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複合性局所疼痛症候群による慢性的な足部の疼痛と歩行障害に対し超音波療法が著効した一症例

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 112 45 巻第 2 号 112 ∼ 120 頁(2018 年) 理学療法学 第 45 巻第 2 号. 症例報告. 複合性局所疼痛症候群による慢性的な足部の疼痛と 歩行障害に対し超音波療法が著効した一症例* 吉 田 亮 太 1)# 原   耕 介 2) 中 澤 里 沙 2) 北 村 夏 輝 1) 小保方祐貴 1). 要旨 【目的】複合性局所疼痛症候群を呈する症例に対し超音波療法を施行した結果,著明な疼痛消失を認めた ため報告する。 【症例紹介】外傷を契機に 1 年にわたる左足部痛と歩行障害を呈する 50 歳代の女性であった。 理学療法評価結果より,疼痛は単なる侵害受容性疼痛とは考え難く,中枢神経系,末梢神経系,自律神経 系における問題が複合的に生じた結果誘発されていると考えられた。 【治療プログラムと経過】介入開始 後 3 週までは中枢,末梢,自律神経系に対する治療を施行したが,疼痛に変化はなかった。評価を再度行っ た結果,足部の循環障害が疼痛を誘発していると考えられた。そのため,循環障害に関与していると考え られた下. 前面筋群に対し,超音波療法を施行した。その結果,即座に歩行時の疼痛消失を認め,その後 6 ヵ. 月間,再発することはなかった。 【結語】本症例を通し得られた知見は CRPS に対する循環障害の関与と それに対する超音波療法の有用性を示唆するものである。 キーワード 複合性局所疼痛症候群,超音波療法,慢性疼痛,臨床推論. あるとされている. はじめに. 3). 。.  CRPS の代表的な臨床所見としては,刺激に対して不.  複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syn-. 釣り合いな痛みの持続,痛覚過敏(Hyperalgesia)や異. drome:以下,CRPS)は,組織傷害や神経損傷を契機. 痛症(Allodynia)といった異常感覚所見,皮膚温およ. に発症する慢性疼痛症候群である. 1). 。この診断名は,. び皮膚色の左右非対称性,浮腫,発汗異常といった自律. 1994 年に国際疼痛学会(International Association for. 神経異常所見,可動範囲の減少および振戦といった運動. the Study of Pain:以下,IASP)によって,ともに難. 機能障害,体毛や爪に生じる栄養障害所見などが挙げら. 治性の慢性痛を呈する疾患として取り扱われてきた反射. れる。. 性 交 感 神 経 性 ジ ス ト ロ フ ィ ー(Reflex Sympathetic.  CRPS の病態メカニズムは,末梢組織における循環障. Dystrophy:以下,RSD)とカウザルギーが統一された. 害やそれによる慢性炎症,自律神経および中枢神経の機. も の で あ る。RSD は CRPS type Ⅰ, カ ウ ザ ル ギ ー は. 能障害などが考えられている. 2). 4). 。近年の研究によりこれ. ,CRPS type Ⅰは. らの機序が明らかになりつつあるものの,その発生には. 明確な神経損傷を伴わない一方,CRPS type Ⅱは肉眼. 様々な因子が関与することから完全に解明されていない. 的,電気診断学的に神経損傷を有していることが特徴で. のが現状である。. CRPS type Ⅱと規準化されており.  CRPS の治療としては,治療的エクササイズ,徒手療 *. Therapeutic Ultrasound was Effective on Chronic Foot Pain and Gait Dysfunction in a Patient with Complex Regional Pain Syndrome: A Case Report 1)東前橋整形外科クリニック (〒 379‒2104 群馬県前橋西大室町 1317‒3) Ryota Yoshida, PT, Natsuki Kitamura, PT, Yuki Obokata, MHSc: Higashi Maebashi Orthopedic Clinic 2)東前橋整形外科病院 Kosuke Hara, MHSc, Risa Nakazawa, PT: Higashi Maebashi Orthopedic Hospital # E-mail: hpa08095@gmail.com (受付日 2017 年 6 月 27 日/受理日 2018 年 1 月 27 日) [J-STAGE での早期公開日 2018 年 3 月 17 日]. 法,物理療法,認知的側面を含んだ患者教育といった多 面的な理学療法を施行することが推奨されている. 5). 。な. かでも,認知的側面に対するアプローチを目的とした Graded Motor Imagery や Mirror Therapy については CRPS type Ⅰ患者の疼痛および機能の改善をもたらす 可能性があることが示唆されているが,そのコンセンサ スは得られていない. 6‒8). 。.  今回,外傷後の CRPS により慢性的な足部の疼痛を.

