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KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS

/Vol. 57 No. 3(Dec. 2007)

新 製 品 ・ 新 技 術

蛍光分析法を用いた簡易濃度計

出島勝郎

㈱神鋼エンジニアリング & メンテナンス 電気計装部

問合わせ先:㈱神鋼エンジニアリング & メンテナンス 営業本部 田尻 勝 TEL:(078)882−5271 FAX:(078)871−3665  環境問題は世界的な関心事になっている。そのような

中,河川などに排出される微量な有害物質を検出する環 境監視装置への期待が高まっている。工場においては排 水中の油分,石鹸などを常時監視する必要があり,この たび,排水中に含まれる微量のクーラント液の濃度を測 定する装置を開発したので紹介する。ここでいうクーラ ント液とは,水に数%の潤滑油を乳化させた液体で,圧 延プロセスのなかで,ロールの冷却とロールと被圧延材 料間の摩擦を緩和するために使用されている。

1.測定原理と本装置の特徴

 本装置は,10ppm 程度の濃度域まで連続的に計測でき ること,および容易に保全できることを特徴とする。以 後この装置を簡易濃度計と呼び,その仕様を表 1に示 す。クーラント液に紫外線を照射すると蛍光を発する性 質を利用したもので,一般的に蛍光分析法と呼ばれてお り,低濃度域では蛍光物質の濃度と蛍光強度は比例す 1)。図 1にクーラント液の蛍光の発光特性を示す。

 この種の装置では,通常サンプル液をガラスセルなど に導いて測定されるが,ガラスセル内面にクーラント液 中の油分が付着し,紫外線を照射すると,この付着成分 が発光して濃度計測の外乱になる。そこで本装置では,

図 2のようにガラスセルを省略した測定系を採用した。

図 3に検出部と制御部一体型の簡易濃度計を示す。盤背

面の上部にはサンプルタンクが設置されている。設置環 境によっては,測定部と制御部を離している。

2.本装置での測定と利用例

 製造ラインから導かれたサンプル液はタンクに溜ま り,オーバフローすることでノズルでの液圧が一定に保 たれた状態でタンク下部のサンプル液回収容器に落下す る。ノズルはサンプル液が円柱を形成するように形状を 調整してある。この円柱が一般的な測定におけるガラス セルに封入されたサンプルに相当する。落下途中のサン プル液に紫外線を照射し,発光した蛍光強度を蛍光検出 器で検出する。落下したサンプル液は排液処理プロセス に送られる。

 本装置は,測定対象となる蛍光物質に適した励起光と 蛍光検出器の特性を適当に選定することで蛍光物質の濃 度が連続計測できる。紹介した事例のほか,圧延油や切 削油の濃度管理,工場内あるいは生活排水中の油脂,石 鹸など蛍光物質を含む液体の連続監視に有効である。

参 考 文 献

1)  日本分析化学会近畿支部:第 4 改稿機器分析実験法(上)

(1965),pp.299-pp.300,化学同人.

油脂(クーラント液中の油脂濃度など),石鹸など 蛍光を発光する物質

測定対象

10ppm(冷間圧延用油脂が水に混ざった場合の油脂 濃度の場合)

測定分解能の目安

±0.2%(フルスケール)

温度ドリフト

λ=365nm(4mW, LED)

励起波長

λ=420〜650nm(対象によりフィルターで調整する)

受光波長

警報接点,デジタル表示,アナログ出力等 出力

AC100V±10V 電源

0〜40℃,結露しないこと 動作条件

表 1  簡易濃度計の仕様

相対強度 

300 400 500 600 700

高濃度液 

低濃度液 

100 

80  60  40  20  0

励起光 365nm 波長 (nm)

図 1  クーラント液の蛍光の発光特性

制御部  製造ライン  サンプル液  オーバ 

フロー液  タンク 

サン  プル  液 

紫外線光源 

(LED) 

蛍光検出器  サンプ 

ル液回  収容器 

本管に戻すか廃液  処理プロセスへ 

ノズル  サンプル液  蛍光   

図 2  濃度計フロー図

図 3  簡易濃度計の外観

参照

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