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『こども学研究』創刊にあたって

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Academic year: 2021

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『こども学研究』創刊にあたって

著者 太田 光洋

雑誌名 こども学研究

巻 1

ページ 1‑1

発行年 2019‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1118/00001269/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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『こども学研究』創刊にあたって

 「こども学研究」創刊号をお届けします。

 子どもは社会を映す鏡である。子どもが、社会の中でどのように捉えられ、処遇されている かは、当該社会のありようを如実に描き出す。保育や教育に期待される役割、待機児や虐待、

いじめの問題など、社会の変化とともに子どもをめぐって生じるさまざまな課題は、その時代 や社会を反映する。

 「こども学」は、子どもに関する諸学問の学際的、協働的なアプローチによって子どもを捉 え、子どものより良い成長を支えていこうとするところに特徴がある。かねてから保育学や教 育学は、さまざまな学問領域からアプローチするものであるとされ、それはやがて保育や教育 へと収斂していくことが求められると考えられてきた。しかし、現在、子どものさまざま問題 について考え、対応するためには、より広い学問領域からアプローチすることが必要である。

すなわち、「子ども」について考えていくためには、保育や教育という観点からだけでなく、

より大きな社会的文脈の中で捉えていくことが求められている。子どもをどのような存在とし て社会の中に位置づけ、育てていくかという問題は、いわば私たちがどのような社会をめざす のかという問題である。

 たとえば、少子化が、わが国の大きな社会問題として認識されるようになって以来、この問 題の解決のためにさまざまな施策や取り組みが行われてきた。残念ながら、少子化そのものを 解決するには至っていない。その一方で、進行する少子化問題や子どもの育つ環境や教育の課 題は新たなフェーズに入っている。グローバル化が進む中、わが国は、人口減少、少子化時代 の子どもたちが生産年齢世代に成長し、高齢化率が上昇し、労働力不足が深刻化する中で、女 性の 8 割が働くことをめざす社会に向けた制度設計とその実践が急速に進められている。

 こうした状況下で、子どもや保育について、どのような課題があり、どのように考え、どの ように実践していけば良いのか、そして保育者養成はどうあればよいのか、哲学、歴史、心理 学、医学、小児神経科学、社会学、経済学、制度や政策などのより広い学問、研究領域の協働 によって、その知を結集し、子どもを大切にする社会のあり方、子どもを育てる知と実践を追 究することが強く要請されている。

 わが国の社会が大きな転換点にある今、この『こども学研究』が、さまざまな知の交流の場 となり、今後の子どもに関する研究の充実と発展に寄与し、子どもたちのより良い未来の実現 に役立てるものになるように願っている。

健康発達学部こども学科 学科長 太田 光洋

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