(2) 複合性局所疼痛症候群に対し超音波療法が著効した一症例. 113. 抱える症例を経験した。問診および理学検査所見より,. CRPS の診断により,理学療法処方となった。. 疼痛は中枢神経系,自律神経系,末梢神経系,末梢組織.  初回問診時の主訴は,「とにかく足の痛みをどうにか. の問題がそれぞれ生じた結果として惹起されていると考. してほしい。普通に歩けるようになりたい」といったも. えられた。したがって,中枢神経系,自律神経系,末梢. のであった。. 神経系それぞれに対する多面的な理学療法プログラムを.  主たる疼痛は,左前足部の足底および足背に生じる鋭. 3 週に渡り施行したが,荷重時の疼痛に変化はなかった。. 痛(P1)であった(図 1) 。この疼痛は,おもに前足部. そのため,再評価を行ったところ本症例の疼痛は足部の. への荷重により誘発された。また,左足が下垂位にある. 循環障害により生じていると考えられた。よって,循環. 場合,靴下や靴により足部が圧迫されている場合,数秒. 障害に関与していると考えられた下. 前面筋群に対する. ∼数分の入浴やこたつに足を入れることによっても生じ. 超音波療法を施行した結果,即時的な疼痛の消失を認め. た。安静時に疼痛を感じることは稀であったが,時折誘. た。本症例を通し得られた知見は CRPS に対する理学療. 因なく生じることもあった。なお,これらの疼痛は疼痛. 法を再考するうえで有益であると考えたため報告する。. 数値化尺度(Numeric Rating Scale:以下,NRS)にて.  なお,対象者には本報告の趣旨と内容を口頭および文. 9 ∼ 10 であった。生じた疼痛の軽減および消失には数. 書にて説明し,参加は自由意志であること,いかなる場. 分∼数十分の安静を要した。疼痛に関する日内変動はな. 合でも参加はいつでも取りやめることが可能であるこ. かった。また,足背にはヒリヒリするような痛みや“つっ. と,プライバシーには十分配慮することを伝え,書面同. ぱり感”も生じており,左前足部は常に浮腫んでいる感. 意書を用いて同意を得た。. 覚があるとの訴えもあった。. 問   診.  服薬状況に関しては,非ステロイド性抗炎症薬(NonSteroidal Anti-Inflammatory Drugs: 以 下,NSAIDs). 1.症例紹介. を他院通院時より服用していたが,効果を認めなかっ.  症例は 50 歳代の女性で,身長 150 cm,体重 48 kg の. た。一度は下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療薬が処方さ. 痩せ型体型であった。交通事故による外傷を契機とした. れたが,服用後に副作用が生じたため,それ以降の服用. 左足部の疼痛を約 1 年間に渡り抱えており,日常生活動. はしていなかった。. 作(Activities of Daily Living:以下,ADL)にも多大.  疼痛は,足部以外にも,頸部(P2),右膝(P3)に生. な影響をもたらしていた。就業はしておらず,家庭での. じていたが,どちらも NRS1 程度であり,P1 との関連. 役割は家事全般であった。. はなかった(図 1) 。また,全身状態に関する問題は特.  初回の問診時の表情および受け答えは暗く,情動面が. に認めなかった。今回の受傷以前に特記すべき既往歴は. 不安定である印象を受けた。また,疼痛の原因が不明確. なく,日常的にランニングを行うなど高い ADL レベル. であることや,症状の改善がないことに不安を感じて. であった。. いた。. 問診に基づく Clinical Reasoning 9). により提唱されている成人の生命体モデル. 2.病歴.  Gifford.  当院受診の約 1 年前,左足を車のタイヤで轢かれ他院. より,臨床における疼痛はその特徴により,入力,処理,. へ救急搬送された。左足背挫創および挫傷,左第 2,3. 出力メカニズムといった 3 つの問題によるものに識別す. 中足骨不全骨折,頸椎捻挫の診断を受け,創部の処置と. ることができる. 下. 10). 。入力メカニズムは末梢組織の侵害. から足部にかけてのギプスシーネ固定を施行され. 受容器から脊髄後角までの一次侵害受容ニューロンにお. た。当日は松葉杖を用いた患側非荷重歩行にて帰宅し. ける侵害刺激の入力システムを指す。このメカニズムの. た。翌日より通院を開始し,創部の加療を受けていた。. 