾 多段式傾斜計 沈下計 水位計 ている超軟弱地盤であり,自由地下水面も GL‑0.2〜0.5m 程度と非 トータルステーション 光ファイバー 常に高い.このため,掘削工事に伴う地下水位低下や応力開放に Web カメラ スイッチボックス より,近接する鉄道盛土(営業線)が変状することが懸念された. データロガー 画像サーバー 計測管理者 そこで,図 1 に示すような地盤変位及び地下水位を自動で計測す パソコン モデム モデム ISDN 回線 るシステムを構築し,掘削工事による鉄道盛土の変状を計測管理 (データ転送) ISDN TA した 1).本論文では,自動計測システムの一つである自動追尾型 ルーター トータルステーションによる地表面変位計測を中心に,鉄道盛土 付近の地盤挙動について述べる. 図 1 計測システムの模式図 N値 2.計測概要 表 1 計測管理項目について B 図 2 に当現場の代表的な土質柱状図を示す.当現場は 計測項目 計測機器 計測箇所 約 10m にわたる腐植土層が堆積しており,これは圧密沈 自動追尾式型 15 箇所(H1〜H15) 地表面変位 トータルステーション 下や側方変形など当地盤における変形の支配的な地層 2 箇所(K1,K2) Ap 地中水平変位 多段式孔内傾斜計 である.図 3,4 にポンプ棟付近の計測器配置図(平面図 2 箇所(S1,S2) 層別沈下 層別沈下計 および断面図)を示す.計測管理は第2ポンプ棟施工予 11 箇所(W4,5,7,8,9,10) 地下水位(1) ネットワーク型 定箇所の鉄道側の中心部に基本測線を設け,施工周辺地 11 箇所 Ac 地下水位(2) スタンドアローン型 盤,鉄道盛土を中心として,表 1 に示す計測項目につい (W1〜3,W6,W11〜W17) Ag て実施した.図 1 に計測システムの模式図を示す.各計 測器により計測されたデータはスイッチボックスに集約され,光ファイバー線により計測室のデー Ac タロガーに蓄積される.これらの計測データは通信回線網を利用して計測管理者が取り込み,解析 した.第2ポンプ棟の施工は,連続地盤改良壁による土留め壁を構築後,底盤支持のための改良杭 Dg の施工,掘削が計画されている. <凡例> ネットワーク型水位計(不圧地下水位対象)6 箇所 ネットワーク型水位計(被圧地下水位対象)5 箇所 地表面変位杭及び不動杭(反射プリズム)1 箇所 自動層別沈下計 2 箇所 多段式自動傾斜計 2 箇所. H15(不動点) 水処理施設 (B1 系列) 観測小屋 (データロガー). 33.1m. H14(不動点). (施設側) 22.3m. H3,4,5,6,7,8 沈下計 S2 傾斜計 K2. 48.0m. JR防護工. H12. H11. H10. H13(不動点). W4‑1(10m) H4 W4‑2(24m) 12.5m. H12. W9‑1(8m) W9‑2(22m). K2(28m) H11 S2(28m) H10. 40.0m. W7‑1(8m) W7‑2(22m) W5 K1(25m). H9 S1(25m) H5. 90.0m (のり面) H7. H6 (軌道). H1. H2. Box. H9. (軌道). H1,2. Dc. のり勾配 1:1.5 JR盛土. 2m. 17m. W10‑1(8m) W10‑2(22m). H8. 至 彦根. 至 米原. H3. W8‑1(8m) W8‑2(22m). 第 2 ポンプ棟 掘削領域. スイッチ ボックス. 22.33m 2.0m 20.33m 5.0m 2.0m 10.0m. 10m. 山側. 沈下計 S1 傾斜計 K1 1m. 第2ポンプ棟 計画域. (琵琶湖側). 10m. 12m 20m 21.8m. dt R. 24m. (のり面). JR 防護工. 図 2 当現場の 代表的な土質柱 状図(H11 付近). 図 3 ポンプ棟付近の計測器配置平面図 図 4 ポンプ棟付近の計測器配置断面図 3.