• 検索結果がありません。

p16-23.indd

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "p16-23.indd"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ハンマー投げ:

基本テクニックと筋力トレーニング計画

The hammer throw: Fundamental technique and strength plan

Ed Burke,

Chairman, Hammer Throw Development, TAC

Ladislav Pataki,

Ph D. Training Management Systems Inc.

Kevin Doherty,

 

Los Gatos Athletic Club Los Gatos, California

はじめに  ハンマー投げの用具は、ワイヤーで 繋がれたグリップと硬い金属球からな る。ハンマー全体の重さは16ポンド (7.257kg)である。このハンマーを投げ るときの特徴は、選手は自分を中心と した軌道で大きく2回ハンマーを予備 回転させ(ワインド)、続いて3、4回 選手が回転する(ターン)。そのとき選 手とハンマーは一体となり、絶妙なバ ランスとアンバランスを保ちながら同 時に回転する。  ハンマー投げのトレーニング計画を 作成するときに最優先すべき要素は、 リズムとタイミングとグラデーション (力の増大)である。アスリートが関連 スキルを習得し始めた段階では、常に これらの基本要素に戻って練習するこ とが必要である。  投擲てきの高度なパフォーマンスを支配 する最も重要な要因は、ダイナミック バランス、すなわち運動中のバランス の原理である(図1)。ダイナミックバ ランスは、ハンマー(H)と投擲選手(T) との間で生じるバランスである。投 擲選手の体重(Tm)はハンマーの重量 (Hm)より重い。したがってバランス をとるためには、ハンマー側に「何か」 を足す必要がある。この「何か」とはす なわち、選手の回転半径(Tr)よりも長 いハンマーの回転半径(Hr)であり、ハ ンマーの加速により増大した遠心力が ハンマーの重量に加わることによって ダイナミックなバランスが生じるので ある。  ただしこれはあくまでも一般的な説 明にすぎない。ハンマーと選手のダ イナミックなバランス体系において は、選手の全体重がその重量に比例し て使われるわけではない。各身体部位 の絶対的質量の貢献度は、回転軸から の距離と回転軸自体の角度に依存して いる。したがってTmは、投擲選手の 姿勢に依存する変数である。地面にも 回転軸にも近い選手の身体部位(下腿 と足)のTmへの寄与は総じて少ない。 これに対して、地面から離れ、また回 転軸からも遠い頭部や体幹の質量は、

S

PORTS

P

ERFORMANCE

S

ERIES

26

CNSCA JAPAN

Volume16, Number 3, pages16-23

(2)

Tmに大きく寄与する。  投擲選手は、円周7フィート(2.13m) のサークル内で回転し、両足で引きと 回転を繰り返しながら(両脚支持、図 2)アンバランスを生じさせ、求心力 を増大させる。選手は身体の運動エネ ルギーをハンマーに伝え、再び片足立 ちとなり(片脚支持、図3)、ダイナミッ クなバランスを保つ。ハンマーのヘッ ド部分はこの間、傾斜した螺旋形の軌 道を回りながら、投げ手がターンする たびに最高点と最下点を通過する。 ワインド  選手とハンマーがサークル内で回転 を始める前に腕を回す目的は、ハン マーが選手の体重と拮抗するために必 要な遠心力を生じさせるためである。 右利きの選手の場合、左手でハンマー のハンドルを握り、その上に右手を重 ねて握る。通常は2回ワインドし、最 初の1回は選手の右側で行われる。肩 はボールの動きに伴い前面の軌道と交 差するが、ボールが選手の後ろを通過 するときには肘を頭部より上に上げ る。2回目のワインドで、選手は広い 軌道上のハンマーの動きを把握しなが らコントロールしなければならず、顔 を前方に向けたときに、膝部分の中央 を通る最下点までハンマーを回す。選 手はハンマーを加速するために動作速 度を徐々に上げて、下方へのストロー クに力を集中する必要がある。これは よく知られている「振り子の原理」であ る。  ワインドの動作に関与する主な筋群 は、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、腕 橈骨筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、大 円筋、僧帽筋、棘下筋、脊柱起立筋、 広背筋、外腹斜筋、腹直筋および三角 筋である(図4参照)。 図2 求心力を生むアンバランス 図3 動的バランスの回復 上腕三頭筋 大円筋 上腕二頭筋 三角筋中部 三角筋後部 僧帽筋 菱形筋 広背筋 脊柱起立筋 外腹斜筋 図4 ワインド