問題による代表例としては侵害受容性疼痛と末梢神経障. 創傷治癒および骨癒合は約 1 ヵ月で得られたが,患側前. 害性疼痛が挙げられ,これらは刺激と反応の関係が予測. 足部への荷重は疼痛の程度が強かったことにより約 5 ヵ. 可能であり,症状増悪因子と軽減因子を同定しやすいと. 月間に及んで制限され続けた。その後,理学療法開始と. いうパターンを示す。また,末梢神経障害性疼痛に関し. なった。理学療法では,足部のマッサージと足関節の可. ては「ビリビリ,チクチク」といった特徴的な疼痛の性. 動域エクササイズ,歩行練習を行っていた。プログラム. 質を有することが知られている。処理メカニズムは入力. には前足部に対する荷重練習が含まれていたが,激しい. メカニズムで得られた情報を,脊髄後角以降の二次侵害. 疼痛により行えなかった。約 7 ヵ月間,週に 2 回の頻度. 受容ニューロンおよび三次侵害受容ニューロンで処理す. で理学療法を受けていたが,症状の改善がないことに加. るシステムを指す。このメカニズムの問題による代表例. え納得のいく病態の説明がされないことに不安を感じ,. としては中枢神経障害性疼痛が挙げられるが,中枢神経. 弁護士の紹介により当院を受診した。左足部挫傷後. 系の損傷の有無にかかわらず認知的側面や情動的側面の.

(3) 114. 理学療法学 第 45 巻第 2 号. 図 1 Body Chart 主たる疼痛は左前足部に生じる強い鋭痛であった(P1).また,右膝および頸部にも 疼痛が生じていたが,これらはいずれも P1 出現のタイミングと一致して生じるもの ではなかった.. 問題を根源とする中枢神経系の可塑的変化によっても生 11).  処理メカニズムの関与を断定する要素はなかったが,. 。このメカニズムの. 持続的な疼痛入力や病態の理解不足,今後に対する不安. 問題を示唆する臨床特性としては,損傷組織の治癒にも. などの認知的側面および情動的側面の問題が,中枢神経. かかわらず同様の症状が持続し予測される刺激と反応が. 系の可塑的変化を惹起し疼痛が慢性化している可能性は. 一致しないことや,疼痛と機能障害が単なる身体的・知. 十分に考えられた。. じることが明らかになっている. 覚的な次元を超えていることが挙げられる. 10). 。出力メ.  出力メカニズムの関与を示唆するものとしては,足部. カニズムは体性運動神経系,自律神経系,神経内分泌系,. の血流変化や温度刺激により疼痛が誘発される点などが. 免疫系を介して作動するものを指す。このメカニズムの. 挙げられた。これらは,疼痛に対する自律神経系や神経. 問題は運動パターンの変容や交感神経の過活動,神経内. 内分泌系,血管系の関与を疑わせた。. 分泌異常を原因とした免疫機能異常や治癒の遷延を惹起.  以上より,理学的検査はこれら各メカニズムを含む包. し,慢性疼痛につながる可能性がある. 10). 。. 括的なものを行う必要があると考えられた。.  本症例においてはこれら 3 つのメカニズムでの問題が.  主治医から禁忌事項についての指示がなかったことに. 複合的に生じた結果,慢性的な疼痛を惹起していると考. 加え,全身状態に大きな問題を認めないことから悪性病. えられた。. 変等の重篤な疾患は抱えていないと判断し,評価,治療.  入力メカニズムのうち侵害受容性疼痛を示唆するもの. に際して大きな制限を設ける必要はないと考えた。しか. として,前足部への荷重などの特定の刺激条件により疼. し,疼痛は NRS9 ∼ 10 と強く,その持続性も高かった. 痛が誘発される点が挙げられた。しかし,組織損傷から. ため,すべての検査は慎重にすすめる必要があると判断. 1 年が経過したにもかかわらず疼痛が持続しているとい. した。また,症例は自身の疼痛原因が不明確であること. う点,機械的刺激に対し不釣り合いで過剰な痛み反応が. に不安を抱いていたため,主治医と協議したうえで病態. 生じる点,NSAIDs の服用による効果が認められないと. と予後についての説明が必要であると考えた。. いう点などから,それのみで疼痛が生じていることは否 定的であった。末梢神経障害性疼痛に関しては,安静時. 理学的検査(初回介入時). 痛が稀であることから神経組織自体の損傷が生じている. 1.視診,触診. 可能性は低いと考えたが,疼痛の性質やその過敏性から.  左前足部足背にまだら様の皮膚色変化と軽度の浮腫を. 末梢神経組織の問題は否定できなかった。. 認めた。皮膚温は右足部と比較し低下を認めた。左前脛.