自動追尾トータルステーションによる地表面変位の計測手法 Z軸 X軸 地表面変位計測は図 3,4 に示すようにJR盛土のり肩および第2ポンプ棟周辺地盤 浮上り(+) 琵琶湖側(+) に反射プリズム変位杭を合計 15 箇所設置し,自動追尾トータルステーションにより自 高度角度 V 斜距離 D 動計測した.トータルステーションが実際に計測している値は,図 5 に示すように斜距 水平角度 H 離 D,高度角度 V,水平角度 H である.しかし,これらは計測環境の変化に伴う機械誤 Y軸 彦根側(‑) 米原側(+) 差を含んで計測されるため,この誤差の影響をできる限り低減する必要がある. そこで,今回,不動杭として設置した H13(山側斜面に岩着)および H14,H15(既設 施設側(‑) 沈下(‑) の水処理施設内に設置)を観測することにより測定機械の誤差を推定し,各点の計測 図 5 計測値の説明図 値を補正することにした. 以下,高度角度 V を取り上げて補正方法について説明する. ある同一時刻(t=i)の計測における不動杭(H13,14,15)の高度角度 Vj(i)と初期(t=0)の値 Vj(0)の差をΔVj(i)とす キーワード 自動変位計測,鉄道盛土,近接施工,軟弱地盤,掘削,圧密沈下 連絡先 〒169‑8612 東京都新宿区西早稲田 3‑13‑5 中央開発(株) TEL03‑3208‑3541 ‑1459‑.

(2) III‑730. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月) 120. る(j=13,14,15) .不動点(H13,14,15)の高度角度の変動量ΔVj(i)の 確率分布を調べたところ,図 6 に示すように,±2″程度のバラツキ を有する正規確率分布と推定できることが分かった.次に式(1)に基 づく最小二乗法を用いて,不動点における計測値の変動量から計測 誤差量の最確値について定式化したところ,式(2)に示すような各不 動点の変動量ΔVj(i)の平均値となることが分かった.本計測では各 不動杭の変動量の平均を用いて計測値の補正を行った.なお,斜距 離 D 及び水平角度 H についても同様にして補正を実施した. S (i ) =. 15. ∑ (ΔV (i)−ΔV (i)). 2. j. j =13. → min. 不動杭(H13,14,15). 平均値: 0.03 標準偏差: 1.87. 100 80. 度数. 60 40 20 0 -8. ・・・式(1). -6. -4. -2. 0. 2. 4. 6. 8. 高度角度ΔVj(i) (j=13,14,15). ∂S (i ) = ΔV13 (i ) +ΔV14 (i) +ΔV15 (i ) − 3 ⋅ΔV (i) = 0 ∂ (ΔV (i )). 図6. 不動杭(H14)の高度角度の確率分布. -10. 地表面変位量(mm) 地表面変位量(mm). 琵琶湖側. -50. 0 沈下計S1 JR盛土のり面内 12/16. 12/31. 1/15. 1/30. 2/14. 3/1. 3/16. 0. 0. 沈下計S2 (ポンプ棟施工周辺部) 12/16. 12/31. 1/15. 1/30. 2/14. 3/1. 3/16. 琵琶湖側. 施設側. 25. -50. 50. 地中横方向変位(mm). -25. 0. 施設側. 25. 50. 0 H13.12.7 H13.12.20 H14.1.10 H14.1.25 H14.2.5 H14.2.28 H14.3.15. 5. H13.12.7 H13.12.20 H14.1.10 H14.1.25 H14.2.5 H14.2.28 H14.3.15. 10 深度(m). 10. 全沈下量 腐植土層の沈下量. -10. 10 12/1. 5. 3/31. 日時. -30 -20. 地中横方向変位(mm). -25. 0. 10 20 12/1. 沈下量(mm). 地表面変位量(mm). 腐植土層の沈下量. 深度(m). 沈下量(mm). 地表面変位量(mm). 地表面変位量(mm). 地表面変位量(mm). ⇒∴ΔV (i ) = (ΔV13 (i ) +ΔV14 (i ) +ΔV15 (i )) / 3・・・式(2) 20 20 4.