(3)

かかと-母指球によるターン  選手は、ハンマーが右下方から自分 の前面を通過するときに、ハンマーの 力に対抗してハンマーを引きながら体 重を回転軸から遠ざけ、足を回転させ てアンバランス/バランスを反復して 力を生み出す。3回ターンのテクニッ クでは、デリバリー(投げ出し)へと 続く3回のかかと(左足)と母指球(右 足)のターンを行う。ここで特に重要 なことは、アンバランスは両脚支持の 下で生じ、バランスは片脚支持のとき に生じることである。このときの鉄球 は135°~ 180°の角度で上方に動いてい る。4回ターンのテクニックも同じパ ターンではあるが、最初のターンでは 左足の母指球が360°回転し、続いて前 述したかかとと母指球によるターンが 3回行われる(図5参照)。  図6の最後の図は、ハンマーが約 270°の軌道上にあるときに右足が着地 することを示している。これにより、 選手は重力と低い位置に下げた自分の 重心を利用して最高点から最下点、す なわち0°まで力を発揮できる。また デリバリー局面で、より長い軌道を 通って力を発揮できる。視線はターン の間を通して鉄球の方向を向いている ことが重要である。これはかつての 70m級のスタイルと現在の80m超級の スタイルとのパフォーマンスの重要な 違いである。  特筆すべき点は、フットパターンの 方向がサークルの中心(図7)からおよ そ10°~ 20°ずれていることである。選 手がこの角度で前進することにより、 ハンマーの加速軌道を長くできる(図 6参照)。  ターンの主要動作に関与する下半身 の筋群は、足底屈筋、腓腹筋、ヒラメ筋、 大腿四頭筋、ハムストリングス、外側 開始位置 開始から足のターン 爆発的な振り上げ リフティングとクローズ 爆発的な着地 かかと 母指球 かかと母指球 足部 下腿部 下肢 全身 図5 図6 足の位置とハンマーの角度の関係

(4)

広筋、内側広筋、大殿筋、および中殿 筋である。上半身の筋群もハンマーを コントロールするために使われる。そ れらは長掌筋、尺側手根伸筋、上腕二 頭筋、上腕三頭筋、僧帽筋、大円筋、 広背筋、腹直筋、外腹斜筋、前鋸筋お よび三角筋後部である(図8参照)。 デリバリー  この局面で、前述したすべての要素 が統合される。ハンマーの大きな牽引 力は、身体の姿勢によってバランスが 保たれ、また、筋力の大きな影響を受 ける。選手はハンマーの牽引力に対抗 して重心を下げ、下半身のセグメント を左に回転させながら力を増大させ、 鉄球が最大速度に達し(最終的に遠心 力が求心力に打ち勝って)空中に飛び 出すまで、後部上方に向かって爆発的 に力を発揮する(図9)。 ハンマー投げのデリバリー動作に関 与する主な筋群は(図10と図11)、ヒラ メ筋、腓腹筋、前脛骨筋、内側広筋、 外側広筋、大腿直筋、縫工筋、ハムス トリングス、中殿筋、大殿筋、脊柱起 立筋、僧帽筋および胸鎖乳突筋である。 筋力の向上を目標としたトレーニング 計画(表1)には12週間のスケジュール が含まれ、そのスケジュールには、完 璧なアスリートを育成するために投擲 はもちろん、テクニックドリル、映像 モデルの学習、スプリント、プライオ メトリックエクササイズ、オリンピッ クスタイルの爆発的なリフティングエ クササイズ、競技特異的な体幹エクサ サイズ、さらに回復のための活動が取 り入れられている。  目標スケジュール例(表2)はトレー ニングサイクルの統合例であり、短期 および中期の投擲目標と筋力トレーニ ング、高強度のハンマー投げまたはプ ライオメトリクスを組み合わせてあ 投擲方向 ハンマーの軌道を延長するために、 足の進行方向は斜めになる 図7 足の進行方向 上腕二頭筋 上腕三頭筋 大円筋 大胸筋 広背筋 前鋸筋 外腹斜筋 腹直筋 半膜様筋 薄筋 内側広筋 ヒラメ筋 三角筋後部 腓腹筋 浅指屈筋 僧帽筋 内転筋 縫工筋 大腿直筋 外側広筋 図8 ターン

