九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
平均天空に基づく昼光照明の計算方法に関する研究
穴井, 謙
九州大学人間環境学研究科空間システム専攻
https://doi.org/10.11501/3166827
出版情報:Kyushu University, 1999, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
。
博 士 論 文
平均天空に基づく昼光照明の計算方法に関する研究
2000
年1
月穴 井 謙
目 次
第
1
章 序 論1 . 1
研 究 の 背 景1 . 2
研 究 の 目 的1 .
3 本論文の構成1i
司 ︑ ︼ 戸 ︑
J
第
2
章 標準天空と昼光照明計算2 . 1
標準天空7
2 . 2
平均天空9
2 . 3
その他の標準天空1 3
2 . 3 . 1
一様天空1 3
2 . 3 . 2 CIE
標準曇天空1 3 2 . 3 . 3 CIE
標準晴天空1 5
2 . 3 . 4
中間天空1 6
2 . 3 . 5 BRE Average S k y 1 8 2 . 3 . 6 Homogeneous S k y 1 9 2 . 3 . 7
連続的標準天空2 1 2 . 3 . 8 A l l S k y Model 24
2 . 4
昼光照明計算27
2 . 4 . 1
平均天空2 7
2 . 4 . 2
一様天空3 5
2 . 4 . 3 CIE
標準曇天空3 7
2 . 5
まとめ3 8
1
第
3
章 平 均 天 空 の 数 式 化3 . 1
平均天空の構成方法42
3 . 2
日本の平均天空46
3 . 3
数式化のための基本式50 3 . 4
基本式の係数あるいは係数項の確定52
3 . 5
平均天空を表す式58
3 . 6
まとめ62
第
4
章 側窓採光による昼光率の予測4 . 1
側窓採光による昼光率4 . 2
立体角投射の法則と直接昼光率4 . 3
単位立体角投射率あたりの直接昼光率を表す式4 . 4
作業面切断の式と間接昼光率4 . 5
窓面の直接昼光率を表す式4 . 5 . 1
窓面の下向き直接昼光率4 . 5 . 2
窓面の上向き直接昼光率4 . 5 . 3
窓面の直接昼光率に関する提案式の精度4 . 6
まとめAU
寸
ζ J
弓I
t
‑
‑ d n u n y n U
弓3
r A U f o f O
﹃ / 弓
f n y n y n u n U
噌E
A 4 E A
第
5
章 天窓採光による昼光率の予測5 . 1
天窓、採光による昼光率5 . 2
天窓の下向き直接昼光率5 . 3
天窓の下向き直接昼光率を表す式. 1 0 5 .107 . 1 2 2
II
5 . 4
天窓の下向き直接昼光率に関する提案式の精度5 . 5
まとめ第 6章 室内昼光照度の予測
6 . 1
全天空照度6 . 2
全天空照度とその出現頻度の関係を表す式6 . 3
天窓および側窓による昼光照度の計算手順6 . 4
昼光照度の計算例6 . 5
まとめ第 7章 総 括
文 献 謝 辞
III
. 1 3 3 . 1 3 6
. 1 3 7 . 1 3 9 . 1 4 6 . 1 4 8 . 1 5 8
. 1 5 9
第 1 章 序 論
第1章 序 論
1
.序論1 . 1
研究の背景近年,昼光利用を強く意識した建築が世界の各地で多く見うけられる。
昼光は,人工光のような安定性や信頼性には欠けるが,建築空間の居住 者や利用者である人間に対して,視覚に必要な光を供給するだけでなく,
精神的な刺激も与える。また,昼光には,意識的あるいは無意識的に外 界環境とのつながりを保持する心理的な作用もある。このように,昼光 は建築空間の形成に大きく寄与する。
昼光照明は,建築空間への昼光の導入,さらに,昼光の導入による建 築空間の光環境の構成を意味している。昼光照明計画では,屋外の光源 から建築空間の検討点に至る過程を正確に把握し,照度に代表される光 環境の諸要件を予測し,それらを十分に効果的に達成するように,窓の 位置や大きさ,室内仕上げなどの建築形態を決定する。このような昼光 照明計画を一般的に広く実施するための最も基礎的な要件は,建築空間 における昼光照明環境の簡易な予測方法の開発である。
昼光は,季節や天候 時刻によって,常時変動する。ときには激しく 変動する。他方,建築の昼光照明用の開口,すなわち,採光用開口は固 定的である。開口部に可動ルーバーやブラインドなどの昼光照明の制御 装置を設置しでも,変動する昼光を十分に追従することはできない。昼 光照明環境は,昼光の変動と共に多様に変動する。したがって,その時々 の瞬時の昼光照明環境の予測とあわせて,固定的な採光用開口の計画や 設計に対応する予測方法が必要である。
‑1‑
第 1章 序 論
昼光照明環境の予測は,標準天空と称する天空輝度分布に基づいて行 う。したがって,標準天空は実際に現れる天空輝度分布に即していなけ ればならない。天空の輝度に関する資料が乏しかった時代には,計算を
簡単に行うために,天空輝度分布を一様と仮定して昼光照明環境の予測 を試みていた。しかし,実際の天空状態で,天空の輝度が一様分布とな ることは決してない。
C I E
注(国際照明委員会)は天空輝度分布のモデ ルとして,C I E
標準曇天空 1)とC I E
標準晴天空 2)を推奨した。また,C I E
標準曇天空による昼光照明環境の予測方法 3)を勧告した。しかし,この 方法は,予め決められた形態の建物にしか適用できない。さらに,
2 つ
の
C I E
標準天空は,両極端な天空状態,すなわち,天空全体が厚い雲に 覆われた状態と完全に晴れ上がった状態を示すものである。これらに近似する天空が実際に現れることは少ない。いわゆる中間天空と称する晴 れと曇りの聞の天空状態の方が,はるかに多く出現する。常に変動する 実際の天空輝度分布に即した 固定的な採光用開口のための標準天空と して,平均天空
(MeanSky)
4・9)が提案されている。平均天空は,任意 の検討地点における 任意の検討期間,任意の検討時間帯に現れるすべ ての天空輝度分布の平均として構成するものである。日本で適用するた めに,北緯35
0 東経135
。の地点における検討時間帯が午前9
時から午 後5
時までの年間の平均天空が示されている。また,側窓を対象として,平均天空に基づく昼光照明環境の予測方法 4,5,7)が提案されている。
現在,昼光照明の計画や設計は 実務者の勘や経験によって行われて
