• 検索結果がありません。

室内昼光照度の予測

6 室内昼光照度の予測l

6 .

室内昼光照度の予測

本研究では,室内の昼光照度を予測するために,昼光照度を昼光率と 全天空照度の積として求める。昼光率は 側窓や天窓などの固定的な採 光用開口を持つ建築空間の静的な属性とし 全天空照度は,常時変動す る天空状態などの動的な属性として 便宜的に区別して取り扱う。昼光 照度の予測は その目的に応じて行う必要がある。たとえば,特定の天 空状態のときの瞬時的な昼光照度の予測と, 一定期間に消費する電力を 見積もるための昼光照度の予測は異なる。前者は,その天空状態に応じ た全天空照度に基づいて昼光照度の予測を行う。後者は,昼光照度を確 率的に予測する必要がある。そのために 確率的な全天空照度を適用す る。したがって,昼光照度を,昼光率と全天空照度の積とし,静的な昼 光率と動的な全天空照度に区別し,それぞれに対応可能とすることが適 切と考える。

第4章,および,第5章で,平均天空に基づく昼光率の計算方法を示 した。本章では,室内の昼光照度の計算方法について述べる。

6 . 1  

全天空照度

全天空照度は常に変動する。快晴の日でも細かく変動するのが一般的 である。太陽高度,天空状態,季節,時刻などによって変動する。全天 空照度は,雲の全くない晴天空の状態では比較的低い。雲が存在する天 空状態のときの方が高いこともしばしばある。

室内で必要とされる最低照度を確保するための全天空照度として,小

t nd  

EA

6章 室 内 昼 光 照 度 の 予 測

木曽は約

4

5 0 0 [ l x ]

1t1とした 51)。小木曽は,太陽高度

10

0以上の時間帯,

すなわち,同氏が定める照明学的昼間 52)における全天空照度の 95%の 最低値としている。これに基づき 日本建築学会は昼光率の基準を定め た 11)0

Hopkinsonらは,イギリスやヨーロッパの北西の地域における

青 天空の全天空照度を,約

500

[lm/ft2

] i   : l

2とした 53)。これは, 習慣的に定 めたとされている。同氏らは これを用いて昼光率の基準値を定め,こ れに基づく昼光照明の設計方法を展開した。

昼光照明環境の予測には昼光照度の絶対値が必要である。昼光照度は,

絶対値で示される標準天空により求めることができる。平均天空は絶対 値で示しているが 一般に 標準天空は 天頂輝度に対する相対値で示 されている。これを絶対値で示すためには,晴天空,中間天空,曇天空 など天空状態に応じた天頂輝度との積とする。世界各地の多くの研究者 により,太陽高度や大気の混濁因子の関数とした,種々の天頂輝度の提 案式がある 495054‑63)

絶対値で示される標準天空の全天空照度は,天空要素ごとの水平面照 度を立体角投射の法則より求め,これらを全天空にわたり累積すること で求めることができる。その全天空照度は,第

4

章の式

( 4 . 4 )

に示した理 論式の数値計算より,

20.731 [ k l x ]

とした。これは,北緯

35

0,東経

135

0 の地点で,検討時間帯を午前

9

時から午後

5

時としたときの,全天空照 度の年間の平均値に相当するものと考える。この値と平均天空に基づく 昼光率より,室内の昼光照度,すなわち, 室内の平均的な明るさの検討 が可能である。

1現在では,丸めて5OOO[lx]としている。

2よそ5OOO[lx]。英米では,照度の単位としてフート キャンドル (foot‑candle,lm/ft2,  fc)が用いられることがあるl[lm/ft2]=10.76[lx]

‑138‑

6 室内昼光照度の予測

出現頻度を考慮した昼光照度の予測のために 全天空照度に関する若 干の提案がある。

CIE

の採光計算法では,検討地点の緯度と全天空照度 の出現頻度の関係をグラフで示している 3)。大野らは,北側の

1 / 4

天空 による水平面照度を実測し その

4

倍を全天空照度とし,累積相対度数 分布曲線を示している 64)。また 中村らは,北緯

35

0,東経

135

0の地点 で,検討時間帯を午前 9時から午後

5

時としたときの,年間の全天空照 度とその出現頻度を数表で示している 65)。これらの全天空照度とその出 現頻度の関係と平均天空に基づく昼光率より,出現頻度を考慮した室内 の昼光照度を予測することができる。

6 . 2  

全天空照度とその出現頻度の関係を表す式

ここでは,中村らの年間の全天空照度とその出現頻度の関係日を,室 内の昼光照度の計算に容易に適用するために数式化する。その際,全天 空照度の出現頻度は百分比としない。

図 ‑

6 . 1

に全天空照度の出現頻度と全天空照度の関係を示す。

‑2.4

,および,図‑

6 . 1

を検討し,全天空照度とその出現頻度の関 係を表す基本式を定めた。次いで,基本式に表

‑2.4

の値を適用し,基 本式の各係数を確定した。

以上の検討の結果,全天空照度とその出現頻度の関係を表す式を,次 のように確定した。

この数表は,第2章 の 表‑2.4に示している。

‑139

( 6 . 1 )  

室内昼光照度の予測

1 + ( 会 )

6

ここで

:年間の全天空照度の出現頻度[‑] 

:全天空照度

[ k l x ]

values ofthe table 2.4 

一 一 • 一

curveofthe regression [equation (6.1) 

1.