計測結果 地表面変位杭H5 地表面変位杭H11 15 15 10 10 第2ポンプ棟施工区域では,H13 年 12 月〜H14 年 5 5 0 0 3 月の4ヶ月間に,表層改良工,遮水壁工,土留め -5 -5 -10 -10 壁(地中連続壁)の施工が順次行われた.ここでは, -15 -15 X変位( 琵琶湖(+)⇔施設(-)方向) X変位( 琵琶湖(+)⇔施設(-)方向) -20 12/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 地表面および地中の地盤挙動に関する計測結果を -2012/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 観測時刻 観測時刻 示す.図 7 に鉄道盛土のり肩(H5)および施工領域か 20 20 地表面変位杭H5 地表面変位杭H11 15 15 ら 10m の位置(H11)における地表面変位計測結果を 10 10 5 5 示す.2 月はじめ,H11 において 25mm 程度の浮き上 0 0 -5 -5 -10 がり,5mm 程度の琵琶湖側への水平変位が発生した. -10 -15 -15 Y変位( 米原(+)⇔彦根(-)方向) Y変位( 米原(+)⇔彦根(-)方向) -20 これに合わせて鉄道盛土のり肩の H5 においても 2 -2012/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 12/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 観測時刻 観測時刻 〜3mm 程度,琵琶湖側に水平変位が発生したが,そ 20 25 地表面変位杭H5 地表面変位杭H11 15 20 の後の変位の増加は認められなかった.また鉛直方 10 15 5 10 向の動きはなく,現時点において鉄道盛土に対する 0 5 -5 0 施工の影響はほとんどないと考えられる.なお,こ -10 -5 -15 -10 Z変位( 浮上り(+)⇔沈下(-)方向) Z変位(浮上り(+)⇔沈下(-)方向) の時期に実施された施工作業は,土留め壁の施工と -20 -15 12/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 12/1 12/16 12/31 1/15 1/30 2/14 3/1 3/16 3/31 観測時刻 観測時刻 それに伴う表層改良等である.現状では,表層改良 図 7 地表面変位計測結果(H5,H11) 等の際の盛土などが変状要因と考えられる.図 8,9 に H9,H11 の直近に設置した沈下計 S1,S2 及び傾斜計 K1,K2 の計測結果を示す.傾斜計 K2 及び沈下計 S2 の計測 結果より,地中の地盤挙動については,腐植土層の変形が支配的であることが確認され,施工においては腐植土層 に対する配慮が必要である.一方,傾斜計 K1 及び沈下計 S1 より,鉄道盛土では大きな変形は確認されなかった. -20 傾斜計 K1 傾斜計 K2 全沈下量. 15. 15. 20. 20. 25. 25. 3/31. 日時 【琵琶湖側−施設側方向】 【琵琶湖側−施設側方向】 図 8 層別沈下計による沈下計測結果 5.おわりに 図 9 孔内傾斜計による水平地中変位結果 現在のところ施工周辺地盤では施工による影響が見られるが,一方,鉄道盛土に対する影響はほとんどない.し かし,今後予定されている掘削工事に関しては,掘削に伴う地下水位低下も伴うことから,現地の施工状況を考慮 しながら,地盤の変形挙動を監視していく予定である. 参考文献 1)小泉,西原,舘山,小島,間壁,藤田:近接施工に伴う軟弱地盤上の鉄道盛土の自動計測管理システム,第 37 回地盤工学研究発表会 投稿中. ‑1460‑.

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