注 CommissionInternationale de l'立clairageの略。国際照明委員会。 CIEは,光と照明に関す る唯一の国際機関である。世界中の約 40ヶ国が加盟している。照明に関する基準や標準を定 め,勧告を行い,また,研究の交流を図っている。その活動はISO/CIE等の国際規格やJIS 規格に強い影響をもっ。日本照明委員会 (JCIE)は主要な一員である。
‑2‑
第 1章 序 論
いると言っても過言でない。昼光照明に関する配慮がほとんど払われて いない場合も稀ではない。昼光の実態に即した簡易な昼光照明の計画方 法や設計方法が確立していないことによる。
昼光照明環境の予測は,建築空間の計画や設計の段階に応じて,用い るべき方法が異なる。建築空間の材料や色彩などの詳しい情報が得られ る後期段階では,精織な昼光照明環境の予測を行うことが望ましい。し かし,初期の段階では,建築の計画や設計はその過程においてしばしば 変更される。変更のたびごとに昼光照明環境も繰り返し検討する必要が ある。そのためにも,多大な労力を要しない簡易な昼光照明,特に昼光 照度の計算方法の開発が必須である。
1 . 2
研究の目的本研究の目的は, 日本での適用が可能で,建築の計画や設計の初期段 階での使用が可能な 昼光照明の計算方法を開発することである。屋外 の障害物と室内の検討点との位置関係などの諸要件は既知であるとし,
実際の天空に即した簡易な昼光照明環境の予測を可能とする。そのため,
昼光照明の光源である標準天空は,日本の平均天空を用いる。
昼光照明環境を精度良く予測するためには 天空の位置ごとに輝度を 与える必要がある。しかし 従来の平均天空の資料は 大まかな天空の 位置の値が,数表で示されている。実際に昼光照明の計算を行うときは,
与えられている値から数学的に補間するなどの手間が必要である。これ は,利用者にとって非常に煩雑であり,コンビュータを用いる場合はプ
‑3一
第 1章 序 論
ログラムが輔鞍する。したがって,一般的に広く 実施することのできる 昼光照明の計算のために,平均天空を数式で示すことが必要である。本 研究では,平均天空を再構成し,その後,数式化する。
昼光照明の計算には,昼光率がしばしば用いられる。昼光率は,建築 空間の検討点における昼光照度の, 全天空照度に対する比である。検討 点の昼光率が求まれば,その点の昼光照度は,昼光率と全天空照度の積 として求めることができる。また,建築空間の昼光照度は,直接照度と 間接照度の 2つに分けて取り扱う。したがって,昼光率も,直接昼光率 と間接昼光率の
2つの成分に分けることができる。直接照度は,昼光が
採光用開口から検討点に直接入射することにより生じる照度であり,間 接照度は,採光用開口から入射した昼光が,建築空間で反射を繰り返し た後に検討点に入射して生じる照度である。直接昼光率および間接昼光 率は,直接照度および間接照度の,全天空照度に対する比である。従来の,平均天空に基づく昼光照明の計算方法では,直接昼光率と間 接昼光率を個別に計算し,それらの和として昼光率を求めている。直接 昼光率は, i単位立体角投射率あたりの直接昼光率」と,関口部の立体角 投射率との積として求める。間接昼光率は「窓面の直接昼光率」を用い,
作業面切断の式 10)を昼光照明に適用するために修正した式 4,5)により求 める。計算に必要な,単位立体角投射率あたりの直接昼光率,および,
窓面の直接昼光率は,平均天空の資料と同様に,数値による表の形で示 されている。しかし,計算の利便性を考慮すると,それらも数式で示す 必要がある。本研究では,数式で示した平均天空に基づいて,新たに単
‑4‑
第1章 序 論
位立体角投射率あたりの直接昼光率, および,窓面の直接昼光率を求め,
これらを数式で示す。
また,従来の平均天空を用いた昼光照明の計算方法は,側窓、のみを対 象としている。実用に供するためには, 天窓も対象としなければ不十分 である。したがって,本研究では,天窓による昼光照明の計算方法を新 たに開発し,提案する。すなわち, I天窓の直接昼光率」を新たに定義し,
天窓による間接昼光率の計算を可能とする。
さらに,既に提案されている全天空照度とその出現頻度の関係を数式 で表し,出現頻度を考慮した建築空間の昼光照度の予測を可能とする。
以上を総括して,本研究は,平均天空に基づく昼光照明の計算方法を 提案する。すなわち,数式で示した平均天空を標準天空とし,建築空間 の昼光照度の計算方法を提案する。最も基本的な採光用開口として鉛直 な側窓と水平な天窓を取り扱い,関口部は矩形とする。
1 . 3
本論文の構成本論文は
8
章で構成する。第
1
章では,本研究の背景と目的を述べる。第
2
章では,標準天空,および 標準天空に関する既往の研究を簡単 に紹介する。また,平均天空, 一様天空,および,CIE
標準曇天空に関 する昼光照度の計算方法を簡単に紹介する。第
3
章,第4
章,第5
章,および,第6
章では,本研究の主題である 平均天空に基づく昼光照度の計算方法について詳述する。‑5一
第 1章 序 論
第
3
章では,平均天空の構成方法の概略を述べ,日本の平均天空を再 構成する。昼光照度の計算の利便性を高めるため,また,コンビュータ の利用に適するための,日本の平均天空の数式化について述べる。すな わち,日本の平均天空を数式化する。この数式で示した平均天空を,本 研究で提案する昼光照度の計算方法の標準天空とする。第 4章では,本研究の標準天空に基づく,側窓採光による直接昼光率,
および,間接昼光率の計算方法を提案する。すなわち,単位立体角投射 率あたりの直接昼光率を数式で示し,窓面の直接昼光率の数式化につい て述べる。
第
5
章では,本研究の標準天空に基づく,天窓採光による直接昼光率 の計算方法を示し,間接昼光率の計算方法を提案する。すなわち,天窓 の直接昼光率を提案し,数式化する。第 6章では,全天空照度と昼光率との積として,建築空間の昼光照度 を求める方法について述べる。全天空照度に関する既往の研究を簡単に 紹介し,既往の研究による全天空照度とその出現頻度の関係を,昼光照 度の計算に容易に利用するために数式で示す。加えて,本研究で提案す る方法の適用例を示す。すなわち 側 窓 天 窓 お よ び 側 窓 と 天 窓 を 併用した場合の,日本の平均天空に基づく昼光照度の計算例を示す。
第
7
章では,本研究の総括を行う。‑6‑
第 2 章 標準天空と昼光照明計算
第2章 標準天空と昼光照明計算
2 .