(4) 複合性局所疼痛症候群に対し超音波療法が著効した一症例. a.初回. b.介入開始後 3 週(治療後). c.介入開始後 5 週. 115. d.介入開始後 9 週. 図 2 静止立位時の下肢荷重量. 骨筋,足趾伸筋群の圧迫にて P1 が再現された。左足背. ト,Bragard テスト,腓骨神経伸張テストは陽性で P1. 動脈の触診では右と比較し弱い拍動が触知された。後脛. が再現された。なお,SLR テストでは 45 度にて P1 が再. 骨動脈では左右差を認めなかった。. 現された。Prone Knee Bend テストは陰性であった。. 2.皮膚温測定. 8.下肢荷重検査.  皮膚表面非接触温度計(原沢製薬工業社製,イージー.  体重計(TANITA 社製,デジタルヘルスメーター). テム)を用いて行った測定では,右は 35.8℃,左は測定. を用いた検査では,左前足部への荷重は 1 ∼ 2 kg で生. 不能(34.0℃以下)であった。なお,左は合計 3 施行し たがいずれも測定不能であった。. じる P1 により制限された。また,足圧分布計測装置 (Medicapteurs 社製,Win-Pod)を用いた検査では,静 止立位時における左前足部の荷重減少を認めた(図 2a) 。. 3.表在感覚(触覚)検査  右足を 10 とし,左足背は 5,左足底は 7 であった。. 9.歩行分析. また,左前足部はなでるような触刺激でも「ヒリヒリす.  歩行動作の全周期を通して足関節は軽度底屈位であっ. る」という訴えがあった。. た。足関節,膝関節運動は生じず,振り出しは股関節屈 曲にて行っていた。また,左立脚期は踵支持であり,前. 4.自動運動検査. 足部への荷重はほぼ消失していた(図 3a)。.  足関節の可動域は背屈 ‒15 度,底屈 45 度,外返し 5 度, 内返し 10 度であった。背屈,底屈,内返しにて P1 が. 10.呼吸パターン評価. 再現された。.  頸部屈筋群の過剰な収縮と胸式優位の呼吸パターンを.  足趾の可動域は,Ⅰ趾屈曲,伸展 0 度,Ⅱ∼Ⅴ趾屈曲,. 認めた。. 伸展 5 度であり,どの運動も P1 が再現された。また,運 動の際に足趾の振戦が生じ,円滑な運動は困難であった。. 11.脈拍測定  1 分間に 114 拍であった。. 5.他動運動検査  足関節の可動域は背屈 0 度,底屈 50 度,外返し 10 度,. 12.質問紙票検査. 内返し 15 度であった。背屈の最終域で抵抗感は感じら. 1)painDETECT Questionnaire(以下,PDQ). れず,生じた P1 によって制限された。.  PDQ は,神経障害生疼痛と侵害受容性疼痛を鑑別する.  足趾の可動域は自動運動と同様であり,どの運動も. ために用いられるスクリーニング評価ツールである。38. P1 が再現された。. 点満点で構成され,0 ∼ 12 点は侵害受容性疼痛,13 ∼. 12). 18 点は神経障害性疼痛の要素が含まれる,19 ∼ 38 点は 6.神経触診. 神経障害性疼痛と解釈される。本症例は 36 点であった。.  腓骨神経の触診にて P1 の再現を認めた。坐骨,脛骨. 2)Leed Assessment of Neuropathic Pain Symptoms. 神経の触診では P1 の再現を認めなかった。. 13). and Signs(以下,LANSS).  LANSS は,神経障害生疼痛と侵害受容性疼痛を鑑別 7.神経動的検査. するために用いられるスクリーニング評価ツールであ.  Slump テスト,Straight Leg Raise(以下,SLR)テス. る。24 点満点で構成され,12 点以上は神経障害性疼痛.

