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72 KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS/Vol. 57 No. 3(Dec. 2007)

新 製 品 ・ 新 技 術

アルミ電磁成形加工技術

橋本 成一

アルミ・銅カンパニー 長府製造所 アルミ押出工場 技術部

問合わせ先:アルミ・銅カンパニー 長府製造所 アルミ押出工場 技術部 アルミ押出研究室 橋本成一 TEL:(0832)46−1220 FAX:(0832)46 −1219  近年,自動車部材に対しては,環境負荷低減の側面か

ら大幅な軽量化が求められており,アルミ押出材を用い ることも軽量化の有効な手段となっている。アルミ押出 材を自動車部材に使用する場合,低コストで生産性高く 加工する方法が要求されるようになってきた。そこで,

このような要求を実現しうる加工法として,電磁力を使 った加工法である電磁成形法に着目し,アルミ押出部材 を主な対象にした実用化開発を行った。

1.本電磁成形加工技術の特長

アルミや銅などの高導電率材料に適している。

常温において非常に高速(数 ms 以下)で成形が完了

するため,必要な生産性が確保できる。

拡管,縮管成形が容易である。

装置が簡易でありライン自動化が容易である。

2.電磁成形法の原理

 電磁成形法とは,大容量・高電圧のコンデンサに電荷 を蓄積し,コイルに大電流を流すことで瞬間的に生じる 磁場を活用した高速度加工方法である。電磁成形法の原 理を図 1に示す。パイプの拡管や縮管,板の張出成形な ど三次元の加工が可能である。

3.本技術の応用例

 当社が世界で初めて開発したアルミ電磁成形ステイ

(図 2)を組み込んだ「アルミバンパシステム」が,量 産車に採用された。

 バンパシステムは,車体前後方向からの様々な衝突に 対して車体や乗員を守るために車体の前後端部に装着す るエネルギー吸収補強材である。衝突物を直接受け止め るレインフォース(バンパビーム)と,それを両端で支

持するステイで構成されている。当社では,従来からア ルミ化されていたレインフォースに加えて,本電磁成形 法を用いることによって従来の鉄製ステイ部分をアルミ 化することに成功した。このアルミバンパシステム実用 化により,車 1 台で約 1.3kg の軽量化を実現している。

 これまでの一般的なアルミ製バンパステイは,エネル ギーを吸収する胴部と車体やバンパビームと締結するプ レートにて構成されており,胴部とプレートは溶接され る。鉄ステイと比較すると,コスト高になること,溶接 熱による軟化やひずみの課題があった。

 今回開発した電磁成形アルミステイでは,胴部にあた るパイプとプレートとの接合に関して,電磁力による拡 管を利用したかしめを使って溶接レスとしている。ま た,かしめ部の反対側は,胴部のパイプを拡管してフラ ンジ面を形成(車体側取付け部分)していることで一体 化成形による低コスト化を実現した。電磁成形ステイの 製作工程を図 3に示す。

 今後は,電磁成形ステイの適用拡大により,現在の生 産量 7,000 セット/月から,2008 年度には 15,000 セット/

月レベルまで拡大させる予定である。

図 1  電磁成形法の原理

電磁成形によりプレートと  のかしめおよび反対側にフ  ランジ面の形成を実現 

アルミ押出パイプ  バンパビーム側アルミ板プレート 

図 3  電磁成形ステイの製造工程 図 2  電磁成形ステイ外観

フレミングの左手の法則  インダクタと素管の間 

に相反する力が作用  磁界の向き  電磁力の向き 

電流の向き  AとCが逆向き  インダクタ(電磁コイル) 

素管 

1. インダクタに通電 

4. 放射状に作用力が発生し拡管 

2. インダクタに    磁束発生  3. 素管に 

  誘導電流が誘起  型 

参照

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