標準天空と昼光照明計算昼光照明の光源は,直射日光と天空光に分けて考えることができる。
直射日光は,たとえば,建築空間内の特定の検討点の照度を極端に高く し,また,照度あるいは照度分布の急激な変動の原因となり,視環境を 悪化させることが多い。したがって,建築空間の設計や計画は,直射日 光が直接に射入しないように行うべきであり,昼光照明の計算では, 一 般に,直射日光を除き,天空光を光源とする。本研究では,従来の一般 的な昼光照明計算と同様に直射日光を除外し,天空光,すなわち,天空 の輝度分布を光源とする。
2 . 1
標準天空標準天空とは,昼光照明の光源として設定する天空輝度分布のことで ある。昼光照明計算は,後述する標準天空に基づいて行われる。
人工照明の光源である人工光はほとんど変動しない。人工光は,空間 的にも時間的にも非常に安定している。したがって,人工照明の計画や 設計は比較的容易である。一方,昼光照明の光源である天空の輝度は極 めて不安定である。天候,天空の状態,季節,時刻により,天空の輝度 は常に変動する。天空の位置によっても輝度は異なる。しかし,建築の 採光用開口は固定的である。建築空間の昼光照明環境は,天空の輝度の 変動にともない常に変動する。したがって,実際に出現する天空輝度分 布に基づ、いて,昼光照明計画を行うことは容易ではない。採光用関口の 計画や設計は,特定の天空輝度分布,すなわち,標準天空を想定し,そ
‑7‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
れに基づいて行う必要がある。
天空の輝度に関する資料が乏しかった時代には,天空の全体で輝度を 一様と仮定する一様天空により,昼光照明の計算が行われていた 11)。現
在,種々の考え方に基づいて,いくつかの標準天空の推奨あるいは提案 がある。
C1E
は,諸研究者の成果をまとめたP .Moon
とD .E . 8pencer
の曇天空の輝度分布の提案 12)を,C1E
標準曇天空として1955
年に推奨した 1)。また,
R . Ki t t l e r
の晴天空の輝度分布の提案 13)を,C1E
標準晴 天空として1973
年に推奨した 2)0C1E
が定める昼光の標準は,1989
年 の180
注(国際標準化機構)とC1E
との協定により,そのまま180/C1E
国際標準原案 14)とし,180
の場で審議することとなった。最近,C1E
標 準曇天空,および,C1E
標準晴天空は,180/C1E
国際標準となった 15)。 曇天空と晴天空の聞の,いわゆる中間天空の輝度分布については,C1E
によって標準化されていない。中村らの中間天空 16,17),
P . J . L i t t l e f a i r
のAverage8ky
18‑21),R . Ki t t l e r
のHomogeneous8k y
22,23),などの提 案がある。また,採光用開口の計画や設計に用いるために工夫された標 準天空として,中村らの平均天空 4‑9)の提案がある。最近では,すべての 天空状態を表す標準天空として松浦と松津の連続的標準天空 24),井川 らのA l l8ky Mode1
25‑28)などの提案もある。一般に,標準天空は,天空 輝度分布が天頂輝度に対する相対値で示されている。天空輝度の絶対値 を求めるときは,各標準天空とそれぞれの天頂輝度49,50,54・63)を積算する。各標準天空による昼光照明の計算方法で国際的に認められている方法
注 InternationalOrganization for Standardizationの略。国際標準化機構。各国の標準化圏内 委 員 会 相 互 の 協 力 を 図 る 非 政 府 組 織 。 非 電 気 分 野 を 担 当 ( 電 気 分 野 は International Electrotechnical Commissionが担当)。
‑8‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
は,
CIE
が勧告している,CIE
標準曇天空による採光計算法 3)のみであ る。これについては,本章第4
節第3
項でその概略を紹介する。2 . 2
平均天空中村らは,一定の検討時間,および, 一定の期間の平均の昼光率を求 めるために,任意の検討地点の平均的な天空輝度分布を示す標準天空の 構成方法を工夫した。この標準天空を平均天空
(MeanSky)
4‑9)という。平均天空の天空輝度分布は,天頂輝度に対する相対値ではなく,絶対値 で示されている。平均天空は,
CIE
標準曇天空,CIE
標準晴天空,およ び,中村らの中間天空 16,17)を用いて構成される。CIE
標準曇天空は本章 第3
節第2
項で,CIE
標準晴天空は同第3
項で,中間天空は同第4
項で,それらの概略を紹介する。また,平均天空の構成方法の概略は第
3
章第1節で述べる。同氏らは,この平均天空に基づく側窓を対象とした簡易
な昼光照明の計算方法を提案している 4,5,7)。この計算方法の概略は,本 章第
4
節第1
項で紹介する。平均天空は,検討する地点の緯度と経度,検討期間と検討時間,およ び,その地点での日照率により構成することができる。すなわち,日本 だけでなく世界各地の平均天空を構成することができる。ここでは,検 討期間を通年,検討時間帯を午前 9時から午後 5時までの 8時間として 構成した,日本,中国 および ヨーロッパの各地の平均天空をいくつ か紹介する。
中村らは,理科年表に記載されている,日本の
80
地点の30
年間(1951
‑9‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
年から
1980
年)の日照時間の記録から,年平均日照率を4 5 . 2%
29,30)と した。日本(北緯35
0,東経135
0) の平均天空を,図 ‑2 . 1
に示す。同氏らは,中国の
31都市において日照時間のデータを収集し,それ
より日照率を構成し,中国での平均天空の適用を可能とした 8)。北京お よび上海の年平均日照率を,それぞれ6 5 . 2
%,4 4 . 2
%としている 。 図 ‑2 . 2
に,北京の平均天空,図‑2.3
に,上海の平均天空を示す。また,同氏らは,ヨーロッパの各地においても,平均天空の適用を可 能とした 9)。図
‑2.4
にマルセイユ(フランス),図‑2.5
にストックホ ルム(スウェーデ、ン)の平均天空を示す。N
W E
S [kcd/m^2]
図 ‑
2 . 1