(5)

る。  ハンマー投げは大きな筋力と爆発的 な筋活動を必要とする競技である。し たがって表3に挙げたエクササイズは、 この活動を模擬し、筋活動を補う拮抗 筋の力を利用できるオリンピックスタ イルのリフティングである。◆ From NSCA Journal:Volume11,  Number 4, pages 4-10, 77-81. 1989. 図9 デリバリー局面 大腿筋膜張筋 大腿直筋 脊柱起立筋 僧帽筋 大殿筋 外側広筋 ハムストリングス 中殿筋 腓腹筋 前脛骨筋 ヒラメ筋 胸鎖乳突筋 図10 ハンマー投げのデリバリー:最高点の最終姿勢 胸鎖乳突筋 大腿直筋 外側広筋 前脛骨筋 僧帽筋 脊柱起立筋 中殿筋 大腿筋膜張筋 大殿筋 ハムストリングス 腓腹筋 ヒラメ筋 図11 ハンマー投げのデリバリー:最下点の姿勢

(6)

エクササイズ

補助活動

ハンマー投げ-

Syber Vison Systems,Inc.

映像モデルの学習 テクニックのエクササイズ ドリル ハンマー投げ-全動作 投擲 様々な姿勢からのスタートとスプリント スプリント 回復のための活動 8秒間の静的な全身二重抵抗ストレッチ、 動的ストレッチ ストレッチ ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スイミング、 エアロビックダンス 有酸素性活動-リラクゼー ション 目標活動 ボックスジャンプ(水平および垂直、単独および反復) バウンディング 後 方 オ ー バ ー ヘ ッ ド 、 前 方 オ ー バ ー ヘ ッ ド 、 円 盤 投 げ ス タ イ ル、ハンマー投げスタイル、アンダーハンド、フォワード 砲 丸やパ ッド を用 いた 総合 的 な投擲運動 スナッチ、パワークリーン 筋力: オリンピックリフティング ベンチプレス、ミリタリープレス、インクラインプレス 筋力:上半身-伸筋群 アームカール 筋力:上半身-屈筋群 様々なスタンスと深さで行うスクワット、レッグプレス、 レッグエクステンション、バックスクワット 筋力:下半身-伸筋群 レッグカール 筋力:下半身-屈筋群 Sedych ツイスト *、ベンチツイスト、ハンマーツイスト、 ディスカスツイスト、エイト、ワインド 筋力:体幹エクササイズ トレーニングスケジュール 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 トレーニング/週 2 2 2 0 2 2 2 0 2 2 2 0 分/トレーニング 20 20 20 0 20 20 20 0 20 20 20 0 トレーニング/週 2 2 2 2 0 2 2 2 0 2 2 2 分/トレーニング 20 20 20 20 0 20 20 20 0 20 20 20 トレーニング/週 3 2 3 3 1 2 3 3 1 2 2 2 投擲/トレーニング 30 30 20 20 30 30 20 20 30 30 20 20 トレーニング/週 2 2 1 2 0 2 1 2 0 2 2 2 ランニング/トレーニング 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 トレーニングスケジュール 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 トレーニング/週 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 分/トレーニング 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 トレーニング/週 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 分/トレーニング 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 トレーニングスケジュール 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 トレーニング/週 3 3 1 2 3 3 1 2 3 3 1 2 セット数/トレーニング 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 トレーニング/週 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 投擲/トレーニング 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 週に3回のトレーニング エクササイズ/週 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 セット数/トレーニング 5 3 5 5 8 3 5 5 8 3 5 3 強度 50 100 55 65 60 95 65 75 70 95 85 100 表1 筋力目標トレーニング計画 強度 分/トレーニング 時間 *プレートかメディシンボールを身体の前で保持し 、骨盤を真っ直ぐに 保ったまま両腕を左右に捻る。

(7)

