学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2014 年 3 月 26 日(水)
報告番号: 乙 第 2068 号 氏名: 永井 賀子
論文審査
担当者 主査 教授 林 由起子 印
副査 教授 後藤 浩 印
副査 教授 山本 謙吾 印
審 査 論 文 の 題 目 : Ocular vestibular evoked myogenic potentials induced by bone-conducted vibration in patients with unilateral inner ear disease.(一側内耳疾患における oVEMP の検討) 著 者:Noriko Nagai, Yasuo Ogawa, Akira Hagiwara, Koji Otsuka, Taro Inagaki, Shigetaka Shimizu, Mamoru Suzuki
掲載誌:Acta Otolaryngol 134:151-158 (2014) 論文要旨:
前庭機能検査として有用とされている前庭誘発外眼筋電位(oVEMP)は卵形 の機能を反映するとされ ているが、明らかでない部分も多い。そこで一側性内耳疾患の患者(前庭神経炎 22 例、突発性難聴 65 例、メニエール病 22 例)を対象に oVEMP を施行し、他の神経耳科的検査や臨床経過と比較検討した。そ の結果、前庭神経炎で oVEMP 異常を示す割合が高く、特に温度刺激検査で完全半規管麻痺を示す例で oVEMP の異常症例が多かった。突発性難聴では、聴力予後の悪い症例で oVEMP 異常の割合が高かった。
いずれの内耳疾患でも、cVEMP、SVV の異常と oVEMP の異常に関連は認められなかった。以上の結果より、
oVEMP は、上前庭神経由来の検査と考えられた。また、oVEMP は突発性難聴の予後を予測する可能性が考 えられた。
審査過程:
1. oVEMP の具体的な検査方法ならびに検査上の注意点について適切な説明がなされた。
2. oVMEP と他の神経耳科的検査との異同について、適切な説明がなされた。
3. oVEMP における眼球運動の影響について、適切な説明がなされた。
4. oVEMP の正常群における値、臨床重症度との関連について適切な説明がなされた。
5. oVEMP と SVV の結果の解離から、oVEMP が上前庭神経の機能を反映する可能性について適切に説明が なされた。
6. oVEMP が前庭機能の具体的な異常部位の診断に有用である可能性について適切に説明がなされた。
7. oVEMP の詐病を含めた鑑別診断ならびに治療効果の判定における有用性について適切な説明がなさ れた。
8. oVEMP をさらに活用していく上での今後の検討事項について、適切な説明がなされた。
価値判定:
前庭神経炎、突発性難聴、メニエール病といった異なる内耳疾患における oVEMP と他の神経耳科的検 査結果、ならびに臨床経過を総合的に解析し、oVEMP の有用性、特に診断的意義について的確に示した 研究であり、学位論文としての価値を認める。