日本の平均天空(北緯
35
00 0 '
,東経135
00 0 '
,年平均日照率45.2%)
[H. Nakamura, et al.: "The Mean Sky composed taking account ofthe relative sunshine duration
ぺ
19861nternational DaylightConference, 11 (1989). ITable 2 The Mean Sky in JapanJに基づき作成]
n u
唱i
第2章 標準天空と昼光照明計算
N
W
S
[kcd/m^2]図
‑2.2
北京の平均天空(北緯
39
05 6 '
,東経17
00 0 '
,年平均日照率65.2%)
[H. Nakamura, et al.:Mean Skies in China", 1St LUXPACIFICA (1989). iTable 1 Mean Sky in BeijingJに基づき作成]
N
W E
S [kcd/m^2]
図 ‑
2 . 3
上海の平均天空(北緯
31
01 0 '
,東経126
02 6 '
,年平均日照率44.2%)
[H. Nakamura, et al.:Mean Skies in China", 1St LUXPACIFICA (1989). iTable 2 Mean Sky in ShanghaiJ に基づき作成]
'i
唱i
第2章 標準天空と昼光照明計算
N
W
S
[kcd/m^2]図
‑2.4
マルセイユの平均天空(北緯
43
02 7 '
,東経5
01 3 '
,年平均日照率59%)
[H. Nakamura, et al.:Mean Skies at various points in Europe", 6th LUX EUROPA (1989). ITable 2‑1 Mean Sky in MarseilleJに基づき作成]
N
W E
S [kcd/m^2]
図
‑2 . 5
ストックホルムの平均天空(北緯
59
02 1 '
,東経18
00 4 '
,年平均日照率44%)
[H. Nakamura, et al.:Mean Skies at various points in Europe
ぺ
6thLUX EUROPA (1989). ITable 2・2 Mean Sky in StockholmJに基づき作成]ヮ
唱EA
第2章 標準天空と昼光照明計算
2.3 その他の標準天空 2.3.1 一様天空
全天空の輝度を一様と仮定する天空輝度分布を一様天空という。天空 の任意の部分,すなわち,天空要素を面光源と仮定すると,天空要素を 光源とする直接昼光率は,天空要素の光束発散度を 1として基準化すれ ば立体角投射率となる。コンビュータの普及以前は,立体角投射率を求 める方法として図から直読する方法などn:が開発され, 立体角投射率の 算定がそのまま昼光照明の計算であるとしていた。
一様天空は,昼光照明の計算において,昼光の取り扱いを簡易にする。
したがって,現在でも,計算によっては天空輝度分布を一様天空と仮定 することがある。しかし,実際の天空輝度分布は決して一様天空ではな い。一様天空に近似できる分布でもない。
2.3.2 CIE標準曇天空
CIE
標準曇天空に近似する実際の天空は,濃い雲が全天を一面に覆い,太陽の位置が認められないような暗い天空である。標準天空を,
CIE
標 準曇天空とした計算は,屋外の照度が低くて条件が悪い場合に,室内に 必要とする最低限の照度を確保するための検討に有用である。CIE
標準曇天空は,P .Moon
とD . E . S p e n c e r
が1 9 4 2
年に公表した,次の曇天空の輝度分布 12)によっている。
L ; C R ( r )
=~ +k ・ sin r
l+k
注文献8),p.64 付 録N投 射 率 諸 解法の 紹 介 参 照。
( 2 . 1 )
円 ︒
噌i
第2章 標準天空と昼光照明計算
ここで
L ; C R : Moon‑Spencer
の曇天空の相対輝度[‑]y
:天空要素の高度[ r a d . ]
k :係数[‑] (1,または,2
)
係数
k
に関して,P . Moon
とD .E . Spencer
は,通常は2
とし,特に 地表面の反射率が高いとき,たとえば雪で覆われているときなどは1と
するとしている。CIE
は,P . Moon
とD .E . Spencer
の式から,k
が1
となる場合を削 除して,これを曇天空の輝度分布の標準,すなわち,CIE
標準曇天空として
1955
年に推奨した。一 ‑
v t
R
O L
( 2 . 2 )
ここで
L吋 :
CIE
標準曇天空の相対輝度[‑]y
:天空要素の高度[ r a d . ]
CIE
標準曇天空に比較的よく一致する天空が実際に出現する頻度は,たとえば,日本ではおよそ
25%
程度であり それほど多くない。CIE
標 準曇天空だけで,実際に出現する天空輝度分布すべてを表すことはでき ないと考える。本研究では,後に,日本の平均天空を求めるための曇天空の輝度分布 として,
CIE
標準曇天空を用いる。‑14‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
2 . 3 . 3 CIE 標準晴天空
CIE 標準晴天空は,きれいに晴れ
上がったときの天空輝度分布に非常によく
一致する。CIE 標準晴天空は, R . Ki t t l e r
の1967
年の提案 13)に基づき,さらに,N. M. Gusev が提案する,大気が汚染されているときの散乱イン
ディカトリックスを求める式を追加し, CIE により推奨されている
2)。︑ l
︐f
今 ︐
h
II If
‑
π
︑ ・
1 /‑‑︐
︐ ︐
a・ ︑
いV一
AV
AV
‑V/
︑
hFf一v i p﹂二一
f
一ρ
一Z一FI‑ ‑
F﹂d
γi
v d
/t
・
1R L( 2 . 3 )
ただし
1(')=0.91+10
・e x p (‑ 3 , , ) + 0
.45
・c o 山
(散乱インディカトリックス)
ゅ ( y) = 1‑e x p ( ‑ 0 . 3 2 / s i n y )
1 ( J r / 2 ‑ Y s )
=0 . 9 1 + 1 0
・e x p { ‑ 3 ' (
Jr/ 2‑ y s ) } + 0
.45
'COジ ( J r / 2 ‑ y s ) ゅ ( J r / 2 )
=1‑e x p ( ‑ 0 . 3 2 )
、F 、~ ‑r:,、
」 ー L ‑ ¥よ.