(5) 116. 理学療法学 第 45 巻第 2 号. a.初回. b.介入開始後 3 週(治療後). c.介入開始後 5 週. d.介入開始後 9 週. 図 3 歩行時の左下肢荷重量. の確立が高いと解釈する。本症例は 24 点であった。 3)CRPS 判定指標. 14)15).  以上より,本症例に対する理学療法アプローチには入 力,処理,出力メカニズムそれぞれに対するものを含む.  CRPS 判定指標は,IASP により提唱されている指標,. 必要が考えられた。また,治療介入の順序として,処理. 厚生労働省 CRPS 研究班により提唱されている指標と. メカニズムに対するプログラムを施行した後に出力メカ. も に 臨 床 用 と 研 究 用 に 診 断 基 準 が 設 定 さ れ て い る。. ニズム,入力メカニズムの順でアプローチすることと. IASP による指標では,4 項目のうち,臨床用判定指標. した。. では 3 項目で少なくとも 1 つの自覚症状と,2 つ以上の 項目で少なくとも 1 つの他覚所見を満たすもの,研究用. 治療プログラムおよび経過(表 1). 判定指標では 4 項目すべてにおいて少なくとも 1 つの自.  初回は,疼痛メカニズムの理解を得て認知的側面およ. 覚症状と,2 つ以上の項目で少なくとも 1 つの他覚所見. び情動的側面に生じている問題を解消することを目的. を満たすものを CRPS と判定する。本症例は 4 項目中 4. に,疼痛に対する中枢神経系の関与についての説明を. 項目で陽性であった。また,厚生労働省 CRPS 研究班. 行った. による指標では,5 つの項目のうち,臨床用判定指標で. 自宅でも図れるよう,足関節底背屈運動の Mirror Ther-. は 2 つ以上の自覚症状と 2 つ以上の他覚所見を満たすも. apy. の,研究用判定指標では 3 つ以上の自覚症状と 3 つ以上. の賦活を目的とした意識的腹式呼吸(呼気と吸気の時間. の他覚所見を満たすものを CRPS と判定する。本症例. の比が 2:1). は自覚症状,他覚所見ともに 5 項目中 3 項目で陽性で. 回数は定めず,時間がある際にホームエクササイズとし. あった。. て行うよう指導した。. 理学的検査に基づく Clinical Reasoning. 18)19). 20)21). 。また,認知的側面に対するアプローチを. を指導した(図 4)。それに加え,副交感神経 21). の指導を行った。なお,これらは特に.  2 度目の来院時(介入後 1 週) ,呼吸パターンは改善 を示し,脈拍数も 1 分間に 97 拍と減少を認めた. 22). 。し.  一連の理学的検査より,疼痛には侵害受容性疼痛のみ. かし,その他の理学的検査結果および ADL 上の疼痛に. ならず末梢神経組織における問題および処理,出力メカ. は変化がなかった。そのため,治療プログラムを変更し,. ニズムが関与した結果として生じているという仮説がさ. 腓骨神経の神経滑走性と軸索原形質流動の改善を目的と. らに支持された。また,PDQ CRPS 判定指標. 12). と LANSS 13) および. 14)15). の結果もそれを裏づけた。. した Slider エクササイズ. 23)24). を施行および指導した. (図 5)。なお,これは 1 セット 10 回とし,1 日 3 ∼ 6 セッ.  これらの関与を疑わせる所見としては,一連の検査を. ト行うよう指導した。. 通じて確認された異痛症および痛覚過敏,左足部のまだ.  3 度目の来院時(介入後 2 週) ,SLR テストは 75 度ま. ら様の皮膚色変化,左足部の皮膚温低下,左足部の感覚. で挙上可能となり,腓骨神経の触診における疼痛も消失. 低下,足関節可動域制限と運動円滑性低下,腓骨神経の. した。また,入浴時やこたつでの疼痛も軽減していた。. 2). 過敏性増幅,浮腫などが挙げられた 。. 荷重時の疼痛に変化はなかったが,さらなる症状の改善.  また,本症例は呼吸パターン評価,脈拍測定の結果よ. を目的にプログラムを継続した。. り,交感神経の過活動が疑われた。交感神経の過活動は.  4 度目(介入後 3 週)の来院時,症状および理学所見. 脈管系の収縮を促進し,局所組織への血流循環の低下と. に変化がなかったため,理学的検査を再度行った。その. それに伴う疼痛発生物質の滞留を招く. 16)17). 。そのため,. これは疼痛を持続させる関連因子であると考えられた。. 結果,左下. 遠位 3 分の1から前足部にかけて著明な皮. 膚温低下を認めた。このことから,脈管系の問題が改め.