表2 ハンマー投げのジュニア選手のための目標スケジュール例  週末の日付 6月 5日 1週 2週 3週 4週 5週 6週 7週 8週 9週 10週 11週 12週 13週 14週 15週 16週 到達目標 190ftハ ン マ ー 投 げ の州大会での優勝 ピーク トレーニングサイクル 休息期 開始期 筋力増強期        筋力期       爆発的筋力期      調整期 戦術/技術期 中間目標 テスト結果 ハンマー投げ170ft(52m) パワークリーン235lb. (106kg) スクワット350lb.(158kg) トリプルジャンプ35ft.(11m) 筋力目標 パワークリーン250lb. (110kg) スクワット370lb.(167kg) ベンチプレス295lb.(133kg) ハンマー投げ180ft(55m) パワークリーン250lb. (110kg) トリプルジャンプ38ft.(12m) 試合でウォームアップより遠 くに投げる トレーニング リフティング 中強度 中量 リフティング 中強度 多量 リフティング 高強度 少量 高強度スローイング/バウンド   多量      高強度   中強度      中量  中強度 中量 高強度 少量

(8)

表3 ハンマー投げに適したエクササイズの選択 月曜日 水曜日 金曜日 毎日 デッドリフト(または) スクワット(または) ベンチプレス ストレッチ ハイプル(または) レッグプレス(または) アームカール Sedych ツイスト パワークリーン(または) ラムラック(または) ラットプルダウン クランチカールアップ パワースナッチ レッグカール

NSCA ジャパン事務局

 TEL:03-3452-1684 http://www.nsca-japan.or.jp  民間フィットネスクラブ関係者、公共施設関係者、企業の福利厚 生担当者、学校・病院関係者、福祉関係者およびその他一般など、 計20,000名の来場が見込まれるフィットネス業界最大の展示会『ヘ ルス&フィットネスジャパン2009』が6月17日(水)から19日(金) までの3日間、東京ビッグサイトを会場に開催されます。  NSCAジャパンは下記要項にて、主催セミナーを開催いたします。 【開催日程】  2009年6月18日(木) 【会場】  東京国際展示場『東京ビッグサイト』(東京都江東区有明3-21-1) 【時間帯、講師名】  ①10:00 ~ 11:30 星川 佳広  ②13:00 ~ 14:30 鈴木 志保子  ③15:00 ~ 16:30 竹島 伸生 【演題】 ①一流スポーツ選手(ジュニア~シニア)を対象とした体力測定  ~測定によりトレーニングを個別化し、長期・継続的に競技力 向上をはかる~ ②食生活の面から自己管理能力を養う

③First Step Exerciseの勧め~ Well-rounded exerciseの実践を 目指して~ 【講師略歴】 ① 星川 佳広(ホシカワ ヨシヒロ) 浜松ホトニクス㈱スポーツホトニクス研究所勤務  静岡県体育協会スポーツ科学委員会委員  スポーツ選手や一般人の体力に関する研究に従事 ② 鈴木 志保子(スズキ シホコ) 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科准教授、管理栄 養士  NPO法人日本スポーツ栄養研究会副会長  健康増進やメタボリックシンドロームの予防・改善、子ども の発育・発達についても研究や指導を行う ③ 竹島伸生(タケシマ ノブオ) 名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科教授、医学博士  名古屋市立大学健康教育研究推進センター副センター長  高齢者における健康の維持増進と機能的自立に関する研究に 取り組む 【受講料】  1講座につき4,000円 ※当日参加5,000円(空席がある場合のみ) 【CEU】  1講座につき0.15CEU(カテゴリー A) 【受付期間】  4月下旬より受付開始予定 【申し込み、問い合わせ】  ヘルス&フィットネスジャパン実行委員会事務局  TEL:045-316-5387  FAX:045-290-1222  E-mail:[email protected]  HP:http://www.hfj.jp/  ※申し込み、問い合わせ先はNSCA事務局ではありません。

HFJ2009 NSCAジャパン主催セミナーのご案内

Information

参照

関連したドキュメント

[r]

⑥'⑦,⑩,⑪の測定方法は,出村らいや岡島

 再び心室筋の細胞内記録を行い,灌流液をテト

 単一の検査項目では血清CK値と血清乳酸値に

そこでこの薬物によるラット骨格筋の速筋(長指伸筋:EDL)と遅筋(ヒラメ筋:SOL)における特異

するものであろう,故にインシュリン注射による痙攣

The activity of the gluteus maximus is said to change with exercise, the hip joint position, and muscle fiber. Therefore, it is important for physical therapy to deepen the

鉄筋まで 15mm ※3 以下 鉄筋まで. 15mm