LclR :
CIE 標準晴天空の相対輝度 H
Ys .
太陽高度 [ r a d . ]
y :天空要素の高度 [ r a d . ]
, :天空要素と太陽との角距離 [ r a d . ]
1 ( , ) : R . Ki t t l e r による散乱インデ
、イカトリックス(清浄な大気) [ ‑ ]
大気が汚染されているとき,次の N.M. Gusev の提案による散乱イン ディカトリックスを適用する。しかし,
一般には用いられていない。1 ' ( ' )
=0 . 8 5 6 + 1 6
・e x p( ‑ 3 . , ) + 0 . 3 . c o 山 ( 汚 染 さ れ た 大 気 )
第2章 標準天空と昼光照明計算
f ' ( l i j 2 ‑Y s )
=0 . 8 5 6
+1 6
叫{ ‑ 3 . ( l i j 2 ‑Y s ) }
+0.3ω 2 ( l i j 2 ‑ Y s )
なお,天空要素と太陽との角距離は, 一般に次の式で求めることがで きる。
1
; =
arcω( s i n
Y s •s i n
y +ω
y s •c o s
y .c o s 1 α s ‑ α 1 )
ここで
y s .
太陽高度[ r a d . ] y
:天空要素の高度[ r a d . ]
α:
太陽の方位[ r a d . ] α:
天空要素の方位[ r a d . ]
CIE
標準晴天空によく一致する天空が実際に出現する頻度は,たとえ ば,日本ではおよそ5%
程度であり,それほど多くない。CIE
標準晴天 空だけで,実際に出現する天空輝度分布すべてを表すことはできないと考える。
本研究では,後に,日本の平均天空を求めるための晴天空の輝度分布 として,清浄な大気のときの
CIE
標準晴天空を用いる。2 . 3 . 4 中間天空
中間天空という用語は,中村らが提案する両極端の天空状態を示す
2
つのCIE
標準天空の聞の,太陽高度別の平均天空輝度分布に対して用いられた。しかし,現在では,
2
つのCIE
標準天空の間の天空を表す一般 的な用語としても用いられている。第2章 標準天空と昼光照明計算
中村らは写真測光法を開発し31・33),天空輝度分布の実測を試み,膨大 な資料を蓄積した。それに基づき中間天空を提唱した 16,17)。さらに,中 間天空を,太陽高度,天空要素の高度,天空要素と太陽との角距離の関 数として数式化した。
L.~=
̲ Lin (y s' y, c )
nR
L
in( Y s
,TC/2,TC/2 ‑Y s ) ( 2 . 4 )
ただしL
in( y s
,Y
,C ) = a ( y s
,y )仰い ( Y s ' y ) . C }
a
( Y s ' y )
=0
.43 . [ y + 4 . 7 9 9 +
1.3 5 . { s i n ( 3 . 5 9 . y ‑0 . 0 0 9 ) + 2 . 3 1 } . s i n ( 2 . 6 0 . y s + 0 . 3 1 6 ) ]
b(y s 'y)=
ー0 . 5 6 3 . { ( y
+1.0 5 9 ) . ( y s ‑ 0 . 0 0 8 ) + 0 . 8 2 1 }
Lin
( Y s
,TC/2,TC/2 ‑Y s )
=0 . 9 8 8 . { s i n ( 2 . 6 0 . y s + 0 . 3 1 6 ) + 2 . 7 7 2 }
叫 {1.
4 8 1 . ( y s + 0 . 3 0 1 ) . ( y s
‑1.5 7 1 ) }
、f 、.,. ‑r;;、 tー 」 ー に
LinR :中間天空の相対輝度
H
y s .
太陽高度[ r a d . ]
y :天空要素の高度[ r a d . ]
C
:天空要素と太陽との角距離[ r a d . ]
同氏らはこの天空輝度分布を,中間天空,あるいは,
Intermediate Sky
と称した。中村らの中間天空は,太陽高度が低いときから比較的高いときまでの 実測に基づいて提案されている。世界の各地での適用が可能と考える。
実際に出現する天空は,
CIE
標準曇天空とCIE
標準晴天空の聞の天空 がほとんどである。中間天空の輝度分布を,実際に出現する天空を代表巧t
唱Bム
第2章 標準天空と昼光照明計算
とすることもできると考える。本研究では,より実際に出現する天空に 即して昼光照明の計算を行うため,
CIE
標準曇天空CIE
標準晴天空,および,中村らの中間天空より,平均天空を構成する。
2 . 3 . 5 BRE A v e r a g e
SkyP . J
. Li t t l e f a i r
は, J. Wegnerの実測データ 34,35)n :
1に基づいて,1981
年にBRE
注2Average Sky
を提唱した 18‑21)。P .
J.L i t t l e f a i r
は, J.Wegner
の実測データを,直射日光成分,太陽 周辺光成分,および,天空光成分に関する太陽高度の関数として表した。さらに,これを南東イングランドでの実測データにより検討し,そこで 適用できるように修正した。これを
BRE Average Sky
という。BRE Average Sky
は,次のように表されている。L
B脳 V( Y ' s Y ,~
)= a ( y s ) .
exp (-~ / 4 0 )
+d ( y s )
・( 5‑2
・siny ) / 3 ( 2 . 5 )
ただし
a
( y s )
=0 . 1
+0
.42 . y s ‑ 0 . 7 '
sin( 7 . 2 . y s )
d ( 九 ) = { ( 9 / 叫 J r } ' ( 0 . 3
+0
似y s‑ 0.0ω 川
ここで
LBREAV :
BRE Average Sky
の輝度[kcd/m
2]Y S
:太陽高度[ d e g . ]
y :天空要素の高度
[ d e g . ]
C
:天空要素と太陽との角距離[ d e g . ]
tt 1 J. Wegnerは,精密な自動操作型天空輝度測定装置を開発し, 1968年から 1969年までの 1 年間,ベルリンで天空輝度分布の連続測定を試みた。
注2Building Research Establishmentの略。英国建築研究所。 P.J. Littlefairはこの機関に所 属している。
QU
噌EA
第2章 標 準 天 空 と 昼 光 照 明 計 算
また,
BRE Average Sky
による地表面での法線直射照度は,次のよう に示されている。E町 REAV
( Y S )
= 2.45 + 0.8788.Y S ‑
0.007.Y S
2 (2.6) ここでEvsB脳 V :
BRE Average Sky
による地表面での法線直射照度[ k l x ]
YS • 太陽高度 [deg.]
