学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2017 年 7 月 26 日(水)
報告番号:甲・乙 第 号 氏名:髙松 太一郎
論文審査
担当者 主査 教授 印
副査 教授 印
副査 教授 印 審査論文の題目: Radiographic determination of hip rotation center and femoral offset in Japanese adults: A preliminary investigation toward the preoperative implications in total hip arthroplasty(日本人の股関節回転中心と大腿骨オフセットの X 線測定:人工股関節置換術の術前計画 に対しての検討)
著 者:Taichiro Takamatsu, Takaaki Shishido, Yasuhito Takahashi, Toshinori Masaoka, Toshiyuki Tateiwa, Kosuke Kubo, Kenji Endo, Masaya Aoki, Kengo Yamamoto 掲載誌:BioMed Research International Volume 2015 , Article ID 610763, 6 pages (2015) 論文要旨:
変形性股関節症(OA)患者の人工股関節置換術(THA)において、股関節回転中心(HRC)および大腿 骨オフセット(FO)は、臨床成績に大きな影響を及ぼす重要な因子の一つである。そこで、日本人の適 切な HRC および FO を骨盤形態から推測可能か否かを検討した。臼蓋形成不全や関節症のない日本人 98 人(男性 60 人および女性 38 人)(62.0±16.7 歳)の立位正面レントゲン写真を評価した。骨盤幅、涙 痕-骨盤内腔上縁距離などの計測から HRC の外偏距離と上偏距離、FO を決定し、それらの関連について 検討した。HRC の外偏距離、上偏距離、FO の平均値は順に男性;37.8±3.5,15.8±3.0,36.0±5.8mm、女 性;33.3±3.2,15.7±4.2,33.4±4.9mm であった 。HRC の外偏距離は男性、女性ともに骨盤幅と有意に 相関した。HRC の上偏距離は、男性は涙痕–骨盤内腔上縁距離と有意に相関した。今回の調査により、THA における日本人 OA 患者のための適切な HRC、FO の基準値、および近似式を提示することができた。
審査過程:
1. 本研究は、東京医科大学医学研究倫理審査委員会の承認を経て、インフォームドコンセントを取得し た後に、倫理上適切に実施されたものである。
2. 日本人と欧米人の THA の原因の違いや術式の違いについての質問に対し、適切に回答できた。
3. 日本人の THA の増加の原因について、適切に回答できた。
4. HRC と FO を2次元的に決定することの限界と CT を用いた3次元的解析の必要性とその有効性につい て十分な説明がなされた。
5. 形態計測のみならず機能的測定を加えることで、術後成績の改善につながる可能性について十分な説 明がなされた。
6. 本研究の限界についても十分理解しており、今後の課題も適切に提示できた。
価値判定:
本研究は、日本人変形性股関節症(OA)患者の人工股関節置換術(THA)における適切な股関節回転中 心(HRC)と大腿骨オフセット(FO)の基準値、近似式を提示した点において新規性が高い。本研究の結 果は、インプラントの耐久性向上および力学的安定性の獲得に寄与し、臨床成績の向上に貢献する可能 性が高い点において、学位論文としての価値を認める。