(6) 複合性局所疼痛症候群に対し超音波療法が著効した一症例. 117. 表 1 治療プログラムおよび経過 介入開始後 週数 (介入回数). 理学療法評価(主観的評価および客観的評価) 足部表在感覚 PDQ/ (足背/足底) LANSS. 治療プログラム. 疼痛. 最大 荷重量. 足関節可動域 (背屈/底屈). 足部皮膚温 (右/左). 初回. ・荷重時痛(+) ・関節運動時痛(+) ・入浴時痛(+). 1 ∼ 2 kg. ‒15 °/45 °. 35.8 度/測定不能. 5/7. 36/24. ・病態説明 ・腹式呼吸 ・ミラーセラピー. 1週 (2 度目). ・荷重時痛(+) ・関節運動時痛(+) ・入浴時痛(+). 1 ∼ 2 kg. ‒15 °/45 °. 未実施. 5/7. 未実施. ・Slider exercise. 2週 (3 度目). ・荷重時痛(+) ・関節運動時痛(+) ・入浴時痛(±). 5 kg. ‒10 °/45 °. 未実施. 未実施. 未実施. ・Slider exercise. ・荷重時痛(+) 3 週(治療前) ・関節運動時痛(+) (4 度目) ・入浴時痛(−). 5 kg. ‒10 °/45 °. 35.9 度/測定不能. 未実施. 未実施. ・超音波療法. ・荷重時痛(−) 3 週(治療後) ・歩行時痛(−) (4 度目) ・関節運動時痛(−). 48 kg (Full). 3 °/45 °. 36.0 度/ 35.8 度. 9/9. 未実施. ・底背屈自動運動 ・荷重パターン ex. 48 kg (Full). 15 °/45 °. 35.8 度/ 35.6 度. 9/10. 未実施. ・超音波療法 ・荷重パターン ex ・股関節周囲筋 ex ・バランス ex ・荷重パターン ex. 4週 (5 度目). ・歩行時痛(±) ・関節運動時痛(−). 5週 (6 度目). ・歩行時痛(−) ・ADL 上時折(+). 未実施. 15 °/45 °. 35.7 度/ 35.6 度. 9/10. 未実施. 7週 (8 度目). ・ADL 上の疼痛(−). 未実施. 20°/45 °. 未実施. 10/10. 4/0. ・Activity 動作. 9週 (10 度目). ・ジョギング可能 ・ジャンプ可能 ・動作上の疼痛(−). 未実施. 未実施. 未実施. 未実施. 未実施. ・Activity 動作. 右足関節底背屈運動. 図 4 Mirror Therapy 椅子端座位にて両下肢間に鏡を設置し,右足関節底背屈運動を行った.. て疑われた。圧迫による疼痛と P1 誘発を認めた前脛骨. 暖かくなっている」との訴えがあり,施行後の足部温は. 筋と足趾伸展筋群に対し,超音波療法(1 MHz,1.2 W/. 35.8℃と即時的に顕著な上昇を認めた。足関節自動背屈. 2. cm ,Duty 100%,8 分× 2 セット)を用いて同筋の弛. 角度は 5 度まで改善を示し,前足部への荷重時の疼痛も. 緩と足部の血流改善を図った。超音波施行中より「足が. NRS 0 ∼ 1 まで軽減した。ヒールレイズも可能となり,.