BRE Average Sky
は,直射日光や太陽の周辺の輝度の高い天空も含む,太陽高度ごとの平均的な天空輝度分布といえる。また,
BRE Average Sky
は,高緯度であるベルリンで測定した天空輝度分布のデータに基づいている。同様に,高緯度である南東イングランドの実測データで確認 している。したがって,太陽高度が高いとき,たとえば,
60
0以上の場 合の適用には疑問が残る。本研究では,昼光照明の光源として直射日光を除外している。また,
日本では太陽高度は
60
0以上となる場合もある。したがって, 日本の平 均天空を構成する中間天空の輝度分布として ,BRE Average Sky
は適当 でないと考える。2.3.6 Homogeneous Sky
R . Ki t t l e r
は,天空の状態がCIE
標準晴天空からCIE
標準曇天空へと 均質に混濁し変化すると仮定して,混濁因子を指標として,その聞の天 空輝度分布を数式で表した。すなわち,完全に晴れ上がった晴天空が,第2章 標準天空と昼光照明計算
全天が均質な露曇,薄曇,曇,
CIE
標準曇天空と漸次連続的に移行する として,その聞の天空輝度分布を提案している。これをHomogeneous Sk
y22,23)という。Homogeneous Sky
は,次のように表されている。C
orG(y
,ρ) . R ( y s ) . A‑B L
HOMO( y
s ,Y ,~
) = L‑0 ・ [ 岬m y s
Lm s y ‑ my ( 2 . 7 ) {m y s . m y . f(~)-x} ‑3}‑2.(A+B)]
ただし
Co
=ーと • 1 6 .
.7r Ev.v o (E• vo=129. 1 [ k l x
,] Co=7
,795[kcd/m
2])G(y
,ρ) = 0 . 8 +ρ3 +
1.6 4 . ( 1 ‑0 . 7
・ρ 3) . s i n y + ( 1 ‑ρ) . ( 1 ‑1 . 5 . s i n y ) .
AR ( y
s )= 1 + B +
1.5 . ( 1 ‑B) . s i n y
sA
= e x p ( ‑a
vR.my
.TvL)B= 叫(
‑avR •mys . T
vL)Z =1+ 九. ( 0 . 0 7 5 ‑0 . 0 2 5 . x } ) . ( 1 ‑ ρ)
X}
= 0 . 1 1 5 3 7 5
・Nf(~)=l+N.{叫(
‑ 3 . ~ ) ‑0 . 0 0 9 } +
M ω2~N = 4 . 3 . T
vL 1.9 .e x p ( ‑ 0 . 3 5 . T
vL)
M =
0 . 7 1 / 九
0.5~ = arcω( s i n y s . s i n y
+ω y s . c o s y ω│αs
一α 1 )
、F 、~ ‑‑r;:、 L Lに
LHOMO :太陽高度が
y s
のときのHomogeneousSky
の輝度[kcd/m
2]y s
:太陽高度[ r a d . ]
y
:天空要素の高度[ r a d . ]
第2章 標準天空と昼光照明計算
~ :天空要素と太陽との角距離
[ r a d . ] α :
太陽の方位[ r a d .o r d e g . ]
α:
天空要素の方位[ r a d .o r d e g . ]
九:照度混濁因子[‑]mys .太陽高度がysのときの大気路程[‑]
my :天空要素の高度がyのときの大気路程日
ρ:地面反射率[‑]
avR • 乾燥清澄大気による直射日光の消散係数[-]
Homogeneous Sky
は,理論的に紋密に組み立てられているが,変数 が多く,かなり複雑な式となっている。Homogeneous Sky
は,1985
年 に公表された。それ以後,この標準天空に関して 実測データによる検 討,あるいは,さらなる応用についての報告はない。日本の平均天空を 構成する中間天空の輝度分布として,Homogeneous Sky
は適当でないと考える。
2.3.7 連続的標準天空
松浦,松津らは極限の晴天空を
CIE
標準晴天空,極限の曇天空をCIE
標準曇天空とし,その聞の天空を中村らの中間天空とし,これらを合成して連続的標準天空 24)を提案している。
3
つの天空の合成は,クラウド・レイショから求めた重み係数により割合を決定している。
任意のクラウド・レイショに対応する連続的標準天空は次のように構 成している。
まず,求める連続的標準天空の太陽高度,昼光に関する大気透過率,
‑21‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
クラウド・レイショを求める。同じときの中間天空のクラウド・レイショ を次式で正規化する。
CV n (YS)‑CV i
c/( Y s , P ν )
C九 (y s ) ‑ Cv
c/( y s , PV )
C νi nN ( y s
,Pν ) = = ( 2 . 8 ) CV
oc ‑CV
c/( y s
,Pν) l‑C ν
CI( Y s
,Pν )
で
C v i n N
:正規化した中間天空のクラウド・レイショ[・]Cv
, :中間天空のクラウド・レイショの理論値[‑]CV
cl :晴天空のクラウド・レイショの理論値[‑]CV
oc :曇天空のクラウド・レイショの理論値[‑](1[・])Y s .