0.8 

0.6 

m M ω  

! :

Uヨ7

‑ Z

41

戸 ︑

J

3

uh nυ

k o  

ω g

‑u nn  

u

nu

HU

L L T   0.4 

0.2 

{ a ] ω υ

ω

bH 5Q

﹄ ︒

O h o c ω

コ﹃ω

F

一 ι

E

S

correlation coefficient: 0.999  0.

80  60 

40 

20 

Horizontal illuminance E

. J

klx] 

全天空照度とその出現頻度の関係 図

‑6.1

‑2.4

の値と式

( 6 . 1 )

による値と 図

‑6.1

に実線で示す。

( 6 . 1 )

を,

‑2.4

の値と 両者はよく

一致している 。

の相関係数は

0.999

であり,

( 6 . 1 )

による値との差を, 次の式より求めた。

(6.2)  差は,

IF..‑ Fr I 

e ,~

1ω(3D  l!

S e q u L . 1 0 0  

 ..

.L ESlab 

‑6.1

に示す

ここで

6 室内昼光照度の予測

eEs  • 差[%]

FEs帥 表

‑2.4

の値[・]

FEs叩:式

( 6 . 1 )

による値日

‑2.4

の値と式

( 6 . 1 )

による値との差は,全天空照度が

7 2 . 5 0 2 [ k l x ]

のときに著しく大きくなっている。しかし,このときの出現頻度は

0 . 0 1

である。すなわち,全天空照度がこの程度まで高くなる天空は,ほとん

ど出現しない。したがって,この全天空照度の値を実際に使用すること はほとんどなく,式

( 6 . 1 )

の使用に問題はないと考える。

( 6 . 1 )

は,全天空照度が約

7 3 . 2 5 0 [ k l x ]

のときに,全天空照度の出現 頻度がおよそ

0

となる。したがって,全天空照度が

7 3 . 2 5 0 [ k l x ]

より高い 場合には,式

( 6 . 1 )

を室内の昼光照度の計算に適用しないとする。

6 室内昼光照度の予測

‑6.1

‑2.4

の値と式

( 6 . 1 )

による値との差

Horizontal  Difference of  Horizontal  Difference of  Horizontal  Difference of  illuminance  frequency of  illuminance  frequency of  illuminance  frequency of  [klx]  occurrence [%]  [klx]  occurrence [別 [klx]  occurrence [%] 

0.00  0.000  19.48  0.737  37.84  1.766  1.26  0.743  19.91  0.737  38.51  1.687  2.92  0.709  20.33  0.715  39.19  1.602  4.21  0.428  20.77  0.689  39.91  1.622  5.30  0.059  21.20  0.657  40.64  1.603  6.15  0.201  21.64  0.616  41.38  1.527  6.87  0.357  22.09  0.574  42.13  1.392  7.50  0.439  22.54  0.513  42.90  1.241  8.09  0.526  22.99  0.462  43.71  1.157  8.63  0.545  23.46  0.364  44.52  0.965  9.15  0.583  23.93  0.278  45.33  0.616  9.65  0.596  24.41  0.155  46.16  0.171  10.14  0.621  24.90  0.041  47.06  0.082  10.61  0.634  25.39  0.088  47.96  0.452  11.08  0.656  25.88  0.204  48.87  1.064  11.52  0.631  26.38  0.320  49.83  1.634  11.96  0.625  26.88  0.426  50.88  1.913  12.37  0.559  27.39  0.549  51.95  2.390  12.78  0.496  27.91  0.655  53.02  3.221  13.18  0.414  28.44  0.798  54.24  3.391  13.56  0.300  28.97  0.920  55.46  4.013  13.95  0.194  29.51  1.049  56.75  4.687  14.33  0.071  30.05  1.146  58.14  5.159  14.70  0.055  30.60  1.242  59.57  6.015  15.08  0.170  31.15  1.314  61.16  6.333  15.47  0.254  31.71  1.404  62.80  7.123  15.86  0.340  32.28  1.493  64.71  6.012  16.25  0.412  32.87  1.582  66.79  3.210  16.65  0.478  33.41.651  69.25  7.920  17.04  0.542  34.05  1.687  72.50  67.278  17.44  0.587  34.65  1.707  80.00 

17.84  0.638  35.26  1.721 

18.25  0.678  35.89  1.750  Latitude: 35.0 18.65  0.712  36.54  1.795  Longitude: 135.0

Time: 9:00 ‑17:00  19.06  0.740  37.19  1.800 

‑142一

E ,  =  3

1.

4 { 九日了

9

( 6 . 3 )  

6章 室 内 昼 光 照 度 の 予 測

式(6.1)は,全天空照度から年間の出現頻度を求める式である。確率的 に室内の昼光照度を求めるときには,年間の出現頻度から全天空照度を 求める場合もある。

(6.1)

を,全天

空照度について展開した式は次のようである。

80 

5

× 

6 0  

d)  () 

5 4 0  

• yalues of the table 2.4 

一 一 ‑

curve ofthe regression equation (6.3) 

mu

D U3 F

dh

ゥ ー

l .

EE‑‑EE

F

関連したドキュメント