(7) 118. 理学療法学 第 45 巻第 2 号. a.膝関節伸展と頸部伸展. b.膝関節屈曲と頸部屈曲. 図 5 Slider エクササイズ ベッド・椅子端座位にて,膝関節伸展と頸部伸展を同時に行う動作(a)と膝関節屈曲と頸部屈曲を 同時に行う動作(b)を交互に繰り返す.なお,足関節運動は疼痛が生じるため行わなかった.. 静止立位時および歩行時ともに前足部への荷重が増加し. Mirror Therapy,Slider エクササイズ,腹式呼吸等の. た(図 2b,図 3b)。当日は,運動量の急激な上昇は症. 多面的な理学療法を施行した。その結果,3 度目の来院. 状の再発を招く可能性があることを説明し,帰宅してい. 時には,SLR 角度の拡大や腓骨神経の触診における疼. ただいた。. 痛も消失を認め,入浴時の疼痛も軽減していた。しかし,.  5 度目の来院時(介入後 4 週) ,歩行時に NRS2 の疼痛. 4 度目介入時にはさらなる改善は認められず,本症例の. が生じていたが,同様のプログラムにより消失した。ま. 主訴である歩行時の疼痛の軽減には至らなかったことか. た,歩行時のさらなる前足部への荷重改善を目的に荷重. ら,この疼痛には他の因子の関与が大きいことが示唆さ. パターン練習を施行した。6 度目来院時(介入後 5 週). れた。. 以降は片脚立位エクササイズや早歩き,ジョギング,両.  以上を踏まえたうえで再度理学的検査を行った結果,. 脚および片脚ジャンプなどの機能的エクササイズを段階. 下. 的に取り入れ施行した。疼痛は活動量の増加に伴いわず. を認めた。そのことから,足部の循環不全の疼痛への関. かな出現を認めたが,8 度目来院時(介入後 7 週)には. 与が改めて疑われた。末梢組織の循環不全は組織の酸素. ADL 上での疼痛が完全に消失した。理学的検査におい. 不足や疲労物質,発痛物質の産生促進と滞留を惹起し,. ても問題を認めなかった。PDQ は 38 点中 4 点,LANSS. 疼痛閾値を低下させる。本症例においては,前脛骨動脈. は 24 点中 0 点とともに改善を認めた。静止立位時,歩. を中心とした末梢の血流不全に伴い足部での疼痛発生物. 行時の前足部への荷重も徐々に改善し(図 2,図 3) ,10. 質の滞留や慢性酸素不全が生じ,疼痛閾値の低下が引き. 度目来院時(介入後 9 週)にはジョギング,ジャンプも. 起こされたと考えられた。そのため,足部の循環動態の. 可能となった。. 改善を目的とした下.  その後は本人の希望により 1 ヵ月に 1 度の頻度で理学. 行した。その結果,荷重時の疼痛は即時的に消失し,歩. 療法を継続したが,症状の再発はなく本人の安心も得ら. 行も痛みなく行えるまで改善した。この結果より,疼痛. れたため,介入後約 7 ヵ月にて終了となった。. に対する足部の循環障害の関与が裏づけられた。. 考   察. 遠位 3 分の 1 から足部にかけて皮膚温の著明な低下. 前面筋群に対する超音波療法を施.  Coderre らは,深部組織における虚血が CRPS 発症の 鍵であると述べている. 4)25)26). 。虚血に伴う疼痛遷延化. 1.本症例における疼痛メカニズムについて. の機序としては,深部組織の損傷後に生じる浮腫を伴う.  本症例に生じている疼痛は,その経過と所見より単な. 炎症と微小循環障害を繰り返す結果,経時的な浮腫の軽. る侵害受容性疼痛とは考え難く,中枢および末梢神経. 減による血流再開が虚血─再灌流障害を引き起こす。そ. 系,自律神経系の問題が関与した結果生じていると考え. の結果,深部組織の微小循環における血管内皮細胞の傷. られた。そのため,各問題を解消することを目的とした. 害と炎症(浮腫)が生じ,微少組織レベルでのコンパー.

(8) 複合性局所疼痛症候群に対し超音波療法が著効した一症例. トメント症候群が生じ再び虚血状態に陥ることで慢性炎 症状態が完成するという説が提唱されている。また,筋. 119. 結   語. 肉および骨組織における虚血および炎症状態による侵害.  本症例は外傷を契機に CRPS 発症に至り,慢性的な. 受容器の活性化は疼痛閾値の低下や中枢神経系に感作を. 左足部の疼痛と歩行障害を呈した症例である。理学療法. 引き起こし,持続痛や異痛症,痛覚過敏といった状態に. 介入初期は,生じている疼痛に関与していると考えられ. 繋がることが明らかにされている。. た中枢神経系および末梢神経系,自律神経系に対するア.  本症例は,交通事故による左足背挫創,挫傷,左第 2,. プローチを施行した。その結果,部分的な理学的検査所. 3 中足骨不全骨折の受傷後に CRPS の発症に至った。受. 見の改善や疼痛軽減を認めたものの,本症例の主訴であ. 傷直後は当該組織の損傷に伴う侵害受容性疼痛が生じて. る歩行時の疼痛軽減には至らなかった。理学的検査を再. いたと考えられる。しかし,その後の経過において生じ. 度行った結果,疼痛は足部の循環障害により惹起されて. た左足部の循環不全により正常な治癒過程を得ることが. いることが疑われた。そのため,足部の循環障害に関与. できず,疼痛が遷延化したと考えられる。また,本症例. していると考えられた下. は疼痛により前足部への荷重が制限されているため,踵. 行した結果,即時的な疼痛消失と歩行障害の改善を認め. 荷重での歩行を呈していた。この歩容により前脛骨筋お. た。この結果は CRPS に対する理学療法を再考するう. よび足趾伸展筋群は慢性的に収縮状態となり前脛骨動脈. えで有益であると考える。. が絞扼されたことも足部の循環障害に関与していたと考 えられた。. 前面に対する超音波療法を施. 利益相反  開示すべき利益相反はない。. 2.CRPS に対する超音波療法の有用性について  本症例は,下. 前面に対する超音波照射(1 MHz,. 