太陽高度[ r a d . ]
Pv :昼光に関する大気透過率[‑]
次に,求める連続的標準天空のクラウド・レイショを次式により正規化 する。
Cv ‑CV
cl( Y s
,Pv) C ν ‑ Cv
c[( y s
,Pv )
CνN(ys
,P v ) = = ( 2 . 9 ) C ν
oc ‑Cv
c[( y s
,Pv ) 1 ‑ Cv
CI( y s , Pv )
、ず 、ずー~、
L..l.ーに
CvN :正規化した任意のクラウド・レイショ[‑]
Cv :正規化する任意のクラウド・レイショ[‑]
CV
c[ :晴天空のクラウド・レイショの理論値日CV
oc :曇天空のクラウド・レイショの理論値[・](1[・])Y s
:太陽高度[ r a d . ]
Pv :昼光に関する大気透過率[‑]
求める連続的標準天空の正規化したクラウド・レイショと,中間天空の
第2章 標準天空と昼光照明計算
正規化したクラウド・レイショの値を比較し,その大小によって,次のい ずれかの式で連続的標準天空の輝度分布を構成する。
中間天空の正規化したクラウド・レイ ショ の値が求める連続的標準天 空の正規化したクラウド・レイショの値より大きいとき, すなわち,
O
壬CνN
壬C ν
nN
のときは次の式を用いる。L(y s 'y ,~) = L c l (Ys , y ,~ ) ' W +L l c i n (Y s , y ,~ )'Wc~
(2.10) ただしH T
C v i n N ( y s
,P ν ) ‑ CvN ( y s
,Pv)
… ー
rr
‑ l c C v i n N ( y
5'Pv )
HT'
CvN ( y s
,PV)
… ー~~
‑ l c C v i n N ( Y s ' P v )
ここで
L :連続的標準天空の輝度
[ k c d / m
2]L c l : CIE
標準晴天空の輝度[ k c d / m
2]L. :中間天空の輝度
[ k c d / m
2]U :
l :CIE
標準晴天空に乗じる重み係数[‑]w ; ; :
中間天空に乗じる重み係数[‑]Cv . ̲N:正規化した中間天空のクラウド・レイショ H
CvN :正規化した任意のクラウド・レイショ日 y s .
太陽高度[ r a d . ]
y
:天空要素の高度[ r a d . ]
~ :天空要素と太陽との角距離
[ r a d . ] PV :昼光に関する大気透過率[‑]
求める連続的標準天空の正規化したクラウド・レイショの値が中間天 空の正規化したクラウド・レイショの値より大きいとき,すなわち,
第2章 標準天空と昼光照明計算
C v i nN
壬CνN
三三1
のときは,次の式を用いる。
L ( y s ' y
,C )
=L o c ( y s
,y
,C ).W o c +L n i ( y s , y , C ).W : c
(2.11) ただしここで
W ̲ ̲ ‑ ν ) ‑ C v i n N ( y s , Pv)
1‑C v i n N ( y s , Pv)
W̲'̲ = ‑1‑CvN ( y s , P ν )
1‑
C v i n N ( y s , P ν )
L
:連続的標準天空の輝度[ k c d / m
2]L̲̲ :
CIE
標準曇天空の輝度[ k c d / m
2]L. :中間天空の輝度
[ k c d / m
2]W
o c : CIE
標準曇天空に乗じる重み係数[‑]W̲'̲ :中間天空に乗じる重み係数[‑]
Cv
,N :正規化した中間天空のクラウド・レイショ[‑]CvN:正規化した任意のクラウド・レイショ日 y s .
太陽高度[ r a d . ]
y
:天空要素の高度[ r a d . ]
C
:天空要素と太陽との角距離[ r a d . ] Pv
:昼光に関する大気透過率日2.3.8
A I I Sky Model
井川らは晴天空から曇天空に連続的に変移する
A l lSky ModeI
25‑28)を 提案している。A l lSky Model
は,グローバル照度より導く,天空状態 を表すための正規化グローバル照度と称する指標により構成されている。天空輝度を絶対値で示す
A l lSky Model
を構成するには,天頂輝度に 対する相対天空輝度分布である全天型天空輝度分布と,同氏らが提案す第2章 標 準 天 空 と 昼 光 照 明 計 算
る全天型天頂輝度の積を求める。
Lva(y s , y , t ; , Ne
νg) =L
ν( Y s , y , t ; , N e
νg ) . L v z ( Y s , N e
νg) ( 2 . 1 2 )
ここで
Lva : A l l Sky Model
による輝度 [cd/m2]Lν:全天型天空輝度分布による相対輝度[‑]
L v z
:全天型天頂輝度 [cd/m2]全天型天空輝度分布は 次のように表されている。
ゅ ( y ) ' f ( t ; )
Lv(y , t ; , Ne ν g)=
ゅ ( n ‑ / 2 ) ' f ( ‑ n / 2‑y s ) ( 2 . 1 3 )
しだた
ゅ
(y) = 1 + a . ( 1 ‑sin 0.6 y )f ( ; t
)=l+b'[叫( c . t ; )
一 叫 (c . n‑/ 2 ) ]
+ d . coむ
a
=9 . 9 3 ' Nevg3 ‑ 1 0 . 6 8 ' Nevg 2
+7 . 0 9
・Nevg‑2 . 1 1
b =
2 3
.4・(1.6
・Nevg)59・叫( ‑ 0 . 1 7 'Nevg ) .
(1.1‑Nevg t
5c =
6 2 . 1 6 ' Nevg
6 ‑2 5 7 . 6 2
・Nevg
5+4 0 5 . 6 7 ' Nevg
4‑ 2 9 6 . 6
・Neν g 3
+9 9 . 3 0
・Neν g 2 ‑ 1 6 . 3 4 ' Nevg
+0
.43
d =2 . 0 6
・Nevg
5‑6
.40
・Nevg
4+6 . 0 2
・Nug3‑1.31,
Ne
νg 2
+0 . 0 8 ' Nevg Nevg
=Evgm / Evgm 巾 s )
Eνgm=m'Evg/E
νoE l
伊 IS( Y s )
=‑ 0 . 3 2 3 ' y :
+1486. バ ‑ 2 . 5 8 1 ' y :
+2 . 0 9 0
・y s
+0 . 1 9 0
m
2 (~ふ ωS幻附 i
0 . 0 0 3 1 4 6 5
第2章 標準天空と昼光照明計算
ここで
Lv
:全天型天空輝度分布の相対輝度[‑]Nevg
:正規化グローバル照度[・]Evgm
:無次元グローバル照度[‑]Evgms
:基準無次元グローバル照度[・](昼光に関する大気透過率
Pν=0.825
のときのCIE
標準晴天空の無次元グローバル照度[‑])Eνg
:水平面ク、ローバル照度[ l x ]
Evo
:大気圏外の法線直射照度[ l x ] (137
,7 0 0 [ l x ] )
Ys .太陽高度[ r a d . ]
m.