2 1.2 W/cm ,Duty 100%,8 分× 2 セット)により明ら. かな足部の温度上昇と疼痛の消失を認めた。この結果よ り,超音波照射によって下. 前面筋群の弛緩および前脛. 骨動脈の絞扼解消が生じたことで足部の循環動態が改善 し,疼痛消失に至ったと考える。  CRPS に対する理学療法として,交代浴が知られてい る. 27). 。これは血管拡張と収縮を繰り返すことにより阻. 害された血流の回復を促し,組織の状態改善を図るもの である。しかし本症例は,数分の入浴やこたつで足部を 温めるような温度刺激のみでも疼痛が生じることから温 度不耐性が生じていると考え. 28). ,交代浴の適応となら. ないと判断した。一方,超音波療法は 3 ∼ 5 cm 深部の 組織を加温することができると Cole ら 告されている。本症例に対しては下. 29). によって報. 前面筋群に対する. 超音波療法を用いたことにより,足部の皮膚表面に対す る温度刺激が生じない状況下で循環動態の改善が図れた と考える。  超音波療法による血流改善効果について,Fabrizio ら. 30) 2. は 1.0 MHz の超音波を 1.0 W/cm2 および 1.5 W/. cm の出力で下. 三頭筋に 5 ∼ 15 分間照射した結果,. 膝窩動脈の血流速度が有意に上昇したことを報告してい る。 ま た,Noble ら. 31). は,3 MHz の 超 音 波 を 1 W/. 2. cm の出力で前腕側面に 2 ∼ 6 分間照射した結果,末梢 組織の血流速度が有意に上昇したと報告している。本症 例においても,超音波照射による下. 前面筋群の加温効. 果およびマッサージ効果が足部への血流上昇を促し,循 環動態が改善した結果,疼痛消失に至ったと考える。. 文  献 1)Naleschinski D, Baron R: Complex regional pain syndrome type I: neuropathic or not? Curr Pain Headache Rep. 2010; 14: 196‒202. 2)松原貴子,沖田 実,他:Pain Rehabilitation.三輪書店, 東京,2011,pp. 219‒224. 3)Jensen TS: Neuropathic pain: definition and screening. Eur J Pain. 2007; 11: 7‒8. 4)住谷昌彦,大住倫弘:CRPS の深部組織の痛みのメカニズ ム.PAINRES.2017; 32(1): 7‒12. 5)Harden RN, Oaklander AL, et al.: Complex regional pain syndrome: practical diagnostic and treatment guidelines, 4th edition. Pain Med. 2013; 14: 180‒229. 6)Daly AE, Bialocerkowski AE: Does evidence support physiotherapy management of adult Complex Regional Pain Syndrome Type One? A systematic review. Eur J Pain. 2009; 13: 339‒352. 7)O’Connell NE, Wand BM, et al.: Interventions for treating pain and disability in adults with complex regional pain syndrome. Cochrane Database Syst Rev. 2013; CD009416. 8)Smart KM, Wand BM, et al.: Physiotherapy for pain and disability in adults with complex resional pain syndrome (CRPS) types I and II (Review). Cochrane Database Syst Rev. 2016; CD010853. 9)Gifford LS: Pain, the tissues and the nervous system: a conceptual model. Physiotherapy. 1998; 84: 27‒36. 10)Jones M, Rivett D:マニュアルセラピーに対するクリニ カルリーズニングのすべて.藤縄 理,亀尾 徹(監訳) , 協同医書出版社,東京,2010,pp. 3‒26. 11)松原貴子,沖田 実,他:Pain Rehabilitation.三輪書店, 東京,2011,pp. 178‒211. 12)Freynhagen R, Baron R, et al.: pain DETECT: a new screening questionnaire to identify neuropathic components in patients with back pain. Curr Med Res Opin. 2006; 22(10): 1911‒1920. 13)Bennett M: The LANSS Pain Scale: the Leeds assessment of neuropathic symptoms and signs. Pain. 2001; 92(1-2): 147‒157. 14)Harden RN, Bruehl S, et al.: Proposed new diagnostic.

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参照

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