大気路程[‑]また,全天型天頂輝度は次のように表されている。
、‑r ...."... ‑n、
L I.̲ーに
Lvz ( y s , Nevg)
=e x p [ ( 1 8 . 3 7 3 . y s
+9 . 9 5 5 ) . Nevg
5 +( ‑ 5 2 . 0 1 3 . y s ‑ 3 7 . 7 6 6 ) . Nevg
4+ ( 4 6 . 5 7 2 .
y s+ 59
.35 2 ) . Nevg
3+ ( 1
飢 ys 2‑16
.49 8 .
y s ‑4 8 . 6 7 0 ) . Nevg
2+
( 1 . 1 2 4
・y s +19.738).Nevg + ( 1 . 1 7 0 .
ln ( y s )+ 6 . 3 6 9 ) ]
L v z
:全天型天頂輝度[cd/m
2]y s
:太陽高度[ r a d . ]
Ne νg
:正規化グローバル照度日( 2 . 1 4 )
第2章 標準天空と昼光照明計算
2 . 4
昼光照明計算2 . 4 . 1
平均天空中村らの提案による,日本の平均天空に基づく側窓を対象とした昼光 率の計算方法の概要を以下に紹介する。
日本における検討の代表とする地点を,北緯
35
0,東経135
0,検討期 間を1
年間,検討時間帯を午前9
時から午後5
時までとしている。晴天 空,中間天空,および,曇天空の出現頻度を 日本における日照率の平 均よりそれぞれ4.1%,68.2%,および, 27.7%36,37)としている。同氏ら が構成した平均天空の輝度分布を表‑2 . 1
注に示す。まず,直接昼光率を計算する。天空と屋外の障害物による検討点の直 接昼光率をそれぞれ区別して求める。検討点と天空あるいは障害物の幾 何学的関係,すなわち,検討点から側窓を通して望める天空あるいは障 害物の,それぞれの中心の高度と方位を求め,表
‑2.2
注より単位立体角 投射率あたりの直接昼光率を求める。対象が障害物の場合は,障害物の 単位立体角投射率あたりの直接昼光率を正確に予測することは困難であ るため,相当する天空の輝度の1 / 1 0とする。
次に,検討点からの天空あるいは障害物の立体角投射率を計算する。
天空あるいは障害物の立体角投射率が 5%を越えるときは,それぞれを 5%以下に分割して複数の天空あるいは障害物を想定するとしている。
1つの天空あるいは障害物による直接昼光率を,その天空あるいは障
害物の単位立体角投射率あたりの直接昼光率と立体角投射率の積として,
次の式より求める。
注 H.Nakamura, et al.:The mean sky composed taking account of the relative sunshine duration", Proc. 1986 International Daylighting Conference (1986)より引用。
‑27‑
第2章 標準天空と昼光照明計算
D d =d'C
w ここでDd
:直接昼光率[%]d :単位立体角投射率あたりの直接昼光率[‑]
cw:検討点からの側窓の立体角投射率[%]
( 2 . 1 5 )
側窓、による直接昼光率は,天空および障害物による直接昼光率を合計 して求める。天空あるいは障害物を分割したときや,同
ー
の壁面に複数 の側窓がある場合は,それぞれの直接昼光率を求めて加算する。複数の 壁面に側窓があるときは,それぞれによる直接昼光率を求めて加算する。間接昼光率は,窓面の法線の方位と,側窓、の前面の障害物の平均高度 から,表‑
2 . 3 注
より窓面の下向き直接昼光率および上向き直接昼光率を 求める。これらを用いて,間接昼光率を,作業面切断の式 10)から導いた 次の式より求める。この式については,第4
章第4
節で詳しく述べる。ただし
、F 、.,.‑r、七
」ー L L
Dr:間接昼光率[%]
D Sw
' ( DW 1'
ρ1+DW2) .
ρ2 S '(1‑ρ1・ρ2)p一 A.
P m
川I 1一 ( い S } 一 ( S } 一
A)'Pん庁m川』は1p 一 A
' P m
叫22‑ {S2‑(S2‑
A)ρ m 2 }
D W 1
:窓面の下向き直接昼光率[%]Dw2 :窓面の上向き直接昼光率[%]
( 2 . 1 6 )
注 H.Nakamura, et al.:The mean sky composed taking account of the relative sunshine duration", Proc. 1986 International Daylighting Conference (1986)より引用。
第2章 標 準 天 空 と 昼 光 照 明 計 算
sw:
側窓の面積[m
2]S :作業面の面積
[m
2]P e 1
:上向き等価反射率H
P e 2
:下向き等価反射率日P m 1
:下部空間の平均反射率日Pm 2
:上部空間の平均反射率[‑]S l
:下部空間の内表面積[m
2]S2 :上部空間の内表面積
[m
2]同ーの壁面に複数の側窓があるときは,それぞれの側窓の面積を合計 して,上式を適用する。
昼光率は,直接昼光率と間接昼光率の和として求める。
ここで
D:昼光率[%]
Dd
:直接昼光率[%]D :間接昼光率[%]
D=Dd+Dr ( 2 . 1 7 )
なお,実際の計算では,窓ガラスの透過率やその保守の状態を考慮し なければならない。また,窓サッシによる窓面積の低減や壁の厚さの影 響なども無視できない場合があることに留意する。
昼光照度は,昼光率と全天空照度の積として求めることができる。同 氏らは,北緯
35
0,東経135
0の地点で,検討時間帯を午前9
時から午後 5時としたときの年間の全天空照度の累積出現頻度を示している。これ を表ー 2.4注に示す。これによれば,たとえば,総検討時間の 80%は,t1 H. Nakamura, et al.:The mean sky composed taking account of the relative sunshine durationぺProc.1986 International Daylighting Conference (1986)より引用。
第2章 標準天空と昼光照明計算
1 3 . 5 6 2 [ k l x ]
以上の全天空照度を期待できる。昼光率に表
‑2.4
の値を乗じると,検討点での出現頻度別の全天空照 度を求めることが可能である。必要とする照度が5 0 0 [ l x ]
で、あるならば,それから検討点の昼光照度を減じた照度以上になるように 人工照明器 具を点灯しなければならない。この点灯に要するおおよその消費電力量 は簡単に推定できる。
この消費電力量を 全天空照度の出現頻度で累積すれば,全消費電力 量を求めることができる。これに総検討時間数を乗じて,検討期間中に 必要とする総電力量を推定できる。